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ハンムラビ法廷~初恋はツンデレ判事!?~ DVD-SET2 |
エル(INFINITE),Ara,ソン・ドンイル,リュ・ドクファン,イ・エリヤ | |
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン |
レビュー一覧は、こちらから。
所長を囲んで部長判事会議が開かれました。
そこで、話の成り行きで・・・と言うか、ハン部長判事が墓穴を掘ったかたちで忙しい刑事部の仕事を民事44部が手伝うことになってしまいました。
ま、民事部でありながら、刑事部も兼任するということですな。
ますます忙しくなります。
バルンはすっかりオカンムリ。皮肉をちくちく言いました。44部は、こういう垣根の無い関係でいられるところがとても良いです。
このところ、飲酒絡みの事件が続いていることが、バルンには苛立つ原因となっていました。
セクハラや事故など、酔っていたことを理由とするのが、彼には我慢できないのです。
飲酒運転を繰り返す老人がいました。執行猶予中だと言うのに、またお酒を飲んでバイクを運転したところを捕まっていました。
この事件は、チャオルムが担当になりました。
老人には、善処を求める意見が出されました。事故を起こしたこともなく、バイクで山の麓の施設に卵を届けてくれているんだ・・・と。いい人なんだと。
麓の村でお酒を飲むことが唯一の楽しみだけど、家まで帰る手段が無いと老人は言いました。事故を起こさないよう、ゆっくり運転してると。
自覚してるんです、悪いことだと。でも、そうするしか無いと考えているのです。
幸い、住民同士のつながりがあって、チャオルムが声をかける前に、助け合おうという方向で動き始めていました。ほっとしたチャオルムでした。
もう一人は酒乱の性質が原因で前科26犯と言う経歴の男性。26犯と聞くと、凶悪犯のイメージですが、素面の時は弱々しい雰囲気の男性で、起こした事件は皆軽微なものでした。
でも、何度も繰り返すのはやはり隔離すべきだと検事は主張しました。これは、バルンが担当となりました。
44部でも意見は分かれました。
軽微な事件に検察の出した求刑は重すぎるとハン部長判事。70才という年齢を考えると、やはり重すぎるとね。
でも、バルンは、れっきとした強盗障害だと言いました。執行猶予中の犯行ゆえ、量刑が重くなるのは、本人も分かっている筈で、本人の責任だとね。
刑務所に入るということは、人を檻に閉じ込める事だとハン部長判事は言いました。良いとは言えない環境下に老人を置くのだから、1年と言えど、軽く考えるなと。
元々、お酒に強くないバルン。だから、学生の頃も飲酒を強いられても断固として拒否してきました。
酔って迷惑をかける人間が問題だと思っていますからね。
ある日の帰り、電車の中で酔っぱらって大声で騒ぐ男性に会ったバルン
見て見ぬふりを決め込んでいましたが、どんどん酷い騒ぎ方になって来たので、我慢できず、注意しました。
そしたら、怒った男性が掴みかかって来ちゃって。
結局、取り押さえ警察に引き渡しました。
ウンザリしました。
26犯の男はアパートで一人暮らしをしていました。寂しい生活だと予想できました。
でもね、チャオルムがそう言うと、バルンはそれは暴れた理由にならないと言いました。社会的弱者だからと言って、暴れる権利は無いと。
それぞれの事情も考えなければいけないんじゃ?・・・と言うチャオルムとは、意見が対立しました。
ところで、チョン判事とイ速記者とは、交際を始めています。
ちゃらちゃらしてて、人当たりも良く、上司にも上手く取り入ることが出来るチョン判事。でも、根は純粋で真面目です。
ミステリアスなイ速記者に惹かれ、しっかり者の彼女に気圧される状況ではありますが、想いは真剣です。
イ速記者も、チョン判事の内面をちゃんと見ていました。まっすぐに自分を見つめてくれる心に惹かれたのでしょう。
無表情だった彼女に笑顔が増えています。
ところが、周囲にいるのは二人を祝福する人ばかりじゃありませんでした。
裁判所の中だと言うのに、やはり一般の会社と同じように学歴や家柄等で無意識のうちに差別意識が働いているのです。
同僚判事が、イ速記者のことを卑下した噂をしているのを耳にしたチョン判事。思わず殴りかかってしまいました。
それを、上司に見られちゃった。
前科26犯の男性が住んでいるアパートに行ってみたバルンとチャオルム。
同じソウル市内だと言うのに、来た事はもちろん、存在すら知らなかった貧しい場所でした。老人の所帯がほとんどで、それぞれが貧しく寂しい生活をしていました。
男性が暴れた食堂にも行ってみました。
そこでは、頭に包帯を巻いた女性が一人、後片付けに追われていました。でも、あまりにも大変で、ぐったりと椅子に座り込む姿がありました。
チャオルムは言いました。
悪い人や酷い人はいなくて、劣悪な環境や酷い状況があるだけなんじゃないですか?・・・と。
被告人に罪があるとしたら、気力を失ってることじゃないでしょうか・・・。飲まなきゃやってられないんだもの・・・と。
そうかもしれないが、それを免罪符にして良いんだろうか・・・と、バルンは言いました。その弱さのせいで、傷ついた人がいるんだから・・・と。
難しいですね、ホント。
チャオルム担当の飲酒運転の老人の判決が決まりました。
執行猶予中の事件だから、実刑は免れません。ただ、老人には収監するよりアルコール依存症の治療の方が必要だとチャオルムは言いました。
老人が約束を破った場合は、実刑宣告し、収監すると。
バルンもハン部長判事も納得しました。
そして、前科26犯の男性ですが。
検察は懲役5年を求刑していました。
バルンは散々悩みましたが、心神耗弱による減刑は認められないという結論に達していました。自分が酒乱だと言うことも、十分承知していたわけですし、どんな辛い状況にあっても己の行為には責任を持つべきだとね。
結局、この男性には今回の事件で懲役3年6ヶ月の刑が言い渡されました。それに、前回の刑期が加算されるので、5年の服役となりました。
男性は、無期懲役で無かったことを喜び、礼を言いました。
バルンは満足したわけではありませんでした。
人間は己の行為に責任を持つべきだが、弱い人間を泥沼に放置する社会に責任は無いのだろうか・・・と言う思いが彼の頭を占めていました。
その日、ハン部長判事は44部で飲み会を開きました。
何となくすっきりしない気分を吹き払おうと思ったのでしょうね。
その時、TVのニュースが財閥会長の業務上横領と背任の罪で起訴され、懲役5年を宣告されたと伝えました。財閥では異例の宣告です・・・と。
それを聞いたバルンは、昼間見た男性の姿が目に思い出されました。同じく5年を宣告され、感謝していた姿を。
バルンはショックでした。
同じ5年なのに、その罪の重さは大きな差があります。そして、刑が重いと感じるか軽いと感じるかも、差があります。
自分が下した結論は、正しかったのだろうかと苦しみました。
飲めないお酒をがぶ飲みしたバルンは、トイレで吐き、そして、泣きました。
酔いつぶれたバルンを、チャオルムが家まで送りました。
肩を貸そうとするチャオルムの手を振り払い、言いました。
こんなに迷惑をかけちゃいけない・・・と。
「構いません。時々迷惑をかけてください。私に。」