「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「初物」

2008年06月16日 | 季節の移ろい・出来事
苗を買って植え付けてからおよそ2ヶ月。ピーマンがようやく食べられるほどの実を付けた。そのすぐそばにあるビワの木に、こちらも口に入れられるほどの実がなった。

季節感が麻痺するほど、年がら年中ピーマンなどはお店に並んでいる。
でも我が家の畑で取れたのだから、正真正銘、旬の野菜であり初物である。ビワもまたしかり。

ビワは水分が多く、美味しかった。ピーマンは青黒く光り、ツヤツヤでこれまた美味しそう。
なのに、どちらに対しても我が身と重なって、何かしら物足りなさを感じる。

ピーマンは、図体は大きく、青光りする色や艶で人の目を惹きつけ食欲をそそる。しかし、外観とは裏腹に中味は空っぽ、しかも軽ーい。
誰かさんのことを言われているようでドキッとする。

ビワはビワで、あの大きさの実の割にはタネがでっかくて、実際に喉を通る果肉はほんのわずか。こちらも、見かけによらず実際の中身は大したことないねー、というささやきが聞こえてきそうで、ドキッとする。

「初物は東の方角を見て笑って食べなさい、いいことがあるから……」と親から教えられてきたが、どうも耳の後ろから余計な声が聞こえて来そうで、初物を完全には喜べない自分がいる。

こんなことを言うとピーマンもビワも立つ瀬がないと言って怒るだろうな。「私に中身がいっぱい詰まって、瑞々しかったらキューリの存在がなくなる」とね。またビワは「タネのない果物があったらお目に掛かりたい、タネがあればこそ、新しい芽が育つんだ」っていうだろう。

中身が空っぽなら外側を美味しく食べればいい。タネが大きいと言って嘆く前にビワの味を出せる物はビワ以外にないことを、知ってあげなければいけないんだよね。と自分に言い聞かせて、やっぱり、食べ物も人間もそれぞれに、いいところや特徴があることを考えて、ドキドキするのはやめようっと。

それぞれがみんな違って、みんないいんだよね。ピーマン君・ビワちゃん!!
       (写真:我が家で初めて取れた旬の味)


コメント (5)
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