中国が認めざるを得ないのは、急激な出生率減に伴う労働人口の減少が明らかになった事だった。20世紀の終わりに僕がキャッチしていた情報は中国とインドがGDPで日本を抜き、やがて中国はアメリカをも抜くという予想だった。
中国は1950年から1995年ぐらいにかけて台湾を攻撃すべく軍事演習などを繰り返し、緊張が高まっていた。1996年、アメリカは台湾海峡に空母2隻を派遣し中国の動きを抑えた。当時、アメリカは軍事力で中国を圧倒していた。中国はやられたらやり返せと、アメリカを軍事力でねじ伏せるため、経済成長にシャカリキになっていた。
アメリカはそんな中国の動きを知らず、21世紀に入ってもアメリカ人は中国大好きと言っていた。僕が、アメリカの情勢変化を知ったのは、ヒラリー・クリントンが中国に対して、強硬な発言をしたからである。元々、ビルクリントンは親中国で、中国はクリントンを資金的に支援していて、ヒラリーも親中国かと思っていた。
中国がGDPで日本を抜いたのは2010年で予想よりはるかに早かった。2022年で中国のGDPは日本の3.9倍と比べるべきも無い。因みに、中国はアメリカの77%にまで迫っている。中国は自信満々だったが、アメリカが次々手を打ち、前記のような出生率低下もあり状況は変わった。
アメリカが手を打つだろうことは密かに予想していたが、現実になる確信は持てなかった。