Sixteen Tones

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カッコウの托卵 続き

2016-05-06 18:11:25 | 科学


この動画は20年前のものだが,先日のニック・デイヴィス, 中村 浩志・永山 淳子 訳「カッコウの托卵: 進化論的だましのテクニック」 地人書館(2016/4)と相補的.この本の訳者の中村先生が動画制作に関わっておられるようだ.

冒頭の孵ったばかりの雛が,肩で息をしながら,宿主の孵化前の卵を担いで,巣の外に放り出す場面がおぞましい.こうしてカッコウのヒナは育てのおやが運んでくる餌を独占する.
この動画はオナガが托卵の対象になり始めた頃のものだが,最近の研究によればオナガでは進歩して,カッコウの卵を放り出すことが多いらしい.
しかし,いったん雛が孵ってしまうと,育ての親は子育てを放棄しないらしいのは不思議 (ただしニック・デイヴィス本によれば例外もあるとのこと).

自然界は持ちつ持たれつという先入観があったが,この場合はカッコウ側は得する一方,宿主側は損する一方のようだ.
しかし,カッコウ側は卵の模様を変え,大きさを変え,殻を硬くする.メスは宿主が巣を留守にするチャンスを,何時間もじっと伺い,10秒足らずで卵を産見つける.
ニックさんの実験では,カッコウの行為を実地で忠実に真似るわけだが,「こんなに詐欺に苦労するならまともに子育てしたほうが楽なんじゃないの」という感想を漏らしている.

カッコウ側がやりすぎると,宿主の人口(鳥口)が減少し,共倒れになるわけだが,実際はそれ以前に宿主が利口になる.そうなったらカッコウはまた新たな宿主を開拓するとのことだ.

カッコウの数は減少しつつあるそうだ.
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