Sixteen Tones

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カッコウの托卵

2016-05-03 08:57:55 | 科学
ニック・デイヴィス, 中村 浩志・永山 淳子 訳「カッコウの托卵: 進化論的だましのテクニック」 地人書館(2016/4).

図書館の「新規購入」コーナーで発見.ここは退職した暇人のファン=ライバル多数.

ネットにはよく犬におっぱいを飲ませている猫のお母さんが現れたりするが,自然界の現象はもっと残酷.カッコウは他の鳥の巣に卵を産みつける.一日孵ったカッコウの雛は他の卵を放り出したりして,宿主が運んできた餌を独占して成長する.

Amazon によるこの本の内容紹介の一部*****
カッコウは托卵することで“親"という重荷を逃れ、普通の鳥より多くの卵を産む潜在的可能性を持ちます。それは宿主がだまされやすいうちは一時的に得をするかもしれません。しかし宿主が反撃すると、カッコウは結局だましのテクニックに複雑な手順が必要となります。詐欺の常習犯が最後はつかまって償いをさせられるように宿主の防衛は托卵の進化的成功を制限します。しかし、それでもカッコウは托卵を成功させ、現在も托卵を進化させています。*****

実は「托卵」するのはカッコウという種の半分くらいで,後の半分はまともに子育てをするとのこと.托卵組の卵は小さく,模様は宿主の卵に似せてカモフラージュ…なかなか大変だ.
ブックカバーの写真では小さい方が騙された親鳥だが,どうして自分の数倍もあるのを自分の子供と信じて養うのだろうか?

訳者の一人,中村さんは著者デイヴィス氏の学界ともだちとのこと.この本にも中村さんの成果が引用される.あとがきにはともだちの本を訳す楽しさが感じられる.
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