夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

西 尚美 先生 「ブレーメン動物園においで」あおば

2006-06-13 23:37:13 | 本と雑誌

上・下 巻 漫画です

大会社の お嬢様で ある事を嫌い 家を出て働く美冬 彼女の両親は 弟の死後 離婚し 父は行方不明 母は再婚し 年の離れた弟を産んだ

父が死に 美冬には 動物と喫茶店が 遺された 売り払ってサッパリするつもりだったのに

美冬は 父の形見の動物と店を 引き受けることに

スーパーの経営者と ボランティアの青年 二人のいい男に 好意も寄せられる

お人好し の 集まる ブレーメン

動物も人間達も みんな幸福になれる 優しくなれる場所

あるといいですね

動物が好きな方へ

じわじわと 暖かな気持ちに なれます


萩尾望都先生「フラワー・フェスティバル」小学館文庫

2006-06-13 23:23:50 | 本と雑誌

バレリーナをめざす みどりは 血の繋がらない兄 薫が好きだ

その薫の口添えもあり イギリスのバレースクールのサマー・キャンプに参加できることに

兄の恋愛 兄を巡る血縁 うわ~と混乱しつつ

二転三転 みどりは 重要な役で 舞台に立つことに

女の子って どうだったっけって 思いながら

のほほんボケッとしてるようで 強気なところもある みどり

これからも色々あるだろうけど シアワセになれると いいな

漫画です^^;


古田求著「バルトの楽園」潮出版社

2006-06-13 15:47:38 | 本と雑誌

映画「バルトの楽園」脚本家自身によるノベライズ

映画の各場面の写真入りなのも嬉しい

先月でしたか ラジオで浜村淳さんが 映画の解説をしておられ 実話である旨をおっしゃっていました

第一次世界大戦にて 捕虜となったドイツ人の収容所が 四国は板東の地に作られます

そこの所長は会津出身でした 武士としての誇り これを大事にして相手の立場を思いやる 信頼に重きをおき

持ち上がる問題を一つ一つ片付けていきます ドイツが降伏し戦争が終われば 捕虜達は国へ帰っていきます

その前に 自分達によくしてくれた 板東の人々に何か思い出に残るものを

ベートーベンの第九が演奏されることになりました

阿波の鳴門と言えば 巡礼の地としての 印象が強いです お芝居の「とと様は」などを思い出します

その地に捕虜とはいえドイツ人が多く暮らしていた おとぎ話のようにも 思えます

ビール チーズ パン ケーキ 自給自足で牛も育てた やるじゃないか日本人 威張っていじめるだけの軍人ばかりでは なかったことが とても嬉しいです

サッカーのドイツ大会が開催中ですが

ケンカの拳骨より 笑顔で握手が 絶対いい 嬉しい

そう思いました

個々の人間の前に国境はない 国境を作ってしまうのは 己の利害のみしか考えない権力に拘泥する 一部の人間なのだと


秋月達郎著「奇蹟の村の奇蹟の響き」PHP

2006-06-13 15:19:19 | 本と雑誌

映画「バルトの楽園」関連小説

四国は板東(現在は徳島県の鳴門市)の地にできたドイツ人捕虜収容所 青島でドイツ人に戦友を殺された松五郎は ドイツ人は嫌いであった けれど 仕事で やむなく出入りするうちに 同じ人間として 気持ちが変化していく

ドイツが降伏し 捕虜達は 帰国する

だが彼らは 多くのものを 残していった


畠中恵著「アコギなのかリッパなのか」実業之日本社

2006-06-13 13:05:08 | 本と雑誌

「しゃばけ」「ゆめつげ」などで人気の作家の現代物

急に現れた弟を育てる勤労学生・佐倉聖(さくら せい) 彼の仕事は元・大物国会議員の持つ事務所の事務員 けれど仕事の内容は 料理に持ち込まれるトラブルの解決―と 雑用だ 過去にちょっと{やんちゃ}で腕にも覚えある主人公 学校卒業したら カタギのサラリーマンになって 政治関係の世界からは 足を洗ってやる~~~と 思っているのですが?! 元議員の実力者 その弟子の議員達 いずれ面白い個性を持っております

本が売れたらシリーズ化の可能性もあるかもしれません

面白いですよ


山本周五郎著「町奉行日記」新潮文庫

2006-06-13 13:04:48 | 本と雑誌

「土佐の国柱」山内一豊死去にあたっての唯一の心残り 三年の間に土産を作って参れ その遺言に 自分は汚名を着ても 命を投げ出した斧兵衛

「晩秋」仇の世話をする事となった都留は 母の形見の懐剣胸に秘め 機会を伺ううちに 権力者だった老人の 真実を知り―

「金五十両」どうとでもなれ―裏切られ利用され続けてきた男の荒んだ心を救う お滝 その言葉に従い 見ず知らずの武士に頼まれた金を届けにいく

「落ち梅記」友人が立ち直る為に 妻となるはずだった人も譲り やりがうる仕事にも つけるように計らい・・・

「寒橋」家つき娘で苦労知らずだったのが 夫が浮気し子供も出来たと聞いて― 娘の幸福を願い 死への旅立ちの前に 代わりの罪引き受ける父親

「わたくしです物語」ある経験以来 人のしくじりをなんであろうと ―わたくしです―と名乗り出る男 その縁談相手だった娘のとった行動は 思い切ったもの 振り回される苦労性の国家老

脇キャラの名前遊びも楽しいです

「修業綺たん」腕に覚えあり乱暴働く男 彼は とんでもない修業をする事になる それは―

「法師川八景」お腹の子の父親の急死 一人でも無事に産もうと誓う娘 元許婚者の武士の心遣い 娘の心の成長

「町奉行日記」一度も出仕せず 解任された奉行がいたという 幾人もが出来なかった仕事を 陰で片付けていった男

「霜柱」ふできな息子を持った父親 それと知らず鍛えられていた男は不満に思っていたが 親としてのけじめの行動 こうあって ほしかったであろうに かなわず


山本周五郎著「花杖記(かじょうき)」新潮文庫

2006-06-13 13:03:56 | 本と雑誌

「武道無門」臆病ゆえの用心 細心で 主君を助けた男は 望外の出世に ―その器ではなし―と迷うが 妻の言葉に・・・

「良人の鎧」機嫌とりの貢ぎ物用の犬を斬った男は そこを見込まれ密命を受ける その為に仇持ちとなるも 後の合戦あるまではと 逃げ続け・・・ それぞれの{思い}が 清々しい好編

「御馬印拝借」かねて想っていた相手との話が まとまっていたのに 死地に赴く別の男に押し切られ 本心でない言葉を出した娘 子細を知り 源七郎のとる後々まで考えた身を捨てた行動 選択 人としての心の深さ 器の大きさ

「小指」小間使の八重の小指は僅かに曲がっていた 平三郎は時々うっかりする その癖を以前にあった事から 八重は{袴}と呼んでいた

平三郎に縁談あり そこで彼は自分の心に気付く 八重は けれども?! 幾年経とうと気付かないかい?あんまり大きな{袴}すぎないかい―と 笑わせつつ

「備前名弓伝」いつも伯父を歯痒がらせている武士 だが彼は一矢のみにて見事に 誰もが射外した狼を倒す そこをねたんだ人間に挑発されるも―

「逃亡記」姉の恋を成就させる為 妹の考えた計画は― 振り回される男と 瓢箪から駒―な展開

「肌匂う」結婚相手を決めなければならない男は誘われて― 結局 その時の相手に気付けず もういかんともしがたくなってから {誰}だったか知ることになる

気付くでしょ 普通・・・とは 思うのだけれど

「花杖記」父の思いがけぬ死 生前うまくいっていなかった息子は 死なれてから逆に父親を近くに感じ 死の真相を探ろうとする

「須磨寺附近」現代物で 人妻の理解しがたい言動に振り回され 苦悩する男 似た設定の話が 幾つか別にあり 神戸 何考えているのか思わせぶりな言動とる人妻 気にかかる題材であったのでしょうか

星氏の描かれたカバー画の木も美しいです