【米国】:トランプ氏欠席、マスク、州兵…異例の大統領就任式
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米国】:トランプ氏欠席、マスク、州兵…異例の大統領就任式
米国のジョー・バイデン氏(78)が20日(日本時間21日)、第46代大統領に就任した。就任式は首都ワシントンの連邦議会議事堂で開かれたが、前大統領のトランプ氏が欠席。コロナ禍のため出席者はマスクを着け、恒例のパレードは大幅に縮小。周囲は議事堂襲撃事件を受けてかつてない厳戒態勢が敷かれた。異例ずくめの船出となったバイデン氏は演説で「Unity(結束、団結)」を懸命に訴えた。
ホワイトハウスから花火を見る米国大統領ジョー・バイデンとファーストレディのジル・バイデン(ロイター)
マスク姿の就任式参列者(ロイター)
米国議会議事堂の警備をする国家警備隊のメンバー(ロイター)
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就任式は4年に1度、米国にとって最も重要な祝賀の舞台だが、今回はコロナ禍や議事堂襲撃事件の影が色濃く落ちた。毎回、群衆が集まる議事堂前の国立公園ナショナル・モールは封鎖され、代わりに約20万本の旗がはためいた。米メディアによると、首都中心部は閉鎖され、2万5000人もの州兵が配備された。式典の出席者も絞られ、宣誓や歌唱などを除き全員がマスク姿で列席。表情も分かりにくかった。
そんな前代未聞の状況下で始まった式典では、歌手レディー・ガガが国歌を独唱。女性、黒人、アジア系としていずれも初の副大統領となったカマラ・ハリス氏(56)に続き、バイデン氏が一族に代々伝わる聖書に手を置いて宣誓した。演説では結束という言葉を繰り返し、国民に呼び掛けた。「民主主義が勝利した」と宣言。「史上これほどの難題に直面した時代はほとんどない」と危機感を示し「私は国民、国家の結束に全霊を注ぐ。全ての国民に参加してほしい」「すべての国民のための大統領になる」などと訴えた。結束や団結という言葉が、トランプ政権下で進んだ分断の深刻さを浮き彫りにした。
そのトランプ氏はやはり欠席。平和的な政権移行を象徴するとし新旧大統領の同席が慣例だが、直接のやり取りは一切なく、最後まで「異例」だった。式典後も、恒例のパレードが大幅に縮小され、バイデン夫妻が歩いたのはごくわずかになった。警戒されたトランプ支持者の抗議行動など大きな混乱はなかったが、前例のない一日となった。
異例はまだある。バイデン氏は初日から、トランプ政権の看板政策に対し、大胆な政策転換にも着手した。地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」に復帰、メキシコ国境の壁建設の停止などの大統領令に次々に署名。連邦施設でのマスク着用も義務化した。自身も就任時で史上最高齢の米大統領であり、健康面も心配される。異例ずくめの船出の中、バイデン氏が山積する難題にどう対応するのか注目される。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・北米・バイデン新大統領就任式】 2021年01月21日 19:48:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。