夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

山本周五郎著「松風の門」新潮文庫

2006-06-19 08:23:40 | 本と雑誌

「松風の門」誤って主君となる人の片目を傷つけてしまった少年は 大事あれば命投げ出すべくと 心に決め 長じて妻帯すれど 後顧に憂い 未練を残す後継ぎさえ作らなかった

「鼓くらべ」鼓の上手を競う試合を前に 必死の練習をしていた少女の前に ある老人が現れた

好きで楽しむべきもの 彼女は老人が 誰 であるか気付き
鼓の試合相手の娘の表情に 今までの自分を見る

「狐」お城に起きる怪異の噂 その真相を突き止めた男は 噂を消す為に ある行動に出た 妻とのやりとりも ほのぼのとした一編

「評釈堪忍記」堪忍すべしと新しいお役目に就くに当たり さとされ 我慢を重ねてはみたが―

「湯治」金を引き出す兄 妹の縁談もあるというのに
自分は嫁き遅れても やくざな兄の事も見捨てられず 妹にも幸せになってほしい

「ぼろとかんざし」幼馴染みを捜し 想い出を語る男 けれど老人から見た真実は ひどいものだった 捜す幼馴染みは落魄れ
それでも男にとっては 大事な大切な・・・

「砦山の十七日」正義の為に決起した武士達 だが思わぬ反撃に合い 隠れ立籠もるが そこへ 中に結婚相手のいる娘が 報せを持ち駆付ける 将来を悲観しぼやくもの 陰険な望みを抱くもの 失恋に悲しく思い詰めるもの

希望と絶望の間で 追い詰められていく者

「夜の蝶」惚れた手代の高次が大金持ちいなくなり 残されたお嬢さんは気がふれた

旅の男は そんな噂を聞かされるが 一人の老人は言う

違うんだ 本当は 高次は 金なんて持ち出してねぇ
旦那は商いに失敗し お店に金なんざなかったのだ 旦那が恥かかねぇように・・・

旅の男は言う 誰か一人でも真実を知っていてくれたら 高次も本望でしょうよ―と

「釣忍」長兄は勘当された弟を探し当てるが 弟は兄の気持ちが判るからこそ 酔ったふりして 芝居をうつ ささやかな暮らしの中で 互いに相手を思いやる夫婦

「月夜の眺め」下っ引きに連れていかれそうになる少年 浪人 伊藤は ひと声かけ 状況は一変した・・・

「あざみ」妻の変わった言動 何か思惑ありげな知人の言葉

男だから 女だから それだけが原因ではなかったが

「醜聞」融通きかず堅い男は ある人間と再会し
自分について言われた言葉や その人間との関係 色々気付き 思うところもできてきて

「失恋第5番」終戦後の日本 惚れっぽい男は失恋も得意だった ふられる理由は?!