路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【自民党】:安倍氏3選へ 地方票焦点 総裁選きょう投開票

2018-09-20 06:15:55 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党】:安倍氏3選へ 地方票焦点 総裁選きょう投開票

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:安倍氏3選へ 地方票焦点 総裁選きょう投開票

 自民党総裁選は二十日投開票が行われ、新総裁が選出される。安倍晋三首相(総裁)は既に国会議員票の八割超を固め、連続三選が確実な情勢だ。注目は党員・党友の直接投票による地方票の獲得割合。地方票でも七割を獲得すれば圧勝と言える。安倍氏の「勝ちぶり」が、今後の政権の求心力を左右する。 

 総裁選は国会議員票が議員一人一票で四百五票、地方票もそれと同数の四百五票に換算し、合計八百十票で争う。党員・党友の投票は十九日に締め切った。二十日午後に投票を行う国会議員票と同時に開票される。

 総裁任期は二〇二一年九月までの三年間。首相は次の任期中の改憲に意欲を示している。

 総裁選で、安倍氏陣営は組織力を生かし、地方票でも圧勝を目指してきた。陣営の理想は議員票と同様の八割超だが、七割を取れば議員票と合わせ六百三十票を超える計算で、百七十票程度にとどまる石破氏に「トリプルスコア」をはるかに上回る大差をつけることになる。

 一方、仮に安倍氏が地方票で六割程度なら、全体で六百票程度なのに対し石破氏は二百票台になる。国会議員票の八割超を固める首相が、地方票で六割程度しか獲得できなければ、世論と近い一般党員と国会議員との感覚のかい離が明らかになる。

 安倍氏陣営の甘利明選対事務総長は「六年前の総裁選で石破氏が獲得した地方票の割合55%を上回りたい」とあえて低い目標を掲げ、予防線を張っている。だが、六年前は安倍、石破氏以外にも他に三候補がおり、二人だけの今回とは状況が異なる。(金杉貴雄)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党総裁選】  2018年09月20日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党総裁選】:安倍、石破氏 最後の訴え 首相に声援と批判、一時騒然

2018-09-20 06:15:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【自民党総裁選】:安倍、石破氏 最後の訴え 首相に声援と批判、一時騒然

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党総裁選】:安倍、石破氏 最後の訴え 首相に声援と批判、一時騒然

 自民党総裁選に立候補している安倍晋三首相(総裁)と石破茂元幹事長は十九日、都内で別々に最後の街頭演説に臨んだ。改憲や経済政策などで、互いを意識した主張を繰り広げた。 

自民党総裁選の最後の訴えで、街頭演説する安倍首相(右)と石破元幹事長=19日夜、都内で

写真

 安倍氏はJR秋葉原駅前で演説し、九条に自衛隊を明記する改憲の必要性を強調。国民の九割が自衛隊を評価していると石破氏が指摘していることについて「自衛官の努力の成果だ。彼らが誇りを持って任務を全うできる環境をつくるのが今を生きる政治家、自民党の責任だ」と訴えた。

 麻生太郎副総理らも参加し、陣営によると約五千人の聴衆が集まった。「安倍さん頑張れ」との声援も起きる一方、一角では安倍氏を批判する数十人が「首相辞めろ」と声を上げ、騒然となる場面もあった。

 秋葉原で昨年七月に行った東京都議選の応援演説では、首相は「辞めろ」コールに対し「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と反発して批判を浴びたがこの日は演説を続けた。

 石破氏は、若者や外国人観光客らが行き交うJR渋谷駅前に登場。聴衆約三千人(陣営発表)に向かい、安倍氏の妻や友人に関わる森友、加計学園問題を念頭に「自民党は一部の人や地域のため(の党)ではない」と訴え、声援を受けた。

 「私がやりたいことは一人一人の所得を上げること。個人が豊かにならなくてどうして日本経済が良くなるのか」とも語り、アベノミクスの恩恵が届かない地方や中小企業の底上げで経済成長を目指すと訴えた。 (川田篤志)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党総裁選】  2018年09月20日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【公明党】:「改憲は優先度低い」 代表選 山口氏6選、首相けん制

2018-09-20 06:15:45 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【公明党】:「改憲は優先度低い」 代表選 山口氏6選、首相けん制

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【公明党】:「改憲は優先度低い」 代表選 山口氏6選、首相けん制

 公明党は十九日、任期満了に伴う党代表選を告示し、現職の山口那津男代表以外に立候補の届け出はなく、無投票で六選が確定した。山口氏はこの後の記者会見で、改憲は世論調査で優先順位が低いと指摘し、自民党総裁選で改憲への意欲を強調する安倍晋三首相をけん制した。

 山口氏は記者会見で、自民党との連立政権について「優先順位の高い政策課題を実行していくことが大切だ」と強調。「各種世論調査の動向を見ると(政策の)優先順位が表れており、憲法改正は高い順位とは言えない。このような動向も冷静に見極めながら、今後のあり方を検討していきたい」と指摘した。

 優先度の高い政策としては、経済や子育て政策の充実などを挙げ「政権が国民の支持を得るためには国民の声を的確にキャッチする力が必要だ」と語った。

 山口氏の六選は三十日に東京都内で開かれる党大会で正式に承認される。代表任期は二年。党大会では、党幹部人事も決定される。山口氏とともに党運営や自民党との折衝に当たってきた井上義久幹事長の去就が焦点となる。 (山口哲人)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・公明党代表選】  2018年09月20日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:南北首脳会談 非核化 後回しせずに

2018-09-20 06:10:55 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①】:南北首脳会談 非核化 後回しせずに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:南北首脳会談 非核化 後回しせずに

 北朝鮮側が再び、核放棄への意欲を表明した。時期や方法について具体的な約束はしなかったが、ひとまず対話は続きそうだ。南北関係改善を急ぐあまり、非核化を後回しにしてはならない。

 韓国の大統領が平壌を訪問するのは十一年ぶり。南北首脳会談は今年だけで三回目となった。

 文在寅(ムンジェイン)韓国大統領を、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が夫婦で出迎え、市内をともにパレード。自分の執務室がある朝鮮労働党庁舎で、初めて南北首脳会談を行うなど「破格の厚遇」を見せた。

 この歓迎ムードを反映するように、十九日の発表文には、非武装地帯での軍事的緊張の解消、開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の正常化、二〇三二年の夏季五輪共同開催の誘致など、軍事、経済、スポーツ、人的交流など多方面にわたる合意が盛り込まれた。

 首脳間で信頼関係が積み重なっていることを実感させる内容であり、歓迎したい。

 ただ、合意の六項目中、非核化についての言及は、わずか一項目にすぎなかった。

 北西部に位置する寧辺(ニョンビョン)核施設と東倉里(トンチャンリ)のミサイル関連施設について、永久に廃棄する意向を示した部分だ。

 具体的な施設名を挙げたのは前進だが、東倉里は北朝鮮がすでに解体措置を取ったと表明している。核施設の廃棄には「米国が相応の措置を取れば」という前提があり、駆け引きは終わっていない。

 米国が求めてきた核施設リストや申告・検証、廃棄に向けた日程の提示は今回もなかった。

 非核化をめぐる米朝間の交渉は膠着(こうちゃく)している。休戦中の朝鮮戦争について「終戦宣言」と、北朝鮮の核放棄のどちらを先に行うかで、対立しているためだ。

 首脳会談前に文氏は、先に核放棄を行うよう正恩氏を説得する考えを表明していた。合意文を見る限り、応じなかったようだ。先に終戦宣言の実現を求める立場を変えていない可能性がある。

 正恩氏の年内ソウル訪問で合意したのは画期的だ。ただ、非核化の見通しがついていない段階では、混乱を招かないか。

 トランプ米大統領は、合意文の内容について、ツイッターで歓迎する意向を示した。二回目の米朝首脳会談が実現する可能性が高く、交渉は、この首脳会談の場に持ち越されることになりそうだ。

 韓国は、南北関係に目を奪われることなく、非核化についても、粘り強く説得を続けてほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年09月20日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:敗戦が迫っていたころ、ちまたに多くの流言、デマが乱れ飛んでいたという。

2018-09-20 06:10:45 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【筆洗】:敗戦が迫っていたころ、ちまたに多くの流言、デマが乱れ飛んでいたという。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:敗戦が迫っていたころ、ちまたに多くの流言、デマが乱れ飛んでいたという。

 「北アルプスに建設中の地下要塞で敵を迎え撃ち、撃滅する」「強力なロケット弾が完成すれば、ニューヨークも火の海になる」「最強の関東軍が無傷だ。本土決戦で勝てる」などだ。形勢が一気に変わるかのような偽情報ばかりだったと、ルポライター竹中労が記している▼食糧事情は厳しく、敗色は濃いと多くの人が感じていた。本土での戦争への恐怖とかすかな望みにかけたい願望が、流言になって表れたようだ▼戦争や地震に関わる流言は不安、不満、恐怖、願望といった感情を基礎にしているという(広井脩著『うわさと誤報の社会心理』)。非常時になるとその強さを増す、デマを生むエネルギーだろう▼「六時間後に震度7が来る」「全域が断水する」。北海道地震の被災地に、インターネットを中心にデマが広まっていたことが明らかになってきた。背景に、やはり不安と恐怖があるだろう。給水が続いたのに水が品薄になる地域もあったようだ▼東日本大震災や朝鮮人虐殺が起きた関東大震災だけではない。幕末以来、大きな災害になるとデマが流れたことも分かっている▼ネット経由のデマがあることを知っている人は多いはずだが、今回も混乱が起きた。恐怖のあるところには、デマがある。いっそう心に刻みたい教訓ではないか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2018年09月20日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:安保法成立3年 「専守防衛」踏み外すな

2018-09-20 06:10:40 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説①】:安保法成立3年 「専守防衛」踏み外すな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:安保法成立3年 「専守防衛」踏み外すな

 安全保障関連法の成立から三年。今、私たちの眼前にあるのは戦後日本が貫いてきた「専守防衛」を踏み外し、憲法九条が蔑(ないがし)ろにされている現実だ。

 安倍晋三首相率いる内閣が「平和安全法制」と称し、強行した安保関連法の成立から、きょう九月十九日で三年を迎えた。

 安倍氏は、連続三選を目指す自民党総裁選の演説会などで、安保法について「日米はお互いに助け合うことのできる同盟になった。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くするのは当然だ」と、その意義を強調し続け、支持を呼び掛けている。

 ◆違憲性は拭い去れない

 「助け合う同盟」とは、集団的自衛権を部分的ながら日本も行使できるようになったことを指す。

 おさらいになるが、集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する権利のことだ。

 日本の歴代内閣は憲法九条に基づいて、集団的自衛権について、主権国家として有してはいるが、その行使は憲法上、許されないとの解釈を堅持してきた。

 この解釈を変え、集団的自衛権の行使を一部容認したのが二〇一四年七月一日、安倍内閣の閣議決定であり、安保法はこの閣議決定を基に策定された。

 戦争放棄と戦力不保持の憲法九条が、日本国民だけで三百十万人の犠牲を出し、交戦国にとどまらず、近隣諸国にも多大な犠牲を強いた先の大戦に対する痛切な反省に基づくのは論をまたない。

 日本防衛のための必要最小限の実力組織として自衛隊が発足したが、専守防衛に徹し、他国同士の戦争には加わらない九条の精神を一内閣の判断で独善的に変えていいわけがない。安保法の違憲性は引き続き問われるべきだろう。

 ◆活動拡大で既成事実化

 にもかかわらず、国会での追及は手ぬるいと言わざるを得ない。安保法成立当時の最大野党、民主党は分裂し、野党共闘にも影を落としている。安保法廃止を求める野党各党はいま一度結束して、憲法論争に果敢に挑むべきである。

 安倍政権が成立後の三年間に進めたのは、安保法の既成事実化と自衛隊の活動領域の拡大、その裏付けとなる防衛費増額である。

 ここ数日、自衛隊をめぐる報道が相次いだ。その一つが、政府が秋田、山口両県への配備を計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、だ。

 北朝鮮が、米空軍が戦略爆撃機を配備する米領グアム島に弾道ミサイルを発射した場合、日本の地上イージスが迎撃することもあり得ると、防衛省が認めたという。

 日本を守る名目で導入される防衛装備品が、米国を防衛する集団的自衛権の行使にも使われて当然という、安保法に基づく日米の軍事的一体化を象徴する事例だ。

 安倍内閣はまた、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)に、陸上自衛隊の幹部自衛官数人を、司令部要員として派遣することを検討しているという。

 国際平和への貢献は必要だとしても、国連が統括しない米国中心の軍事的活動だ。参加打診は以前からあったとされるが、なぜ今、という疑問は拭い去れない。

 国連以外の国際機関の要請でも自衛隊を派遣できるようになった安保法の適用事例拡大に主眼があるのでは、と疑わざるを得ない。

 海上自衛隊の潜水艦とヘリコプター搭載型護衛艦が十三日に、南シナ海で対潜水艦戦の訓練を初めて実施したことも看過できない。

 南シナ海は、日本にとっても重要な海上交通路であり、中国が一方的に権利を主張し、軍事拠点化を進めることは、航行の安全確保の観点からも認められない。

 首相は「特定の国を想定したものではない」とするものの、中国けん制の意図があるのだろう。

 かといって中国をはじめ各国が領有権を主張し合う「係争地」に乗り込んでの訓練が緊張を高めるのは当然だ。それが、武力による威嚇を、国際紛争解決の手段としては放棄した日本の役割なのか。

 ◆自衛隊明記で9条変質

 自民総裁選で優位が伝えられる安倍氏は自衛隊の存在を明記する九条改憲を訴え、連続三選を果たした後、今秋の臨時国会に自民党改憲案を提出し、二〇年中の改正憲法施行を目指すと明言した。

 しかし、集団的自衛権の行使など安保法の違憲性を問わず、その活動を行う自衛隊の存在を憲法に明記すれば、他国同士の戦争には参加しない九条の精神を、さらに変質させることになりかねない。

 眼前で起きる安保法の既成事実化や自衛隊の活動拡大を放置していいのか。平和国家の道を歩んできた戦後日本の試練でもある。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年09月19日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:かわらけ投げとは高いところから素焼きの小皿などを的に向かって

2018-09-20 06:10:35 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【筆洗】:かわらけ投げとは高いところから素焼きの小皿などを的に向かって投げる遊びで今でもできるところがあるだろう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:かわらけ投げとは高いところから素焼きの小皿などを的に向かって投げる遊びで今でもできるところがあるだろう

 ▼落語の「愛宕山」の中にお大尽の旦那がかわらけの代わりに小判を投げる場面がある。この旦那、遊びを極めたいのか「いっぺんやってみたかった」らしい。お供のタイコモチ、一八が「もったいないじゃありませんか」と必死で止めるのだが、旦那は耳を貸さぬ。「うるさい。おまえなんかにオレの気持ちが分かってたまるか」。三十両を投げ切る▼あのタイコモチなら、この大富豪の月旅行もやはり止めるのだろうか。米宇宙企業スペースXは月の周囲を飛行する有人飛行を日本の前沢友作さんと契約したと発表した▼出発は二〇二三年。着陸はしないが、実現すれば、月への有人飛行は一九七二年のアポロ飛行以来。スケールの大きな旅である▼「旅費」がいくらか明らかになっていないが、自分の夢を実現させるその財力と勇気にちょっとため息が出る。なにせそのロケット、まだ試験飛行にも至っていない。自分の会社の名を世界に広める宣伝効果も見込めるだろうが、大枚を払った上に覚悟もいる旅に出るとは恐れ入る▼今年の中秋の名月は二十四日。<月天心貧しき町を通りけり>蕪村。ひがまず、こちとらは家でながめるとしよう。優しいお月さまは懐具合のよくない者にも無料で姿を見せてくれる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2018年09月19日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【私設・論説室から】:引用したい平成のことば

2018-09-20 06:10:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【私設・論説室から】:引用したい平成のことば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:引用したい平成のことば

 優れた文章の秘訣(ひけつ)は何だろう? 都庁を担当していた時、作家の猪瀬直樹知事(当時)に「引用力だよ」と言われて戸惑った。

 引用という言葉には、他人から借り、自らの発明ではないという居心地悪さがある。若い頃に読んだ「ミカドの肖像」「昭和16年夏の敗戦」などの著者として敬意を感じていたからこそ、真意を測りかねた。まだ、辞任につながる五千万円問題の発覚前である。

 自己流で解釈を重ね、引用という言葉に託した意味がつかめてきた。記者の目の前には無数の事実がある。どれに注目し、別のどんな事実と結び付けるかで文章が変わる。材料を見極め、引っ張ってくる力だと。

 論説委員と兼務する社会部デスクの仕事として、今年一月から一面コラム「平成のことば」を担当し、引用の重みを日々感じている。平成元年以降に本紙グループが掲載した記事から印象に残る言葉を選び、説明文を付けるだけだが、一筋縄ではいかない。

 新聞が記録する市民の声は喜びより怒りや悲しみが目立ち、著名人の発言は名言より失言が記憶に残る。何より社会の不正に敏感で、弱者の声を大事にしようとするメディアの性格だろうが、平成という時代はネガティブなことばかりではないはずだ。

 人々の声は時代を映す鏡。善意や勇気、知恵を示す言葉を少しでも多く引用し、読者の皆さんに届けたい。 (臼井康兆)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2018年09月19日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【首相の一日】:9月19日(水)

2018-09-20 06:10:25 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:9月19日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:9月19日(水)

 【午前】8時17分、JR上野駅。9時49分、ときわ53号でJR水戸駅。宗清皇一自民党衆院議員同行。54分、徒歩で水戸市のホテルテラスザガーデン水戸。55分、宴会場「シーズンズコート」で自民党の梶山弘志茨城県連会長、額賀福志郎衆院議員、県議らと懇談、写真撮影。10時20分、宴会場「シーブリーズ」で県連有志らとの会合に出席し、演説。11時18分、報道各社のインタビュー。20分、徒歩でJR水戸駅。利用客と握手。

 【午後】0時42分、ひたち10号でJR東京駅。55分、官邸。1時30分、衆院第1議員会館。自民党議員らへのあいさつ回り。2時24分、徒歩で衆院第2議員会館。同党議員らへのあいさつ回り。3時35分、徒歩で参院議員会館。同党議員、山口那津男公明党代表らへのあいさつ回り。4時35分、官邸。5時20分、JR秋葉原駅前。街頭演説。6時7分、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。レストラン「ORIGAMI」で長谷川栄一首相補佐官、秘書官と食事。7時56分、自民党本部。58分、党インターネット番組「カフェスタ」に出演。8時55分、東京・富ケ谷の私邸。

<メモ> 首相は自民党インターネット番組で、来年10月予定の消費税率10%への引き上げについて「できれば上げたくない。しかし、幼児教育や高等教育の無償化を始めるために上げなければならない」と語りました。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2018年09月20日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:9月18日(火)

2018-09-20 06:10:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:9月18日(火)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:9月18日(火)

 【午前】9時44分、官邸。48分、世耕弘成経済産業相。10時4分、閣議。21分、防災功労者表彰式。42分、英国のハント外相の表敬。11時18分、JR東京駅。

 【午後】0時52分、はくたか561号でJR長野駅。58分、徒歩で長野市のホテルメトロポリタン長野。59分、宴会場「黒姫」で阿部守一長野県知事、加藤久雄同市長、後藤茂之自民党同県連会長ら。1時4分、宴会場「志賀」で同党の長野県議と懇談。30分、宴会場「浅間」で「安倍晋三候補を応援する会」に出席し、演説。聴衆と握手。2時6分、徒歩でJR長野駅。利用客と握手、写真撮影。3時46分、あさま620号でJR大宮駅。5時16分、やまびこ57号でJR福島駅。20分、徒歩で福島市のホテル「ザ・セレクトン福島」。宴会場「安達太良」で亀岡偉民自民党衆院議員の講演会に出席し、演説。聴衆と握手。6時6分、徒歩で同市のホテル福島グリーンパレス。宴会場「孔雀の間」で吉野正芳復興相ら同党福島県連の衆参両院議員、県議と会食。7時14分、徒歩でJR福島駅。16分、同駅貴賓室で同党県議ら。9時11分、やまびこ54号でJR東京駅。34分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2018年09月19日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:どのメディアとも同じ距離感を保つ石破と“好き嫌い”の

2018-09-20 00:03:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:どのメディアとも同じ距離感を保つ石破と“好き嫌い”の安倍

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:どのメディアとも同じ距離感を保つ石破と“好き嫌い”の安倍

 ◆【対談】政治評論家・野上忠興×ジャーナリスト・鈴木哲夫

 野上 安倍に近しい周辺が「総理は短命で終わった第1次政権の教訓としてマスコミ対策のマズさを学んだ」と話したことがあります。マスコミの存在が一種トラウマになったということでしょうか。確かに、政権に返り咲いてからはメディアコントロールに力を入れ出しています。選挙の時などに「公平・中立な報道を」とテレビ局に申し入れをしたりするのは一種の恫喝と映りますが、その一方でメディア幹部と頻繁に食事やゴルフをしたり、いわばアメとムチを使ってメディア懐柔を印象づけるような振る舞いが目立ちますね。自民党内に「安倍は田中真紀子の男版だ」と見る向きがあるように、安倍は「周囲を敵か味方か使用人としか見ていない」というわけです。批判的な言動をとる者を敵視し、ヨイショ組は味方として囲い込む。メディアに対しても好き嫌い=敵か味方かの“識別感情”が働き、結果、メディアは親安倍と反安倍に分断されてしまう状況が生まれたように思えます。

対マスコミでも大きな違い(C)日刊ゲンダイ

      対マスコミでも大きな違い(C)日刊ゲンダイ

 鈴木 石破の場合、好き嫌いでメディアを選別することはないですね。番記者ともあまりベタベタしない。政局より政策で、理屈っぽいから、番記者から敬遠されるのかもしれない。石破にも「メディアを敵に回すと怖い」という意識はあるでしょうが、だから支配下に置いてやろうと考えるのではなく、議論で勝負しようと考えるタイプ。以前、石破を交えて数人で飲んだ時に「今はこうやって楽しく飲んでいても、本当に総理になったら厳しく批判しますからね」と言ったんです。すると石破は「ぜひ、そうしてくれ」と。「厳しいことを指摘するのが本物の温情だろう」とも言っていました。きれい事に聞こえるかもしれませんが、考え方が違うからと拒絶するのではなく、違うからこそ議論することが大切だと考えているところがあります。

 野上 でも「厳しく指摘をしてくれ」などと言っていながら、トップになった途端に変わる人もいるんじゃないですか。

 鈴木 それはないと思いますね。「今は総裁選だからいろんなメディアに出ている」と思っている人もいるかもしれませんが、石破のメディアに対するスタンスは、野党の時も与党の時も、幹事長であろうと大臣であろうと変わっていないからです。ローカル局でも雑誌でもネットでも、オファーがあれば、できる限り出るよう調整している。特定のメディアを敵視することもないし、どこのメディアとも同じ距離感を保っていますね。

 野上 安倍とは対照的ですね。養育係の久保ウメの「晋ちゃんはジコチュー、自己愛の塊だから」との見方が、メディアをコントロール下に置こうとする姿勢にもよく表れているように感じます。批判を受け付けないのは、コンプレックスもあるのでしょうか。国家運営に自信があるなら、堂々として何事にも受けて立つ気概を見せればいいものを、批判を受け止め切れずに、メディアまでコントロール下に置きたいという方向へ流れていく。「自分は人の目を真正面から見て話をすることができない。気が小さいんだ」と漏らしたこともありましたが、メディア対応ひとつとっても、戦後最長の在職期間をうかがおうという大宰相の風格とは、程遠いように思えます。

 (おわり・敬称略)

 ▽野上忠興 

 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。

 鈴木哲夫 

1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月15日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:安倍の不誠実は筋金入り 石破は現実的な・・・

2018-09-20 00:03:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:安倍の不誠実は筋金入り 石破は現実的な舞台回しできるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:安倍の不誠実は筋金入り 石破は現実的な舞台回しできるか

 ◆【対談】政治評論家・野上忠興×ジャーナリスト・鈴木哲夫

 鈴木 安倍は「実利主義」ということですが、石破は永田町的な実利を追求せず、青臭い。それは格好いい側面はあるけれども、ではそれで組織が回せるのか、官僚が回せるのか、という懸念はある。例えば、石破が自民党総裁になった時にどんな人事をやるだろうかと考えると、総裁選で徹底的に戦った細田派や二階派などが果たして協力してくれるのだろうか。役所は、さすがに総理には協力するだろうけど、現実的なところでの舞台回しが石破にできるのかな、という不安はある。

石破は「デモはテロ」と書いた(C)日刊ゲンダイ

      石破は「デモはテロ」と書いた(C)日刊ゲンダイ

 ――石破の方が戦争しやすい国になってしまうのでは?

 鈴木 私はそれは逆だと思います。安倍よりはペースは遅い。いい例が憲法改正への考え方。石破は9条改正は後回しでいいと言っている。まず議論をしましょうと。国民の理解がなければ、改憲はできないのだから、議論が先だと。誤解を招くのは、石破の説明責任の問題もあるのでしょうが。

 ――石破はかつて「デモはテロ」とブログに書いたことがある。

 鈴木 あれは特定秘密保護法案の審議が行われていた2013年のことですね。議員会館の部屋でブログを書いていた時にデモの声が聞こえてきた。当時、幹事長として官邸からは何が何でも通すと。しかし、石破は安倍首相のそうした姿勢ではなく、まだまだ議論も必要と考えていたので、板挟みになって精神的に参っていて、そして冷静さを失って書いてしまったと。それでも、あの発言は許されるものではない。石破は後で、ものすごく後悔し、反省していたが、批判は当然受けなければなりませんね。

 野上 安倍の危うさ……。3選はレガシーづくりの最後の機会となりますからね。憲法改正にこだわる背景です。でも、世論調査結果を見ても、そこに国民目線があるとも思えないのです。

 鈴木 秋の臨時国会で自民党案を示したい、という意向です。

 野上 その臨時国会については安倍は、本音では開きたくないようです。モリ・カケに加え、「赤坂自民亭」酒席参加問題まで野党に攻め材料があるからなのでしょうね。何でも敵と味方に分ける安倍にとっては、野党もまた「敵」なのでしょう。野党の後ろにいる国民の存在を意識していないということにもなりますね。国会での質疑や党首討論での不誠実・傲慢と指摘される答弁の態度は実は、筋金入りなのです。例えば、2003年正月に地元紙・山口新聞のインタビューで安倍は、こう話しています。

 〈変に相手をたてずに、国会答弁もけんか腰でやってきましたし。でもそのほうが、国民に対して正直で誠実だと思うんです。討論相手に親切であったり、誠実である必要はない〉

 政治家としての「成長過程期」がないまま、安倍は一足飛びで首相に上り詰めた。主流派内にすら「安倍は右から左までの包括政党=国民政党・自民党、言えば『自民党民主主義』を変貌させ、独裁政党にしてしまった」との声があると聞きますが、確かに、野党が指摘する強引な政治手法懐の狭さ外交的な稚拙さ、品性を欠くヤジには、トップリーダーとして疑問符が付けられても無理からぬところは、ありますね。 
(つづく・敬称略) 

 ▽野上忠興 

 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。

 鈴木哲夫 

1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月14日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:対米外交で安倍は100%米国とともに 石破は・・・

2018-09-20 00:03:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:対米外交で安倍は100%米国とともに 石破は言うことは言う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:対米外交で安倍は100%米国とともに 石破は言うことは言う

 ◆【対談】政治評論家・野上忠興×ジャーナリスト・鈴木哲夫

 鈴木 石破は日米同盟は絶対に必要だと思っている。ただし、同盟は対等な関係でなければならず、過剰に日本側が負担している片務的な現状は見直す必要があるし、日米地位協定も見直すべきであると言っています。日米関係についても対等であるべきという考え方で、先日、トランプが来日した時に米軍横田基地から入国したことについて、石破は怒っていましたね。米大統領が、日本という独立した国家に入ってくるのは、東京なら羽田空港か成田空港のはずです。それを大統領専用機のエアフォースワンで勝手に横田基地に降りた。それなのに日本政府は自衛隊を何百人か横田に行かせて、米軍の兵士と一緒にトランプの話を聞いていた。これはもう植民地ですよ。言うべきことは言わなきゃいけないし、けじめはつけなきゃいけない。それが石破の米国との向き合い方です。日米同盟は必要だというところまでは安倍と同じですが、そこから先が違います。

トランプは訪日時に米軍横田基地に降りた(C)共同通信社

  トランプは訪日時に米軍横田基地に降りた(C)共同通信社

 野上 安倍の外交はすべて「実利主義」で、自分にとってプラスかマイナスなのかが基準になっているともっぱらです。米国の言うことを聞いていれば、「楽」でいいしマイナスにはならないとみるのでしょうね。下手をすれば、例えば関税の問題にしても厳しい態度に出られる恐れがありますから。トランプの要求する「バイアメリカン」に従う態度がその典型です。大量に米国製の兵器を購入し、2500億円もかけて陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基を買う。それも北朝鮮情勢が変化してきている時に。独立国日本としての矜持は、どこに――と思ってしまいますが。安倍が敬愛してやまないおじいちゃんの岸にしても、日米安保条約が内包していた不平等な片務性の解消に動き、米国相手に“ケンカ”をしていますからね。

 鈴木 石破は「日米の国益が一緒なわけはない」と言っています。信頼関係をつくるのは大事。そのために外交では、先方が喜ぶようなことも一生懸命やる。しかし信頼関係は、ただ仲良くすることではない。きっちりものを言える、言うべきことを言える関係をつくるために、信頼関係を造成しなければならないと考えている。外交というのは国益と国益のぶつかり合いです。有益な議論をするために、信頼関係をつくるということです。安倍もトランプと「強固な信頼関係」ができているということですから、もっとものを言えばいいのですが。

 野上 安倍は「100%米国とともにある」が外交の基軸なのでしょう。その方が摩擦もなく従って、楽でしょうから。安倍は何カ国訪問して、何百キロ飛行して、何人と会ったとか、よく勲章のように自慢げに「数字」を口にしますが、私が外務省キャップ時代に外相だった晋太郎から再三聞いた「外交のキモのひとつは、国益に結び付けるために無から有へ何かをつくり、生み出すために懸命な努力をすること」の言葉を返したい気持ちになります。 (つづく・敬称略)

 ▽野上忠興 

 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。

 鈴木哲夫 

1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月13日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<2>安倍にとって大衆は敵…石破は自ら

2018-09-20 00:03:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<2>安倍にとって大衆は敵…石破は自ら大衆の中へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<2>安倍にとって大衆は敵…石破は自ら大衆の中へ

 ◆【対談】政治評論家・野上忠興×ジャーナリスト・鈴木哲夫

 野上 学生時代に基礎的な勉強をしていないというのですから、基本的に安倍には確固たる思想信条はないとみられるわけです。「保守思想」については評論家の故・西部邁の受け売りだという話をしましたが、世論の動向に一喜一憂するのも、本の影響があったようです。スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」で、<大衆は愚鈍ではないが無責任で、いつ心変わりするかわからない。それこそが大衆の特権であり、社会はそうした大衆の意識によって動く>がエキスです。祖父・岸信介が成し遂げた日米安保改定が世間から散々な評価だったことを苦々しく感じていた安倍は、この本から世論の影響力の大きさと怖さを学んだ。これを肝に銘じてやっているとか言っています。

2017年都議選演説で「こんな人たち」発言(C)日刊ゲンダイ

  2017年都議選演説で「こんな人たち」発言(C)日刊ゲンダイ

 鈴木 石破の大衆論は、田中角栄の教えを受け継いでいます。政治家というものは、有権者や大衆の中に自ら入っていって、大衆の声を聴く。10人や20人しかいないところでも演説し、握手し、話を聴く。そうしてこそ、大衆が何を考え、何を求め、何に困っているのかが分かる。できる限り地域に入り、大衆の声を聴くべし、という角栄の教えを石破は実践している。

 野上 政治家の原点は、そこでしょうしね。実は岸信介にしても回顧録の中で、「政治家は大衆の中に入っていくべきだ」と言っています。安倍の父・晋太郎もそうです。共産党の政策だって、良ければ取り入れていいという考え方。これも大衆の中に入っていくということに通じますね。

 鈴木 政治家の語る大衆論って、そういうことですよね。本から学ぶ話じゃないように思いますが。
 
 野上 学友たちが「安保や憲法改正とかについて時に激して、まくし立てることはあったが、感情的であっても基礎的な知識の上に立ったなるほどと思える深みは、感じなかった」と振り返っているように、安倍が本も思索しながら読み込んでいたのかどうか。つまり、安倍にとって、大衆、国民というのは必ずしも身近な存在ではなく、あくまで政治と対置される存在なのでしょう。敵と味方で言えば、最初からいつ心変わりするかわからない「大衆」を敵とみなしている。だから、「怖い」という概念が常にあり、「大衆」を動かすパフォーマンスや世論調査の数字に歴代総理大臣に比べ、すごく気を使い、気になるわけです。そうしたポピュリズムは、時として、政治にとって国民が“邪魔者”に見える危険性が潜んでいるように思います。

 鈴木 だから街頭演説で「安倍帰れ」と言われたら、敵と思ってしまうわけですね。

 野上 「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言したことも、ありました。石破が安倍のことを「保守ではない」と言っていたそうですが、重層的な歴史を重んじようとする保守思想とは、「排除の論理」ではなく、もっと深く広く文化や思想の違いを包含できるものでなければならないように思いますがね。晋太郎が「最高指導者には右も左もない。物事を決め、方向性を決める最高指導者に求められるのはバランスだ」と言っていたのとは対照的です。 (つづく・敬称略) 

 ▽野上忠興 

 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。

 鈴木哲夫 

1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月12日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<1>安倍の「保守」と石破の「保守」に

2018-09-20 00:03:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<1>安倍の「保守」と石破の「保守」に大きな違い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【徹底比較 安倍晋三と石破茂】:思想信条<1>安倍の「保守」と石破の「保守」に大きな違い

 ◆【対談】政治評論家・野上忠興×ジャーナリスト・鈴木哲夫

 鈴木 石破は「私は保守だけど、タカ派ではない」と言います。これは、巷間メディアで伝えられる印象とは違う。一般には「石破さんはどちらかというとタカ派でしょう。防衛大臣もやっていたし、憲法改正で自衛隊を戦力と位置付けると言っているし」などと思うけれど、石破は論理的に整合性をつけようとすると、ああいう言い方になってしまう。象徴的なのは沖縄の問題。石破の考える日米同盟は安倍とは決定的に違う。石破は、米軍は沖縄から出て行くべきだと考えています。しかし、片務的な日米同盟を直すことによって、逆に自衛隊が日本を守らないといけなくなる。石破は戦争についても、準備はするけれども行使しないために、政治が何をすべきかが大事だと思っています。かつて梶山静六も同じようなことを言っていました。周辺事態法を作るべきだとしきりに主張していて、タカ派じゃないかといわれましたが、法律を作って、それを行使しないために何をすべきかをセットでやるのが政治なんだと。

「保守だけどタカ派ではない」(防衛相のころ)(C)日刊ゲンダイ

  「保守だけどタカ派ではない」(防衛相のころ)(C)日刊ゲンダイ

 野上 それが保守の考え方なんだということなのでしょうね。

 鈴木 石破は「保守とは何か」ということを話す時、「塀」を例に出す。あるところに塀があって、邪魔だから住民は壊したいと言う。しかし、ちょっと待てと。塀ができた時には必ず何か理由があったはず。だからその時代に遡って、なぜ塀ができたのか調べて議論しようと。そうしたら昔、大洪水があって、それを防ぐための塀だったことが分かる。「今の時代は整備されて洪水はない。だから塀を壊していい」「いや、まだ洪水の危険性はある。だから残しておいた方がいいんじゃないか」。こうして結論を得る。これが保守の手続きだと、石破は言う。つまり、保守というのは、地域にある伝統や文化やしきたりを、改革すべきものはしっかり改革するけれど、議論してゆっくり改革していく。場合によっては壊さない場合もある。これが保守だと。それに比べて、安倍はお構いなしにどんどん壊していくから、どちらかというと、革命、破壊であり、保守ではない、と石破は言います。

 野上 安倍は、保守派の論客として知られた故・西部邁の著作を好んで読んでいました。共著の本でもこう書いています。

 <私は西部邁さんがいっている「保守」の定義というものに一番共鳴するところがあって、保守というのは現在・未来と同時に、過去に対しても責任をもつような生き方ではないか、という風に考えています>

 ただ、安倍に深い思想信条があったかというと、そうともいえません。というのも安倍は、こうも書いていますから。

 <私が保守主義に傾いていったというのは、スタートは「保守主義」そのものに魅かれたというよりも、むしろ「進歩派」「革新」と呼ばれた人達のうさん臭さに反発したということでしかなかったわけです>

 つまり、革新・リベラルを「敵」と見なした結果、いえば理性より感情からの保守への傾斜となりますか。大学時代の教授も「安倍君は別に保守思想とか保守主義に関する基礎的な勉強をしてはいない」と述懐していましたが、底が浅い保守思想と映るのも道理となります。

(つづく・敬称略)

 
 ▽野上忠興 

 1940年東京生まれ。64年早大政経学部卒。共同通信社で72年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長、整理部長、静岡支局長などを歴任後、2000年に退職。安倍晋三首相のウォッチャーでもあり、15年11月発売の著書「安倍晋三 沈黙の仮面 その血脈と生い立ちの秘密」(小学館)が話題。他に「気骨 安倍晋三のDNA」(講談社)など。

 鈴木哲夫 

1958年福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て13年からフリーに。25年にわたる永田町の取材活動で与野党問わず広い人脈を持つ。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「安倍政権のメディア支配」(イースト新書)など多数。またテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年09月11日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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