オーダーメイド(その2終わり)
今では珍しくも無くなったのかもしれないが、その後学生服などの制服も廃止された学校も出現し驚いたものだ。でも、毎日同じ服装も少し情けないと思うし、毎日服装に気を配らなければならない学生生活ってのも大変だと思いましたが。
時代をさかのぼり、恋に目覚め、大人の入り口とも比喩される、中学生時代も面白かった。当時、昭和30年代の終わりのころにラッパズボンなるものが流行った。一人の洒落者が見事に裾が広がったラッパズボンを着用して登校してきた。驚いた同級生たちが調べると、なんと器用な彼はズボンの裾に丸い針金の輪を仕込んでいたのだった。
その後成人して、イタリア製、イギリス製はともかくとしても、銀座の有名店か何かで、一生に一度で良いから高級なスーツをあつらえてみたいなんて思ったものだった。アメリカの大統領が着る高級そうなスーツでなくても、せめて日本の政治家程度のスーツでもね。しかし、サラリーマンを退職し、畑で土まみれになって働いているうちに、スーツが似合うスタイルでも、顔の色でも無くなったようだ。
(終わり)