【河井夫妻買収事件公判】:【解説】「政界の慣行」どう判断 河井元法相公判
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【河井夫妻買収事件公判】:【解説】「政界の慣行」どう判断 河井元法相公判
河井克行被告の弁護側は18日の最終弁論で、政治資金規正法に基づき政治団体同士で資金をやりとりする政界の慣行を挙げ、地方議員らに配った現金は政治資金の寄付の側面が大きいと訴えた。同法に基づく政治資金の授受は「買収の抜け道になっている」との指摘がある。現金の趣旨は、刑の重さを決める量刑判断に影響するとみられ、東京地裁の判断が注目される。

克行被告は2019年の参院選前に広島県内の地方議員、首長に各10万~200万円を配ったとされるが、弁護側はこの日の最終弁論で「買収は主目的ではなかった」と強調。克行被告が仲間づくりや自身の衆院選で応援を得る期待を込めて渡したなどと訴えた。
同法は領収書を添付して政治資金収支報告書に記すことを条件に、政治団体同士で政治資金をやりとりすることを認めている。克行被告は現金を渡す際に領収書を求めなかったが、弁護側は「後に相手と相談することを考えていた」と説明。双方の政治団体を使うなどし、合法的に処理するつもりだったと主張した。
一方、検察側は、領収書を交わさず現金を授受した経緯などから買収目的の裏金だったと主張。妻の案里氏を当選させる選挙運動の報酬として現金を渡したとしている。懲役4年を求刑し、実刑狙いとみられる検察側と、執行猶予を求める弁護側。現金の趣旨をどう判断し、量刑をどうするのかが地裁に問われる。(中川雅晴)
元稿:中國新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【河井夫妻買収事件公判】 2021年05月18日 23:08:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。