「仰げば尊し」を大きな声で 最後の校舎 母親と手をつないで、在校生のアーチに送られて
あのカー君が、小学校を卒業した。
何事にもちょっと違った視点でものを見る。少し変わった角度から思考が入る。言ってみればちょっと理屈っぽい。
小学校入学を前にして、重いジジ・ババの腰を上げさせ、ついに東京タワー見学に連れて行かせた粘り強さも持っている。
そんなカー君が早、中学生になろうとしている。ここでまた、過ぎゆく月日の早さを改めて感じている。
スポーツはどちらかというとあまり得意ではないような。食が細く、好みも結構はっきりしていて身体的には小さ目である。身長ももう少し欲しい。
それに、スポーツマンに欠かせないファイティングスピリッツが乏しいのかな。オットリしているというのか、勝敗に執着を見せないところがある。
そうはいっても、スキー競技では常に表彰台を目指してはいる、と言う。が、結果が全ての勝敗の世界では華々しい成績を残してはいない。
表彰台常連の兄ちゃんにライバル心をたぎらせることもない。三男坊のように「いんたいする~」などとも言わない。
ところが、運動会の放送係でマイクを持つと人が変わるほどの流暢なアナウンスをする。「それはそれは一生懸命練習していましたから」と校長先生に言わせるほどの、陰の努力を惜しまない一面もあるのかな。
その他にも、ジジの目に映らない色んな所で色んなことを経験して、小学校6年間を過ごしたのであろう。
本人におめでとうを言うのはもちろんであるが、婿殿や娘に、「おめでとう、ご苦労さん」と、慰労の言葉をかけてやりたい。
どうひいき目に見ても、少し頼りないカー君ではあるが、ジジババにできる範囲のことをしながら、応援団をつとめるだけである。
中学校生活の厳しさからの逃げ場などと甘やかせる気持ちはないが、フッと息を抜ける木陰であったり、震える寒さに少しのぬくもりを与える、そんな存在として、くっつき過ぎず離れ過ぎず、ほどよい距離感で付き合っていくのだろう。
いずれにしたって、目だけは離さないよう心がけなければと、肝に銘じている。
小学校は卒業したものの未だ12歳。自分を自分でコントロールするには経験が足りない。そこにこの歳を重ねた世間を見る目が活かされるのかな。この世の出来事とは思えないような悲惨な事件などに巻き込ませないよう、霞みがちな老眼やメガネに磨きをかけて見張っていかなければ。
そしてやっぱり、精一杯のエールを送りたくなる。フレーフレー!カー君!!