会社のミスを引き受けさせられる形となり子会社どころか孫会社の営業で働くこととなった男
口約束だがお人好しにも一年で本社に戻れると思っていた
家族とも離れ単身赴任
往復の交通費も馬鹿にならないから妻は家へ戻ってこなくていいと言う
娘も妻も連絡はメールでと
慣れない仕事はうまくいかない
上司も底意地が悪い
やがて妻から届いたメールは要領を得ず
電話を入れても通じない
仕方なく妻の妹の優子に連絡を取る
警察からは妻が自宅で男を殺したーそう知らされて
反抗的な娘
取調べ中の妻には会えない
どうすればいのかわからない男
弁護士も妻の妹が見つけてくれた
独身時代から妻に手を出そうとしていた上司
産婦人科には妻が中絶手術をしたカルテ
そのうち妻の裁判で 娘が殺したのは自分だと言い出し
次には母親が殺したのは自分だと
妻 娘 母
誰が殺したのか
家族はこのままバラバラになってしまうのか
刑事の言葉から やっと男は気付く
自分が信じるべきは誰だったのか
犯人は男の妻への憎しみゆえに その家庭が破壊されればいいと願っていた人間
読み始めるとひたすら読み続けてしまいます
次はどうなるーと
解説は書評家の杉江松恋氏
きめこまかな内容で伊岡舜の他の小説もまた読みたくなるようにひろげていってくれます
「悪寒」に登場する刑事が出て来る他の小説にも触れて