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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

アメリカの姿勢が試される台湾への武器輸出問題

2011年09月11日 09時12分09秒 | 思考空間

 ここのところの中国の軍事増強は著しい経済発展をバックに、急拡大している。これに伴い中国と台湾との間に更なる軍事力のアンバランスを生じ、米国の懸念するところであった。クリントン国務長官は今年7月30日、中国の台湾問題担当の王毅(Wang Yi)主任とF16戦闘機の輸出について話し合った。10月1日までに輸出実施を正式決定したいとしている。

 これに先立って、クリントン国務長官ら政府高官を中国に派遣した。しかし中国政府は戦闘機を含む台湾への武器輸出に強く反対した。中国は軍事的観点だけでなく、金融や経済問題も絡め、恫喝し、行動で示し、あらゆる手を使って阻止しようとするだろう。中国が軍事力の行使で台湾を自国に吸収することは、悲願であり、将来計画の生命線だ。

 しかし、ここで簡単にクリントン長官が引き下がるようであれば、アメリカの未来に向けた対中国の軍事的敗北は約束されたことになる。現在の経済状況が続く限り、21世紀の早い時期に中国のGDPが米国を上回る。中国はその経済成長スピード以上に軍事力の拡大を図っている。いつか、軍事力で中国がアメリカを凌駕するのは明らかだ。

 1996年、中国が台湾沖にミサイルを撃ち込み、台湾独立化の動きをけん制した時には、米国は原子力空母ニミッツなどを台湾海峡に派遣し、事態を鎮静化させた。おそらく数年後には、台湾海峡に中国の空母が数隻出現し、その状況が状態化する恐れがある。既に米国が空母を台湾海峡に派遣することが難しくなっている。そして、突然の中国軍侵攻がおこり、中国による実効的な台湾支配となるのだ。

 当然、このことは日米同盟や更に日中関係にも大きな影響を及ぼす。尖閣諸島はあっという間に中国支配となり、軍事基地が建設され、九州付近は中国海軍が常時監視のためパトロールすることになる。国内では、日米同盟(中国がアメリカ軍基地を狙って核ミサイルを撃ち込む可能性がある)を破棄し、日中同盟を締結した方が良いのではないかとの議論が出始める。