中国の成長モデルの原型は日本であるが(中国は日本の成長過程を研究し続けた)、バージョンが3段階ぐらい高く、遥かに強力だ。日本(官僚支配)と中国(共産党支配)は強度管理体制という意味で共通点があった。
かつて通産省は「ノトーリアス・ミティ=悪名高き通商産業省」と呼ばれ、日本の発展に寄与した。ところが、官僚組織は見事にアメリカの諜報機関によってその監視・管理体制におかれてしまった。
中国はベースが自由選挙の無い独裁の共産党である。核ミサイルを持つ軍事力をバックにし経済成長をばく進する。為替はドルに対する固定で成長を阻害しない。流石のアメリカも中国共産党には介入できないし、歯が立たない。
しかも、かつての日本軍がそうであったように、強度管理体制では中枢にいる人間でさえ、全体の機械的な方向・動きには逆らえない。世界支配を狙う増殖マシンで、邪魔者は何であれ、攻撃を受け排除される。悪魔と言わず何と表現するか。
欧米が方向転換し(明確になったのは昨年秋)、投資を減らす中で、日本だけが16%増の投資を継続し、中国経済を支えている。今、日本が撤退しないと、悪魔が成長する餌とエネルギーを与えるだけだ。やがて、日本を支配する現実的な力となることだろう。
何故日本の一流企業が共産党への賄賂なしには進まない中国ビジネスを、目先の利益のために追い求めるのか全く理解できない。直ちに目立たないように撤退を開始することが未来の中国支配を防ぎ、あるいは遅らせる手段だ。
悪魔の中国だが、戦略的に見れば日本より中国の方が遥かに上。と言うか日本には戦略が無い。
中国はビジョンが明確であり、教育とリンクしている。情報収集に積極的で、ガードも堅い。現在に至る歴史分析ができており、打つ手は悪質だがしたたか、的確で早い。相手との関係や立場を分かっている。この反対が日本。