「賛否両論ある中で、オリンピックが行われることに感謝したい」。これは、柔道73キロ級ゴールドメダリスト、ご当地山口県出身大野将平選手の優勝インタビュー第一声である。
目標として掲げた4年間という調整期間で、ベストな状態に仕上げたところで開会が1年延長。挙げ句に「やるべきではない」などの声が、アスリートの心まで折ってしまうのではないか、と心配した一人である。
その分、エアコンの効いた部屋で、それぞれの種目、それぞれの立ち位置で力を出し切ろうとする選手が、国内のあちらこちらで大活躍する姿を応援できることは、まさにあの世への手土産であり、人世の贅沢の極みである、と思っている。そして、勝って一緒に嬉し泣き。負けて「捲土重来を期して次を!」と立ち上がる彼を、彼女を心から応援したい。
レベルの違う話ではあるが、小6の孫君が、この暑さに負けるどころか「暑い」なんて言葉を口にせず、必死に投げ、必死にバットを振る姿に重ねて、オリンピアンを眺めるジジバカではあるが、兎に角スポーツを通して、長い人生の心身の骨格を形成して欲しいな、と欲張ってしまう。もちろん、いいことよりも辛いことの方が多いであろうスポーツ人世ではあるが、本人が望むなら経験させてやりたい世界ではある。
勝っても負けて心底楽しませてくれるオリンピック。よくやった!!の声を掛けながら精一杯の応援を贈りたい。