夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

朝井まかて著「恋歌(れんか)」 (講談社文庫)

2020-03-23 15:52:27 | 本と雑誌



樋口一葉の歌の師 和歌を教えた中島歌子

歌子が遺した―君にこそ 恋しきふしは 習ひつれ さらば忘るることもをしへよ

それが亡き夫への想い そう取ってそこから著者は史実も入れつつ物語を紡ぎあげた

商家の跡取り娘は恋をして思いつめる

世間知らずの娘は江戸を離れて 水戸へ

桜田門外の変 天狗党と諸生党との争い 同じ水戸藩でありながら その妻子までが殺し合いに巻き込まれ
囚われて首を斬られる


恋は叶った 恋する人の妻にもなれた

しかし しかし
夫といられた時間は短かった

明治維新

主義主張の違いで 多くの人が命を落としました

新しい時代は多くの命の犠牲の上に訪れたとも言えるでしょう

いつの世も どんな時代も人は恋する 夢を見る

大きな時代の流れの中で浮き沈みしながら


解説は大矢博子さん