畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載196「千鳥破風」(その3終わり)

2019-05-28 04:06:19 | 暮らし

       千鳥破風(その3終わり)

 囲炉裏の周りに敷いたムシロを剥ぐと下は板張りで、板を外すとそこはさつま芋などを格納する穴倉になっている。

土を掘っただけの貧相な穴ではあるけれど、囲炉裏の温度が幸いし、さつま芋は腐ることも無く、保存できるのだ。

ただし、その地下の穴倉も体積は小さく、そこに仕舞ったさつま芋が無くなると、

山の中腹に掘った「芋穴」までカンジキを履いて出かけ、叺に入ったさつま芋を背負ってきて、地下の穴に入れる。


 一冬に何回かそんな仕事を繰り返していると春になるのだが、地下の穴倉には餌を求めた鼠が入り込み悩みの種。

そのために「パッチン」と呼ばれた、バネの力で鼠を捕まえる仕掛けが入れられていた。

家族団らんを楽しんでいるうちに、お尻の下で「バッチーン」と大きな音がすると、一匹捕獲と言う事になる。

吹雪の下でもそんな貧しい暮らしながらも、寒さに耐えながら春を待っていたのだった。

           (終わり)

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真夏日の炎天下に里芋を植える(その1)

2019-05-28 04:03:36 | 野菜

 この地方の里芋植えは、直植えは少し無理です。

気温地温が上がりにくいので、畑に仮植して藁などを掛けて保温し芽の出を促すのです。

 

 早い種イモは早くも里芋らしい葉を広げ始めています。

植え付けには、絶好のタイミングと言える時期を迎えたのです。

 

 一昨年、友人からマルチを掛けてから植える方法を聞きました。納得の方法でした。

昔、サラリーマン時代に職場、線路の近くで里芋のマルチ栽培を見て興味を覚えたのでしたが。

 

 マルチ栽培で欠かせないのがこの穴掘り器。

事前に間隔を計り、マルチへの穴あけ道具で穴を開けます。

 そこへ、エイヤーとばかりに穴あけ器を力一杯振り下ろす。

そっと脇に土を落とし、穴の底に植えてから丁寧にその土を埋め戻します。

       (続く)

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