聖蘭女学院の生徒 正木彩音は合唱部だが よく不気味な幻聴 頭痛に襲われた
妊娠していたルームメイトが転落死
同じ部の何人かが行方不明になるが 彩音はその断末魔の姿を見ているのだ
呪いを解く方法があるという生徒までも惨死する
そして惨劇
合唱部の生徒全員が血まみれで死ぬ
彩音も重傷を負うが辛くも命はとりとめる
だが正気はほぼ戻らなかった
事件は行方不明となっている顧問が犯人とされたがー
やがて廃校となった女学院の建物は不気味な声が聞こえると付近の住民の騒ぐところとなり テレビ局が取材に乗り出した
音響研究所の響子は協力を要請され 音から謎を解こうとする
事件当時の資料と現場から浮かび上がるものは・・・
日本の美しいわらべ歌
物語は物語として 歌う人がいなくなりませんように
歌に罪はありません
優しい少女アリシアはその親切さが仇になりつけ込まれてさらわれる
顧客の要望叶える組織が求める条件に当て嵌まったのだ
日本では大道寺諒子が 相手が家柄にそぐわないという理由で お腹の子を中絶しなくてはいけなかった
彼女は恋人 瀬島孝輔と別れ その後 親の勧める男と結婚するが
一人目の子供は心臓に障害あり
二人目を流産した時に妊娠不可能な体になる
医者からの極秘情報で 心臓移植を海外で受けた子供は手術は成功するが その後死んでしまう
自分の中絶 その後の事情を知る医者の話は諒子を驚愕させた
諒子はその心配を胸に留めておけず 子供の手術の時 偶然再会した瀬島に連絡を取る
瀬島は身近にあった事と思い合わせ ある疑惑を確認すべく諒子に移植された心臓の遺伝子を調べるように告げる
最悪な予想は当たってしまった
名門の令嬢諒子の胎児の胎盤からつくられる人間
受精卵を体に植えつけられ ただ子供を産む道具とされる娘達
瀬島の知人女性も元華族の家柄と優れた頭脳ゆえ卵子目的に拉致された
瀬島の部下マリオの弟もまた
飲んだくれの老人テオドロは呆れるくらい大金を持っているのがわかり 数年前娘をさらわれたオランドは 行方不明になる子供達の事件との関わりを疑い 話を聞く
オランドは日頃から貧しい地域に住む仲間を気遣う親方でマリオの消えた弟の行方も探してくれていた
施設に閉じ込められた麻里は 手話で芝生の世話をする建物の外の男と意思の疎通をはかり 瀬島に自分の状態を連絡してくれるよう依頼する
その男から筆談で事情を教えられた瀬島・マリオ・オランドは力を合わせて施設を襲い 人々を助ける決意をする
生まれなかった命の為に
生きながら臓器を抜かれた人間達の恨みもまた晴らせたら
オランドの娘の為に元軍人だった男達も加わり戦いは始まった
一番悪い医者が逃げのびてしまう
つまりは世界の何処かで臓器移植 命の弄びで金にするということだ
ひどくおぞましいことではあるが 現実にあっておかしくない事件
いや多分世界の何処かでは もっとえげつない手術がされているかもしれない
白泉社に清水玲子さんの「輝夜姫」という作品がある
これが確か世界の名門 有名選手などのクローンを島で育てているー島から出る時は 臓器を抜かれるーあとは内臓を殺さない為の器として存在する
物語はそれだけでなく もっとスケールが大きいのだがー
命を生かす為に別の命が犠牲になる
スペアとしての存在
全ては金に換算されるのか
何処までが医療で許されるのだろうか