畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

これ、カマキリそうとんがるなよ

2012-08-30 05:25:55 | 自然

 灼熱の炎天下で、秋野菜用の畝立てをしているとふと、視野にカマキリの姿。


 「蟷螂の斧」である、腕を振りかざし威嚇している。
いやいや、ご苦労なことだ。どうして、こんなに暑い灼熱の土の上で突っ張るのだ。

 額の汗をぬぐいつつ、思わず我が姿に重ねて思いを巡らせてしまう。
若い時から、ちっぽけな正義感を振りかざして生きてきたけれど、私のそれも「蟷螂の斧」だったのか。


 カメラを向けると顔を回して睨みつける。 


 位置を変えてもなおも顔を回して睨む。
いやはやご苦労な事と、つまんで草むらに投げると、途端に羽を伸ばして飛び立つ。


 でも、なんと再び草むらから飛び立って再び灼熱の畑の土の上。
前方に小柄なカマキリがもう一匹。お、お前は大柄だから、雌であり繁殖相手の雄を探していたのか。

 ゆさゆさと身体をゆすり、威嚇するように歩く姿に再びわが身を重ねてしまう。
私も知らず知らずのうちに、周囲を威嚇するような生き方をして来てはいなかっただろうか。

 カマキリの雌は案に相違して、雄を無視して反対側の草むらに取り着いた。
なんだか彼女の意思、思惑は私の想像するものとは遥かに違ったようだった。

 でもな、カマキリよ肩肘張った生き方は、もう止めようよ。
他人は他人、自分は自分だよ。自分自身の終息、終焉のために力を抜いて歩こうじゃないか。
コメント (6)
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