初めの頃は「スズキチグループ」のオーナーシェフ鈴木将氏が直接畑に。
今は7店舗も展開する実業家の顔もあり、中々本人が仕入れに来ることは難しくなった。
スズキチグループの社員の皆さんが研修名目で畑の手伝いに来る。
野菜中心メニューの飲食店とは言え、畑仕事など見たことも無い若者も多いですから。
畑の苦労が報われるとき(その1)
畑仕事に夢中になっているうちに、いつの間にかと言う感じで年老いてしまった。
それでも楽を追い求めるでもなく、就農当時と大きく変わったことは、トラクターや畝建て機を購入した程度。
相も変わらず、かたくなに農薬を嫌い、肥料の大半を堆肥に託す畑作を続けている。
サツマイモは父祖の代から何十年も作り続けている作物だけれど、同じ畑の一定の場所で、
土中の虫に食われ、深い傷の穴が付いたり、肌が荒れたりする場所がある。
これはその一定の場所に細長い害虫が生息し、収穫の際にサツマイモに半分身体をめり込ませた状態で、
見つかることさえ有る。
毎年「土壌消毒をしたら虫は居なくなるのだがなー」と、消毒をすべきか、主義に従って使わずに行くか、
心の中に葛藤が生まれる。いえ、結果として未だ土壌消毒さえ実施せずに今日まで来ているのだが。
畑の作物の生産量が増えるに従い、あちらこちらと出荷せずには家族や親族だけでは消化しきれなくなり、
出荷さえ始めてしまった。縁あって長岡の野菜中心のメニューの「スズキチ」グループと付き合いが始まり、
その付き合いも10年近い、信じられないような長い期間になった。
(続く)