【千葉県銚子市】:財政難で縮小方針の海水浴場、市会「存続」採択
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【千葉県銚子市】:財政難で縮小方針の海水浴場、市会「存続」採択
財政難で3か所の市営海水浴場の集約や縮小が取りざたされている千葉県銚子市で、最も古い海鹿(あしか)島(じま)海水浴場について、来年度以降も存続を求める請願が提出され、市議会9月定例会は27日、全会一致で採択した。市は行財政改革の計画で、海水浴場の縮小を検討する方針を示しているが、議会側が反対姿勢を示した形だ。
市内では毎年、銚子マリーナ、長崎、海鹿島の3か所に海水浴場が設けられている。市によると、今夏の入り込み数は銚子マリーナが1万2782人、長崎が2247人、海鹿島が2088人で、いずれも昨年を上回った。海鹿島は2010年以降、1300~2800人台で推移し、昨年以外は3か所で最少だった。
市は海水浴場の開設に毎年、計約700万円を計上してきたが、深刻な財政難の中、14年の事業仕分けでは、市民判定人から海水浴場を1か所に集約すべきだとの意見が上がった。昨年策定された市行財政改革大綱の実施計画では、21年度までの目標として、「海水浴場の縮小などの検討を進める」と明記された。
このため市内の観光業界では、最も利用者の少ない海鹿島も検討対象になるとの危機感が強まり、市観光協会長らが今年8月、存続を求める請願を市議会に提出。「銚子の観光客は夏が最も多く、海水浴場が閉鎖になれば市の観光にマイナス」とその理由を示した。
しかし、市財政は対策を講じなければ今年度、最大で6億~7億円の赤字になるとされ、海水浴場の整備などに充てる余力はないという。請願の採択後、ある市議は「大綱に沿って、事業をやらないというのでは、銚子の観光は成り立たない」と指摘している。
元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 経済 【企業・産業】 2018年09月29日 23:49:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。