路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・05.18】:共催W杯20周年 日韓関係立て直しのキックオフあるか

2022-05-26 08:08:00 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【政界地獄耳・05.18】:共催W杯20周年 日韓関係立て直しのキックオフあるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.18】:共催W杯20周年 日韓関係立て直しのキックオフあるか 

 ★93年5月15日。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)を発足。最初の試合が行われた。そのスタートとともにクラブチームも今年30周年を迎えた。政界ではその年、宮沢内閣が内閣不信任案の可決を受け7月、第40回衆院選挙が行われた。選挙は新党ブームに沸き、自民党から飛び出した新生党や新党さきがけ、前年に結党された日本新党などの保守系新党が既成政党からその役割を替わろうとした。与野党の候補者はJリーグの曲を選挙のイメージに使った。

 ★結果、最後の中選挙区制度の選挙になったが自民党は比較第一党になったものの日本社会党、新生党、公明党、日本新党、民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合で非自民・非共産連立政権が成立。日本新党代表・細川護熙首班とする連立政権誕生、自民党対社会党のいわゆる55年体制が終わった。自民党初当選組には元首相・安倍晋三、首相・岸田文雄がいる。

 ★その後もサッカーと政治は密接な関係を見せる。02年5月から1カ月はFIFA日韓サッカーワールドカップ(W杯)が開催された。あれから今年で20周年になる。共同開催は日韓関係のみならず東アジア情勢に好転をもたらした。9月には当時の首相・小泉純一郎が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問した。日朝首脳会談で国防委員長・金正日(朝鮮労働党総書記)が日本人拉致問題を公式に認め、日本人拉致被害者の5人が帰国した。年末には韓国で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が就任。小泉とのシャトル外交がスタートした。今、日韓関係、日朝関係は見る影もないし、野党に政権交代の勢いがない。参院選後、近隣国との外交、野党の立て直しのキックオフはできないものか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年05月18日  07:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【永田町の裏を読む・05.26】:「憎しみ」の包囲網を構想する米バイデン大統領はさながらドンキホーテ

2022-05-26 06:03:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【永田町の裏を読む・05.26】:「憎しみ」の包囲網を構想する米バイデン大統領はさながらドンキホーテ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【永田町の裏を読む・05.26】:「憎しみ」の包囲網を構想する米バイデン大統領はさながらドンキホーテ

 外交は、平たく言えば、国と国とのお付き合いだから、人と人とのお付き合いと同じで、その根底には「愛」がなければいけない。できるだけ相手のいいところを見つけて、そこを大いに褒め上げて付き合うようにすれば、敵を少なくし味方を増やすことができる。

 米バイデン大統領は「外交通」と言われているが、本当にそうか。私には、この人はどこへ行っても「憎しみ」をあおって敵を増やそうとしているようにしか見えない。

<picture>ドン・キホーテとサンチョ・パンサ(日米首脳会談)/(代表撮影)</picture>

 ドン・キホーテとサンチョ・パンサ(日米首脳会談)/(代表撮影)

 現にウクライナ戦争では、戦争をこんなにまであおってどうするのかと思えば、「プーチンを権力の座にとどまらせない」(バイデン)、「ロシアを弱体化させる」(オースティン米国防長官)などの発言が出てきた。つまりはロシアという人口で世界9位、経済規模で11位(ちなみに核兵器数は世界一!)の国を丸ごと国際舞台から抹殺しようとしているかのようで、これでは世の中、収まりがつくわけがない。

 さて、そのバイデンが今度は韓国と日本を訪れて、中国や北朝鮮に対する「憎しみ」の包囲網をアジアにつくりたいから尹錫悦大統領と岸田文雄首相に手伝えというわけである。要するにバイデンは、21世紀の世界の基本構図を「民主主義と専制主義の戦い」と捉え、ロシアと中国(それに北朝鮮)をひとくくりに専制主義と呼んで冷戦時代の旧「共産陣営」のようなものとして復活させ、それに対して雄々しく立ち向かう民主主義、すなわち旧「自由陣営」の揺るぎないリーダーとして米国を蘇らせたいと思っているらしいことが分かる。

 だが、これは時代錯誤以外の何物でもなく、実現の見込みはない。彼は昨年3月末、就任後最初の記者会見で「世界一の大国になろうとする中国の野望は、自分が大統領である限り達成させない」と宣言したが、中国の経済規模が2030年にも米国を追い越すのは、中国の野望のせいではなく世界経済の自然な流れであって、バイデン一人が歯を食いしばれば止められるというものではない。

 バイデンは旧「共産陣営」という幻影に向かって突撃するドンキホーテで、岸田はそれをいさめるでもなく突き従っていくサンチョ・パンサ役というお粗末の一幕である。

高野孟
著者のコラム一覧
 ■高野孟 ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会【政治ニュース・永田町の裏を読む】  2022年05月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ファクトチェック・ニッポン!・05.25】:「新あすの会」が発足も…犯罪被害者側の救済が年間6円の負担で良いのか?

2022-05-26 00:55:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【ファクトチェック・ニッポン!・05.25】:「新あすの会」が発足も…犯罪被害者側の救済が年間6円の負担で良いのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!・05.25

】:「新あすの会」が発足も…犯罪被害者側の救済が年間6円の負担で良いのか?

 犯罪被害者の会が再結成されたニュースはさまざまなメディアで報じられている。通称「新あすの会」の結成だ。私が出演する毎日放送「よんチャンTV」(5月18日)でも、特集で取り上げた。

「新あすの会」の創立大会で発言する岡村勲弁護士(3月26日)/(C)共同通信社

「新あすの会」の創立大会で発言する岡村勲弁護士(3月26日)/(C)共同通信社

 2000年に結成された旧「あすの会」は、刑事裁判への被害者参加制度や凶悪事件の時効撤廃などで大きな成果をあげた。加えて実現したのが、犯罪の被害者やその遺族を支援する犯罪被害給付制度だった。しかし、実際の給付の実体は十分ではなく、適用要件に制約があって補償がなされないケースがあることが報告されている。こうした状態を改善するために、「新あすの会」の再結成となった。

 政府の数字を確認すると、犯罪被害給付制度として支払われている金額は総額で年間8億円から多い年で10億円程度だ。会の発起人代表を務める岡村勲弁護士は、犯罪加害者に年間2600億円余が使われている点を指摘した上で、「なんで被害者には出ないのか? 出そうという気がないから出ないと私は思う」と憤る。この指摘に同意できない人はいないだろう。

 番組では、DV被害で重傷を負った女性が給付対象にならない実態や、我が子2人を見ず知らずの暴力団員が自殺する際に道連れにされた父親に、総額で600万円余りしか給付されていない実態が報じられた。父親は番組の取材に、「自分でしっかり生きていきなさいと言われているような気がする」と、突き放された感じを語っていた。

 給付額の算定は、被害者の年齢、収入、残った障害の程度などで行われる。その結果、我が子を殺害された親への給付は低くなるという。番組では、加害者と被害者への支出の差を国民1人あたりで確認した。すると加害者の側については年間2000円余の負担となっているのに対し、被害者の側の支援には年間僅か6円だった。

 もちろん、加害者にお金をかけることは再犯防止という観点からも重要だ。岡村代表の指摘も、それを減らせという指摘ではないはずだ。問題は被害者の側の救済が年間6円の負担で良いのかという点だ。誰もが犯罪被害者になり得るにもかかわらずだ。

 犯罪に強い社会の構築と言われて久しいが、防犯カメラなど、犯罪を防止する取り組みに力点が置かれてきた。しかし実際には犯罪はなくなることはない。通り魔殺人のような、誰が考えても理不尽な事件もなくならない。犯罪に強い社会の構築には被害の救済が不可欠だという視点をあらためて考える必要がある。

 政府は財源がないと言うが、例えば、政党助成制度がある。健全な民主主義を維持するためとして国民1人あたり年間250円を支払っている。これによって集められた約300億円が、毎年、共産党を除く各政党に配られている。この制度のうちの50円を犯罪被害給付制度にまわせば、それで50億円余の基金ができる。それに反対する政党はいないと信じたいが、別途年間50円を支払っても良い。

 要は、社会全体で犯罪の被害者を救済するということだ。それは結果的に自分を救済する制度にもなる。ぜひ、検討して欲しい。

立岩陽一郎
著者のコラム一覧
 
 ■立岩陽一郎 ジャーナリスト

 ジャーナリスト。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て退職。現在は調査報道とファクトチェックを専門とするNPOメディアInFact編集長。同コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース】  2022年05月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ファクトチェック・ニッポン!】:批判は自由だが「テレビに出すな」といった意見を封じる風潮には違和感を覚える

2022-05-26 00:55:00 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!】:批判は自由だが「テレビに出すな」といった意見を封じる風潮には違和感を覚える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!】:批判は自由だが「テレビに出すな」といった意見を封じる風潮には違和感を覚える

 引き続きロシア軍のウクライナ侵攻を取り上げる。戦争を終わらせるためにNATOにロシアとの折衝を求めた橋下徹氏の発言に批判が出ているようだ。「テレビに出すな」という意見も散見される。批判は自由だが、「テレビに出すな」といった発言には違和感を覚える。

橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ

        橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ

 小欄は、意見を封じる考えにくみすることなく、分析に努めたい。3月11日の「めざまし8」でプーチン露大統領の発言を注視する試みを行った。発言では、NATOの拡大への危機感が強調されていた。それが本音かどうかはわからないが、少なくとも橋下氏の発言に根拠があるともいえる。冷静な議論が求められる。

 今回もバイデン米大統領の発言を注視する。今回は3月8日(現地時間)に行われた会見の内容を見る。その内容は日本でも報じられているが、全てが報じられているわけではない。この日バイデン氏は、「ウクライナ軍に10億ドル以上の支援をしてきた。アメリカからは武器が毎日到着している」と言及。その上で、「(NATOの)同盟国からの武器の受け渡しもアメリカが采配している」と語っている。

 バイデン氏は、2月15日の演説で「(装備に加えて)我々はウクライナ軍に対して訓練、アドバイス、情報を与えてきた」とも話している。これは過去形で語られていない。これを現在も行われていると解釈するか否か疑問だったが、3月8日の発言で確証を得た気がする。

 つまり、こういうことだろう。米軍はウクライナで直接の戦闘には従事はしていない。しかし、ウクライナに既に米軍が存在し、現在もウクライナ軍を側面から支援している。それは推測するに、軍事顧問団といった比較的規模の小さな部隊での派遣だろう。

 米軍が軍事顧問団を紛争地に派遣することはよくある。戦闘に直接参加することはないが、現地の軍隊の訓練、戦術のアドバイスなどを行う。特殊部隊として知られるグリーンベレーの役割の一つがそれだった。もちろん、公式にアメリカ政府がその事実を認めないケースが多い。

 アメリカの報道によれば、米軍の支援はさらに強化される方向だ。米欧州軍司令官を務めた退役将軍がCNNで、ウクライナの防空レーダーシステムは米軍が与えたもので、それがロシア軍の制空権支配を困難なものにしていると指摘していた。機雷の設置で黒海でのロシアの海軍力に打撃を与える可能性にも言及していた。

 こうした米軍の動きを踏まえてのことだろうが、ロシア軍で生物化学兵器の使用が検討されているとの報道もアメリカで出始めている。これに対してバイデン氏は、仮に使用されれば「ロシアは大きな代償を払う」と明言。事態は、米ロの事実上の衝突が当事者間で意識され始めている。

 バイデン氏の議会での一般教書演説から、アメリカはプーチン政権の転覆に向けてかじを切ったと読める。しかし先は見通せない。大事なのはさまざまな状況を想定しての分析だ。橋下氏の指摘も含めて、さまざまな選択肢を検討することが重要だ。意見を封じるような風潮は決して良い結果を生まない。 

立岩陽一郎
著者のコラム一覧
 ■立岩陽一郎 ジャーナリスト

 ジャーナリスト。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て退職。現在は調査報道とファクトチェックを専門とするNPOメディアInFact編集長。同コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース】  2022年03月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【保阪正康 日本史縦横無尽・05.25】:プーチン大統領だけでなくバイデン大統領も危険な指導者か

2022-05-26 00:51:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【保阪正康 日本史縦横無尽・05.25】:プーチン大統領だけでなくバイデン大統領も危険な指導者か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【保阪正康 日本史縦横無尽・05.25】:プーチン大統領だけでなくバイデン大統領も危険な指導者か

 アメリカの大統領を精神分析すると、①業績志向②権力志向③愛情志向の3種類に分かれると、かつて精神分析医が論じたことがある。大統領の個人史を見た上で、さらに選挙運動での演説草稿、演説内容などを多角的に分析したのである。この3種の傾向は誰にもあるのだが、どの部分が最も高いかを取り出すとその特徴が浮かんでくる。

 このことに触れた書「権力者の心理学」(小田晋)は、権力志向型の大統領群(ルーズベルト、ケネディ、レーガンら)は「戦争に巻きこまれる傾向があり」と言っている。逆に愛情志向型の大統領群(トルーマン、ニクソンら)は「友人の影響に弱いせいかスキャンダルに巻きこまれる傾向」がある半面、平和を求める姿勢が顕著だというのである。確かにアメリカは第2次世界大戦をルーズベルトで戦い、トルーマンで収めたとも言いうる。業績志向型(ウィルソン、フーバー、カーターら)の強い大統領は「硬直性と欲求不満と焦りに落ちこみやすく」というのである。

 それぞれの大統領はその性格に合わせて時代を担いつつ、自らの性格が時代をつくっていることを自覚していくのである。こうしたアメリカの大統領の性格区分を見て、今のバイデン大統領はどのタイプに属するであろうかと考えてみたい。

 ロシアのウクライナ侵攻時から見ていくと、意外に権力志向型の大統領ではないだろうか。ロシア批判、そしてウクライナ支援を根幹に据えながら、中国の台湾侵攻に触れていく論調で、まさに戦争も辞さないかのような演説や記者会見を繰り返している。権力志向型と業績志向型の両面が強いのだろうが、今は権力志向型の面が露骨に表れているのであろう。ルーズベルトやケネディのような大統領像をひそかに範としているようにさえ思えるのである。

 一方のプーチンはどうか。こちらはソ連、そしてロシアの指導者のうち、スターリンやブレジネフのような独裁志向型の指導者であろう。アメリカ大統領の精神分析がそのままソ連、ロシアの指導者に当てはまるわけではないが、プーチンの政治的演説内容は権力志向型そのものと言っていいのではないかと思う。その伝で今の国際社会の政治指導者を見ていくと、バイデンとプーチンは危険な指導者なのかもしれない。

 この手法でもう少し今の国際社会の政治指導者を分析してみると、意外なことがわかりそうな気がするのである。

 

保阪正康
著者のコラム一覧
 ■保阪正康 作家

 1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が新書版「陰謀の日本近現代史」(朝日新聞出版)として好評発売中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会【政治ニュース・「保阪正康 日本史縦横無尽」】  2022年05月25日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【外交・バイデン大統領訪日】:核の傘「拡大抑止」の一方で 広島サミットとは正気なのか

2022-05-26 00:51:40 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【外交・バイデン大統領訪日】:核の傘「拡大抑止」の一方で 広島サミットとは正気なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交・バイデン大統領訪日】:核の傘「拡大抑止」の一方で 広島サミットとは正気なのか

 ■批判しない大メディアにも仰天 

 米国のバイデン大統領がアジア歴訪のハイライトにするはずだった日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の結束は、案の定の不首尾に終わった。24日の首脳会議後、会見した議長役の岸田首相は「力による一方的な現状変更をいかなる地域でも許してはならないとの4人のコミットメントを東京から発信できた意義は大きい」と胸を張ったが、3カ月にもわたってウクライナを侵攻し続けるロシアには一言も触れずじまい。武器輸入の大半をロシアに頼り、非同盟・多方面外交を展開するインドのモディ首相が翻意するそぶりすら見せず、首を縦に振らなかったからだ。共同声明ではロシアを名指しせず、ウクライナ侵攻を「紛争および進行中の悲劇的な人道的危機」と間接的に表現し、「あらゆる威圧的、挑発的または一方的な行動に強く反対する」とするにとどまった。

一同に会した日米豪印首脳 =首相官邸で

一同に会した日米豪印首脳 =首相官邸で

 米印首脳会談の頭撮りではバイデンもモディも目を合わそうとせず、事務方が用意した原稿を棒読み。岸田が「意義」を強調するほど、お寒い実態が浮き彫りだ。クアッド会合は今後5年間で地域のインフラ整備に500億ドル以上の支援や投資を目指す方針で合意するなど、中国包囲網の再確認で終始した。

 国益最優先の外交を堅持するモディの存在によって際立ったのが、バイデンに対する岸田の“上げ膳据え膳”のおもてなしだった。「米国第一主義」のトランプ前大統領と同じく、日米安保条約によって国内法不適用の米軍横田基地から日本入りしたバイデンを手厚く歓待。首脳会談で岸田が表明した「防衛費の相当な増額を確保する決意」も、「反撃能力を含めたあらゆる選択肢を排除しない決意」も、米軍と自衛隊の一体運用を要求する米国の意向に沿ったもの。バイデンが「強い支持」をするのは当然だ。「新しい資本主義」が表紙だけなのもそうだが、岸田が掲げる「新時代リアリズム外交」はうわべだけ。米国にシッポを振りまくって憲政史上最長政権をモノにした安倍元首相以上に米国隷従まっしぐらなのだ。

 ◆核禁条約オブザーバーもパス

 そうして1カ月前倒しで発表したのが、日本が来年議長国を務めるG7サミットの広島開催だ。バイデンは「首相の故郷で行われることを非常にうれしく思う」とリップサービスしていたが、米国の「核の傘」による「拡大抑止」で日本を防衛すると喧伝しておきながら、米軍が投下した原爆によってあまたの犠牲を出した戦争被爆地を選定する撞着。岸田は「広島ほど平和へのコミットメントを示すのにふさわしい場所はない」「G7首脳と共に平和のモニュメントの前で平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したい」とか言ってたが、論理破綻に気づかないのか。広島サミットとは正気なのか。広島市はお膝元、「核兵器のない世界」の実現をライフワークに掲げてきたからこそ、底の浅さが知れるというものである。

 批判しない大メディアにも仰天だ。日経新聞(24日付朝刊)が〈日米首脳会談で米国の「核の傘」による「拡大抑止」で日本を防衛すると確認したこととの矛盾もはらむ〉とサラッと指摘していた程度で、「6月下旬のG7独サミットまでに発表する予定だった」「核保有国の米英仏への根回しに成功した」「福岡県・市と名古屋市も名乗りを上げる中、広島県・市がほぼ同点だった」などなど、聞こえてくるのは経緯の解説ばかりである。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

 「被爆地ヒロシマを代表する政治家が聞いて呆れます。唯一の戦争被爆国でありながら、世界61カ国・地域が批准した核兵器禁止条約に日本が参加しないのは、同盟国である米国の『核の傘』に入っているためです。日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)などは、せめてオブザーバー参加をして欲しいと求めていますが、米国に反対され、岸田首相は動こうとしない。多少の見識や『核なき世界』の実現に向けた深い思いがあれば、広島サミットの開催は時期尚早と判断するところです。心ある県民は複雑な心境なのではないか。岸田首相にとっては幸いなことに、テレビや新聞は右へ右へと振れていて、批判的な論調は聞かない。そもそも、大手メディアは権力を監視しようとすらしなくなった。そうした流れの中で何もやっておらず、むしろ米国追従のアクセルを踏みまくっているのに内閣支持率は上昇しています。ケシカランことに、野党の中からも批判の声がほとんど上がらないのは、憲法をしっかり読んでいる国会議員がほとんどいないからでしょう」

 ◆米軍との共同行動に資する軍備増強を推進

 広島サミットを喝破したのは共産党の志位委員長くらいで、こうツイートしていた。

 〈日米首脳会談。「拡大抑止」の強化を宣言しながら、「核兵器の惨禍を起こさない」姿勢を示すために広島でサミットを開催。こんな矛盾と欺瞞はない。核抑止の先には「核兵器のない世界」は決してつくれない。この論理が、核軍拡競争と人類滅亡の危機に道を開くものであることは、歴史が証明している〉

 その通りだ。核禁条約も批准せず、核の傘による「拡大抑止」を宣伝し、核兵器廃絶に完全に背を向けている政権が都合のいい時だけヒロシマを利用し、政治PRの偽善と欺瞞がアリアリである。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言っていた。

 「非核三原則の精神が世界に浸透し、結実したのが核禁条約です。東アジアの安全保障環境が荒れているとはいえ、岸田首相の振る舞いからは唯一の戦争被爆国のトップとしてのプライドはみじんも感じられません。内閣支持率は高く、自民党が政権から引きずり降ろされる気配もなく、国内基盤は安定している。バイデン政権を揺さぶって40億ドルの追加支援を引き出したモディ政権のようにはいかなくとも、米国に交渉を持ちかけて譲歩を引き出す好機なのに、ひたすらご機嫌うかがい。安保法制に基づく集団的自衛権の行使を前提に、米軍と自衛隊による共同行動に資する軍備増強を推し進めようとしている。中国を刺激するリスクを自ら高め、カネも自衛隊もいいように使われかねません。米軍の先兵となっていいのか。保守派の言う『真の同盟』はこういうことなのでしょうか」

 ◆予算委もシャンシャン

 国会議論や国民への説明もないまま、GDP比2%超を目指す防衛費増額や敵基地攻撃を口約束し、既成事実化させる手法に野党やメディアが沈黙しているのも驚きだ。政権寄りの読売新聞(24日付朝刊)は1面で〈まずは、抑止力の強化が喫緊の課題だ。ロシアによるウクライナ侵攻を阻止できなかった米国に対し、「本当に自分たちを守ってくれるのか」という疑念が日本の一部や台湾で広がっている〉〈日本への拡大抑止についても、米軍の打撃力行使に関する日米協議を深化し、信頼性を高める必要がある〉と書いていた。イケイケドンドン。進軍ラッパが聞こえてきそうだ。

 岸田政権が物価高騰の緊急対策という名目でまとめた総額2.7兆円規模の今年度補正予算案の国会審議が25日スタート。想定される参院選の公示まで1カ月を切る中、野党にとっては政権のあらゆるデタラメを追及する見せ場だ。26日から2日間、岸田と全閣僚が出席する基本的質疑が衆院予算委員会で実施されるが、最大野党の立憲民主党の泉代表は「防衛費は数字ありきではなく、あくまで必要なものを積算していく」としながらも、「必要な防衛力は整備すべきだ。防衛費がその結果として前例を上回るのは十分あり得る。増えることは肯定している」と発言。“兄弟政党”や最大ゆ党は言うまでもない。国民の無関心によって大政翼賛会化した国会に期待するだけムダか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会【政治ニュース・外交・バイデン大統領訪日】  2022年05月25日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ウクライナ】:世論調査「和平のために領土護らず」ロシア占領地域でも77%

2022-05-26 00:51:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【ウクライナ】:世論調査「和平のために領土護らず」ロシア占領地域でも77%

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ウクライナ】:世論調査「和平のために領土護らず」ロシア占領地域でも77%

 ロシア軍に占領され、ロシア化政策が強制的に進められている地域でも77%もの人が、和平と引き換えに領土を割譲すべきでないと考えていることがわかった。ウクライナのキーウ国際社会学研究所が24日に発表した侵攻に関する世論調査結果だ。2000人を対象に、5月13~18日に実施した。

<picture>長蛇の列で、新シリーズの「“ズミイヌイ島攻撃”の反ロシア」切手を買い求めるキーウ市民ら(C)ロイター</picture>

 長蛇の列で、新シリーズの「“ズミイヌイ島攻撃”の反ロシア」切手を買い求めるキーウ市民ら(C)ロイター

 また、侵攻が長期化したり、ウクライナの独立性がさらに脅かされる事態になるとしても、「領土に関する譲歩を支持しない」と答えた人はウクライナ全体では82%に上った。和平のための領土の割譲を認める人は10%に過ぎなかった。8%は「未定」と答えた。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会【政治ニュース・欧州・ロシア・ウクライナ侵攻】  2022年05月25日  13:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【中国】:ウイグル人権問題で内部文書流出 幹部「数歩でも逃げようとしたら射殺しろ」

2022-05-26 00:51:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【中国】:ウイグル人権問題で内部文書流出 幹部「数歩でも逃げようとしたら射殺しろ」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国】:ウイグル人権問題で内部文書流出 幹部「数歩でも逃げようとしたら射殺しろ」

 中国・新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族への人権侵害問題に関し、2017年に自治区トップ陳全国・党委員会書記(当時)が「(収容所から)数歩でも逃げようとした者は射殺せよ」と演説していたほか、収容所内で拘束具を使った拷問が行われている実態が、公安当局から流出した数万点に及ぶ資料で明らかになった。

<picture>中国の習近平国家主席が指示していた(C)AP=共同</picture>

   中国の習近平国家主席が指示していた(C)AP=共同

 ■習主席関与も暴露

 資料はドイツ人研究者のアドリアン・ゼンツ氏が匿名の情報源から入手し、英BBCや独シュピーゲル、日本の毎日新聞など世界14のメディアが協力して検証作業を行い、一斉に報じた。

 趙克志公安相が、18年に新疆を視察した際に「習近平主席が200万人収容という目標を達成するために施設建設資金を増額した」と演説していたことも明らかになった。

 ゼンツ氏は、ロシアのプーチン大統領を引き合いに出しながら「ウイグルでの人権問題に習主席は直接関与していたことを示しており、ある種の『政治的パラノイア(偏執病)』が見えてくる」と語っている。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会【政治ニュース・中国】  2022年05月25日  13:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【知床・観光船事故】:1.4億円が海底に消えた…沈没船「KAZUⅠ」の再引き揚げ費用は誰が負担するのか?

2022-05-26 00:50:50 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【知床・観光船事故】:1.4億円が海底に消えた…沈没船「KAZUⅠ」の再引き揚げ費用は誰が負担するのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【知床・観光船事故】:1.4億円が海底に消えた…沈没船「KAZUⅠ」の再引き揚げ費用は誰が負担するのか?

 やっと水深120メートルから引き揚げられた観光船は、一瞬にして再び182メートルの海底に沈んでしまった。

<picture>これで振り出しに戻った…(C)共同通信社</picture>

    これで振り出しに戻った…(C)共同通信社

 北海道斜里町沿岸部で水深の浅い海域を目指し、作業台船「海進」に曳航されていた観光船「KAZUⅠ」が、ウトロ港の西約11キロで落下した。カズワンは海面の下約20メートルまで吊り上げられた状態で、作業台船は船体を傷つけないよう時速0.7キロほどのスピードで斜里町沖合へ向かっていた。

 24日、午前10時20分、専門業者「日本サルヴェージ」から第1管区海上保安本部(小樽市)に「カズワンを海底に落とした」と連絡があった。損傷具合は不明だが、カズワンは船底を下にした状態で原形をとどめているという。当初、24日夕には斜里港の北約7キロ沖合の停泊地点に到着して、作業台船の上に引き揚げられるはずだった。前日(23日)、調査開始から15日目、ようやく船体が吊り上げられたが、これで振り出しに戻った。

 ■すでに10億円以上の国費を投入

 船体を吊り上げていたナイロン製の帯「スリング」5本のうち、2本が切れたことが落下原因とみられる。専門業者は曳航中、船体が作業台船に固定されているか目視していなかったようで、海上保安庁に「午前8時から10時のどこかで落下した。気づいた時にはカズワンの姿が見えなくなっていた」と説明している。10億円以上の公費をつぎ込みながら、「あまりにもズサンな扱いではないか」との声も上がっている。

 船体の引き揚げにあたって、国は調査、捜索費として専門業者と8億7700万円の契約を結び、それとは別に引き揚げ費用として1億4000万円がかかっている。再引き揚げとなると、さらに費用が必要になる。国と専門業者のどちらが負担するのか。

 国交省運輸安全防災の担当者は、日刊ゲンダイの取材に対し「再引き揚げする場合の費用について、どんな契約内容になっているのか、わかりません。費用負担に関しても事業者が負うのか、もう一度、国が負担するのか、今後検討されることになるでしょうが、現段階ではわからない状況です。落下原因にもよると思います」と答えたが、どうやら再引き揚げの費用も国が負担することになりそうだ。

 そもそも船主には引き揚げの義務がなく、今回、引き揚げ作業をすべて公費で行ったのも、行方不明者の捜索や原因の究明のため。海上保安庁は引き揚げられた船体の状況を詳しく確認し、業務上過失致死容疑などでの捜査を本格化させる予定だった。

 事故の重大さを鑑みると細心の注意が求められるべきなのに、落下当時、スリングが切れるほど潮の流れが速かったのなら、なぜ無理をして進んだのか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 北海道・知床半島沖で観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故】  2022年05月25日  15:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政局】:不仲の菅前首相と麻生副総裁がナゼ今…意外な2人の“秘密のサシ会食”に広がる憶測

2022-05-26 00:50:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政局】:不仲の菅前首相と麻生副総裁がナゼ今…意外な2人の“秘密のサシ会食”に広がる憶測

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:不仲の菅前首相と麻生副総裁がナゼ今…意外な2人の“秘密のサシ会食”に広がる憶測

 意外な2人の“秘密会談”が政界で臆測を呼んでいる。

 23日夜、岸田首相が米国のバイデン大統領を八芳園でもてなしていた同時間帯に、東京・赤坂の日本料理店で自民党の麻生副総裁と菅前首相がサシで会食したのだ。

 2人の不仲は有名で、安倍政権時代から解散時期などをめぐって、ことごとく対立。菅氏がわずか1年で首相辞任に追い込まれたのも、党役員人事への協力を麻生氏が拒んだことが決定的だったとされる。

<picture>手打ちか(談笑する麻生副総裁と菅前首相=左)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 手打ちか(談笑する麻生副総裁と菅前首相=左)/(C)日刊ゲンダイ

 岸田政権の発足後、菅氏に近い佐藤前総務会長が麻生派を退会して“菅グループ”の結成や勉強会立ち上げに動いていることも、麻生氏は面白くないはずだ。非主流派の菅氏と、副総裁として岸田の後見役を自任する主流派の麻生氏とは路線対立が続いている。

 「2人の会食は、菅さんが首相を退任してから初めて。あの2人の関係性から言えば、麻生さんの方が“格上”で、現職首相の時ならともかく、今は無役の菅さん側から誘うことは考えづらいのですが、会合場所は菅さん行きつけの店でした。2人がサシで会食したことが驚きだし、いったい何が話し合われたのか、党内でも話題になっています」(自民党関係者)

<picture>“2人の密会”は誰よりも面白くない(安倍元首相)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 “2人の密会”は誰よりも面白くない(安倍元首相)/(C)日刊ゲンダイ

 ■安倍元首相は気が気じゃない?
 
 このところ、菅氏は健康不安説が流れていた。発端は、4月25日に長島昭久衆院議員のセミナーで講演した際に、しばらく言葉を発せられなくなったことだ。脳梗塞の症状ではないかという噂が駆け巡った。同月27日には韓国新政権発足に伴う代表団との面会をキャンセルしたため、重病説も広がった。

 「今月20日に菅さんは横浜市役所を訪れましたが、その時も足元がもつれて転びそうになる場面があったといわれています」(全国紙政治部記者)
 発売中の「週刊現代」によれば、菅氏は周囲に対して健康不安を否定し、「誰が噂を流したか俺は分かっている」などと話していたという。

 そんなタイミングで麻生氏と会食だから、余計に注目を集めているのだ。

 「2人の接近を誰よりも嫌がるのは安倍元総理でしょう。麻生さんとも菅さんとも関係良好に見えるから、党内で影響力を保持して好き勝手していられる。しかし実際は、麻生さんとは“財政再建”か“財政出動”かで対立関係にあるし、菅さんも内心では総理再選を後押ししてくれずにハシゴを外した安倍さんを快く思っていないはず。菅さんが麻生さんとともに岸田政権を支える主流派の側につけば、安倍派は党内で孤立します。いくら最大派閥といっても、安倍さんは急速に力を失っていくでしょう」(政界関係者)

 自民党内の抗争は、水面下で激化しているのかもしれない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 政局・自民党】  2022年05月25日  15:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【厚労省】:救済求める脳性まひ児家族との対話をドタキャン!  後藤大臣の国会答弁と大きく矛盾

2022-05-26 00:50:30 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【厚労省】:救済求める脳性まひ児家族との対話をドタキャン!  後藤大臣の国会答弁と大きく矛盾

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:救済求める脳性まひ児家族との対話をドタキャン!  後藤大臣の国会答弁と大きく矛盾

 国会でも取り上げられた脳性まひ児とその家族の救済漏れ問題で、厚労省のつれない対応に注目が集まっている。

 出産事故で子供が脳性まひになった場合、国の「産科医療補償制度」の規定により総額3000万円が補償される。5月25日、脳性まひ児の親と厚労省の間で意見交換会が行われるはずだったが、直前の23日夜になって厚労省から延期が一方的に通告された。

<picture>昨年発足した「産科医療補償制度を考える親の会」/(提供写真)</picture>

 昨年発足した「産科医療補償制度を考える親の会」/(提供写真)

 「産科医療補償制度」は2009年の創設時点では審査基準の策定に必要なデータが不十分だったため、「適宜見直し」を前提に制度が始まった。それが22年から適用された新基準では、国が「医学的に不合理な点があった」として個別審査を撤廃。妊娠週数「28週以上」で生まれて脳性まひと診断された場合、審査でハードルとなっていた「出産時の低酸素状況の証明」がなくても補償対象とされることになった。

 ところが、国は審査基準を緩和した後も、過去に対象外としたケースを見直そうとしないため、脳性まひ児の家族らによる「産科医療補償制度を考える親の会」(親の会)が昨年夏に発足した。同会代表の中西美穂氏こう語る。

 「脳性まひ児は重症度にもよりますが、子供が寝たきりで24時間の介護が欠かせない家族もあります。そのための金銭的・肉体的・精神的な負担も多い。新基準のスタート直後は、『これでようやく救われる』と思いましたが、過去の誤りを認めようとしない行政の対応には哀しくなります」

 ■後藤大臣は「丁寧に考えたい」と4月の国会答弁で回答

 補償金は公的医療保険で妊婦に支給される出産育児一時金から賄われる。制度の剰余金は635億円あり、対象外とされている549件全てに規定の補償金3000万円を支払うことができる。その点を4月25日の参院決算委員会で音喜多駿議員(日本維新の会)に指摘されると、後藤茂之厚労相は「遡及して変更する是非を検討する必要がある。引き続き丁寧に考えたい」と答弁した。

 そして、5月25日に厚労省医政局と親の会の間で初めてメディアを交えた意見交換会が開催されることになったが、23日夜になって突然、厚労省側から延期の申し入れがあったという。

 「厚労省の担当者とは1カ月以上前に意見交換会の日取りを決めました。先方が『GW前後は外して欲しい』『役所の異動期間と重なるんで……』とおっしゃるので、こちらはそれを踏まえてスケジュールを調整しました。そもそも脳性まひ児を抱える親たちは子供の医療的ケアはもちろん、仕事などで集まる日程の調整が難しい。そうしたことをやり繰りして、ようやく日程が決めたのに、2日前の23日夜になって厚労省から延期の申し入れがありました。これをドタキャンと言わずして何と言うのでしょう? 後藤大臣の『丁寧に考えたい』という答弁と、厚労省の今回の対応は大きく矛盾すると思います」(前出の中西美穂氏)

 ■厚労省は「誤った形で当省の見解が伝わるのを避けたかった」と説明

 厚労省はなぜ直前になって意見交換会の延期を申し入れたのか。

 「当省としては、後藤大臣の国会答弁も踏まえて、先方(産科医療補償制度を考える親の会)としっかりした形で対応していきたいと考えました。口頭でやり取りをして、当省の見解が誤った形で伝わるのは避けた方がいいだろうと判断しました。今後はできるだけ先方と書面で意見交換をしていければと考えております。直前になって延期を申し入れたことについては、申し訳なく思っております」(厚労省医政局の担当者)

 親の会は25日、急きょオンライン会見に切り替えて厚労省のドタキャンについて「憤りを通り越して残念と言うしかない」と表明。厚労省がノラリクラリとかわしている間に通常国会は会期末を迎えてしまいそうだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 厚労省・脳性まひ児とその家族の救済漏れ問題】  2022年05月25日  15:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【山口県】:阿武町が「誤送金」の9割を取り戻した舞台裏 ■決済代行業者が4300万円入金で急展開

2022-05-26 00:50:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【山口県】:阿武町が「誤送金」の9割を取り戻した舞台裏 ■決済代行業者が4300万円入金で急展開

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【山口県】:阿武町が「誤送金」の9割を取り戻した舞台裏 ■決済代行業者が4300万円入金で急展開

 山口県阿武町の“誤送金”問題が急展開である。誤送金した4630万円の9割が町に戻ってきた。

 町が誤って振り込んだ給付金4630万円の一部を使った容疑で逮捕された田口翔容疑者(24)は、「振り込まれた全額をネットカジノで使ってしまった」と話していたため、当初、誤送金した4630万円を取り戻すのは不可能だとみられていた。

<picture>まだ300万円は戻っていない(会見する阿武町の花田憲彦町長)/(C)共同通信社</picture>

 まだ300万円は戻っていない(会見する阿武町の花田憲彦町長)/(C)共同通信社

 ところが20日、田口容疑者がネットカジノで遊ぶために使っていた3つの「決済代行業者」から、阿武町の口座に計約4300万円の入金があったという。 

 24日会見した阿武町の花田憲彦町長が、「本日現在、合計で4299万3434円を法的に確保することができました」と明らかにした。

 田口容疑者は、3つの「決済代行業者」に、計約4300万円を出金し、他にデビット決済にも約340万円を出金していた。デビット決済分は回収できていないという。

 3つの「決済代行業者」が計約4300万円を阿武町に入金したのは、田口容疑者が税金を滞納していたのが原因だった。滞納された税金を徴収するために、阿武町の代理人弁護士が、3つの「決済代行業者」に対して、“税金の取り立て命令書”を届け、国税徴収法などに基づいて口座の差し押さえに動くと、3社から入金があったという。弁護士は「取り立ての権利が町にあった」と説明している。

<picture>家宅捜索が行われた田口翔容疑者宅から段ボール箱を運び出す山口県警の捜査員(C)共同通信社</picture>

 家宅捜索が行われた田口翔容疑者宅から段ボール箱を運び出す山口県警の捜査員(C)共同通信社

 ◆なぜ決済代行業者はあっさり入金に応じたのか

 誤送金の9割が戻ってきたことで、この先、捜査はどうなるのか。どうして「決済代行業者」は、あっさり入金に応じたのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう言う。

 「ポイントは、決済代行業者の口座に田口容疑者が入金した4300万円のカネが残っていたのかどうかです。もし、残っていたのなら阿武町に返還するのは当然のことです。誤送金の経緯を知りながら、決済代行業者がカネを持ちつづけていたら、刑法の“盗品等関与罪”に問われる可能性があった。カネが残っていた場合、『カジノで全額使った』と話していた田口容疑者は、嘘をついてカネを隠匿しようとした疑いが強まり、刑法の“犯罪収益隠匿罪”に問われる可能性があります。逆に、口座にカネが残っていなかったのに入金したとしたら、決済代行業者は、警察に突っ込まれるのが嫌で、自腹を切ってでも一件落着にしたかったのでしょう」

 今ごろ3社は「事件に巻き込まれてしまった」「とんだトバッチリだ」と頭を抱えているかもしれない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 地方自治・山口県阿武町の“誤送金”問題】  2022年05月25日  13:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【山口県】:「誤送金問題」決済代行業者が異例の早さで返還したワケと気になる田口容疑者の今後

2022-05-26 00:50:10 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【山口県】:「誤送金問題」決済代行業者が異例の早さで返還したワケと気になる田口容疑者の今後

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【山口県】:「誤送金問題」決済代行業者が異例の早さで返還したワケと気になる田口容疑者の今後

 「この度の公金の誤振り込みの一連の事件につきましては町民の皆様、多くの方々に大変なご心配やご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び申し上げます」

 山口県阿武町が新型コロナウイルス関連の給付金4630万円を誤送金した問題で、花田憲彦町長が24日会見し、約4300万円を確保したことを明らかにした。

<picture>会見した山口県阿武町の花田憲彦町長(C)共同通信社</picture>

  会見した山口県阿武町の花田憲彦町長(C)共同通信社

 花田町長によると、誤送金と知りながらカネを使ったとして山口県警に電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された田口翔容疑者(24)が、オンラインカジノをするために利用していた決済代行業者3社から確保したという。

 会見に同席した代理人弁護士は、4630万円の返還請求を無条件に認める「認諾」手続きを田口容疑者側から得た──とした上で、国税徴収法に基づく差し押さえや取り立ての手続き、犯罪収益移転防止法(マネロン法)の恐れなどを決済代行業者に提示しつつ回収手続きを進めてきたという。

 まだ全額ではないものの、事態収拾に向けて大きく前進したことに対し、町や町民、田口容疑者も安堵しているに違いない。

 ただ、田口容疑者が誤入金された金を動かし始めたのは4月8日だ。決済代行業者が約1か月半もの間、「田口ファンド」を手つかずで残していたとは考えにくく、町が確保したのは田口容疑者が入金したカネなのか、それとも決済代行業者が自腹を切って“補填”したのかは不明だ。

 これまで静観していた決済代行業者はなぜ、異例の速さで町にカネを返還したのか。

 元検事の落合洋司弁護士は、「返還の原資が容疑者のカネかどうかは現状では分かりませんが、警察が刑事事件として強制捜査に乗り出したことが大きいでしょう」と言い、こう続ける。

 「少なくとも決済代行業者に対しては、司法の本気度を示せたはず。業者が警察捜査の取り締まりが自社に及ぶのは避けたいと考えても不思議ではありません」

 田口容疑者がカネをつぎ込んだオンラインカジノをめぐっては、昨今、警察が国内店舗の摘発に力を入れている。昨年10月も、香川県高松市内のネットカジノ店の経営者が常習賭博容疑で県警に現行犯逮捕されたばかりだ。

 2017年には、福岡市中洲のネットカジノ店の経営者が同容疑で逮捕、起訴(有罪判決)され、読売新聞の報道によると、同店は〈2か月足らずで1億数千万円を売り上げていた〉という。

 「田口容疑者が利用していたのは店舗ではありませんが、店舗を持たないネットカジノは増える傾向で、動く金もどんどん大きくなっている。田口容疑者のような利用顧客の名簿は財産であり、警察の強制捜査などで押収されたらたまらないでしょう。決済代行業者がどのような企業秘密を持っているのか分かりませんが、『マネロンだぞ』と言われて、右から左に3500万円もの大金を動かすことができるわけですから、儲かっていないはずがないでしょう」(ITジャーナリスト)

 ところで、誤送金したカネの9割が町に戻ってきたことで、田口容疑者の罪は今後、どうなるのか。
 
 「次々と明らかになる事実関係から見て、電子計算機使用詐欺容疑は成り立たないのは明らか。あらためて強制執行妨害罪などで再逮捕、起訴することになるのではないか」(元検事の郷原信郎弁護士)

 大山鳴動して鼠一匹……。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 地方自治・山口県阿武町の“誤送金”問題】  2022年05月24日  16:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【話題】:日本から観光船が消える日…知床事故で判明した「事業者の7割が赤字経営」の衝撃

2022-05-26 00:50:00 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【話題】:日本から観光船が消える日…知床事故で判明した「事業者の7割が赤字経営」の衝撃

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:日本から観光船が消える日…知床事故で判明した「事業者の7割が赤字経営」の衝撃

 北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZUⅠ」の海中からの引き揚げ作業が23日から始まった。今回の事故では、通信エリア外の携帯電話を使っていたり、運航管理者が不在だったりと、運航会社「知床観光船」の安全意識の欠如が明らかだったが、安全意識があっても経営的に対策が“追いつかない”事態が起きる恐れがある。というのも、観光船業者の実に7割近くが赤字経営だというのだ。

<picture>一度は海面付近までつり上げられたがえい航中、船体が落下、再び水深約180メートルの海底に…(C)共同通信社</picture>

 一度は海面付近までつり上げられたがえい航中、船体が落下、再び水深約180メートルの海底に…(C)共同通信社

 東京商工リサーチが、同社のデータベースから3期連続で業績が比較可能な95社の「旅客船事業者」(海運が対象。河川・湖沼は除く)を調べたところ、コロナ前の2019年の売上高合計1541億円が、昨年は1237億円と2割の減少だった。当期純利益は19年は26億円の黒字だったが、20年に29億円の赤字に転落。昨年は赤字が101億円まで膨らんだ。赤字事業者数は19年は24社(25.2%)にとどまっていたが、20年は48社(50.5%)、昨年は65社(68.4%)に拡大した。

 ■コロナ禍で一気に転落

 95社の事業規模をみると、売上高1億円未満が47社で最多。従業員は50人未満が7割で、中小・零細が圧倒的。つまり、地方の人口減少や観光需要の多様化で、旅客船事業者の環境が厳しさを増していたところにコロナ禍が直撃。事業規模が小さいだけに、急激に業績が悪化している業者が多いということだ。

 東証スタンダードに上場していた「佐渡汽船」が債務超過に陥り、3月に私的整理で事業再生へと進んだが、大手ならスポンサーが付いても、中小・零細は再建が簡単ではなく、コスト削減が安全を脅かしかねないのだ。

 「予想以上に規模の小さい地域密着型が多いことが分かりました。船舶は稼働しなくても、設備の維持管理や更新、人件費などの固定費がかかる。もともと薄利で、レストランや土産店を併設するなどしてなんとか続けてきたところへ、コロナで赤字になれば、安全対策の強化が難しくなります」(東京商工リサーチ情報本部・後藤賢治氏)

 ■「観光船離れ」の懸念

 加えて、知床の事故によるイメージダウンで観光船離れも起きている。鳥取の「山陰松島遊覧」では、5月中旬までに修学旅行など300人の予約がキャンセルになったという。

 「船舶遊覧が観光地の核になって、宿泊や飲食、土産物など地域を潤しているケースも少なくありません。連鎖的に大きな影響が出る恐れがあります。赤字のバスなど公共性のある交通機関へは行政支援などがあります。船舶遊覧についても、安全性の強化が信頼回復の近道だけに、資金繰りが悪化した事業者の安全対策への支援が検討されてもいいのではないでしょうか」(後藤賢治氏)

 国交省は小型旅客船の安全対策強化を検討中で、年内に最終取りまとめを目指している。強化だけだと、全国から観光船が次々消えてしまいかねない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・ 北海道・知床半島沖で観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故】  2022年05月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政官財スキャンダル】:岸田首相の肝いり「大学ファンド」に経済界から“愚策”と悪評が立つワケ

2022-05-26 00:49:50 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

【政官財スキャンダル】:岸田首相の肝いり「大学ファンド」に経済界から“愚策”と悪評が立つワケ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政官財スキャンダル】:岸田首相の肝いり「大学ファンド」に経済界から“愚策”と悪評が立つワケ

 財界通(以下=財) 1~3月のGDPがマイナス成長になった中、岸田首相が力を入れる「大学ファンド」に財界長老が「成長戦略にはならない」と怒っていた。経済界には「愚策」との悪評が多い。

<picture>利回り3%を出せるのか?(C)日刊ゲンダイ</picture>

   利回り3%を出せるのか?(C)日刊ゲンダイ

 官界通(同=官) そうだろう。あれではマイナス成長から抜け出す力にならない。

 政界通(同=政) どういうことだ?

 財 大学ファンドは10兆円規模で米欧の有力大学並みに世界トップ級の研究成果を出させようと、再来年から毎年、5から7の大学に年間3000億円もの資金を出す構想だ。そのための法案が、今月18日の参議院本会議で可決された。

 政 ああ、首相が掲げる「新しい資本主義」の柱のひとつだな。愚策なのか?

  もちろんだ。ばらまくカネは、ファンドを株式や債券で運用して出す利益を原資にする。でも、株価はロシアのウクライナ侵攻で急落を繰り返しているし、債券は超低金利で運用の手数料さえ出ない。

 政 10兆円で年に3000億円を生むには、3%の利回りが必要だ。

 官 プロがやっても黒字にできない例が多いのに、誰がそれだけ稼ぐのか。目減りしていく懸念が強い。

 財 それが、金融界の見方だ。

 官 しかも、国際的に誇れる成果が出るような研究を選ぶ目利きは、霞が関にいない。

 財 
財界長老も、そう言っていた。さらに「成果を事業にして年3%の成長を遂げる研究を支援するというが、そんなものがあれば銀行など民間がいくらでもカネを出す。『武士の商法』など民間の邪魔だ」と怒っていた。

  中長期的な成長戦略は大事だが、空論はダメというわけか。

 財 コロナ禍とウクライナ危機で物流が停滞し、産業界は半導体不足などに振り回されている。円安の急進もあって企業物価が前年比で10%も上昇し、中小企業は青息吐息だ。
 
 政 それだけ自民党の票田が傷つくと、夏の参議院選挙にも響くな。

 官 もっと確実な成長戦略が急がれるのに、首相周辺は元官僚たちが押さえている。それでは空論しか出ない、ということだ。(構成=竜孝裕・ジャーナリスト)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース マネー【トピックス】  2022年05月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする