昨日は三連休の最終日だったけれども「農天市場」はお休み。
ゆっくりと、畑仕事と思ったけれど、何気なく妻に「小出高校の試合は今日だなー」と言うと、
「トーちゃん、今日は休養日にして、応援に行かない」と言う。
ゆっくりと朝のドラマを見終わってからの話だから8時20分頃のことです。
それから、急いで仕事着を着替えて支度をし、越後川口インターから高速を使い、
九時開始の試合を三条機械スタジアムの有る、三条へと車を飛ばした。
「急がないと小出がコールド勝ちでゲームが終わってしまうかも知れないぞ」
なんて言いながら球場に入ると、三回までが終わっていて、なんと小出は劣勢に立たされている。
それでも、五回の裏はスリーベースで上げた一点と、その走者がパスボールで帰り一点差に。
これで、次の回をきっちりと押さえたらなんとかなるぞと思ったのだが・・・。
スベルべママの友人の息子で、エースで四番の「駿」君の調子が上がらない。
今朝の新聞を見ても「外角投手は直球にこだわった」と論評が有り、
本人も「調子は悪くなかったけれどもストレートが高めに浮いてしまった」と話したと書いてある。
調子が悪くなかったというのは、エースの意地で素人の私から見てもなんだかコンディションが悪いように見えた。
対する、糸魚川のエースは二年生の左腕ながら、内角、外角に変化球を交えて投げ分け、
小出高校打線も戸惑って、早いカウントから打って出て、凡打になるケースが多い。
これは両投手共に同じ条件だけれども、アンパイアが内外を広くストライクゾーンにしていたことも有る。
どちらかと言うと、技巧派で左右のストライクゾーン一杯に投げ分ける左腕に味方したようだ。
「駿」くんは打席でも、その四番の本領を発揮できない。
その後七回にも一点を加えられ、駿君はマウンドを背番号10に譲る事に。
そして、いよいよ二点差のまま球界の裏を迎え、私たちは手に汗を握り反撃に期待した。
打順も上位打線で期待したのだったが、二番、三番と倒れ、ライトの守備に付いた四番の駿君に打席が回る。
すると、なんと四番のメンツもかなぐり捨てたかのような意表を突くセーフティーバント。
ファーストにヘッドスライディングを見せた四番の駿君はユニフォームの胸を泥だらけにして生きた。
そして、キャッチャーのパスボールで二塁にまで進塁し反撃なるかと期待したのだったが。
そして、次の五番打者も四球で塁に出て反撃に益々期待を持たせる。
ピンチにマウンドに集まる糸魚川ナイン。
そして、踏ん張る左腕エースに期待の六番も内野ゴロに打ち取られゲームセット。
二点差で負けてしまい、小出の夏、「駿」くんの夏は終わってしまった。
四番のメンツもかなぐり捨てて、出塁を試みた「駿」君の気持ちは痛いように分かった。
エースである自分の投球で、負けてしまうと言う、切なさ、責任感が私たちにも伝わってきた。
でも、いくら頑張ってもそれに対して、結果が伴わない事も人生には有るのだよ「駿」くん。
敗戦はショックで切ない事だろうけれど、どうか、この貴重な体験を人生に活かしてもらいたい。
私たちは応援席に居たであろうご両親に会わず、そっと球場を後にした。