中村主水(藤田まこと)の旧知の女性で頼まれて死体を処分する仕事をしていたアヤメ(加賀まりこ)が凄まじい臭いのするゴミ屋敷に住みつき ゴミと一緒に捨てられた老人達の世話をしていた
アヤメの昔を知る主水は驚く
しかも仕事人の匳(れん 田中聖)も その手伝いをしていた
恐持ての見掛けの割に仕立て屋の匳は 面倒見が良く世話好きの心優しい熱い男なのだ
その純さが 仕事人を続ける上で命取りにならなければいいのだが
その頃 大きなおつとめ(仕事 盗み)をして江戸を離れていた土蜘蛛一味が次の仕事の為に戻ってきた
アヤメは屋敷に隠されていた土蜘蛛一味の盗んだ金を見つけ 捨てられた老人達の面倒を見るのに使っていた
戻ってきた土蜘蛛一味は当然隠しておいた金を取り戻そうとする
アヤメは主水に用心棒を頼むが 仕事人の仕事は 晴らせぬ恨みを晴らすことだと断られてしまう
アヤメは自分や老人達が殺されたら その恨みを晴らしてほしいのだと金を預けるのだった
付け火(放火)を消す時のバケツ・リレーのやり方から老人の知恵に感心する匳
ここ以外に行く場所は無い 何があろうとここで死ぬんだ
老人達の言葉に心打たれ 守りてぇと思う匳だが
主水と会った時の匳の表情から 仕事人と見抜き その将来を思うアヤメに 巻き添えにならないようにと 追い出されてしまう
言葉に出さない加賀まりこさんの表情が 豊かで とてもいいです
長い芸歴も伊達ではないと話を引き締めます
やがて土蜘蛛一味が襲ってきて 老人達をアヤメは守ろうとするけれど 多勢に無勢 斬り殺されてしまいます
襖絵描きに屋敷に出入りしていた仕事人の涼次(松岡昌宏)や お菊(和久井映美)などの調べで土蜘蛛一味と結び付いた黒幕の旗本の存在も浮かび上がり
仕事人が夜 闇に紛れて仕事を始める
仕事人の始まりの頃 ややとってつけたように見えた東山紀之演じる渡辺小五郎の 婿いびりのいびられ方もだいぶ形になってきました
キャストを見ていて何より驚いたのは 多分 老女を演じておられたのでしょうが 雪代敬子さんの名前でした
東映映画の時代劇によく出演しておられた方です
今も現役で女優を続けておられるのだと とても嬉しくなりました
老け役で逆に美しさを感じさせられた加賀まりこさん
土蜘蛛の一味の頭を演じた綿引さん
ああ時代劇を心得たベテラン達の演技はいいな
これこそ時代劇よねと
出色の出来の話となっておりました
寄せ木細工と小銭入れに関する野際陽子さんのとぼけた場面も 中々楽しかったのでした