夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

堂場瞬一著「割れた誇り ラストライン2」 (文春文庫

2020-03-16 09:58:31 | 本と雑誌



事件に関しては読むだけで記憶している岩倉剛(いわくら ごう)
離婚を前提として妻子と別居中
両親が離婚すると娘の大学への進学に差し障るということから籍は抜いていない

20歳ばかし年下の恋人がいる

まだ正式には離婚していないのにーここが弱味といえるかもしれない

未解決の事件について考えるのが好きでいつか本にしたいと思っている

岩倉は他の署が逮捕した容疑者が裁判で無罪となり その容疑者の田岡が暮らす家が自分の属する署の町であったことから 様子をみてくるように言われる

人は一度逮捕されると 周囲は実はやっているんじゃないか
人殺しが近所に住んでいては恐ろしいーと思う
その暮らす家に石を投げたり落書きしたりー

無言電話をかけたりー

田岡の無罪判決が許せない男 光山は幾度か田岡の家まで押しかける

岩倉は田岡をよく知る元警察官の協力を得て 田岡の家がトラブルに巻き込まれないように動くのだが

 光山は死んだ  殺されたらしい

ネットに流れる無責任な噂

岩倉は自分をつけ回す 刑事にも手を焼く
どうにも嫌な男なのだ

父親が自殺 それでも暮らす家を離れたがらない病身の母親 身を寄せ庇い合ってきた兄弟

真面目に生きてきた兄は 弟を守ろうとしていて




全てが終わってくじけず生きていこうとする田岡
ここが この作品の救いかもしれない

世間から冷たく見られ嫌がらせを受けても 自分の為に家族の為に働く


「市民の役に立つのが お巡りさんの仕事なんだよ そうあるべきなんだ」
そして事件があれば 正しい犯人を 本当の犯人を捕まえる

捜査ミズからの冤罪はあってはならないー

そうした考えの岩倉はたびたび捜査会議の中で浮き反感を持たれることもある

50代 若い頃ほど熱くはならないが 枯れるトシでもない

そんな岩倉を主人公とするシリーズです