村上春樹は、新刊本が出ると書店に行列ができる作家、図書館では予約しても順番が回ってこない作家であると知っていた。何度もノーベル賞候補になりながら落選しているのも知っている。
しかし、政治や歴史の本を読む者にとって、図書館に行っても探す書棚が違うので中々出会えない。偶々ブック・オフの書棚にあるのを発見した。ほんの出来心で『東京奇譚集』を買った。短編なので睡眠本にもなるだろうと。
読み終わって、奥付に著者略歴がない事に気がついた。まあ誰もが知る“彼”だからしょうがない。
マスコミやテレビの情報では、早稲田に記念館があるのだからワセダの学生だったのだろう。喫茶店をやっていたとか、ジャズが好きだとか。
ワセダ~ジャズ~喫茶店、昔、よくそういう動きをする学生が新宿には大勢居た。木馬ーDIG-DUG、そんな店で一日を過ごすのが日常だった。みんな大学に行かないことがカッコ良かっただけ。ともかくそんな時代だった。
大げさだが、死ぬ前に村上春樹ぐらい読んでおくのも一興と思った。
此の短編集の「小説」其々が読者参加型のストーリー探しのゲームに似ていた。これに嵌ると、結構な愛好者になるかもしれない。
来月辺りから、俄かハルキストになっているかも、…?