なんてんの花
正月の門松や玄関の活け花にルビーの息吹を吹き込む南天の実。半年先に紅い実を結ぶためにいま、真っ白い無数の花を咲かせている。
難を転じて福となす・・・と言われる南天。木の実を好む小鳥たちによってどこにでも運ばれ、落とされた排泄物が土に根を張り、それこそどこにでも自生する力強さを秘めている。隣の空き地だけでも大小合わせて数えきれないほどの南天が生えている。愛すべき逞しさ、子孫繁栄の模範を示している。
植物も動物も子孫を残すということは本能的に備え持っているように思える。
あの優しい薄緑のモミジが、子孫を残すために自らのタネに羽を付けて出来るだけ遠くに飛ばして根を生やす。そんな様子をプロペラモミジと呼ぶのを教わったことがある。南天は小鳥のエサとなることで小鳥を媒体として子孫を残す。そこへ行くとモミジは自らの力で幅広い場所に子孫を反映させる。
ウ~~ン、何かを考えさせられる6月の植物繁殖期ではある。