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空気に水を差す

2008年07月23日 | 千伝。
昨日の産経新聞の産経抄コラムで、山本七平氏の著書の内容が紹介されていた。

山本七平氏と言えば、「日本人とユダヤ人」で一躍注目された評論家である。

山本氏は、17年ほど前にすでに亡くなられたが、今尚、彼の著作が出版され売れている一方で、山本日本学を批判する勢力が現在に至るまであり、これほど評価が分かれている人物は珍しい。

大学時代、大講堂で山本七平氏の講演会があり、当時マスコミ志望だった小生は、ほぼ一番前に座って聴いたことがある・・何故か、空席も多くがら空きの状態だった。

見た目は線の細い方であったが、何か妙な質問をしても受け流されるような雰囲気を持った紳士のような温顔な方だった。

話を戻るが、昨日の産経抄コラムで、山本氏の「日本人とアメリカ人」の内容を引用していた。

日本人の美徳は、秘密を墓場まで持っていくという意識がある・・例えば、年金記録の紛失、大分県の教員不正採用の際の答案用紙の紛失、海上自衛隊の航海日誌の廃棄、厚生省の血液製剤によるC型肝炎リストの放置等々・・。
・・日本人は、何かあれば隠蔽工作をするとしか思えない日本人気質があるのではないかということである。

一方のアメリカは、国立公文書館に文書は集積されて、恥部といえる部分も、いつか白日のもとにさらすという。

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~産経抄コラムに記載された「日本人とアメリカ人」から抜粋~

「われわれは、罪を意識して秘(ひそ)かにじーっとしていれば・・それ以上追及しないのは武士の情けなのである」と言う。

「四辻(よつつじ)に立って『うそ偽りなく、私は罪をおかしました』と大声でその内容を懺悔(ざんげ)すれば、それ以上追及されない」

・・とアメリカ人と日本人との文化の違いは大きい。

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現在の日本人の内面気質は、この両面が育まれているのではないかと思う。

・・「空気の研究」では、人間はサルから進化した説を支持するなら、何故、同じサルから進化した天皇を現人神と崇めることができるのか?・・というインパクトの強いメッセージがある。

また、日本人としての「空気を読め、それに従え」は、今流行のKYの雰囲気を連想してしまう。

現代の新たなる「危機の日本人」に対して、山本氏の「水を差す」意見を日本教徒として拝聴したかったものである。