先日新聞の読者投稿欄にて「会食恐怖症」なる病名を知った。
「会食恐怖症」とは人前でご飯を食べること(会食行為)に対して耐えがたい不安や恐怖を引き起こす心の疾患のこと。次第にその不安を避けようとすることで、友人関係、恋愛、仕事などで何らかの支障が出てしまい、「本来あるべき健全な社会生活が脅かされている」という状態が、半年以上続いている場合を指す。 「社交不安障害(SAD)」の一症例に分類されるものの、精神科医でさえ病名を知らないケースもあるマイナーな病気とのこと。
20代の投稿者は「・・・カミングアウトしたことにより食事に誘われなくなったり、関係性が終わってしまうことが怖く、打ち明けられない方が多くいる」「会食恐怖症という病気を多くの人に知ってほしい」「優しく受け止める人が増えると嬉しい」と書いている。
ごくごく当たり前の日常生活のひとつが苦痛になる大変さは想像も出来ない。これまで病名として確立されていなかったものが明確になる時代において、それは良いことでもある反面、その昔フリーターなる言葉が世の中に出始めた頃に「自分の居場所(職業)があるというのは時と場合によってあまり良いことではない」と言った人の言葉を思い出す。
もし実際に身近の人から会食恐怖症と伝えられたらどうするのか?を考えてみる。やはり投稿者が書くように、きっと本人が大変だろうからとお誘いは遠慮するかも知れないし、参加されたとしてもかなり気を遣うであろう会食について少し考えてしまうかも知れない。もしその病気を多くの人に認知されたとしても対応としては恐らくあまり大きく変わらないのかも知れない。投稿者の要望する「優しく受け止める」の中にはお互いの為に誘わないという優しさもあるのかも知れない・・・