路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳・05.12】:米に「下駄の雪」日本だけ 韓国へ急ぐバイデン

2022-05-19 07:47:10 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【政界地獄耳・05.12】:米に「下駄の雪」日本だけ 韓国へ急ぐバイデン

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.12】:米に「下駄の雪」日本だけ 韓国へ急ぐバイデン 

 ★韓国大統領に保守派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)が就任した。式典に中国は習近平国家主席の「特別代表」として側近の王岐山(おう・きざん)副主席を派遣した。米韓接近へのけん制だ。一方親米政権が生まれたとする米国は最大の敬意を払うため、就任直後の21日にバイデン大統領が訪韓し米韓首脳会談を行う。北朝鮮では同時期にミサイル実験の可能性もあることから緊張状態が続く。ホワイトハウスのサキ報道官は「バイデン大統領は地域の安全保障と韓半島非核化に関する(尹大統領との)対話を待ち望んでいる」と述べ、米国務省のプライス報道官も「韓国と米国の同盟が持続し、共に利益を追求して価値を守ることができると確信する」と褒め殺し。まさに韓国を巡る米中の綱引きだ。

 ★米国にとってはフィリピンで親中派の元上院議員フェルディナンド・マルコス政権が生まれたことはクワッド(日米豪印)やオーカス(米英豪)などによる対中包囲網が微妙な風向きになることを意味する。今後は選挙戦でうまく隠した父親であるマルコス元大統領の独裁政治とスキャンダルが蒸し返されるだろう。反中国派の急先鋒(せんぽう)であるオーストラリアのモリソン首相も南太平洋のソロモン諸島と中国が安全保障協定を電撃的に締結し足元がぐらついた。21日、まさに米韓首脳会談が行われるその日の総選挙(下院選)では野党・労働党の優勢が伝えられており、米国はモリソンも失えば下駄の雪のようについてくるのは日本だけになる。

 ★クワッドではインドも対ロシア関係で米国と一枚岩とは言えずクワッドは崩壊寸前だ。場合によっては韓国の参入も考えざるを得ないが、中国、北朝鮮と陸続きで隣接する韓国を取り込むのはいささか刺激が強すぎよう。日本以外は一筋縄ではいかない状況でアジア版NATO構築は極めて厳しい状況だ。バイデンが韓国に飛んでいく理由がわかる。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年05月12日  07:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・05.11】:国民生活の危機に無策の岸田政権 軍事費引き上げれば参院選後の増税必至

2022-05-19 07:47:00 | 【経済対策・物価対策、原油など資源価格の高騰・幅広い品目の値上げ、消費者物価】

【政界地獄耳・05.11】:国民生活の危機に無策の岸田政権 軍事費引き上げれば参院選後の増税必至

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.11】:国民生活の危機に無策の岸田政権 軍事費引き上げれば参院選後の増税必至 

 ★カナダ統計局が6日発表した4月の失業率は5・2%となり過去最低を更新した。世界はアフターコロナ時代を成長期ともくろんだがそう甘くない。総務省が10日発表した3月の2人以上世帯の消費支出速報値は前年同月比2・3%減。つまりコロナ禍の1年前より消費は落ち込んでいるということになる。ウクライナ危機で石油や小麦の高騰が起きた。この2つが品薄になれば日本では物流と多くの麺類や加工食品に影響する。それは年初からわかっていたことだ。それでも岸田政権何もしない

 ★以前野党が予算委員会で閣僚に対して大根やカップ麺の価格を問い、庶民感覚とずれた答弁を引き出したことがあった。今、玉ねぎを中心に野菜の高騰が進んでいることを議員たちは知っているか。年金の値下がりの補填(ほてん)に自民党は参院選対策として5000円を年金受給者に1度だけ補填しようとした。国民からも与野党からも批判され党は取り下げた。

 ★9日、元首相・安倍晋三は日銀が市場を通じて政府の国債を買い入れていることに触れ、「日銀政府子会社だ」と述べた。こんな調子だから岸田は急激な円安の責任はアベノミクス失敗自分のせいではないと思っているのだろうか。これでは日銀の独立性も何もない。その一方、ウクライナ危機に乗じて改憲の本命に緊急事態条項を掲げたり、相手のミサイル発射拠点をたたく敵基地攻撃能力保有が必要だとか核共有、日本の防衛費は既に世界第5位に位置付けられているが、防衛費倍増ネオコン手下のような自民党案がめじろ押しだ。国民生活の危機に円安と財政難。軍事費を引き上げれば参院選後の増税は必至だ。選挙がその後しばらくないとなれば消費税に手をつける可能性もある。給料は上がらず物価高増税野党沈黙連合自民党すり寄る。いまだ右肩上がりのつもりか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年05月11日  07:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2022.05.19】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|ルール無視して「業務提案書」隠蔽

2022-05-19 05:15:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.05.19】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|ルール無視して「業務提案書」隠蔽

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.05.19】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|ルール無視して「業務提案書」隠蔽 

 自分たちが作ったルールを無視してまで隠蔽に走らねばならない理由が、あったということだ。

 官業癒着や理不尽な情報非開示など不適切な行政運営の実態が次々と明らかになった福岡県田川市(二場公人市長)のごみ収集運搬業務プロポーザルを巡り、市が、業務を委託した早雲商事とクリーン北部九州の「提案書」を不当に隠していたことが分かった。

 担当課長の早雲商事ゴルフコンペ参加や、契約書の業者名を隠蔽したことなどを合わせると、プロポーザルの審査過程で採点が操作された可能性を疑わざるを得ない。

 ■業務提案書、市の「要領」では原則開示

 田川市が頑なに開示を拒否してきた文書の一つが、今年4月から同業務を行っている早雲商事とクリーン北部九州がプロポーザル応募の際に提出した「業務提案書」だ。

 市は、提案書の内容を開示することによって「(提案業者の)競争上の地位その他の正当な利益を害する」という理由で非開示決定を下したが、プロポーザル実施にあたって所管部局が策定した『要領』には、業者が開示を拒否しなければならない部分を「文書」で事前提出するよう規定していたことが分かった。

 下が「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」の1枚目。問題の記述部分を、抜粋して次に示した。

 要領には、「業務提案書等の取扱い」として、こう明記してある。

事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること

 「提出期限以降の訂正は、本市から指示があった場合を除き一切認めない」という、厳しいルールだ。当然、プロポーザルに応募した業者は、実施要領に定められた『事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること』という規定に基づく文書を、田川市に提出しなければならない。

 当該業務を請け負った早雲商事とクリーン北部九州の提案書は、昨年行った開示請求では全面非開示。それが今年になってからの再請求では、何故か、のり弁状態で大半を隠した両社の提案書が開示された(*下の写真参照)。情報公開にあたってのルールやマニュアルが定まっておらず、恣意的な運用を行っている証拠だ。

 いずれにせよ、ほとんどの内容を非開示にした以上、田川市には開示を拒否する部分を示した業者の「申し出文書」が提出されているはず。でなければ、非開示にする必要はない。ハンターは今年3月、業者から提出されているはずの当該文書を開示するよう市に情報公開請求していた。それに対する回答が下の非開示決定通知である。  当該文書は不存在。つまり、早雲商事とクリーン北部九州は、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」に定められた『事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること』という規定に基づく文書を田川市に提出していなかったということだ。

 もっとわかりやすく述べれば、両社は業務提案書の全面開示を容認していたことになり、田川市の業務提案書非開示には妥当性がないということになる。

 そもそも、業務提案書に記入が義務付けられていた提案のテーマや人員配置、雇用計画、ハイブリッド車などの所有状況、ISO1400などの環境マネジメントシステムへの取り組み状況といった内容は、公表されても企業活動の妨げになるような情報ではない。

 ■隠蔽で疑われる「不正選定」

 田川市が、自らのルール=「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」の規定を無視してまで、事業の実態を非開示にしたのは何故か――?

 プロポーザルで選定が進められたA、B、C三つの工区のうち、A、B両工区で第一位となった早雲商事はA工区の受注を辞退。C工区一位のクリーン北部九州も、辞退届を出していた。業者選定を無にするに等しい異例の事態の結果、改めて早雲商事とクリーン北部九州が億単位の仕事を分け合う形で契約が結ばれていたことが明らかとなっている。市が当初、契約業者名を非開示にしたのは、不可解な業者の入れ替えを隠すためだったとみられる。

 今年になって判明したのは、事業を所管する環境対策課の池口芳幸課長が、「行っていない」と否定していた早雲商事のゴルフコンペに参加していたという事実である。

 一連の動きから導き出される答えは、一つしかない。業者との癒着を背景にしたプロポーザルにおける不正、つまり評価点の操作による不正選定の隠蔽だ。それを疑うに足る別の事実を、ハンターはすでに掴んでいる。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【行政ニュース・官業癒着や理不尽な情報非開示など不適切な行政運営の実態が次々と明らかになった福岡県田川市】  2022年05月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【HUNTER2022.05.12】:田川市・疑惑のプロポーザル担当課長が業者のゴルフコンペに参加|「行ってない」は真っ赤な嘘

2022-05-19 05:15:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.05.12】:田川市・疑惑のプロポーザル担当課長が業者のゴルフコンペに参加|「行ってない」は真っ赤な嘘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.05.12】:田川市・疑惑のプロポーザル担当課長が業者のゴルフコンペに参加|「行ってない」は真っ赤な嘘

 「行ってない」は真っ赤な嘘だった。最終的な契約業者名を隠蔽するなど疑惑まみれとなった福岡県田川市のごみ収集運搬業務を巡り、事業を担当するの環境対策課の池口芳幸課長が、プロポーザルで選ばれた収集運搬業者のゴルフコンペに参加していたことが分かった。課長は、プロポーザルの審査委員も務めており、事業の公平・公正が疑われる事態だ。

 ■「ゴルフ場予約」認めた課長がコンペにも参加

 複数の関係者の証言によれば、田川市市民生活部環境対策課の池口芳幸課長は今年1月30日、田川郡内のゴルフ場で開かれた早雲商事有限会社のゴルフコンペに参加、プレーを楽しんだという。

 早雲商事は、環境対策課が所管する産業廃棄物の収集・運搬を手掛ける業者で、昨年5月に実施されたごみ収集運搬業務の業者選定プロポーザルで一位に選ばれ、今年4月から実務を行っている。

 池口氏は今年3月、ハンターの取材に対し、ゴルフコンペの会場となった田川郡内にあるゴルフ場を予約したことを認めながら、競技参加については「行ってない」と頑なに否定。その後、複数の証言から「嘘」が露見し、早雲商事とのより深い関係が明らかとなった。

 課長がゴルフコンペ参加を否定してきたのは、利害関係者である早雲商事代表との関係を隠すためだったとみられ、公務員倫理に反する行為であることを自覚していた証左と言えそうだ。

 早雲商事の代表者が田川市にとって利害関係者であることは、紛れもない事実。池口課長はハンターの記者に、同社の代表者と「友達」であることを明確に認めている。それが、素知らぬ顔で「友達」の会社が応募してきたプロポーザルの審査委員になっていたというのだから、その時点で業者選定の「公平・公正」は失われていたと言うべきだろう。

 本来なら辞退すべき審査委員を務めた池口課長が、プロポーザル選定1位の「友達」の会社のためにゴルフ場を予約し、コンペにも参加していたという「官業癒着」の典型的なケース。疑惑まみれとなっているプロポーザルの裏に、そうした構図があったのは事実だ。

 ■地公法「信用失墜行為」の可能性

 「国家公務員倫理規程」には、禁止行為として『利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること』と明記されている。“割り勘”でも認められない厳しさだ。これは当たり前の話で、例えばライバル企業の人間が、事業を所管する役人と一緒にゴルフをしているのを見たらどう思うか考えてみればわかる。

 公務員は国民全体の奉仕者であって、特定の個人・企業に有利な取扱いをすることはできない。中立性を疑われた段階で、その役人は処分の対象なのだ。ちなみに、地方公務員法はその33条『信用失墜行為の禁止』で、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と定めており、池口課長のゴルフコンペ参加は、同条の規定に抵触する可能性がある。

 ■隠蔽の背景

 田川市はこれまで、ごみ収集運搬業務の業者選定プロポーザルに関する文書の情報公開請求を巡り、契約業者名や業者が提出した業務提案書、審査の際に審査委員が点数を付けた「評価票(個票)」などを非開示にして隠ぺいを図ってきた。特に見られたくないのは、提案書と「評価票(個票)」だろう。二つの文書の内容を見られたら最後、特定業者への便宜供与が明るみに出るからに他ならない。そうではないと言うのなら証拠を出して反論するしかないのだが、田川市にはできはしまい。

 ところで、無理な隠蔽には穴が生じるもの。田川市が頑なに開示を拒否した業務提案書については、とんでもない事実が判明している。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地方自治・福岡県田川市のごみ収集運搬業務を巡る疑惑】  2022年05月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.04.07】:田川市環境課長、利害関係者にゴルフ場手配|コンペ参加の可能性も

2022-05-19 05:15:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.04.07】:田川市環境課長、利害関係者にゴルフ場手配|コンペ参加の可能性も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.04.07】:田川市環境課長、利害関係者にゴルフ場手配|コンペ参加の可能性も 

 田川市の環境対策課長が今年1月、利害関係のある業者のために自身が会員のゴルフ場を手配するという便宜供与を行っていたことが分かった。実際のゴルフコンペにも参加していた疑いがある。

 コンペを開いたのは、昨年5月に田川市が行ったごみ収集運搬業務の業者選定プロポーザルで一位になり、業務を受注した企業。同事業の所管は環境対策課で、課長自身がプロポーザルの選考委員を務めていた可能性がある。

 これまで報じてきた通り、ごみ収集運搬業務のプロポーザルは疑惑まみれ。「官業癒着」の実態が表面化したことで、改めて契約の正当性が問われる事態となった。

 ■疑惑の課長と一問一答

 関係者の話を総合すれば、田川市市民生活部環境対策課の池口芳幸課長は今年1月30日、田川郡内のゴルフ場で開かれた早雲商事有限会社のゴルフコンペに参加、プレーを楽しんだという。

 ゴルフ場を手配したのは、同ゴルフ場の会員権を保有する池口課長自身。早雲商事の代表者は池口課長の同級生で、日ごろから付き合いがあった。ハンターの記者は先月、池口課長本人に電話取材し、事実関係について確認を求めた。以下、やり取りの概要である。

――確認するが、今年の1月30日に鷹羽ロイヤルカントリークラブで行われた早雲商事のゴルフコンペに参加していないか?
課長:1月30日……?

――早雲商事の周年行事。
課長:……1月30日……。あー、いや行ってないですね。

――課長のお名前でゴルフ場を押さえたのではないか?
課長:ああ?

――早雲の周年行事だが。
課長:早雲の?

――早雲商事の社長はお友達のはずだが?
課長:ああ、友達ですけど。

――ゴルフコンペに出たのではないか?
課長:出てないですよ。

――出ていない?
課長:出てないですよ。

――課長の名前で会場を押さえてないか?
課長:……あっ、会場は押さえてはやりましたけど、出てないですよ。

――会場は押さえた。あなた、会員ですね。
課長:私、会員ですよ

――それもわかっている。
課長:あっ、はい。

――ゴルフコンペに出たはずだが?
課長:出てないですよ。

ー―なんでゴルフ場をおさえてやったのか?
課長:なんで?友達だからですよ

――しかし、早雲商事の代表は利害関係者ではないのか?
課長:利害関係者……。そんなゴルフなんか行っていませんから。通常は職場の付き合いで行ってますけど。役所の人と。

――なんで早雲のためにゴルフ場の予約をとってやる必要があるのか?
課長:友達ですよ。

―――友達だったら何しても良いのか?
課長:なんで?

――なんで?便宜供与だ。度を越えてないか、公務員としては。利害関係者だろう。
課長:利害関係……。だから、ゴルフなんか行ってないって言ってるじゃないですか。

――だけど、ゴルフ場押さえたのはあなただ。
課長:そんな手続きなんかしてやっても……。なんで?良くないですか?

――逆に聞くが、不適切だと思わないのか?便宜供与だろう。
課長:いや、おさえてやっただけでしょーが。なんで?

――あなたは鷹羽の会員の立場を使って、早雲商事のためにやってあげたのではないか?
課長:早雲商事さんも会員ですよ

――それをわざわざ、あなたが押さえたわけだ。
課長:自分の友達……。

――ゴルフ場は押さえてやったけど、何が悪いんだとおっしゃるのか?
課長:あっ、はい、はい、はい。普通の手続きを、手続きをしてやったんですよ

――ゴルフには行ってないのか?
課長:はい。

――行ってたらどうするのか?
課長:何を行ってたらって。行ってないって。

――もし行ってたいたら?
課長:行ってないって。

――ゴルフ場押さえたのは、あなたで間違いないか?
課長:ああ、もしかしたら違うかも、違うかもしれませんね。

 ゴルフ場の予約を取り付けたのが池口課長であることは確かで、複数の証言がある。最後になって慌てて「違うかも」と言い出したが、後の祭り。池口課長自身が、記者とのやり取りの中でゴルフ場を予約したことを認め、「何が悪い」と開き直っている。

 悪いに決まっている。早雲商事は環境対策課が所管する産業廃棄物の収集・運搬を手掛ける業者。昨年5月実施されたごみ収集運搬業務の業者選定プロポーザルで一位に選ばれた会社だ。そのプロポーザルも環境対策課が担当で、池口課長は選考委員を務めていた可能性がある。早雲商事の代表者が田川市にとって利害関係者であることは、紛れもない事実。その代表者と友人であるなら、なおさら付き合い方に気を配る必要があるのに、ゴルフ場を予約してやった上にコンペにまで参加したしていたとなれば、もはやそれは「癒着」でしかない。

 ゴルフ参加が証明されれば、ごみ収集運搬業務の業者選定プロポーザルに浮上している疑惑が拡大するのは必定。それが分かっているからこそ、池口課長は「行っていない」と頑張るのだろう。

 次から次に浮上する、ごみ収集運搬業務業者選定に関する疑惑――。田川市の議会は、いったい何をやっているのだろう。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地方自治・福岡県田川市】  2022年04月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.04.06】:田川市ごみ収集運搬業務の業者選定で便宜供与の疑い

2022-05-19 05:15:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.04.06】:田川市ごみ収集運搬業務の業者選定で便宜供与の疑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.04.06】:田川市ごみ収集運搬業務の業者選定で便宜供与の疑い 

 福岡県田川市(二場公人市長)が昨年5月に実施したごみ収集業者のプロポーザル選定を巡り、改めて開示された文書から、市が特定業者に便宜供与していた疑いがあることが分かった。

 ■隠されていた「契約保証金」についての記述

 プロポーザルの結果と違う形になっていた実際の契約業者名を非開示にした同市の処分は不当とするハンターの審査請求を受けた市情報公開・個人情報保護審議会が、「開示すべき」と答申。非開示処分が取り消されたことで、市が隠蔽してきた契約業者名などの文書の記述がオープンになった。下はその中の1枚。左が昨年開示された黒塗りだらけの文書、右が今回新たに開示されたものだ。(*画像クリックで拡大

 ハンターが昨年の開示請求で求めたのは「辞退届」。一部開示された上掲左の文書に「なお、令和3年5月28日付けで優先交渉権第1位の通知を受けたC工区については、都合によりその権利を辞退します」という文言があったため、この文書がC工区の「辞退届」だと考えていた。

 昨年、同様に開示された文書の中にあったA工区の辞退届(下、参照。早雲商事提出)の文言「令和3年5月28日付けで優先交渉権第1位の通知を受けましたが、都合によりその権利を辞退します」が上掲の文書の開示部分「令和3年5月28日付けで優先交渉権第1位の通知を受けたC工区については、都合によりその権利を辞退します」とほぼ同じだったことも、ハンターの判断を誤らせる一因となっていた。

 

 ところが、「クリーン北部九州」が提出していた文書の全文が開示されてみると、「辞退届」とはまったく違う内容。文書のタイトルは、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託(A工区)の契約締結に係る契約保証金について」となっていた。この文書は、辞退届などではなく“融資を受けてA工区の契約保証金を支払うので、融資実行日の7月26日まで待ってもらいたい”という意味合いの確約書にしかみえない。

 そもそも、《A工区又はB工区の契約候補者がC工区の優先交渉権を得ている場合、A工区又はB工区の契約締結時点で、C工区の優先交渉権は失効する》というプロポーザル実施要領の規定で(*下、赤いアンダーラインが実施要領の該当条文)、A工区を契約する業者は、C工区の優先交渉権が失効する決まりだったはず。A工区の仕事を受注することが確実となっていたクリーン北部九州は、「C工区を辞退します」などという文書を差し出す必要がなかった。

 ■契約保証金納付を猶予

 最大の問題は、隠されていた「標記契約の締結に当たって、金融機関から融資が実行され次第(7月26日)、速やかに契約保証金(23,500,000円)を現金で市に納付します」という一文だ。

 実は、クリーン北部九州がA工区の契約を結ぶにあたって田川市に示した契約保証の形式は、業界関係者が「極めて異例」と口をそろえる“現金納付”。一方、B工区とC工区を受注した業者がそれぞれ市と結んだ契約では、履行保証保険契約などを利用した一般的な契約にみられる「保証金免除」となっていた。

  上掲の確約書の記載通り、クリーン北部九州は7月26日に契約保証金を納付したらしく、同日に市と契約を結んでいた。

 「田川市契約事務規則」の規定によれば、市と契約を締結する者の納付すべき契約保証金の額は、当該契約金額の100分の10以上。保証金は契約の締結前に納付しなければならない決まりだ。A工区の業務委託料は2億3,426万5,157円で、クリーン北部九州は、その100分の10以上となる金額=2,342万6,600円以上を納めねばならなかった。

 だが、開示された一連の文書に沿った時系列などから思料すれば、クリーン北部九州は、早い時期に契約保証金を納めることができなかったとみられる。整理するとこうなる。

  プロポーザルでA工区2位となったことからみても、クリーン北部九州が同工区の受注を狙っていたことは確か。ならば、同社がすんなり選定1位となっていた場合、日を置かずにA工区=クリーン北部九州、B工区=早雲商事という契約が結ばれ、自動的にC工区の交渉権が2位の業者に移っていたはずだ。しかし、実際には早雲商事が5月31日という早い時期に辞退届を提出たにもかかわらず、契約に至る作業は約2か月近くも止まっていた。なぜか――?

 考えられる理由は一つ。クリーン北部九州が、2,350万円という高額な契約保証金を即座に納付することができなかったからだ。そのことは、隠されていた「標記契約の締結に当たって、金融機関から融資が実行され次第(7月26日)、速やかに契約保証金(23,500,000円)を現金で市に納付します」という一文が証明している。同社は、数千万円単位の契約保証金が必要になることを承知の上でA、B、Cすべての工区のプローポーザルに応募しておきながら、保証金についての準備を行っていなかったことになる。

 他の自治体なら、即刻受注資格を失うケースだが、田川市はクリーン北部九州に2か月もの時間を与えるという特別対応。少なくとも問題の文書が出された「7月12日」から実際の契約日となった「7月26日」まで、契約保証金の支払いを猶予したという事実は動かない。上掲の時系列表から明らかなとおり、これによって、すべての契約作業がクリーン北部九州の都合に合わせた格好で滞っていた。田川市のクリーン北部九州に対する「便宜供与」を疑うべき事例であることは言うまでもない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地方自治・福岡県田川市(二場公人市長)が昨年5月に実施したごみ収集業者のプロポーザル選定を巡り、改めて開示された文書】  2022年04月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.03.31】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|受注辞退で9400万円の利得

2022-05-19 05:15:10 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.03.31】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|受注辞退で9400万円の利得

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.31】:田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|受注辞退で9400万円の利得 

 福岡県田川市(二場公人市長)が昨年5月に実施したごみ収集業者のプロポーザル選定に関する疑惑を巡り、実際の受注業者名を非開示にした同市の処分は不当とするハンターの審査請求を受けた市情報公開・個人情報保護審議会が「開示すべき」と答申、市は10日付けで非開示処分を取り消す裁決を下し、隠蔽してきた業者名を開示した。

 結果は、昨年来ハンターが報じてきた通り。3工区のうち、1工区と2工区で1位になった「早雲商事」(田川市)が2工区の受注を辞退。3工区1位の「クリーン北部九州」も何故か受注を辞退して、2位につけていた1工区を早雲商事から譲られる格好で受注していた。その結果……。

◇   ◇   ◇

 問題の事業は、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」。A工区(市内西側の可燃ごみ)、B工区(市内東側の可燃ごみ)、C工区(市内東側の可燃ごみ)に分けて業務委託されるもので、今年4月からの実施に向けて昨年5月にプロポーザル方式での業者選定が行われた。

 選定が進められたA、B、C三つの工区のうち、A、B両工区で第一位となった「早雲商事」がA工区の受注を辞退。さらに、C工区一位の「クリーン北部九州」も辞退届を出すという異例の展開に――。ハンターの取材で、別々の3社が仕事を分け合う形で契約が結ばれていたことが明らかとなっていたが、市はA、C両工区の契約結果を黒塗り非開示にして隠ぺいを図っていた。

 ハンターは昨年9月、非開示を不服として田川市に審査請求。今月になって田川市が処分取り消しに追い込まれ、25日までに黒塗りだった業者名が開示された。下が、これまで隠されていたA工区の契約書である。

  A工区を受注したのは、ハンターの取材結果どおりC工区の受注を辞退した「クリーン北部九州」。これによって、それぞれの工区の受注状況は、今回開示された下の文書のようになり、C工区を辞退してA工区の受注に回ったクリーン北部九州は、約9,400万円もの利を得た格好となっている。

  本件の業務を請け負う業者は、プロポーザル方式で選定されており、応札にあたってはそれぞれの業者が「提案書」を提出している。当然、業務遂行が可能であることを前提にしたもので、自社が他の業者より優れていることを謳っていたはずだ。それが選定結果が出たとたんに辞退――。「おかしい」と思うのが普通だろう。異例の受注事態が相次いだあと、「早雲商事」と「クリーン北部九州」がいずれも約2億4,000万円の仕事を分け合っているのだからなおさらだ。

 では、「辞退」の理由はどのようなものだったのか?下が、昨年開示された「早雲商事」と「クリーン北部九州」の辞退届である。

 2枚を見比べた瞬間に、ほとんどの人が疑問を抱くのではないか。プロポーザルの審査結果が通知されたのは昨年の5月28日だが、早雲商事の辞退届提出は3日後の5月31日。一方、クリーン北部九州の辞退表明(文書に『辞退届』のタイトルがないため)は、審査結果通知から約1か月半近くあとの7月12日だ。クリーン北部九州の辞退表明は、なぜこうも遅くなったのか――?同社の辞退表明文書は、なぜ大部分が黒塗り非開示になっているのか――?

 不可解というしかない一連の動きだが、田川市情報公開・個人情報保護審議会が、これまで市が非開示にしてきた文書の一部を「開示すべき」と答申したことで新たに明らかになった記載が、疑問に対する答えを導き出すことになる。次週の配信記事で、深まった疑惑について詳細を報じる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・福岡県田川市(二場公人市長)が昨年5月に実施したごみ収集業者のプロポーザル選定に関する疑惑】  2022年03月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.03.16】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(4)郡医師会長、わいせつ事案「よくあること」「人騒がせ」

2022-05-19 05:13:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【HUNTER2022.03.16】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(4)郡医師会長、わいせつ事案「よくあること」「人騒がせ」

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.16】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(4)郡医師会長、わいせつ事案「よくあること」「人騒がせ」 

 新型コロナウイルス感染者の療養施設として鹿児島県が提供したホテルなどで県医師会の男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為をしていた問題を巡り、先月開かれた医師会内部の会議で同会の幹部が、「よくあること」「話題になったのは一瞬」「あまり大きな問題ではない」などと事件を過少評価する発言を行っていたことが分かった。

 県医師会の池田琢哉会長や常務理事が主張している「合意に基づく性行為」に沿った発言で、療養中だった患者や「被害」を訴えている女性スタッフへの配慮は皆無。責任を軽くしようと目論む県医師会上層部の、歪んだ姿勢を象徴する事実と言えそうだ。

◇   ◇   ◇

 問題の発言が飛び出したのは、先月22日に開かれた県医師会の「郡市医師会長連絡協議会」の席上。発言したのは大島郡医師会の会長だった。会議の中で同氏は、池田会長の「(男性職員によると)昨年8月下旬から9月上旬にかけて当該医療機関と宿泊療養施設内で複数回行為を行った。そのうち、性交渉が5回で全て合意の基であった」との報告を受ける形で、次のようなことを述べたという。

・「降って湧いたようなことで、非常に驚いた」
・「そういうことは、よくあること」
・「大島郡の医師会がでは、驚いたが一瞬」
・「みんなも似たようないい加減なことを経験している」
・「新聞に出たときも話題にならなかった」
・「いきなり強制性交だと怒鳴り込んでくる〇〇〇(女性スタッフが勤務する法人の代表者)も〇〇〇。人騒がせ」
・「〇〇〇(女性スタッフが勤務する法人の代表者)の行為は、脅迫行為。〇〇〇を告訴」

 発言の中で信頼回復の重要性にも言及したというが、男性職員擁護を続けている池田医師会長や常務理事と同じ考え方に立っていることは明らか。「よくあること」「新聞に出たときも話題にならなかった」との発言からは、事件の矮小化を狙っているとしか思えない県医師会の思惑が透けて見える。

 郡市医師会長連絡協議会での発言内容に間違いはないか――?ハンターの電話取材に答えた大島郡医師会の会長は、「『よくあること』と言ったのは確かだが、それは、その手の問題はよくあること、よろしくない、という意味」と説明、「『人騒がせ』という発言はしてません」と一部を否定している。(*否定された『人騒がせ』という一言については、今後の配信記事の中で事実を明かしていく)

 前後を含めて発言の流れを確認してみたが、大島郡医師会の会長が池田氏や常務理事による男性職員擁護に沿ったものであるのは確か。改めて、県医師会の規範意識が問われる状況だ。

 問題の郡市医師会長連絡協議会の最後には、県医師会を間違った方向に導こうとする池田会長の「指示」が出ることになる。(つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設として鹿児島県が提供したホテルなどで県医師会の男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為をしていた問題】  2022年03月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2022.03.14】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(3)コロナ療養施設での性行為、常務理事も「合意があった」

2022-05-19 05:13:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【HUNTER2022.03.14】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(3)コロナ療養施設での性行為、常務理事も「合意があった」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.14】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(3)コロナ療養施設での性行為、常務理事も「合意があった」 

 鹿児島県が指定した新型コロナウイルスの療養施設などで、県医師会の職員が女性スタッフにわいせつ行為を行っていた問題を巡り、同会の役員が2月に開かれた会議で男性職員の言い分だけを一方的に発表し、「合意の上での性行為」だったと結論付けていたことが分かった。事件を受けて医師会が立ち上げた調査委員会での議論を前に、組織内部に予断を与えた格好だ。

 ハンターの取材に「複数回の性交渉は合意があった証拠」といった趣旨の発言をした県医師会・池田琢哉会長の主張と重なる内容で、療養していたコロナ患者や性被害を訴えている女性スタッフのことを軽んじる動き。規範意識を欠いた県医師会上層部の姿勢に、内部からも批判の声が上がる状況となっている。

 ■「合意」にこだわる常務理事

 問題の発言を行ったのは、県医師会の常任理事。同理事は今年2月22日に開かれた県医師会郡市医師会長会議(以下、「会議)」の席上、医師会の聴取を受けた男性職員の「合意の上での性交渉」とする主張を、約10分間にわたって一方的に発表していた。

 その内容は、あたかも女性スタッフ側から積極的に接触したかのような印象を与えるもので、「男性職員から聞き取った内容が、(女性スタッフ側の主張を軸にした)新聞報道とかけ離れている」と明言、『合意はなかった』として刑事告訴した女性スタッフの言い分を真っ向から否定する内容だった。現段階で、医師会による女性スタッフへの聴取は実現していない。

 常務理事は、池田氏が会議の冒頭で話した「性交渉が5回で、すべて合意のもとであった」を前提に据えた上で、男性職員が陳述したという女性スタッフとの出会いから最後の性交渉までの経過を、事細かに説明。女性スタッフを派遣した医療法人の代表者が、男性職員に女性や法人に対して慰謝料請求したことでその職員が体調を崩した、などとして性行為を行った職員を庇うような発言を行っていた。

 常任理事は12日、会議での発言内容について確認を求めたハンターの電話取材に対し、「合意のあるなしにかかわらず、男性職員の行為が良くないものであることは認める」とした上で、「(残された記録から)強制性交でないことは明らか」「相手の女性が医師会側の聴取に応じない」などと事実上の女性スタッフ批判。「医師会として近く会見を開き、今回の件についての何らかの調査結果を公表する必要がある。医師会としての責任は認めるが、(事件を報じた)南日本新聞の記事は女性側の言い分だけを書いた一方的なもの。男性職員の話はまったく違っており、残された証拠からも合意があったことは明らか」と反論した。

 記者とのやり取りの中で常務理事は、女性スタッフの勤務先から厳しい追及を受けた男性職員が精神的に追い詰められ「自殺しかねない状況」だったと職員を庇う。しかし、男性職員を訴えた女性スタッフの心情はどうなのかという点については、一切斟酌なし。“医師会の聴取に応じない方が悪い”という姿勢だ。ここまでの問答には、新型コロナの療養施設で静養していた患者が、この事件をどう見るかという肝心な話は出てこなかった。

 ■問われる「調査委員会」の意義

 “合意に基づく性行為”を喧伝する県医師会の池田会長や常務理事の姿勢は、問題の本質を無視する歪んだ組織体質の象徴だ。一連の男性職員擁護発言は、事件を受けて自分たちが立ち上げた「調査委員会」の議論を縛ることになる。目的が、当事者男性と医師会の責任を軽くすることにあるとみなされても仕方があるまい。

 県医師会は事件を受けて、三つの組織を立ち上げている。まず「調査委員会」で事件の詳細を検証し、次に調査結果に基づき「懲罰委員会」で男性職員の処分について検討、組織として過ちを繰り返さないよう「再発防止等改善検討委員会」でも議論するのだという。

 だが、医師会上層部の会議で、会長や常務理事が「合意があった性行為」と断定してしまえば、調査委員会のメンバーに予断どころか「結論」を与えたも同然。始まる前に調査委員会の方向性を決めた格好になっている現状は、明らかに公平性を欠く。ガバナンス上の問題が指摘されるだけでなく、組織の自浄作用の有無が問われてもおかしくあるまい。

 鹿児島県医師会の上層部は、“県民の生命を守るため税金を投入して新型コロナ感染者を療養させるという重要なミッションの現場で、同会の職員が業務期間中に、患者そっちのけで性的行為を行っていた”ということの重大性を理解していないのではないか――。さらに取材を進めるうち、郡市医師会長会議に出席していた別の医師会幹部が、とんでもない発言を行っていたとことが明らかとなる。(つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・鹿児島県が指定した新型コロナウイルスの療養施設などで、県医師会の職員が女性スタッフにわいせつ行為を行っていた問題】  2022年03月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.03.10】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(2) ■「合意があった」でわいせつ行為擁護の医師会長

2022-05-19 05:13:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【HUNTER2022.03.10】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(2) ■「合意があった」でわいせつ行為擁護の医師会長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.10】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(2) ■「合意があった」でわいせつ行為擁護の医師会長 

 新型コロナウイルス感染者の療養施設として鹿児島県が提供したホテルなどで、昨年8月から9月にかけ、県医師会から派遣された男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為をしていたことが発覚した。決して容認できない患者そっちのけのハレンチ行為であり、医師会の管理責任が問われて当然の事態だが、2月の事件発覚から今日に至るまで県医師会は沈黙したまま。県民に対する組織としての謝罪はなく、今後の方針も示されていない。

 動きの鈍さに疑問を抱いて取材したところ、医師会上層部に、謝罪どころか議論のすり替えを行って責任問題をうやむやにしようという動きがあることが明らかになった。

 ■県医師会長―「合意」主張し責任認めず

 8日の配信記事で述べた通り、この件の最大の問題は、県民の生命を守るため税金を投入して新型コロナ感染者を療養させるという重要なミッションの現場で、医師会の職員が、業務期間中に性的行為を行っていたということ。コロナ患者が不安の中で過ごしていた療養施設の中で、こともあろうに医療関係者が、性的行為に精を出していたというのだから開いた口が塞がらない。民間企業なら即刻クビ。県から施設運営を任され県医師会に、監督責任があるのは当然だろう。

 しかし、取材の結果、県医師会の上層部には責任意識も、規範意識もないことが分かってきている。記者はまず県医師会トップの池田琢哉に電話取材したが、信じられない暴論を聞かされることになった。以下はその概要である。

――先日、南日本新聞に報じられた件でお尋ねしたい。関係者の一部から『合意があったから問題ない』という話が出ているが?
池田会長:はいはい。

――池田会長が県に出向かれて、合意があった話だと説明されたと聞いているが?
池田会長:誰が?

――池田先生が、だ。事実か?
池田会長:合意というか、数回に渡って……(性行為が)あるわけですね。だから、数回もあって●●(強制性交)ってのは、あり得ないね

――それを県に説明したのか?
会長池田:ええ、ええ。そうです。

――そうすると、合意があったという話は、十分信用ができるということか?
池田会長:いや、それは、まあ、僕には、言えないけども。●●(強制性交)なんて普通一回あって、そして、すぐこれは大変だっていうことで、訴えるわけだ、これ。そうじゃなくて、一回だけじゃなくて、数回あったわけですから。えー、そういうこと(強制性交)はちょっと考えられない

――考えられない、ということを県に説明をしたと?
池田会長:ええ、数回あったってことはしております。

 実は、県医師会内部で、池田会長を含む上層部の一部が、「性的行為には合意があったから問題ない」という問題の本質を歪めた主張を行っているという情報があった。しかし、重ねて述べるが、性的行為に合意があったか、なかったかは警察の捜査で明らかにされるべきこと。裁判になれば、法廷で決着がつけられる話だ。真相に関係なく、医師会の男性職員が不埒な行為に及んだことにかわりはなく、いかなる理屈を並べても管理責任は医師会にある。池田氏の主張は、責任回避のための議論のすり替えに過ぎない。

――合意があったか、なかったかはわからない。問題は、人の命を守るという崇高な使命を負った事業を任された医師会の人間が、患者のいる施設の中で性行為を行ったということ。医師会に管理監督責任はないのか?
池田医師:誰にですか?

――医師会に、だ。
池田会長:それは、調査委員会で、まあ調査している最中ですので。

――合意があったからといって言い逃れすることはできない。
池田会長:そっちで判断するのはおかしいじゃないですか。それ。

――合意があったのかどうかという話ではなく、まず医師会として、こういう職員を出して県民に大変不信を与えた、ということへの謝罪があって然るべきだと思うが、それは間違いか?
池田会長:それは、間違いです

――どこが間違いか?
池田会長:要するに、ええっと、あのー、なんて言うか、男女関係ですよね?

――男女関係だが、やっていい場所と悪い場所がある。療養施設はラブホテルじゃない。
池田会長:そりゃそうだけど、それはぜんぜん、我々は、知ってたら対応しますよ。

――性行為自体がとがめられてるわけで、合意があったかなかったかについて、ハンターとしてどうこう言うつもりはない。
池田会長:だけど、それがね、すぐ、その県の医師会に責任があるんだってことはおかしいと思うんだけど

――繰り返すが、合意があったかなかったかは別の問題。問題は、県の事業である新型コロナウィルスの療養施設で、性行為があったということが、不埒な振る舞い、不正な振る舞い、不適切な振る舞いだと申し上げている。それを認めないつもりか?
池田会長:……。いや、そりゃー。

――認めない?
池田会長:あの、二人が、わかんないですけど、愛し合っていたら、わかんないですね

――では聞くが、愛し合っているものを刑事告訴するのか?
池田会長:いや、そりゃ、だけど。本人が本当に、だけど、その、なんて言うか、普通告訴やったら、●●(強制性交)されたから、告訴するはずでしょ?

 

 残念なことに、池田氏との話は平行線。最後まで嚙み合わなかった。性行為の「合意」の有無にこだわる池田氏の考え方は、「合意はなかった」として刑事告訴した女性の立場や思いを無視した暴論であり、事の本質を歪めるための強弁としか思えない。

 池田氏からは「(ハンターは)一方的な取材で、筋道を作って、一方的に報道する」という厳しいご批判を頂戴したが、間違いを間違いだと指摘し、追及するのがハンターの使命であるとお断りしておきたい。その上で申し述べる。新型コロナの療養という重要施策を汚しておきながら、責任回避のために被害女性の名誉まで傷つけているとしたら、鹿児島県医師会の責任はいよいよ重いものになる。(中願寺純隆)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設として鹿児島県が提供したホテルなどで、昨年8月から9月にかけ、県医師会から派遣された男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為をしていたことが発覚】  2022年03月10日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.03.08】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(1)■コロナ療養施設で職員が性行為

2022-05-19 05:13:10 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【HUNTER2022.03.08】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(1)■コロナ療養施設で職員が性行為

 漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.08】:鹿児島県医師会に問われる規範意識(1)■コロナ療養施設で職員が性行為

 先月中旬、鹿児島県が新型コロナウイルスの感染者を療養させるため提供しているホテルなどで、鹿児島県医師会から派遣された男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為をしていたことが発覚。地元紙南日本新聞などが事案の概要を報じた。

 県民の命を守るという崇高な使命を帯びた事業の委託先として、県や県民の期待を担った医師会の人間が、仕事の現場で性的行為にふけったというおぞましい出来事。県の新型コロナ対策事業に対する信頼を失墜しかねない事態だが、謝罪と説明責任を果たすべき立場の医師会内部で、事の本質を忘れたかのような方向違いの議論が行われていることが分かった。前代未聞の「事件」について、シリーズで検証する。

 ■「事件」の概要

 複数の関係者の証言によると、鹿児島県医師会の男性職員による不適切なわいせつ行為が行われたのは、昨年8月から9月までの間。最初は、新型コロナ療養施設に指定された鹿児島市内のホテルに用意された医師会職員用の部屋で、背後から抱きしめたりキスを強要するといった行為だったものが、職務上の接触が重なるたびにエスカレート。わいせつ行為は一線を超えるまでになっていった。

 女性スタッフはその度に抵抗したが、相手の巨体と力の前になすすべなく、恐怖もあいまって固まった状態になっていたという。

 女性スタッフの異変に気付いた勤務先の同僚が、事情を聞いて「事件」が発覚。女性スタッフは鹿児島県警に告訴状を提出し、県警はこれを受理している。

 ■問題点は・・・

 シリーズの初めに断っておくが、この件の最大の問題は、県民の生命を守るため税金を投入して新型コロナ感染者を療養させるという重要なミッションの現場で、「医道の高揚、医学及び医術の発達並びに公衆衛生の向上を図り、社会福祉を増進すること」(日本医師会ホームページより)を目的とする団体の職員が、業務期間中に性的行為を行っていたということ。これは、県民の信頼や期待を裏切る行為であり、民間企業なら懲戒解雇となるのが普通だろう。仕事の最中にわいせつ行為を繰り返す社員を、容認して雇い続ける企業があるはずがない。性行為に「合意」があったか、なかったかには関係なく、医師会職員の行動そのものが問題なのだ。

 ■生ぬるい鹿児島県の対応

 新型コロナの療養施設内で、患者の命を守るという使命を負った医療関係者が性的行為――県民の信頼を失いかねない暴挙に、県の担当者も戸惑いを隠さない。

 鹿児島県くらし保健福祉部健康増進課新型コロナウイルス感染症対策室は7日、ハンターの取材に対し「県医師会に対し事案の詳細な内容を調査し、迅速に報告するよう求めた」とコメントするのが精一杯。それ以上の話はできないとして、踏み込むことを避けた。生ぬるい対応と言うしかない。

 県民からすると「新型コロナの療養施設で、なんてことしてるんだ」というおぞましい事件。患者がいる施設内に派遣した職員が、性的行為に及んでいたことを医師会側が認めている以上、現時点で厳しい姿勢をみせて当然だろう。県は医師会側の調査結果を待つというが、医師会内部の調査には限界がある。そもそも、医師会職員のわいせつ行為については既に告訴状が出されて刑事事件になっており、捜査結果や、場合によっては法廷での決着をみるまで真相は分からないのだ。「調査結果を待つ」などと悠長なことを言っている場合ではなかろう。

 最初に断ったように、この事案の最大の問題点は、複数回のわいせつ行為が発覚した時点で明確になっている。業務期間中に、性交渉を持つなどというハレンチ行為が許されるはずはなく、当該業務が公金投入された人命にかかわるものであるならなおさらだ。

 では、派遣した職員の行為について、県民の信頼を裏切ったかたちの鹿児島県医師会はどのような対応をしてきたのか――?取材したところ、世間の一般常識から大きくかけ離れた医師会上層部の姿勢が、浮き彫りとなる。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・鹿児島県が新型コロナウイルスの感染者を療養させるため提供しているホテル・鹿児島県医師会から派遣された男性職員が女性スタッフに不適切な性的行為の発覚】  2022年03月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2022.03.25】:北海道が「のり弁」誤り認める|江差パワハラ公文書、異例の再開示

2022-05-19 05:11:50 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2022.03.25】:北海道が「のり弁」誤り認める|江差パワハラ公文書、異例の再開示

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.25】:北海道が「のり弁」誤り認める|江差パワハラ公文書、異例の再開示 

 複数の教員の関与が認定された北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、北海道の担当課が昨年度までに受理した被害告発の記録などがこの3月、担当課の判断で一部開示された。

 記録は昨年4月に一度、筆者が公文書開示請求で入手していたものだが、それらが事実上全面墨塗りの「のり弁当」状態だったため、筆者は同5月に審査請求(不服申立)していた。これを受けた道の第三者機関が開示の適正性を審査していたところ、道の担当課は本年2月、審査会の答申を待たずに当初の「のり弁」開示を「誤っていた」と認め、再開示に到った。

 道の行政情報センター関係者によると、処分機関が自ら「原処分取り消し」を決めるのは極めて異例。再開示を決めた担当課の関係者は「(筆者の)主張をもっともだと思い、取り消しを決めた」と話している。

◇   ◇   ◇

 今回、多くの「のり」が剥がれて再開示されたのは、江差看護学院のハラスメント告発を記録した『苦情対応票』や、3年前に同学院の学生が自殺した事件への対応の記録など、道が保存する公文書計49枚。昨年4月の一部開示決定では、これらの文書は標題や日付を除いてすべて墨塗り処理されており、学生の苦情やそれを受けた道の対応などがことごとく不開示となっていた。

 再開示によってあきらかになったのは、ハラスメント問題が表面化する前の昨年度時点で、道が切実な被害の訴えを受けていた事実。昨年1月22日付の『苦情対応票』には、こうある。

《去年から他の保護者が何度も道にパワハラの実態を調査して欲しいと言っているが全く動いてくれず、対応してくれないのはどういうことか》

《教員が一人やめたが、副学院長がその教員を追い込んでやめさせたことなど、学生は全てを知っている》

 (*以下、画像の中の赤字の書き込み、アンダーラインはハンター編集部)

  さらに2カ月後の3月8日には、痺れを切らした被害者が報道機関への告発に乗り出す考えを明かしていた(のちに告発に到ったのは既報の通り)。

《1年生のほとんどが、退学する状況である。このような訴えは他の保護者からも来ているはずだが、原因は教員のパワハラであるのに、道は対応しないのか。こちらはマスコミに伝えるように準備している》

 同文書で興味深いのは、「のり」の下に次のような一文も隠れていた点。『対応票』の後半、道の担当者の筆になる記述を引く(※ 一部誤字は原文ママ)。

《事実と違うことが流布されている様子もある》(1月22日付)

《事実以外のことが風潮されている 誹謗中傷に当たる可能性もある》(3月8日付)

 いわゆる「クレーマー」あるいは「モンスターペアレント」が事実無根の被害を訴えているかのような報告。これはつまり、当時の担当者が被害証言を信用していなかったということになる。言い換えれば、加害が疑われる教員のほうを信用していたことと。参考までに付記しておくと、この担当者はかつて道の看護学院に勤務、現在の江差の副学院長とともに教職に就いていた。それが昨年度、札幌の本庁で担当課に勤務することになり、江差からの苦情に対応していたわけだ。この人物は、本年度から再び看護教育の現場に戻っている。現在の職場は江差看護学院である。

 「のり」が剥がれた公文書には、これらに加えて「事故対応」の記録も含まれている。文書に謂う「事故」とは、2019年9月に当時の在学生が自殺した件。この事態に学校がどのように対応したのか、事件当日から翌日にかけての動きを時系列で記録した文書があった。

 同文書を紐解くと、学生を発見した教員が当日の午前8時48分に「110番通報」していた事実を確認できる。本サイトの3月7日付記事(⇒「江差看護学院・被害遺族が慟哭の証言|認定されなかった最悪のパワハラ」)で伝えた通り、現場で異変に気づいた教員らは直ちに救急通報せず、まず警察へ連絡していた。読者にはここで、先の記事に添付している救急の文書を確認していただきたい。文書の左側に記録された「入電」時刻の欄に「8時58分」との記載がある筈だ。教員の警察通報が8時48分で、警察からの救急通報が同58分。これで約10分間、救急出動が遅れる結果となったのだ。

さらに言うならば、現場の教員らは警察通報さえ後回しにしていた。今回開示された文書に眼を戻すと、110番通報に先んじた行動が次のように記録されていることがわかる。

《学院に報告する》

  警察通報の1分前、8時47分のことだ。まとめると、学生の異変を知った当時の教員らは何よりもまず、職場へ真っ先に報告することを選んだ。次いで、警察に通報した。救急にはついに通報せず、車で2分の距離にある道立病院へも連絡しなかった――。

 先に述べた通り、道は筆者の開示請求に対し、これらの文書をほぼ全面墨塗りで開示していた。不開示の理由は、いわゆる個人情報保護など。開示翌月の昨年5月24日に審査請求を申し立てた筆者に対し、道は同9月28日付の『弁明書』で次のように反論している。

 苦情対応の非開示について…《相談者は、当該相談の内容が他に開示されないことを前提に申立てを行っていると推察される》

 事故対応記録の非開示について…《開示の是非の判断に当たっては、遺族に対し、不用意な想起による失意を与えることのないよう、十分留意する必要がある》

 前者については、ほかならぬ相談者自身が「マスコミに伝える」と明言していた点で、非開示の弁明としては苦しいものと言わざるを得ない。後者に到っては、実在する「遺族」の意向を確認した形跡がなく、にもかかわらず「留意」すべしという主張。遺族自身はむしろ、真実を求めて声を上げ始めることになるのだが。

 筆者は10月27日付の『反論書』で道の主張の非合理性を指摘、さらに12月8日に設けられた意見陳述の場で次のように訴え、適正な開示を求めた。

 「道は第三者調査委員会の『調査書』を報道機関や議会傍聴人などに提供しています。そこには『A教員』とか『b学生』のような匿名表記があるものの、ハラスメント事案の内容そのものは伏せられず開示されています。個人名を伏せさえすればここまで出せるのに、なぜ昨年度の苦情対応記録とかは苦情内容までをも墨塗りにするのか。自殺した学生さんの件も、地元消防は伏せるべき所を伏せた上で事実を開示しました。同じことは道にもできる筈です

 同日の陳述を、筆者はこう締めくくっている。

 「願わくば、審査会の答申を経ずとも、道が独自に『間違っていた』と認めてくださるよう求めます

 年が明けて本年2月18日、道はこれに応える形で原処分の取り消しを決定。本稿冒頭に述べたように、審査会の答申を待たずに原処分が覆るのは極めて異例のことだ。

 決定を伝える文書で、道はもとの開示決定に「誤りがあった」と認めているが、なぜ誤ったのかまでは記されていない。ここまで述べてきたように、新たに開示された情報にはハラスメント被害者が知りたかった情報が多く含まれている。では、そういう情報をことごとく伏せることによって守られたのは、誰なのか――。もはや敢えて述べるまでもないだろう。

 ※ 在学生の自殺事案については23日午前、北海道議会保健福祉委員会で初めて俎上に載り、2会派から計1時間にわたる質問があった。同委の平出陽子議員(民主・函館市)と真下紀子議員(共産・旭川市)の追及に、道の担当課は当時「原因不明」として事案を処理していた事実を明かし、ハラスメントの有無の調査については「ご遺族からの希望があれば誠実に対応したい」と答弁した。第一発見者となった教員が救急通報をせず学校と警察のみに連絡した対応については「ただちにさまざまな救命対応を試みたが、蘇生困難な状況だった」と説明している。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・複数の教員の関与が認定された北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2022年03月25日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2022.03.18】:【速報】江差看護学院・パワハラ副学院長が退職へ| 関与教員の一部は次年度も残留

2022-05-19 05:11:40 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2022.03.18】:【速報】江差看護学院・パワハラ副学院長が退職へ| 関与教員の一部は次年度も残留

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.03.18】:【速報】江差看護学院・パワハラ副学院長が退職へ| 関与教員の一部は次年度も残留 

 複数の教員の関与が認定されている北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、ハラスメントの中心人物である品川由美子副学院長が本年度いっぱいで退職することがわかった。

◇   ◇   ◇

 後任の教務担当副学院長には、閉校が決まった網走看護学院の教務主幹の名が上がっている。江差でハラスメント認定された教員は現副学院長を含めて7人おり、大半が道内の保健所などに異動する方向だが、一部については引き続き学院に残ることになる見込みだ。

 ハラスメントに関与した教員7人のうち5人は現在、配置換えにより道立江差保健所に勤務中。品川氏もこれに含まれ、その後の新体制で学院には新たに「事務担当副学院長」が着任したが、従来の「教務担当副学院長」は同氏が引き続き務め続けることとなった。今回辞職することがわかっているのは現時点で同氏のみで、残る4人は道内の保健所など看護教育と関わらない職場に異動することになる。

 ハラスメント認定を受けながらも学院に残り続けている教員は2人おり、うち1人は品川氏と同じく年度末で退職する意向。ただ、同教員は次年度からも「インストラクター」として実習などにかかわり、現場で学生らと接触し続けることになる。残る1人は教員の立場のまま残留する見込みだ。

 現場では3月上旬時点で当事者の教員らになんらかの内示があったことがわかっているが、これが異動に関するものか処分に関するものかはあきらかでない。道の担当課は17日の時点で、いずれについても「何も把握していない」としており、正式発表の時期は不明。ハラスメント被害者らの求める謝罪が年度内に実現しなかった場合、品川副学院長は一度も頭を下げることなく現場を去る可能性がある。

 道の看護政策を知る関係者の1人は「品川氏については『停職処分を経て自己都合退職』という路線が昨年の時点でほぼ固まっていた」と証言しており、事実ならば退職は氏自身の意向ということになるが、前述の通り各教員の処分については17日時点で確認できていない。

 一連のハラスメント問題をめぐっては18日、道の担当課が学生の自殺事案などに関わる公文書を「再開示」する動きがあった。文書は昨年4月に筆者が開示請求したもので、道は当初いわゆる「のり弁」状態で文書を開示してきたが、これに筆者が審査請求(不服申し立て)したところ、審査会の答申を待たずに異例の「自庁取り消し」を経て開示のやり直しに至った。これらの経緯については、稿を改めて報告したい。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・複数の教員の関与が認定されている北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2022年03月18日  16:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【フィンランド】:ガス会社ガスムでロシア産天然ガスの供給停止へ ルーブル払い拒否

2022-05-19 00:19:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【フィンランド】:ガス会社ガスムでロシア産天然ガスの供給停止へ ルーブル払い拒否

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【フィンランド】:ガス会社ガスムでロシア産天然ガスの供給停止へ ルーブル払い拒否

 フィンランドのガス会社ガスムは18日、ロシアからの天然ガスの供給が20日か21日に停止されるとの見通しを公表した。フィンランドはロシアのウクライナ侵攻を受けて北大西洋条約機構(NATO)の加盟申請に動き、ロシアが強く反発していた。

 

フィンランド国旗=ゲッティ

                 フィンランド国旗=ゲッティ

 ロシアは3月末、「非友好国」にガス代金をロシアの通貨ルーブルで支払…、残り123文字(全文273文字)

 ※:この記事は有料記事です。ご登録から1カ月間は99円!!。いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 国際 【欧州・フィンランド・ロシア・ウクライナ侵略】  2022年05月19日  00:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

 
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【参院選2022】:「浅草キッド」水道橋博士れいわ新選組から出馬表明、師匠たけしにも報告済

2022-05-19 00:10:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選2022】:「浅草キッド」水道橋博士れいわ新選組から出馬表明、師匠たけしにも報告済

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選2022】:「浅草キッド」水道橋博士れいわ新選組から出馬表明、師匠たけしにも報告済 

 お笑いコンビ「浅草キッド」の水道橋博士(59)が18日、夏の参院選にれいわ新選組から出馬することを表明した。都内で行われたトークライブに、れいわ新選組の山本太郎代表らと出演し、水道橋博士は山本氏から「れいわで参院選戦ってくれるかな」と要望され「戦います」と明言した。立候補は選挙区か比例代表かは未定だが、「水道橋博士」の通名で出馬を予定している。

夏の参院選に出馬を表明した水道橋博士(中央)きれいわ新選組の山本太郎代表(左)、大石晃子衆院議員と握手を交わした(撮影・大上悟)夏の参院選に出馬を表明した水道橋博士(中央)きれいわ新選組の山本太郎代表(左)、大石晃子衆院議員と握手を交わした(撮影・大上悟)

トークイベントに参加する水道橋博士(左)とれいわ新選組の山本太郎代表(撮影・大上悟)トークイベントに参加する水道橋博士(左)とれいわ新選組の山本太郎代表(撮影・大上悟)

 冒頭で水道橋博士は出馬は「2万%ない」とした。これは2007年に大阪府知事選出馬が浮上した橋下徹元大阪府知事が「2万%出ない」と発言しながら最終的に立候補したことをやゆした形。最終的に水道橋博士が会見で出馬を表明した。

 水道橋博士は15日、川崎・溝の口駅前で行われた山本氏の街頭演説を訪れ、山本氏からラブコールを送られた。その後に師匠のビートたけしに出馬の意思を固めたことを伝え、了解を得たことを明らかにした。

 水道橋博士は2月にユーチューブで日本維新の会の松井一郎代表を批判し、これに対して松井氏は4月に名誉毀損(きそん)で水道橋博士を訴えた。松井氏は「司法の場で決着をつける」と強硬姿勢で両者は対立を強め、この日も水道橋博士は「こんな演説がヘタな人はいない」などと酷評した。出馬へのハードルの1つだった供託金は「返済します」と山本氏に伝え、参院選では「スラップ訴訟」、「供託金の廃止」、「女性の政治参加」などを訴えていくとした。【大上悟】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・れいわ新選組・国政選挙・参院選2022】  2022年05月18日  22:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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