
山から帰りながら農天市場を見る。
ようやく雪も無くなって、これからが魚沼の春の本番です。

急斜面を振り返り、滑る足元に気を付けながらの帰り道。
この斜面は30数度は有ろうかと言う急斜面、いや、45度を軽く超えているのかな。
そのため、厳寒期でも雪がとどまる事も無く、常に剥き出しで有り春が早く来るのです。

「ゼンマイぶーとー」と呼ばれる、着物の袖を取って背中にくくりつけるような入れ物がプロ仕様。
その「ぶーとー」の中から少しだけのゼンマイが顔をのぞかせる。

「ゼンマイ」が貴重品なのは、険しい山から採って来るだけでは無く、
こうして、頭頂部に冠っている「ワタ」を取ったりの後処理にも手がかかるところ。

そして、大鍋でタイミングを見計らいながら茹で上げて乾燥します。
でも、乾燥してクルクルと縮みあがった完成品にするまでは、繰り返し揉む必要がある。
この日も家の前にムシロを広げて揉みながら乾燥し、農天市場の畑に行くときも、
4時過ぎにマックスと山の畑の残雪を偵察に行くときも、軽トラの荷台に乗せていました。
時折り荷台を覗いてゼンマイを揉むトーちゃんでした。
天候さえ良かったら数日でゼンマイも盛りになるでしょう。
(終わり)