有馬美季子氏の著書。
お葉は幼い頃、流行り病で両親を亡くし、奉公に出ました。
奉公先を紹介してくれた親戚の者は、体よくお葉を売り飛ばしただけでした。
お葉は5年間のタダ働きをすることになってしまったのです。
後になってそれを教えたのは、奉公先のお内儀とその娘。
綺麗で優しそうに見えた二人ですが、本当は正反対の意地悪さを持った者たちでした。
お葉は、2人から散々に虐められました。
自分は何の価値も無い人間なんだと刷り込まれ、生きる気力を失くしてしまいます。
結局、お葉は川に身を投げてしまうのです。
助けてくれたのは、町医者道庵。
不愛想な道庵は、お葉に失った我が子の姿を重ね合わせたのか、必死に治療してくれました。
道庵がしたのは、体の治療だけではありません。心の治療をもしてくれたのです。
道庵だけではなく、周囲の心温まる人たちのお陰で、人を信じることをお葉は思いださせてもらいました。
お葉の再生の物語です。
とても心が温まります。
世の中にはいろんな人がいるけれど、こちらの心の持ちようで、環境も変わっていくのかもしれないと思わせてくれました。
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