百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

♪からたち日記が流行った頃

2008年07月16日 | 千伝。
さて、世界中のトイレが、台所よりも美しくなって、糞尿が流され捨てられるのではなく、エネルギーに変換された時こそが、初めて江戸時代を克服したと言えるかも知れない。

台所とは、料理される動物にとっては地獄である。

命を喰って排出する入り口と出口は、きれいに掃除することが、頂き物に対する感謝の礼だと思う。

ところで、兄の話では、はじめて水洗トイレを使ったのは、京都の旅館だったそうだ。

母の数え三十三歳の祝いで、お正月に京都で家族全員で過ごした。

昭和34~35年の頃である。

小生、わずか3歳ぐらいだったが、宿の中庭に鮮やかな朱色の太鼓橋があり、目を下にやると池の中にたくさんの鯉が泳いでいたのを憶えている。

大きな広間に豪華な畳・・分厚い座布団を積み重ねて、はしゃいで走り周っていたが、内心怒られると思いながら、宿泊客は我が家だけだったせいか、誰からも叱かられないまま皆笑っていたので幼い心でほっとした記憶がある。

・・それと、岩風呂というのがあって驚いた記憶がある。

数年後、父は、自宅の風呂を岩風呂に改造していたが、あとの掃除に困り、いつのまにか元の風呂の形状に戻っていた。

因みに、あの京都で宿泊した旅館は、枳殻荘(きこくそう)という宿だったらしい。

インターネットで調べると、まだ商いをされているようで嬉しかった。

そのうち・・懐かしさを求めて宿泊したい宿であります。