解説は百田尚樹氏が作家となる前から交流があるという岡聡氏
本作が書かれるまでの経緯にも触れており なかなか興味深いです
「日頃はつらい思いをしている女の子にも夢みたいな報われる日があってもええやないか、っていう話なんや 絶対に面白い話になるよ!」
と百田氏は言ったそうです
第一話「魔法の万年筆」よりにもよってクリスマスにクビを言い渡された恵子 資金繰りが思わしくない弟になけなしの200万円を振り込んだ後
このタイミングでー
クリスマスに浮かれる夜にただ一人 食事する相手もいない
昔いた恋人は お腹に彼の赤ちゃんがいるーという娘に譲ってしまった 優しさでソンをしてきた恵子
3日食べてないというホームレスへ温かな食事を渡し500円玉もあげる
そのホームレスは 恵子を追いかけてきて言った 自分はサンタクロースだ魔法の万年筆をあげよう でも願いは3度までしか叶わないとー
古びた鉛筆を手渡された
信じたわけではないけど 弟の資金繰りがうまくいくように 自分にはケーキが食べたいーと書いてみる
どちらの願いもかなったことから 半信半疑で隣の部屋の男性の願いが叶うようにーと書いた
これで3つの願いはおしまい
恵子は鉛筆を捜すが もう鉛筆は消えていた
3つとも願いが叶い 恵子にも幸せが訪れる
第二話「猫」
雅子は自分をもてあそんだ男と別れる決意をした日に猫を拾った 病気で今にも死にそうな片目の猫
せめて温かな場所で死なせてあげたいと思った
その猫の元の飼い主は意外にも彼女が想いを寄せるようになりながら かなわないーと諦めていた男性だった
第三話「ケーキ」
夢の中で幸福な人生を生きた娘の物語
第四話「タクシー」
嘘の為に続けられなかった恋の話をする女 無言でその話を聞いていたタクシーの運転手 彼も恋を諦めきれずにいるのだった
第五話「サンタクロース」
火傷の跡という星の形
お腹の中の死んだ恋人の子供と死のうと街をさまよい歩く娘が出会った教会の牧師 その牧師の不思議な言葉
聖夜 どこかで奇跡があってもいい
愛で輝く夜があっても
だってクリスマスだから
クリスマスと愛と幸福の物語
人生は哀しみだけでは ないのだよと