路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【産経抄・11.02】:ブレすぎる首相、今まで夢と理想語ればよかったが…

2024-11-02 05:01:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【産経抄・11.02】:ブレすぎる首相、今まで夢と理想語ればよかったが…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・11.02】:ブレすぎる首相、今まで夢と理想語ればよかったが… 

 平成6年に首相になると、それまでの自衛隊違憲論を翻し合憲論を唱えた旧社会党出身の村山富市元首相は著書、『そうじゃのう…』で理由を説明している。「政治がどう受けとめるかと考えた場合、『自衛隊が憲法違反だ』と言って、論外という扱いをしたんじゃ政治にならない」。

内閣発足1カ月を迎え記者団の取材に応じる石破茂首相=1日午後、首相官邸(春名中撮影)

 ▼この姿勢について、政治学者の岩田温さんが月刊正論12月号でこう喝破している。「現実的には不可能な政策を嘯(うそぶ)いてきたのだ」。岩田さんは、すぐには衆院解散はしないと述べていた石破茂首相が就任前の9月30日、突如として解散を表明した瞬間に村山氏のことを思い出したという。

 ▼確かに首相は、年来の政策であり、自民党総裁選時に主張したアジア版NATOも日米地位協定の改定も引っ込めている。いわゆる不記載議員らを衆院選で公認するかしないかも二転三転し、金融政策の見直し(利上げ)も取り下げた。反対していたリニア中央新幹線は推進派となった。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年11月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・11.02】:与党と国民民主 信を失った首相に協力はなぜ

2024-11-02 05:00:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説①・11.02】:与党と国民民主 信を失った首相に協力はなぜ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.02】:与党と国民民主 信を失った首相に協力はなぜ 

 衆院選で少数与党に転落した自民、公明両党が政権を担い続けるため、野党に協力を求めること自体は間違っていない。だが、そのための手順が逆ではないのか。 

 まず選挙で敗れた首相が責任を取って身を処し、後継の自民党総裁の下で、新たな連立の枠組みを模索するのが筋だろう。

 自民、国民民主両党の幹事長らが会談し、公明を含めた3党で政策協議を始めることを決めた。

 自公両党は衆院選で過半数を割り込んだ。国民民主との政策協議は、予算案や法案の成立を確実なものにする狙いがある。

 だが、それなら正式に連立への参加を求めるべきだ。しかし、自民は会談で国民民主に対し、様々な政策を協議する会議体の設置を要請した。国民民主は個別の政策ごとに協議する方式を主張し、自民は受け入れた。

 国民民主が個別案件ごとの協議にこだわったのは、選挙で信を失った首相と連立を組むわけにはいかない、と考えたからだろう。

 また、正式な連立となれば様々な政策について共同責任を負うことになる。それを回避し、自党に有利な案件だけを進めたいということであれば、その都度法案の行方が左右され、政局の安定にはつながらない。

 国民民主は、年収が103万円を超えると所得税がかかる「年収の壁」の引き上げや、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の発動を求めている。こうした政策も財源問題が棚上げとなり、バラマキが横行しかねない。

 石破氏は2007年の参院選で自民が惨敗した際、安倍首相に退陣を迫った。09年の衆院選前にも、支持率が低迷していた麻生首相に退陣を促した。

 ケジメをつけることが大切だ、と主張していたのに、自らが首相の座に就くと責任論に目を背け、居座っているようでは、信頼を得られるはずがない。

 「ルールを守る」という衆院選で掲げた首相のスローガンは、一体何だったのか。

 一方、国民民主は特別国会での首相指名選挙で、石破氏と立憲民主党の野田代表の決選投票となった場合、どちらも選ばず、玉木代表の名を書くという。

 上位1、2位の選択である決選投票で棄権か白票を選ばず、自党の代表名を書くという行為自体、決選投票の意味を 蔑 ないがし ろにするものと言わざるを得ない。

 首相の延命に手を貸し、有権者の理解が得られるのか。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.02】:同性婚訴訟 理解に苦しむ高裁の違憲判決

2024-11-02 05:00:10 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【社説②・11.02】:同性婚訴訟 理解に苦しむ高裁の違憲判決

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.02】:同性婚訴訟 理解に苦しむ高裁の違憲判決

 同性カップルの結婚を認めるかどうかは、家族制度の根幹に関わる問題で、社会の幅広い議論が必要だ。憲法解釈のような法律論争によって結論を導くべきものではない。 

 同性婚を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、東京都の同性カップルらが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であった。

 判決は、賠償を認めなかったものの、現行の民法などについて「性的指向により法的な差別的取り扱いをするものだ」と述べた。その上で、法の下の平等を定めた憲法14条などに反するとした。

 男女が結婚すると、配偶者としての相続権や税制上の優遇措置などの法的利益が得られる。同性カップルがこうした利益を得られないことは不当だという判断だ。

 性的指向は、本人の意思によって変えることができない。同性カップルだという理由で差別を受けることがあってはならないし、一緒に暮らすことも自由である。しかし、そうであっても今回の高裁判決には違和感を禁じ得ない。

 憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」すると定めている。この文言が男女の異性婚を指していることは明白だ。

 婚姻制度は、男女が共に生活し、子供を育てる営みを基礎として作られた。憲法制定時、同性婚の可否など全く議論されていない。従って、民法や戸籍法に規定がないのは当然のことだと言えよう。

 世界人権宣言も、婚姻は「男女」の権利だと明記している。

 ところが高裁判決は、憲法が同性婚を想定していないことを認めながら、民法などに規定がないのは違憲だと結論づけた。憲法が想定しない事態が、なぜ憲法違反になるのか。理屈に合わない。

 同性婚訴訟は、全国の地裁や高裁で「合憲」「違憲状態」「違憲」と判断が分かれている。

 同性婚の問題を憲法が想定していないことをおかしいと言うのなら、同性婚を認めるよう憲法改正を主張するのが筋だろう。

 判決は、同性婚に賛成する人が大半だという近年の世論調査結果に基づいて、「社会的受容度は高まっている」と指摘している。

 同性カップルを公に認めるパートナーシップ制度の導入や、夫婦同様の休暇や手当を認める自治体や企業が増えていることは事実だ。ただ、家族制度の考え方は多様で、世代によっても異なる。

 同性婚の制度化は立法の問題である。国会などで、様々な観点から熟議することが必要だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.02】:中城御殿起工 琉球文化伝える拠点に

2024-11-02 04:01:20 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説・11.02】:中城御殿起工 琉球文化伝える拠点に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.02】:中城御殿起工 琉球文化伝える拠点に

 琉球国王の世継ぎの屋敷で、沖縄戦で焼失した「中城御殿」の再建が戦後79年の時を経て始まる。起工式がきょう行われる。 

 1879年の首里城明け渡し後には国王も移住した歴史的建造物だ。二十数棟にも上ったという大規模な屋敷は琉球建築の傑作ともいわれた。

 しかし1945年に首里城とともに焼失。戦後は、金庫に入れ中城御殿の防空壕(ごう)に避難させていた文化財も全てなくなっていた。

 再建への機運が高まったのは2000年代から。戦時中の航空写真など資料が見つかったことをきっかけに、県は10年「中城御殿跡地整備検討委員会」を設置した。

 ところが財源の確保が課題となり停滞。今回の首里城復興に際し、首里城公園の文化遺産を一体的に整備する県の事業として再び動き出した経緯がある。

 首里城火災から5年。

 火災の経験から防災上、南殿や城郭内の収蔵庫などに収容していた美術工芸品の移転も課題となっていた。

 県はこれらを隣接する中城御殿で展示・収蔵することを決定。首里城正殿の完成に合わせ26年の公開を予定している。

 本年度は新たに「世持橋高欄(よもちばしこうらん)」(欄干)の実施設計も始まった。首里城の北側にある池「龍潭」の水位を調整する水路に架けられていたが、沖縄戦でほとんどが破壊された。

 首里城再建の機会を、戦争で失った文化遺産復元の加速化につなげたい。

                ■    ■

 中城御殿の整備に併せては、那覇市が管理する国宝「琉球国王尚家関係資料」を中城御殿で展示し、市が管理運営する方針も決まった。県と市、沖縄美ら島財団の3者間で覚書を交わす。

 琉球王国に関する文化財を巡っては3月、沖縄戦の際に国外に持ち出された国王の肖像画「御後絵(おごえ)」など流出文化財22点が返還された。

 県が在沖米総領事館を通じ、中城御殿から持ち出された王冠、皮弁服(儀式用の礼服)などを米連邦捜査局(FBI)の盗難美術品ファイルに登録したことが功を奏した。

 特に御後絵は実物が県内に1点も残っていなかったことを考えれば文化史的な意義は極めて大きい。

 文化遺産は地域の歴史・伝統・文化の象徴だ。

 再建された中城御殿での、これら国宝や流出文化財の保存や展示に期待したい。

                  ■    ■

 首里城地下にある第32軍司令部壕の保存・公開も着実に進めたい。崩壊や水没など劣化が著しく、公開を巡ってはたびたび議論になってきた。

 一方、沖縄戦の方向性を決定付ける判断がなされた重要な戦争遺跡である。

 戦争の過ちを二度と繰り返さないために「物言わぬ語り部」と呼ばれる戦争遺跡の重要性は高まっている。

 県は年内にも基本計画素案を提示する。文化財指定するなど保存・公開に向け努力を尽くしてほしい。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月02日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.02】:自民・国民協議 政治とカネを忘れるな

2024-11-02 04:00:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【社説・11.02】:自民・国民協議 政治とカネを忘れるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.02】:自民・国民協議 政治とカネを忘れるな

 衆院選の与党過半数割れを受け、自民党が国民民主党と政策協議を始める方針で一致した。

 与党の政策に国民民主党の主張を盛り込み、代わりに補正予算案などの採決に賛成してもらおうとの狙いだ。部分連合の枠組みを模索した動きと言える。
 過半数を確保していない与党が野党に協議を持ちかけること自体は不自然なことではない。
 しかし、なぜその相手が野党第3党の国民民主党だけなのか。最大野党である立憲民主党など各党と公平に話し合わなければ都合のいい「数合わせ」とみられても仕方あるまい。
 協議は経済政策が中心と言うが「民意の反映」をうたうなら衆院選の最大争点である裏金事件を受けた政治とカネの問題を最優先で考えるのが筋だ。
 選挙結果が促す国会の姿は自民1強政治を改め、与野党伯仲の国会でオープンな熟議を進めることである。石破茂首相は真摯(しんし)に受け止めねばならない。
 与党は今後国民民主党と、本年度補正予算案や来年度予算案、税制改正などについて幹部間で協議するという。
 国民民主党を政権側に取り込み、野党の分断を図るとともに将来の連立入りに向けた道筋を探りたい思惑もあるのだろう。
 首相は議席を伸ばした党の主張を取り入れると言うが、最も支持を得た野党は立憲民主だ。
 大敗した自民党が反省の意志を示すのであれば、まず裏金の実態解明や企業・団体献金の廃止こそ取り組まねばならない。公明党を含め自民党以外は大半の党が賛成する選択的夫婦別姓の導入も早急に議論すべきだ。
 国民民主党は「年収の壁」となる所得税の非課税枠の引き上げや、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除を訴える。ただ総額で10兆円近い税収減の課題のほか効果自体を疑問視する声もある。
 拙速な議論で政府がなりふり構わず丸のみに走るのは許されない。まずは課題をどう乗り越えるのか説明する責任がある。
 玉木雄一郎代表は「全くやらないなら予算案も法案も通らない」と強気にけん制する。だが衆院で28議席の小政党がキャスチングボートを握った立場を使って独自政策を押し通すのは、国会全体を俯瞰(ふかん)したバランスの良い合意形成とは言えまい。
 そもそも国民民主党は自民党の政権運営を批判し、与党過半数割れを訴えていた。結果的に自民党の補完勢力となれば有権者の理解は得られないだろう。
 国会の最大テーマは信頼回復である。政治不信を強めかねない不透明な議論は慎むべきだ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月02日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季・11.02】:ほたるこい

2024-11-02 04:00:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【卓上四季・11.02】:ほたるこい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季・11.02】:ほたるこい

 幼いころ、歌った記憶がある人は多いだろう。わらべ歌の「ほたるこい」。<ほう ほう ほたる こい>という呼びかけで始まる。素朴でひなびたメロディーが郷愁を誘う
 
 ▼季節外れもはなはだしいのだが、この歌が永田町かいわいで盛んに聞こえたらしい。歌いかけられたのは国民民主党の玉木雄一郎代表だ。歌いかける方は二手に分かれていた。与党側と野党側である
 
 ▼どちらのコーラスも懸命であった。<あっちのみずは にがいぞ/こっちのみずは あまいぞ>。衆院選で与党が過半数を割り込むなか、躍進した国民民主の存在感は高まるばかりだ。ラブコールの熱量もぐんと上がる。請われる方は強い
 
 ▼焦点の人のハートを射止めたのは与党の側だった。このままだったら予算や法律を通すのも思い通りに進まない。税制改正や経済対策を求める国民民主を取り込み、政権運営の難局をしのぐ―。「部分連合」にはそんな思惑が透けて見える
 
 ▼玉木さんは得意満面の様子だ。政局の中心にいるし、なにせ「手取りを増やす」という公約実現のチャンスなのだから
 
 ▼ただし、総選挙には政権を批判する野党の立場で臨んだことをお忘れなく。過去の別の政党の例を振り返れば、野党と与党の中間を進む「ゆ党」の道は険しい。甘そうに見えた水が苦かった。そうならないとも限らない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2024年11月02日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.02】:陸自HPリニューアル 日本軍との連続性を絶て

2024-11-02 04:00:20 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説・11.02】:陸自HPリニューアル 日本軍との連続性を絶て

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.02】:陸自HPリニューアル 日本軍との連続性を絶て 

 自衛隊と戦前の日本軍は全く別の組織であり、両者の連続性は否定されなければならない。日本軍の論理を用いて現在の自衛隊を県民、国民向けに称揚することは断じて許されない。

 第32軍の牛島満司令官の「辞世の句」を公式ホームページ(HP)に掲載していた陸上自衛隊第15旅団は、HPリニューアルの作業を進めている。現時点で「辞世の句」は読めなくなっている。

 陸自HPへの「辞世の句」掲載は日本軍と自衛隊を同一視するようなものとして批判の声が上がっていた。今回の措置について、15旅団は「批判を受けたからではなくホームページリニューアルのため」と説明している。

 リニューアル後の扱いについて15旅団は明言を避けているが、日本軍と自衛隊の連続性を絶つためにも再掲載をしてはならない。日本軍と自衛隊の間には敗戦と日本国憲法があり、両者を峻別(しゅんべつ)しているのである。

 「辞世の句」は15旅団の沿革を紹介するページに掲載されていた。1972年5月の日本復帰時における臨時第1混成群長の桑江良逢氏の訓示と共に紹介していた。

 「辞世の句」は沖縄戦が最終局面に入った1945年6月18日、牛島司令官の「決別電」と合わせて河辺虎四郎参謀次長ら陸軍首脳に向けて発せられた。HPに掲載されていた「秋待たで 枯れ行く島の 青草は 皇国の春に 甦らなむ」は戦場となった島が「皇国」の下でよみがえることを願う内容である。「決別電」には沖縄戦での敗退を天皇にわびる文言がある。

 憲法が否定する「皇軍の論理」に貫かれた「辞世の句」を自衛隊の広報・宣伝手段の一つである公式HPに掲載することは憲法の平和主義に反するものだ。自衛隊の行為が重大な問題を含むことを認識すべきであった。

 特に沖縄においては、第32軍司令部が、本土決戦までの時間稼ぎを優先した「戦略持久戦」によって多くの県民の命が失われたのである。その最高責任者である牛島司令官の句を自衛隊が広報手段に用いることを県民は受け入れないであろう。

 今年1月には陸上自衛隊幹部ら数十人が靖国神社を集団参拝した。陸自第32普通科連隊が、活動内容などを紹介する公式X(旧ツイッター)で、「大東亜戦争」という言葉を使って投稿していた。これらの動きも日本軍との連続性を印象づけるもので、平和憲法の精神にそぐわない。

 最終的に公式HPから「辞世の句」を削除したとしても問題は終わるわけではない。

 15旅団はHPリニューアルを告知する文書で「第15旅団の様々な活動は、地元の皆様のご理解が不可欠です」と記した。ならば、削除するだけでなく沖縄戦における日本軍の行動を検証し、反省とともにその連続性を絶つ姿勢を県民に示すべきである。 

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月02日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・11.02】:政治にこそ当てはまる

2024-11-02 04:00:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【金口木舌・11.02】:政治にこそ当てはまる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.02】:政治にこそ当てはまる 

 米大リーグでワールドシリーズを制覇したドジャースの大谷翔平とベッツ、フリーマンの「MVPトリオ」はスーパースターながら「利他的」「無私無欲」でチームのために献身的にプレーしていると同僚から高く評価されている

 ▼こちらの評価は難しい。衆院選で過半数割れした自公は連立政権継続のため、野党の声を聞き入れようとしている。国家というチームを導くための選択ならば歓迎だが、どうだろう

 ▼与党が連携を模索する国民民主党は選挙公約で、辺野古新基地や日米地位協定の見直しに言及した。ところが連立政権入りがささやかれ始めた選挙期間中、新基地は「日米間で十分に協議」とトーンダウン。期待はしぼんだ

 ▼自民は早くも馬脚を現す。「裏金議員」として非公認だった世耕弘成、萩生田光一、西村康稔、平沢勝栄の4氏らに同党の衆院会派入りを要請。開いた口がふさがらない

 ▼派閥の裏金事件に端を発した「政治とカネ」などが争点となった衆院選。問題は忘れ去られ、私利私欲にまみれた数合わせが横行していないか。全国民のために、政治にこそ「利他的」「無私無欲」を追求してほしい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2024年11月02日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年11月01日 今日は?】:福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石の肖像を採用した新紙幣発行

2024-11-02 00:01:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2024年11月01日 今日は?】:福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石の肖像を採用した新紙幣発行

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年11月01日 今日は?】:福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石の肖像を採用した新紙幣発行

 ◆11月01日=今日はどんな日 

  犬の日

 ◆出来事

  ▼NHKによるラジオ体操の放送開始。終戦後、一時中断されたが51年に復活(1928)▼1万円札に福沢諭吉、5千円札に新渡戸稲造、千円札に夏目漱石の肖像を採用した新紙幣発行(1984)▼欧州共同体(EC)を基礎に欧州連合(EU)が発足(1993)

【未使用】旧一万円札(福沢諭吉) 旧五千円札(新渡戸稲造) 旧千円札(夏目漱石) 旧紙幣3枚セット ピン札 ホログラム無しの落札情報詳細 ...

 ◆誕生日

  ▼石丸謙二郎(53年=俳優)▼ジョン・カビラ(58年=タレント)▼吉田メタル(71年=俳優)▼小倉優子(83年=タレント)▼仁科仁美(84年=女優)▼田中将大(88年=プロ野球選手)▼ゆりやんレトリィバァ(90年=芸人)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年11月01日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年10月31日 今日は?】:元首相吉田茂死去に際し、日本武道館で戦後初の国葬

2024-11-02 00:00:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2024年10月31日 今日は?】:元首相吉田茂死去に際し、日本武道館で戦後初の国葬

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年10月31日 今日は?】:元首相吉田茂死去に際し、日本武道館で戦後初の国葬

 ◆10月31日=今日はどんな日 

  ハロウィーン

 ◆出来事

  ▼ジョンソン米大統領が北ベトナムへの爆撃全面停止発表(1968)▼日本記者クラブが発足(2015)▼元首相吉田茂死去に際し、日本武道館で戦後初の国葬(1967)

ベトナム戦争

左上から時計回りにテト攻勢でのベトナム共和国陸軍アメリカ海兵隊1966年頃のベトナム人民軍兵士、掃討作戦で民家を焼き払うアメリカ軍兵士、アメリカ軍によるソンミ村虐殺事件の被害者。(上)
アメリカ軍のローリング・サンダー作戦によるベトナム空爆(下)

ディーン・ラスク国務長官(左)とロバート・マクナマラ国防長官(右)とともに閣議に臨むジョンソン大統領

 ◆誕生日

  ▼山内圭哉(71年=俳優)▼大河内志保(71年=タレント)▼山本耕史(76年=俳優)▼杉崎美香(78年=フリーアナウンサー)▼中村勘九郎(81年=歌舞伎俳優)▼須田亜香里(91年=タレント)▼金川紗耶(01年=乃木坂46)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年10月31日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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