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北方領土返還ぶち壊しの麻生外交

2009年05月30日 18時29分49秒 | 思考空間

 ロシアのメドベージェフ大統領が各国大使の任官式でわざわざ、麻生大統領が、「ロシアが日本の領土を不正に占拠している」と発言していることを批判した。これは異例なことであり、メドベージェフ大統領の不快感を表したものだろう。麻生首相は外交に強いと自任し、宣伝しているようだがまことに的外れ、何も分かっていないと言わざるを得ない。

 首相は発言には気をつけなければならない。家族と秘書以外の人間がいる場所でのプライベートタイムは無いと考えるべきだろう。今回の発言が、麻生首相の二枚舌と底の浅さを露呈させた結果、北方領土返還交渉は非常に難しくなった。勘違いの的外れな外交は辞めた酔っぱらい中川大臣と同様、国際的なヒンシュクものである。

 かつて、歴代の首相が人気回復のために、ロシアへ飛び巨額の資金援助などをちらつかせて北方領土の返還を迫ってはことごとく失敗してきた。首相は文字通りトップであり自民党村のボスだから、国内では多くが思い通りになり、官僚でさえ表向き逆らうことは無い。ところが外交では相手が有る。思い通りにはならない。

 ロシアは冷戦終了後、確かに経済が困窮し困っていた。金は確かに欲しかった。しかし、金をやるから領土を返せという乱暴な提案に乗るほど、精神的にハングリーではないのだ。何しろ、ロシアはヨーロッパと隣接し、ヨーロッパと同程度の歴史と文化を持っている。しかも、冷戦構造では東側の盟主で、世界で初めて人工衛星を飛ばした実績が有り、軍事力や宇宙技術では日本をはるかにしのぎ、現在でも世界一の核を保有しているのだ。 日本はかつて、ロシアに勝った歴史からロシアを甘く見ているのだ。

 ロシアが無尽蔵とも言える石油やガスを埋蔵し、やがてはこれら資源をバックに復活してくることは分かっていたが官僚は無視続け、自民党も外交的には何の手も打たなかった。ロシアとは経済的な協力関係を強くしておくべきだった。官僚は新しい事態には対処できないのだ。官僚に操縦されていた自民党も同様である。日本の外交は特に隣接する国々とは最悪である。これはアメリカがそうしているからでもあるが、日本の外交力が殆ど無力なことが災いしている。

 私が言えることは、北方領土を返して欲しかったら、現在のようにロシアを一方的に非難するのではなく、国民的なプロジェクトを立ち上げ、交流を深め、ロシアを尊敬し、ロシアを愛し、共通の平和と繁栄を心から願うのが大前提である。その上で、ロシアの懸念や課題を解決した上でお互いに満足のゆく提案をすることだ。その方法しか、全島もしくは納得のゆく返還は難しいだろう。ロシアは歴史と伝統が有り、優れた文化を持つ誇り高い人々が住む国なのだ。

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