釜で刈り取り、水揚げしたばかりの春ワカメ
波除のコンクリート製テトラポットに根付いて、ゆ~らゆ~ら波に漂って成長、新芽を伸ばした春ワカメ。
地域活動を長いこと一緒に頑張った仲間から届けられた。まさに水も滴るこげ茶色のワカメさん。
熱い湯をくぐらせると真っ青に早変わり。伸びた新芽をちょっと失敬、醤油を垂らしてつまみ食い。こりゃ旨い!。潮の香りが鼻をくすぐる。まさしく「今が旬」最もおいしい季節である。
若いころにはこんなものはどこでも採れた。瀬戸内海沿岸に住む人にとってアサリや岩ガキ、それにワカメなど、海辺に下りさえすればすぐ手に入っていた。やがて海が汚れアサリはあっさり姿を消した。工場排水汚染による海水の酸欠などで砂場からアマモが消えた。小魚も住まくなった。いわゆる磯焼け症状でワカメも生えなくなった。
そこへ目を付けたのが、私たち地区社協の「山を守り 川をきれいに 海を豊かに」環境保全活動。
具体的には、冬場に散々お世話になった使い捨てカイロの灰。学校や職域に貯めてもらうお願いをして、春になったら回収し灰を取り出して、目標の海辺に沈める。方法は色々あるが特許申請されたものが多くて、独自に考案したつもりの海洋散布も特許権に抵触したりするケースがある。仕方なし原始的な方法で海洋散布して数年。ようやく効果を表し始めた。冒頭の波除コンクリートのテトラポットに生えるようになり、漁船を横付けにして釜で刈り取るほどになった。同時に磯焼けしていた砂場にアマモが生えて子魚も済むようになった。そんな気の長い話であったが、ワカメの成長がみられるようになってからは、食卓に乗るのは意外に早かった。
多くの人のパワーを結集し、小さな努力を繰り返して今がある。みんなみんなご苦労様。春ワカメサイコー!!