Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

戦争小説短篇名作選

2016-05-11 08:55:20 | 読書
講談社文芸文庫 (2015/7)

講談社文芸文庫編だそうだ.解説・若松英輔.

作者はタイトルと共に表紙に書いてある.芥川派多数.直木派少し,なんでもない人少し.
戦争を正面からではなく,側面から扱った作品が多い.

なんでもない派の小松左京のは,戦後20年,突然若い男たちに「赤紙」が舞い込み,受取人は期日に蒸発するという,無思想・不条理のエンタメ小説.面白かったが,今の若い人たちにも通用するのだろうか.

直木派の野坂のは「戦争童話集」から.風船爆弾という史実に少し尾ひれをつけて小説に仕立てた感じ.

林京子は芥川派というより,原爆作家というイメージが強いが,被爆者の日常を描いたこの作品はやっぱりこわい.
目取真俊は沖縄の作家だそうだが,初体験.首のない少年兵の怪談だが,この本には珍しく救いがある.
吉行淳之介のは終戦日を挟んだ学生の自堕落な生活で,作者のイメージそのままであった.
エトセトラ.

自分は生まれが辛うじて戦前なので,図書館でこの本に手が伸びたらしい.
300ページちょっとの文庫本で定価1550円は高すぎ!?
コメント
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