Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

京劇とwavelet

2016-05-30 16:57:18 | 新音律


京劇の「覇王別姫」クライマックス直前・敵が迫ってくる場面.ここで演奏される打楽器伴奏が乱錘(ランチュイ).音程がずり上がるのが特徴である.この「ずり上がり」を科学的に図示したい.



普通のフーリエ解析ベースの結果.
最初の一打の 0.4s 間を Amadeus で作ったソノグラムで見ると上のようになる.横軸が経過時間,縦軸が周波数 (対数スケール) である.一番下に横に走る帯が右上がりなのが,音程ずり上がりに対応している.

同じ現象が wavelet ではどうなるか.

wavelet について,ボクなりに手短にすっきりと理解できると思うのは,この 院生による学内セミナーのスライドである.
実はこの話題は,大学ではしたり顔でしゃべったりしたものの,自分で計算したことはない.
このたびもちょんぼ狙いでデータさえ入れれば計算してくれるサイトはないものか...とネットを漁り,コロラド大学の Interactive Wavelet Plot というサイトを発見した.



(b) の Wavelet Power Spectrum はこの分野ではスカログラム scalogram といい,先のソノグラムに対応するものである.ここでは時間単位は 200micro-s=0.2ms である.横軸は 0-0.4s までの時間,縦軸は周期だが周波数に換算すると,5Hz-2.56kHz を対数スケールでカバーしている.音声処理ソフトが対象とするソノグラムよりもはるかに低周波数側をカバーしているのだが,残念ながら原データを録ったマイクがこの領域をカバーしていない.網目がかかった領域は連続データから有限の時間領域を切り出した影響が大きい (従って解析結果があてにならない) 領域である.

ソノグラムよりも右上がりの傾向を呈する周波数領域が広いようだ.

wavelet は初体験なので,パラメータの選定が適正かどうかは大いに疑問です.



Mathematica でも命令一発で wavelet が実行できる.上の(b)に対応するこれがお仕着せの出力だが,これをカラーコード化するには...などと始めると後が大変そう.
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