レビュー一覧は、こちらから。
僕が全て元に戻す。お前のために死んだ今までの犠牲者を救ってから、お前を殺す・・・とジンギョム。
「お前が始めたから、僕が終わらせる。」
老人がジンギョムに銃口を向けた次の瞬間、何かの光が
そして、ジンギョムの姿が消えたのです。
ジンギョムが目覚めたのは、どこかのトンネル。
どの時代なの?と思ったら。
そこは、2010年。母ソニョンが殺される日でした。
昔と同じように時間は過ぎて行きました。
裏話が描かれていました。ソニョンの誕生日のその日、ケーキを買ってくれたのは、ドヨンでした。
全く気が利かないジンギョムにしては珍しいと思ったんですよね。
ソニョンの携帯に電話したジンギョム。しかし、ソニョンは出ません。
ソニョンは、ソク所長を訪ねていました。
巻き込んで済まないと謝りました。そして、タイムトラベルの研究等は忘れてほしいと言いました。
タイムトラベルで人が幸せになれると思っていたけど、それは誤りだったと言いました。
「タイムトラベルは欲望や執着を人の心に残します。」
ソニョンの話を聞いて納得したソク所長は、中止するための行動に協力すると言いました。
が、ソニョンは一人で解決すると言ったのです。
ジンギョムは、警察署に向かいました。コチーム長しか頼れる人はいないと思ったのです。
コチーム長は、目の前のジンギョムが高校生のジンギョムとは別人だと察しました。別の次元から来た者だと。タイムトラベラーであるコチーム長しか、頼れないと思ったのは、このことでした。
コチーム長は、自分はソニョンを殺すつもりはないと言いました。
ジンギョムは、分かっていると答えました。
ジンギョムは事情を話しました。母ソニョンの死は防げないと。そしてソニョンだけでなく、多くの人が犠牲になると。
「先生はどこですか?捕まえます。」
と、ジンギョムは言いましたが、コチーム長は、先生の居場所を知りませんでした。
「お母さんと逃げろ。それなら協力できる。」
と、コチーム長。
母には秘密に・・・。母は僕のために世界の秩序を変えようとしないから・・・とジンギョム。
それに、逃げたら、死んだ人たちを救えない・・・と。
その中に俺もいるのか?と、コチーム長が不安そうに聞きました。でも、ジンギョムはいないと答えました。せめてもの嘘でした。
一度抱きしめてもいいですか?と、ジンギョムは言い、そっとコチーム長を抱きしめました。
会いたかった・・・と呟きました。涙がこぼれ落ちました。
コチーム長は、ジンギョムの行動は思ってもみないことでした。だから、問いました。
「そこでは俺たち親しかったのか?」
「母の死後、死ぬほど辛かったです。でも、おじさんのお陰で立ち直れました。」
ジンギョムは、ソニョンの行動をずっと見守りました。
ソニョンが同じように一人でお酒を買いに出かけました。
あのドローンが出現するのも同じです。
必死にドローンから逃げるソニョン。ジンギョムも距離をあけて追います。
途中でソク所長がジンギョムを引き止めました。
「息子を必ず引き留めてくれとお母さんから頼まれた。あなたを守りたいんです。何をしようと未来は変わりません。」
と、ソク所長。
しかし、このソク所長、タイムトラベラーだったのです。ジンギョムを止めるために来たと言いました。
そして、銃を突きつけたのです。
その時、コチーム長が
コチーム長のお陰で、ジンギョムはソニョンを追う事が出来ました。
家に駆け戻ったソニョンの前に、老人のジンギョムが現れました。
こんなになるまで私を探し回ったのね・・・とソニョン。こうなるとは思わなかった・・・と。
あなたが時の扉を開いたせいで、私はたくさんの人を殺してしまった・・・と老人。
「罰は私が受ける。だから、ジンギョムには手を出さないで。あなたみたいになってほしくないの。」
とソニョンが言うと、自分の様な怪物をつくりあげたのは、あなただ・・・と老人が言いました。
あなたが息子を怪物にした・・・。
そこに、ジンギョムが銃を構えて飛び込んで来ました。
撃たないで撃てば2人とも死ぬわ
と、ソニョン。
構わないと、ジンギョム。
ソニョンのために死をも恐れないジンギョムに、老人が言いました。
お前はこの人の本当の姿を知らない。この人が何故1992年に残ったのか分かるか?と。
「予言書を1992年に読んだ。その時子供の持つ力を知った。子供が死ねば、時の扉が閉じる事も知った。だから残ったんだ。自分が作った時の扉を維持するために。」
そんな人じゃない・・・と言うジンギョムの声に合わせて、老人も同じ言葉を言いました。
つまり、ジンギョムの言動を全て知っているということですね。経験済みということですよね。
「今日お前は母親を守れない。そして母親を救う方法を求め何十年も彷徨う。私のように。何故私が怪物になり、お前も怪物になると思う?次元を彷徨った末にお前は気づくだろう。この人を救う方法はたった一つしかないと。そして1992年に行き、自分の誕生を阻止しようとする。」
目の前に現れた老人のジンギョムを見ても、1992年のテイは息子だとは勿論分かりません。
「今、時の扉を閉じなければあなたは死ぬ。まだ間に合います。戻って時の扉を閉じるのです。」
と、老人が言っても、テイは意味が分かりません。
誰?と聞くと、老人は答えました。
存在してはならない者です・・・と。
「その子を諦めてください。生まれたら、時の扉を閉じる機会を失う。あなたとその子のためにも、その子を葬ってください。」
しかし、その時のテイは、お腹の子を守ることしか考えていませんでした。
老人に銃を突きつけたのです。
「あなたはその子に殺されます。あなたを助けたい。」
必死に言う老人。
それでもテイは拒否しました。
「それが本当だとしても、私は母親よ。立派に育てる。」
老人も引きません。剣を取り出し、テイを刺そうとしました。お腹の子を狙いました。
が、一瞬先に、テイが発砲。
弾は老人の肩に当たりました。致命傷じゃなかったようですね、だから生きていたと言う事です。
立ち去ろうとしたテイに、老人が涙をこぼしながら呼びかけました。
母さん・・・と。
それで、テイは老人がお腹の子の未来の姿だと察したのでしょう。
でも、信じたくありませんでした。そのまま姿を消したのです。
「この人は、息子が怪物になると知ってて産んだ。そしてお前を愛するフリをした。この人のせいで、私たちは望まぬ人生の中で怪物となる。私の苦しみが分かるのはお前だけだ。お前に苦しみから抜け出すチャンスをやる。この人を殺すんだ。」
と、老人。
そうよ・・・と、ソニョン。全てわたしのせいだから・・・と。
でも、ジンギョムは銃を老人に向けました。
今聞いた話が真実だったとしても、母を守りたいと思う気持ちに変わりはなかったのです。
「僕たちが死んだら、全て終わる。」
ソニョンが、その銃を抑えました。
ソニョンも、ずっと罪悪感と恐怖に苛まれて生きて来たのです。
何とか、変えたいと思って足掻いたけど、どうにもならなかったのです。
時の扉を閉じてしまったら、息子が消えてしまうという恐怖が彼女には一番大きかったのです。
母親として・・・。
「私が消えても、子供が無事ならいい。私を許せなくても彷徨わないで。」
そして、ソニョンは自分に向かって引き金を引いたのです。
泣き叫ぶジンギョムと、血まみれのソニョンを、老人は呆然と見つめました。
「あなたの母親でごめんね。」
と、ソニョン。
「母さんの息子で幸せだった。次も母さんの息子になる。」
と、ジンギョム。
ソニョンは息を引き取りました。
そんな筈ない、私を殺そうとしてた、何故代わりに死ぬんだ・・・と狼狽して老人が叫びました。
「母さんだからだ。僕らのために全てを捨てた母さんを覚えておけ。」
そう言って、ジンギョムは銃を取り上げ、老人を撃ったのです。
老人は、消えて行きました。
アリスが自ら崩壊しました。
時の扉が閉じたということでしょうか。
時は2010年。
ソニョンの誕生日。以前と同じように過ぎて行きました。
ただ違うのは、ソニョンは一人でお酒を買いに行かなかったこと。高校生のジンギョムが一緒でした。
ジンギョムは失感情症では無いみたいです。
その様子を、窓の外からジンギョムが見つめていました。
幸せそうな二人を見て、ジンギョムも消えて行きました。
ソニョンはそれを察したようです。
そして、テイは2020年で目覚めました。
周囲の全てが変わっていました。いえ、正確に言うと、ジンギョムだけが消えていたのです。
ジンギョムの存在は完全に消えていました。誰もジンギョムが存在していたことを知りません。
最初から存在していなかったようです。
その他は、全てが元通りになっていました。コチーム長もキム刑事も、先輩も。
テイの記憶の中では、全てが生き生きと残っているのに・・・。
しかし、ジンギョムからもらったペンダントは消えずにテイの手元に残っていました。
それを胸にかけ、テイは一人ジンギョムを思っていました。
頑張って幸せに生きると、テイはジンギョムに約束しました。ジンギョムが命を懸けて守ってくれた人生だから。
ドヨンがタイムトラベルについて、インタビューをしに来ました。
「タイムトラベルは可能でしょうが、作ってはいけないモノだと思います。過去が大事であるほど記憶だけに留めるべきです。時間を巻き戻すことは、ただの人間の欲望です。」
テイの話を聞いて、ドヨンは一人の建築家を思い出したと言いました。
過去を残すために建築を始めた人なんだとか。
「記憶や感情は時間とともに薄れていくけど、空間は時間を保管すると聞きました。」
と、ドヨン。
その言葉、以前、テイがジンギョムに話した言葉でした。
その建築家が、ジンギョムでした。
テイは会いに行きました。
しかし、顔を合わせても、ジンギョムは知らない人を見る目で通り過ぎて行きました。
テイはたまらず声をかけました。
でも、やっぱりジンギョムはテイを覚えていません。
人違いだと言うしかありませんでした。
テイは、ジンギョムが全ての記憶を失っていると言う事は、幸せな人生を過ごしている証拠だと納得しました。
ジンギョムは、声をかけて来た女性のことが心に引っ掛かっていました。
無意識のうちに、テイの顔を描いていました。
以前、ふいに思い浮かんだ家の絵を描いていました。自宅の傍に立っているのは、今日会ったテイに間違いありません。
駆け出しました。記憶が戻ったようです。
自宅だった家の前にテイがいました。あの絵のように。
「遅くなって済みません。」
ハッピーエンドです。
難解でしたが、これは、母と息子の物語だと思えばよいでしょうかね。
そして、過去は過去のままおいて、未来を見つめるようにと。
チュウォンssiも流石だし、キム・ヒソンさんの変わらない若さに驚かされました。
お勧めですね