路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【卓上四季】:灰色の内閣改造

2019-09-12 05:05:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【卓上四季】:灰色の内閣改造

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:灰色の内閣改造 

 夏目漱石も愛したターナーは、19世紀の英国を代表する画家だ。この風景画の巨匠は、展覧会に出品した自分の絵が目立つように、周囲の作品と見比べながら、その場で手を加えたという(「ターナー 色と光の錬金術」創元社)▼例えば、こんな具合である。荒れた灰色の海に、ほんの一点、赤いブイを書き足す。最後のひとはけは目の覚めるような効果を発揮し、ライバルたちをげんなりさせた▼これも見栄えを良くするためのひとはけだろうか。きのうの内閣改造で、安倍晋三首相は、人気者の小泉進次郎氏を環境相に起用した。初入閣が安倍政権としては最多の13人と言っても、各派閥の入閣待機組と、首相の「身内」を重視した人事である。女性閣僚も2人だけ。どんよりとした印象は否めない▼要所に配置された側近の中でも、萩生田光一氏の文部科学相は驚きだ。本人は否定しているものの、加計(かけ)学園問題をめぐり、文科省に圧力をかけたと疑われた人物である。これが「適材適所」とは、一種のブラックユーモアか▼首相の掲げる「安定と挑戦」の安定を体現するのが、不動の四番打者、麻生太郎財務相だろう。公文書改ざんなどの不祥事は無視して居座り続け、ほとんど「天下御免」で放言を繰り返す。挑戦については首相の胸中には「改憲」しかないように見える▼小泉氏の人気をもってしても、内閣のイメージは灰色のままだ。2019・9・12

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年09月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】日産社長辞任へ うみ出し切る覚悟必要

2019-09-12 05:05:45 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説①】日産社長辞任へ うみ出し切る覚悟必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】日産社長辞任へ うみ出し切る覚悟必要 

 日産自動車の西川(さいかわ)広人社長が16日付で辞任する。

 西川氏は株価に連動する報酬を不当に上乗せして受領していた。この問題の責任を取った形だ。

 特別背任事件などで前会長のカルロス・ゴーン被告が起訴され、日産は信頼を大きく失墜させた。

 西川氏はゴーン被告の不正を厳しく糾弾し、自身の正当性を強調してきた。

 しかし長くゴーン体制を支え、不正を防げなかった西川氏の責任を問う声は以前から強かった。

 自ら不当な報酬を得ていたことが明らかになったいま、西川氏の辞任は当然だろう。

 ほかにも複数の元取締役らが同様にかさ上げされた報酬を受け取っていたという。

 ゴーン被告にとどまらず、経営陣に会社を私物化するような不正体質がはびこっていたのではないかとの疑念が拭えない。

 日産はうみを出し切る覚悟が必要だ。

 西川氏の報酬で問題になったのは「ストック・アプリシエーション権(SAR)」と呼ばれる制度で、事前に定めた期日に株価が上がっていれば、差額を金銭で受け取れる。

 社内調査によると、西川氏はゴーン被告の側近で担当役員だったグレゴリー・ケリー被告に役員報酬の増額を要請した。

 ケリー被告は2013年にこの期日をずらし、その間の株価上昇により西川氏は約4700万円多く報酬を受け取っていた。

 西川氏はSARを利用した不正の指示はしていないという。

 本人の了解なしに期日を変更できるのか疑問も残るが、たとえ西川氏の説明通りだとしても事態は深刻だ。役員の意向をくみ、不正を行うことが社内でまかり通っていたのではないか。

 西川氏は説明責任を果たさねばならない。辞任を幕引きにすることは許されない。

 日産は主力市場の米国に加え、日本、欧州でも販売台数が減少し、業績が悪化している。こうした中、全世界で従業員の1割弱に当たる1万2500人の削減計画を打ち出した。

 経営陣が私利私欲から報酬を不正受給していたとすれば、従業員の理解はとても得られまい。

 仏ルノーとの資本関係見直し協議など日産が抱える課題は多い。

 社外取締役中心の指名委員会が10月末までに新たなトップを選ぶ。不正を生む企業体質と決別しなければ日産の再生は望めない。 

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年09月11日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②】:観光税 混乱防ぐ丁寧な議論を

2019-09-12 05:05:40 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説②】:観光税 混乱防ぐ丁寧な議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:観光税 混乱防ぐ丁寧な議論を 

 道内の自治体で、観光客から徴収する観光税を検討する動きが相次いでいる。

 道が想定するホテルや旅館の宿泊料への宿泊税が主流だが、定額とするか、定率とするかでばらつきも出ている。

 宿泊税以外の方式を模索する自治体もあり、複数の制度が混在する事態が予想される。

 その結果、観光客に不便を強いたり、重税感が強まったりしては、客足を遠のかせかねない。観光が基幹産業の一つである道内にとってはかえって逆効果になる。

 負担を求める以上、観光客の理解が欠かせない。

 道と各自治体は、税金の使い道を具体的に示すのはもちろん、観光客に混乱が生じない仕組みづくりが可能か熟慮すべきだ。

 観光税は地方税法に規定のない法定外目的税で、自治体が独自に設定できる。

 道内では道をはじめ、札幌市や富良野市など10以上の市町村が導入を目指している。

 いずれも外国人を中心に観光客が増え続けている現状を踏まえ、観光振興の財源に充てるのが狙いという。

 具体的には、多言語に対応した観光案内板や、外国人に要望が強い公衆無線LANの整備などが挙がる。

 しかし、二重課税となる道と市町村がどう役割分担をするかといった視点を欠き、取りやすいところから取る安易さが拭えない。

 道が主導し、北海道全体の観光振興につなげる将来像をきちんと描くべきではないか。

 その試金石になるのが、11月から徴収を始める後志管内倶知安町との調整作業だ。

 同じ宿泊税でも、倶知安町が宿泊料金の2%を徴収する定率制を採用するのに対し、道は1泊100~300円の定額制を検討している。

 異なる方法で別々に徴収すれば、手続きが煩雑になり、事業者は戸惑うだろう。使途の差別化を図るとともに、より簡便な徴収方法を工夫できないか、協議を重ねてもらいたい。

 小樽市は宿泊税に限定せず、観光客向け駐車場への課税なども念頭に置く。

 温泉地には入浴客対象の入湯税もある。観光客がさまざまな形で税金を課せられ、負担感が増す恐れがある。

 観光客が負担する税体系の全容を見据え、過重にならない対策を講じることも重要だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年09月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【卓上四季】:誰もいなくなった

2019-09-12 05:05:35 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【卓上四季】:誰もいなくなった

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:誰もいなくなった 

 孤島に招待された10人の男女が、それぞれ過去の罪を告発され、一人また一人と殺されていく。こうして、とうとう登場人物全員が姿を消してしまった。アガサ・クリスティの推理小説「そして誰もいなくなった」である▼日産自動車の不祥事から、この名高いミステリーをふと連想した。告発した側も、された側も、結局、経営の舞台を去る。特別背任などの罪で起訴された前会長のカルロス・ゴーン被告をめぐり、その追放を主導してきた西川(さいかわ)広人社長の辞任が決まった▼もともとゴーン被告の側近だったが、検察に協力して、被告による会社の「私物化」を非難する急先鋒(せんぽう)となる。ところが、社内調査で、自身も不当に4700万円上乗せされた報酬を得ていたことが分かった。「意図を持った不正とは違う」という弁明には驚かされる▼他にも、同じ手法で不当報酬を受け取った元役員が複数いたことも判明した。要するに、金額の違いはあっても、経営陣が寄ってたかって会社を食い物にしていたのではないか▼自動車は大衆向けの商品だ。賃金のわずかな増減にも一喜一憂する顧客と日産経営陣の感覚には、大きな隔たりがある。急速に悪化した業績を立て直すため、1万人を超える人員削減が予定されるグループ従業員もついていけまい▼クリスティの作品では、誰もいなくなった後で、本物の悪党が暴露される。日産でも、まさか…。2019・9・11 

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年09月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍首相】:改憲「成し遂げる」 第4次再改造 初入閣13人 

2019-09-12 05:05:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【安倍首相】:改憲「成し遂げる」 第4次再改造 初入閣13人 ■社会保障会議 来週初会合へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:改憲「成し遂げる」 第4次再改造 初入閣13人 ■社会保障会議 来週初会合へ 

 第4次安倍再改造内閣が11日、皇居での認証式を経て発足した。安倍晋三首相は官邸で記者会見し、憲法改正について「困難な挑戦だが、必ずや成し遂げる決意だ」と意欲を示した。全世代型社会保障改革検討会議を新設し、来週にも初会合を開くと表明した。

  • 首相、改憲「成し遂げる」 第4次再改造 初入閣13人 社会保障会議 来週初会合へ
  • 第4次安倍再改造内閣が発足し、記者会見する安倍首相=11日午後6時20分、首相官邸(富田茂樹撮影)
  第4次安倍再改造内閣が発足し、記者会見する安倍首相=11日午後6時20分、首相官邸(富田茂樹撮影)

 首相は7月の参院選で改憲論議の是非について国民の信認を得たとし、「衆参両院で第1党の自民党が憲法審査会で強いリーダーシップを発揮していくべきだ」と主張。立憲民主党など野党に改憲案を提示して議論に応じるよう求めた。

 社会保障改革では、70代までの就業機会の確保や年金受給年齢の選択肢拡大を目標に掲げた。その上で「全ての世代が安心できる新しい制度の在り方を大胆に構想する」と訴えた。

 北方領土問題を含む日ロ平和条約締結交渉では「困難な課題だからといって見送ることは責任の放棄だ」と強調。悪化する日韓関係を巡り「新しい体制のもとでも、みじんも変わらない。韓国には国と国との約束を守っていただきたい」と指摘し、改めて元徴用工問題での対応を求めた。

 2020年東京五輪・パラリンピックの「顔」になる橋本聖子五輪相(胆振管内早来町=現安平町=出身)の起用について「選手としての経験の上に、参院自民党のトップも務めた政治手腕を生かし、最大のイベントの成功を期す」と説明。小泉進次郎環境相の抜てきでは「海洋プラスチックごみや気候変動など地球規模の課題に、若手ならではの斬新な発想での取り組みを期待する」と語った。

 10月の消費税率10%への引き上げに向けては「軽減税率の導入の準備に万全を期す。十二分な説明を心掛けたい」と述べた。

 首相は今回の改造について「安定と挑戦の内閣だ」と強調。全19閣僚のうち、第2次政権発足以来の中枢である麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官以外の17人が交代し、初入閣は13人。小泉氏は38歳で戦後3番目の若さになる。萩生田光一文部科学相ら首相側近のほか、「入閣待機組」が並び、各派閥への配慮がにじんだ。

 認証式に先立ち、首相は公明党の山口那津男代表と会談し、自公の協力を改めて確認した。自民党は、留任の二階俊博幹事長と岸田文雄政調会長、新任の鈴木俊一総務会長と下村博文選対委員長による新4役体制が始動した。副大臣・政務官人事は13日に行う。(古田夏也、文基祐)

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・内閣改造人事】  2019年09月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍政権】:課題山積 問われる力量 第4次再改造内閣

2019-09-12 05:05:25 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【安倍政権】:課題山積 問われる力量 第4次再改造内閣

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:課題山積 問われる力量 第4次再改造内閣 

 安倍晋三首相は11日の記者会見で「新しい時代の国づくり」に向けた決意を強調した。10月からの消費増税への対応や首相が掲げる「全世代型社会保障改革」の実現、停滞するロシアとの北方領土交渉や対立を深める日韓関係など、内政、外交ともに課題は山積する。「安定と挑戦」と位置づけた新内閣の力量が問われる。

 ■外交 「日ロ」停滞打開が焦点

 外交・安全保障では、北方領土問題を含む日ロ平和条約締結交渉の停滞を打開できるかが焦点だ。首相は昨年11月の日ロ首脳会談で歯舞群島、色丹島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎にした交渉の加速化で合意。2島返還を軸とした交渉に転換したが、歴史認識などを巡るロシアとの溝は大きい。

 首相は内閣改造で交渉責任者の外相に茂木敏充氏を起用。記者会見では日米貿易交渉などを担った「経験と手腕を生かしてもらいたい」と期待感を示した。11月にプーチン大統領との会談を予定するが、交渉の長期化が避けられない情勢で、領土問題解決の道筋は不透明感を増している。

 元徴用工訴訟をきっかけに悪化する日韓関係は、日本政府の輸出管理上の「ホワイト国(優遇対象国)」から除外された韓国が反発し、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)を破棄する事態に発展。日本は、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決は日韓請求権協定に違反しているとして、韓国側に是正を求め続ける構え。

 北朝鮮問題では、朝鮮半島の非核化に向けて日米韓の連携を強化する方針。首相は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を目指すが、実現のめどは立っていない。

 ■経済 増税後の失速 どう回避

 経済運営の課題は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱などで世界経済の減速懸念が強まる中、10月の消費税増税後の景気失速を防ぐことだ。

 「日本の経済が世界経済の足を引っ張ることにならないよう万全を期していく」。安倍首相は11日の記者会見で、追加の経済対策も辞さない姿勢を強調した。2014年の前回増税時には個人消費が大きく落ち込み、回復に時間を要した。政府は今回、プレミアム付き商品券など2兆円超の対策で消費低迷に備えるが、足元の景気指標は前回より低調さが目立つ。軽減税率やポイント還元制度など、複雑な制度を円滑に実施できるかも課題となる。

 日銀の金融緩和は副作用が目立っており、政策手段は財政出動に限られそう。歳出が膨らめば25年度の達成を目指す基礎的財政収支の黒字化が一段と遠のきかねない。経済成長と財政再建の両立を目指す首相の経済政策は正念場を迎える。

 今月下旬に署名予定の日米貿易協定は、牛肉や豚肉など多くの米農産品の関税が環太平洋連携協定(TPP)の水準まで削減される見込み。価格競争にさらされる国内農家への支援策も焦点となりそうだ。

 ■社会保障 「負担増」踏み込めるか

 社会保障改革は、安倍晋三首相が残り任期最大の内政課題と位置付ける。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年以降は、医療費や介護給付費の急増、年金を支える現役世代の減少は避けられない。制度の維持に向けて、負担増を伴う踏み込んだ議論を進められるかが問われる。

 首相は11日、有識者を交えた「全世代型社会保障検討会議」の初会合を来週にも開くと表明。加藤勝信厚労相は同日の記者会見で「未来を切り開く答えを出していきたい」と述べ、議論を加速する決意を示した。

 検討会議では、年金受給開始年齢の70歳超への選択肢拡大や、厚生年金を中小企業のパートらにも適用することなどを議論する。医療では、後期高齢者の窓口負担を原則1割から2割に引き上げることなどが取り上げられる見込みだ。

 ただ、新たな負担を強いられる高齢者や、年金保険料の会社負担が増える雇い手側の反発が予想され、国会審議の難航は必至。消費税率を10%に引き上げた後は「10年ぐらいの間は上げる必要はない」とする首相の発言を踏まえると、制度の見直しをさらに急ぐ必要に迫られそうだ。(荒谷健一郎、福本泰範、則定隆史)

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・内閣改造人事】  2019年09月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【安倍政権】:第4次再改造内閣 看板すげ替えはもういい 

2019-09-12 05:05:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【安倍政権】:第4次再改造内閣 看板すげ替えはもういい ■東京報道センター首相官邸キャップ 佐藤 陽介

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:第4次再改造内閣 看板すげ替えはもういい ■東京報道センター首相官邸キャップ 佐藤 陽介 

 何度、看板をすげ替えるのだろう。安倍晋三首相は改造人事のたび、「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」とスローガンを変え、担当大臣を充ててきた。そして、11日の記者会見では「全世代型社会保障改革」を掲げた。

 高齢者に偏重した給付を見直し、子育てや教育にも回すのが柱だ。今この瞬間も、凄惨(せいさん)な虐待に震え、貧困にあえぐ幼子がいる。財源が限られる中、子どもの格差解消や少子化の抑制に重点を置く発想自体は理解できる。

 しかし、首相の本気度は疑わしい。

 地方創生を思い返してほしい。5年前、首相は東京一極集中により地方が消滅しかねないと危機感をあおった。全自治体に人口目標や、それに向けた実行計画を競作させ、めぼしいアイデアに補助金をつけた。

 こうした取り組みと、アベノミクスによる「景気回復の波を全国隅々に届ける」(首相)ことで、地域は元気になるとの触れ込みだった。だが道内は人口減に歯止めがかからず、恩恵が行き渡ったと言い難い。

 首相の地方創生への言及は、めっきり減った。初代担当相は自民党幹事長だった石破茂氏が就いたが、今回は初入閣の北村誠吾氏。ポストまで軽くなった印象だ。

 支持率維持を図る、一時しのぎのカンフル剤―。小泉進次郎氏の入閣も、同じ文脈だろう。首相はこうした手法で政権を永らえ、看板政策の影で、思いが強い安全保障関連法や特定秘密保護法、「共謀罪」法を強引に成立させてきた。

 11月、首相在任は史上最長になる。宿願の憲法改正に攻め込みたい思惑は、有力者やポスト安倍、側近を戦略的に配した新たな布陣を見れば明白だ。

 さらには、改憲論議の進展に向けた衆院議長の交代に言及し、「言論の府」への冒涜(ぼうとく)と批判を浴びた側近の萩生田光一氏を初入閣で処遇した。

 言葉を弄(ろう)して国民の不安を顧みず、思いのまま国のかたちを変える政治が続けば、民主主義は衰退する。独善ではなく、多様な民意に応える誠実な政治こそ求められている。われわれも無力感に慣らされず、為政者の本質を見極めなければならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・内閣改造人事】  2019年09月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【2019年09月10日 今日は?】:ローマ五輪マラソンでアベベがはだしでV

2019-09-12 00:00:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2019年09月10日 今日は?】:ローマ五輪マラソンでアベベがはだしでV

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019年09月10日 今日は?】:ローマ五輪マラソンでアベベがはだしでV

 ◆9月10日=今日はどんな日

  プロ野球セ・リーグで広島が25年ぶりに優勝(2016)

 ◆出来事

  ▼黒沢明監督の映画「羅生門」がベネチア国際映画祭で金獅子賞に(1951)▼ローマ五輪男子マラソンでエチオピアのアベベ・ビキラがはだしで力走、世界新記録で優勝(1960)

 ◆誕生日

  ▼綾戸智恵(57年=ミュージシャン)▼斉藤由貴(66年=女優)▼進藤晶子(71年=フリーアナウンサー)▼松田翔太(85年=俳優)▼谷村奈南(87年=歌手)▼徳島えりか(88年=日本テレビアナウンサー)▼金村美玖(02年=日向坂46) 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2019年09月10日  00:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする