クレソン圃場への水の取り入れ口です。清冽な水が大量に流れ込む。
圃場を一周した水はこうして元の水路に落とされる。
クレソン(その1)
ある日、妻の実家の二つある池の一つでクレソンを見つけた。
不思議に思った、誰かが植えたのだろうが、そんな事をするのは私以外にはいないと思うのだが、記憶に無いのだ。
キツネにつままれたような気持でいたが、しばらくして植えた犯人は分かった。
私に劣らず、と言うか親の私に似たというか、結構食べ物に執着する娘が植えたのだった。
春の雪解け水に乗って山女さえ迷い込む冷たい水の池。
「こんな条件がきっとクレソンには良いと思う」と言う私の話に、スーパーで買ってきて食べ残したクレソンを、
そっと植えたのだと言う。
でも、二つの池のうちの一つのその池は浅くて、主な用途は冬の雪消し用。
毎年秋になると、溜まった泥や生えた水草の整理を苦労しながらしていた。
その仕事にはクレソンは邪魔な存在でしかなかったようだ。
(続く)