路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【兵庫県議会】:百条委が兵庫県幹部の尋問映像公開、片山前副知事の「告発者の私的情報発言」は音声を消して対応

2024-11-23 21:33:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県議会】:百条委が兵庫県幹部の尋問映像公開、片山前副知事の「告発者の私的情報発言」は音声を消して対応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県議会】:百条委が兵庫県幹部の尋問映像公開、片山前副知事の「告発者の私的情報発言」は音声を消して対応

 ◆SNSでは「都合の悪い部分を隠蔽」と批判

 兵庫県の斎藤元彦知事の内部告発問題を調査する県議会の百条委員会は22日、10月24、25両日に非公開で行われた県幹部らへの証人尋問の録画映像をユーチューブで公開した。知事選への影響を避けるため、選挙後に公開する予定で録画されていた。

 ■斎藤元彦氏側が知事選で「広報全般を任された」会社に報酬支払い、SNSで違法との指摘相次ぐ

 2日間の証人尋問には、計11人が出頭。このうち、片山安孝前副知事や県幹部ら計6人分、計7時間以上の映像が公開された。

兵庫県の斎藤元彦知事
兵庫県の斎藤元彦知事

 10月25日の証人尋問では、告発者の男性職員(7月に死亡)が公用パソコンに保管していたとされる私的情報について、片山氏が発言を続けようとし、奥谷謙一委員長が制して一時中断する場面があった。録画映像では、片山氏のこの時の証言は音声が一部消されていた。

 百条委は調査と直接関係のない内容は扱わないことを決めている。証人尋問の再開後、奥谷氏は「片山氏から不規則発言があり、尋問を行うことが不可能と判断した」と発言。ほかの委員から異議は出なかった。

 知事選の期間中、この消された部分とされる音声が流出。立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は、告発者は私的情報が漏れることを恐れて自殺した可能性が高いのに、百条委がそれを隠したと主張した。SNS上では「(百条委は)都合の悪い部分を隠している」などの投稿が相次いだ。告発者は自殺したとみられるが、その理由はわかっていない。

 奥谷氏は今月18日の記者会見で、「(片山氏が)調査に関係ないプライバシー情報を話し始めたので、プライバシーに最大限配慮する県の情報公開条例に基づき、制止した」と説明。「隠蔽(いんぺい)しているというのは、明らかなデマだ」と述べた。

 また、斎藤氏の側近だった小橋浩一前理事は10月25日の証人尋問で、斎藤氏が告発内容を「うそ八百」などと指摘した3月27日の記者会見の直後に、第三者委員会による調査を進言したと証言。「(斎藤氏は)渋い顔をされ、『どうかな』と。受け入れられなかった」と述べた。

 斎藤氏は9月の証人尋問で、小橋氏の進言について「記憶にない」と話していた。

 片山氏や県幹部の証人尋問は通常、公開で行われるが、百条委は2日間の証人尋問について、知事選に影響が出ないよう非公開で実施し、選挙後に録画映像を公開する方針をあらかじめ決めていた。

 ■あわせて読みたい

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・兵庫県・県議会百条委員会】  2024年11月23日  21:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・11.20】:混乱の兵庫県知事選…「選挙違反には問えないものか」の声

2024-11-23 07:40:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳・11.20】:混乱の兵庫県知事選…「選挙違反には問えないものか」の声

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.20】:混乱の兵庫県知事選…「選挙違反には問えないものか」の声

 ★兵庫県知事選挙の混乱は続く。選挙前から政治団体・NHKから国民を守る党党首・立花孝志はメディアぐるみの斎藤イジメだと斎藤元彦支援を表明。7月の東京都知事選挙では24人を擁立、選挙ポスター掲示板の枠を販売して騒動となった。兵庫県知事選でも「できれば10人、最低でも3人とか5人とかを立候補させたい」(出馬会見)と複数人の擁立を掲げたため、兵庫県の選管は10人の出馬を想定してポスター掲示板などを大人数用に差し替えるなど慌てたが本人ひとりが出馬した。選挙戦では斎藤が街宣で演説した後に立花が現れ、「立候補しているが今回は自分に入れなくていい。自分の当選は目指さない」と公言。「斎藤は悪くない。県議会議員とマスコミが協力して知事をいじめるデマを拡散した」と援護射撃をし続けた。

 ★また立花の選挙ポスターは「前明石市長のパワハラを思い出せ!本当に前知事は悪人だったのでしょうか?※立花孝志には投票しないでください」「正義か悪か 元県民局長自殺の真相」と大きく書き、立花の取材の結果として自殺の原因はパワハラではなかったなどと記している。立花は演説でも「我々ができる限りの時間を使い、正しい情報を伝え、間違った投票をしないような正しい選挙にする。兵庫県の闇に切り込んでやっていける知事はなかなかいない。百条委員会は正しかったのか。(騒動を)巻き起こしたのは誰なのか。斎藤知事は(守秘義務があるから)言えない。だから立花孝志がここに言いに来ました」と選挙戦の構図を作っていった。

 ★これが「SNSの勝利」とか「メディアの敗北」につながったわけだが、斎藤は知事選に出馬して再選された。ただ選挙に勝つことは無罪判決ではない。自宅前で演説された県議の百条委員会委員は母親を避難させ議員辞職した。東京の政界関係者は「いずれも何一つ選挙違反には問えないものか」と声を上げたが、なお注意深く精査する必要がある。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月20日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・11.16】:政治資金収支報告のDX化促進に透明化反対議連生まれる可能性も

2024-11-23 07:40:10 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【政界地獄耳・11.16】:政治資金収支報告のDX化促進に透明化反対議連生まれる可能性も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.16】:政治資金収支報告のDX化促進に透明化反対議連生まれる可能性も 

 ★政界の話題は国民民主党・玉木雄一郎関連のスキャンダルばかりでかき消されているが、11日には首相・石破茂の第2次石破政権の会見からメディアがあまり報じない石破の理想の政策を取り上げたい。冒頭から石破は政治とカネを扱い「政治資金は『どこからどこに、どれだけの支援が行われ、それがどのように使われたのか』という点について、高い透明性を確保し、これをもって有権者の皆様方に御判断いただく必要がある」と明言した。

 ★「平たい言葉を使えばガラス張りにするということ。この透明性を飛躍的に向上させ、政治資金を本当のガラス張りにするためには、さらなる工夫が必要だ。政治資金収支報告のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化をさらに推し進め、収支報告書等の内容を誰でも容易に確認ができるデータベースを構築する」とし「喫緊に行うべき改革である」と位置付けた。また「これは政治資金規正法の第1条に政治資金というものは国民の不断の監視の下にあるべきだと定められている」と説明した。

 ★前首相・岸田文雄に降りかかった政治とカネの問題では十分対応できたはずだが、岸田はデジタル化までは言うが決断しなかった。このデータベース化こそが国民すべてを政治とカネの裏金問題を暴いてきた神戸学院大学法学部教授・上脇博之に変える装置となる。誰もがパソコンやスマホから政治家の名前を入れるだけで誰からいつ幾ら献金があったかを一瞬で調べることができる。いままで政治家たちは意図的にデジタル化と言っていたが、それは現在使われているPDF化でしかない。これをデータベース化すれば同じものでも比較や整理が格段に速くできる。今後はこの石破内閣の政治改革の一丁目一番地をつぶすため、献金する財界、嫌がる政界がこぞって石破批判を展開するだろう。自民党に政治資金透明化反対議連まで生まれるかもしれない。しかし自民党が生まれ変わるためには石破批判よりも透明化を進めるべきだろう。石破もここまではっきりと言ったのだから実現できなければ退陣する覚悟で直ちに推進すべきだ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月16日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.23】:自民の政治改革案 国民が納得する中身なのか

2024-11-23 07:00:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説・11.23】:自民の政治改革案 国民が納得する中身なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.23】:自民の政治改革案 国民が納得する中身なのか 

 自民党の政治改革本部が、臨時国会で想定される政治資金規正法の再改正に向けた基本方針を示した。派閥パーティー券裏金事件をはじめ「政治とカネ」の問題に後ろ向きな姿勢が批判を浴び、衆院選で大敗したのを受けた。

 一見、反省して踏み込んだようにも見える。何より「裏金の温床」と見る野党や、連立相手の公明党が問題視する政策活動費について廃止をようやく打ち出したことだ。政党から政治家個人に支出され、使途が示されないままブラックボックスとなる政治資金だけに廃止は当然だ。

 ただ全体で見れば、小手先のカードを渋々切った感は拭えない。例えば公民権停止となる事件で起訴された議員分の政党交付金を停止することは法律うんぬん以前に即刻、返上すべき話だろう。肝心の政策活動費にしても、外交や企業の秘密に関わる資金は非公表の支出があり得るとしている。最初から抜け穴を考えているように読み取れる。

 要はチェックの目はできるだけ緩くしたいのだろう。政治資金を監視する第三者機関については「国会に置くことを基本」とした。国家行政組織法に基づく独立性の高い機関を公明が求めることに一定の配慮はしたようだが、石破茂首相が早期の設置を公言した今に至っても、具体的な組織の姿が曖昧なのは困る。

 自民はこの基本方針をベースに与野党協議に入り、規正法改正の内容を事前に固めたいようだ。ほかには、国会議員に月100万円を支給する調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や残金返納を義務付ける歳費法などの改正で与野党が一致している。臨時国会では審議を極力省いてこれらを成立させ、年内に一連の問題に区切りをつけたい―。そんな政権の思惑が透けて見える。

 それで国民の納得が得られるかどうか。事前の折衝は必要としても国会での開かれた議論はやはり欠かせない。

 自民が基本方針では踏み込まなかった企業・団体献金の問題は避けて通れまい。立憲民主党、日本維新の会などが禁止を唱えるのに対し、自民は容認の姿勢を変えようとしない。何らかの規制強化を与党が示す可能性はあるが、長年の問題点に手を付けるべきだろう。お金のある企業や団体ほど献金を通じて政治への影響力を強め、彼らに有利な方向に国の政策がゆがめられかねないことだ。

 その点は裏金問題の本丸である政治資金パーティー券にも通じる。企業などからの献金の抜け道と指摘されて久しい。ことしの通常国会における規正法改正では、購入者の公表基準を20万円超から5万円超に下げるにとどまった。自民は新たな方針として外国人と外国法人による購入の禁止を掲げたが、本質的な見直しに今こそ踏み出したい。

 仮に年内に規正法を再改正すれば1年に2回という異常事態となる。自公両党が一部の野党を抱き込んで成立はするが中身は乏しい。そんな結果を繰り返すなら政治不信の解消どころか、与党へのさらなる逆風を招くだろう。

 ※:この記事のキーワード 政治とカネ・政治資金規正法

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【天風録・11.23】:芸術とは何なのだろう

2024-11-23 07:00:25 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【天風録・11.23】:芸術とは何なのだろう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.23】:芸術とは何なのだろう

 食品の値段が高くなったが、まだ手頃な果物といえばバナナだろうか。栄養があり、かばんに入れておけば、小腹がすいた時にすぐ食べられる。房から1本もいで壁にテープで貼ってみた―。そんな発想のアートに、96千万円の値が付いた

イタリアの現代美術作家マウリツィオ・カテランさんのインスタレーション作品「コメディアン」。米ニューヨークのサザビーズで(2024年10月25日撮影)。(c)TIMOTHY A. CLARY/AFP
 イタリアの現代美術作家マウリツィオ・カテランさんのインスタレーション作品「コメディアン」。米ニューヨークのサザビーズで(2024年10月25日撮影)。(c)TIMOTHY A. CLARY/AFP
【画像・写真】そんなバナナぁ…9億6000万円で落札 壁にテープで貼り付けたバナナが

 ▲「バナナとテープだけ」というと、叱られるか。作者は風刺的な作風で知られるイタリアの芸術家。黄色い1本が灰色のテープで留めてある。高く評価し、落札した中国人の起業家は、このバナナを近く食べるそうだ

 ▲芸術とは何か、その価値は―。作品は問いかけてくる。バナナを描き、知られるのは現代アートの巨匠アンディ・ウォーホル。スープ缶など身近なモノを題材にした。たわしの箱を表現した5点を、鳥取県教委は約3億円で購入。賛否の議論を招いた

 鳥取県が購入を予定している山下清の絵画「鳥取砂丘」

 ▲来春開館の県立美術館でお披露目される。芸術とは何かを考えてもらうアートの他にも目玉作品が必要なのだろう。放浪の画家、山下清の「鳥取砂丘」を購入する方針。ペン先による点描で砂などを細かく描いている

 ▲こちらは726万円。地元を描いた絵なら県民も納得か。「値札」も頭にちらつくが考えさせられる美術体験になりそう。開館が待ち遠しい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年11月23日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.22】:「103万円の壁」 開かれた議論、各党で尽くせ

2024-11-23 07:00:20 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説・11.22】:「103万円の壁」 開かれた議論、各党で尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.22】:「103万円の壁」 開かれた議論、各党で尽くせ 

 年収が103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」の見直しに自民、公明、国民民主の3党が合意した。壁を178万円へずらすことを求めてきた国民民主に自公両党が歩み寄り、年末にかけての税制改正の場などで具体的議論が進む見通しだ。

 国民民主の浜口誠政務調査会長は「手取り増に向けて大きな一歩を踏み出せる」と胸を張った。28日開会の臨時国会で、政府の補正予算案にも賛成する方針という。

 働き方を時代の変化に合わせて変えていくことに異論はない。手取り増を掲げた国民民主が衆院選で躍進したことも民意ではあろう。

 しかし、見直しの方向性には賛成できても、個別の課題は多い。十分な検討もなく、年末までに数字だけを見直すような結論では禍根を残す。

 壁を178万円にずらす狙いが、より多くの人に労働参加を促す就労対策なのか、憲法25条の生存権を重視し、課税最低限を引き上げるためなのか。国民民主の主張はどうも曖昧に映る。

 前者であれば、一律に基礎控除を引き上げるのは理にかなわない。後者なら税だけでなく、より高い壁となっている社会保険料も合わせて見直さなければ効果は薄い。

 しかも、厚生労働省が目指す社会保険料の見直しは、これまで扶養の範囲内だったパートタイマーにも保険料負担を求める内容だ。国民民主の主張とは真逆に手取りが減ることになる。老後の年金などは増えるとは言うが、年15万円ほどが見込まれる負担増は決して軽くはない。

 企業が支給する家族手当も税制上の扶養を条件にしているところが大半だろう。扶養から外れれば会社員である配偶者の税金も増えることになる。仮に178万円にまで壁が動いたとしても、扶養を外れてまで働ける流れがどれだけ広がるかは見通せない。

 育児や介護を社会で担う仕組みが整っておらず、主に女性が家事を担わざるを得なかった時代から夫婦共働きが当たり前になった時代への変革期である。制度を改めることは不可欠としても、ゴールポストを動かすように、控除額を単純に増やすだけでは抜本的な解決策にはなるまい。

 制度見直しによる税収減の問題もある。国が壁を178万円にすれば減収は76千億円と見込む。減税効果で景気が上向けば税収は上振れるかもしれないが、防衛力増強などで膨張した予算を見直すことも必要だろう。

 影響は地方も受ける。事業見直しでは追い付かないかもしれない。給食費や医療費の無償化など、地域の実情に即した横出しのサービスが失われる可能性も否定できない。

 3党合意を基に、具体的な議論はこれからになる。これまでは与党が数の力を頼りに決定してきたが、少数与党政権ではそうはいくまい。

 立憲民主党も社会保険料の負担増を穴埋めするような前向きな案を示している。3党だけでなく、各党がよりオープンに議論を尽くし、国民の納得が得られる制度に仕上げてもらいたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月22日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【天風録・11.22】:いわさきちひろ絵本の秘密

2024-11-23 07:00:15 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【天風録・11.22】:いわさきちひろ絵本の秘密

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・11.22】:いわさきちひろ絵本の秘密

 ウクライナの首都キーウの町並みを61年前に絶賛した絵本画家がいる。いわさきちひろ。望外だったか、現地から家族に宛てた手紙に「こんなにきれいにできているなんて」と記した

 ▲彼女の絵本には平和をつくる秘密が隠されている―。そんな文句に誘われ、没後50年展を催す東京・練馬のちひろ美術館を訪ねた。愛らしく、しっとりと淡い水彩の子どもたち。どの絵を見ても、優しい気持ちになる

 ▲ただ、館内に並べてあった生前最後の絵本「戦火のなかの子どもたち」を手に取って驚いた。鉛筆と墨で描かれた、うつろな表情で立ち尽くす幼い子どもたち。戦争が何を奪うのかを伝えている

戦火のなかの子どもたち (創作絵本 14),いわさきちひろ,絵本,

 ▲発刊は、ベトナム戦争真っただ中の1973年。東京で体験した空襲の怖さから、傷つき、死んでいった戦場の子どもたちを思わずにはいられなかったのだろう。晩年、病を押して絵筆を握った制作活動に執念を思う

 ▲ロシアがウクライナに侵攻を始めて、今週で千日が過ぎた。悲しく絶望的な時間が続く。私たちも。そんな時、「絵本のやさしい世界をちょっとでも思いだして」というメッセージを、ちひろは日記に残している。展示の秘密の「種明かし」のようでもある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年11月22日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.23】:日米韓の連携 政権交代しても結束保て

2024-11-23 06:05:50 | 【国家安全保障、国家防衛戦略・敵基地攻撃能力・サイバー攻撃・アメリカの戦略文書】

【社説・11.23】:日米韓の連携 政権交代しても結束保て

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.23】:日米韓の連携 政権交代しても結束保て 

 日米韓の連携にほころびが生じることがあってはならない。政権が代わっても揺るがない協力枠組みへの強化が求められる。

 石破茂首相とバイデン米大統領、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による3カ国首脳会談が南米ペルーで開かれた。

 バイデン氏は「重大な政治的変化」が訪れていると指摘し、3カ国の協力が「恒久的に存続することを期待する」と述べた。

 来年1月、米国で再びトランプ政権が発足することを念頭に置いた発言だ。首脳会談の陰の主役は、この場にいないトランプ氏だった。

 トランプ氏は2国間のディール(取引)を好み、多国間協力に後ろ向きな姿勢を見せている。日米韓の協調関係がトランプ政権になっても継続できるかは不透明だ。

 こうした状況を踏まえ、3首脳は連携枠組みの固定化に向け、安全保障分野などの協力を調整する事務局組織の新設に合意した。

 3カ国のいずれかで政権が交代して外交方針が変わったとしても、協力が後退することのないように歯止めをかける仕組みである。その効果に期待したい。

 2021年に発足したバイデン政権は「格子状」と呼ばれる多国間連携を構築した。覇権主義的な動きを強める中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮、北朝鮮との軍事協力を深めるロシアなどに、友好国と共に対処するためだ。

 米英豪による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を始動させ、日米豪印の協力枠組み「クアッド」を閣僚級から首脳級に引き上げた。

 日米韓の協力枠組みも、この「格子」の一つだ。昨年8月の首脳会談では「日米韓パートナーシップの新時代」を宣言し、首脳や閣僚が毎年定期的に会談することで一致している。トランプ政権も継承すべきだ。

 トランプ政権に移行する米国と日韓の関係は、新たな事務局組織だけで発展するわけではない。日本はトランプ政権と新たな関係を築かなければならない。

 石破首相は今回の外遊に合わせ、トランプ氏と面会する機会を探っていたが果たせなかった。引き続き早期の会談を求めると同時に、トランプ氏の人脈を通じて関係構築を進めたい。

 トランプ政権は、日韓両国に米軍駐留経費の大幅な負担増を迫る恐れがある。米国の関税引き上げ、米中対立の影響といった点でも日韓の利害は一致する。

 トランプ政権に3カ国協力をはじめ国際協調の必要性を説く上で、日韓の連携は重い意味を持つ。

 トランプ氏はかつての大統領時代のように、独断で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記とのディールに乗り出す可能性がある。

 トランプ氏に慎重な対応を促すためにも、日韓の協力強化は欠かせない。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

2024-11-23 06:03:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

 鹿児島県警は22日、16歳未満の少女と知りながら性交したとして、県警本部警務部警務課の30代男性巡査部長を懲戒免職処分にしたと発表した。被害者本人に事情聴取できていないため、逮捕していない。今年に入り懲戒処分は5人目で、2人目の懲戒免職となる。県警は冒頭の概要説明のみカメラ撮影を認める記者レクチャーを開き、牛垣誠首席監察官は「被害者および関係者、県民に深くおわびする。再発防止策に取り組むさなかで遺憾だ。引き続き県民の信頼回復に真摯(しんし)に向き合う」と謝罪した。

〈関連〉30代男性巡査部長の懲戒免職処分で謝罪する牛垣誠首席監察官=22日、鹿児島市の県警本部

〈関連〉30代男性巡査部長の懲戒免職処分で謝罪する牛垣誠首席監察官=22日、鹿児島市の県警本部

 県警によると、巡査部長は4月ごろ、16歳未満の少女と知りながら県内で性交した。9月下旬に関係者からの情報提供で発覚し、県警は不同意性交容疑で捜査した。少女側が被害届を出しておらず、本人への事情聴取ができていないことから立件は困難と判断。巡査部長の証拠隠滅、逃亡の恐れもないとして逮捕していない。巡査部長は加害行為を認めており、処分した。
 〈関連〉これだけの警官が犯罪を…2020年以降の鹿児島県警察官の逮捕事案を時系列で確認する
 
 県警では現職警察官の逮捕が相次ぎ、8月2日に再発防止策を公表。10月31日には不適切な事件処理で延べ38人を処分した。性犯罪関連では2020年以降計5人が逮捕されている。

 岩瀬聡本部長は22日の県下警察署長等会議で「県民の信頼をさらに損なう事案で誠に遺憾。県民の信頼が不可欠だと認識してほしい」と述べた。石窪奈穂美公安委員長は「国家と国民に奉仕するという原点に立ち戻ってほしい」と話した。

 県警は同日付で全職員に向けて「警察職員による非違事案の絶無について」という本部長通達を出し、職責の自覚と職務倫理の養成を改めて求めた。

 塩田康一知事は同日の定例会見で「極めて遺憾。特に、警察職員による性犯罪が見受けられる。個人の問題ではなく、組織の問題だ」と指摘した。

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 社会 【事件・事故、鹿児島県警の不祥事】  2024年11月23日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【鹿児島県警】:あきれ、憤り…そして失望「またか」 現職警官が少女と性交、免職 不祥事は「氷山の一角なのではないか」

2024-11-23 06:03:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県警】:あきれ、憤り…そして失望「またか」 現職警官が少女と性交、免職 不祥事は「氷山の一角なのではないか」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県警】:あきれ、憤り…そして失望「またか」 現職警官が少女と性交、免職 不祥事は「氷山の一角なのではないか」

 鹿児島県警の30代巡査部長が、相手が16歳未満と知りながら性交したという新たな不祥事が発覚した22日、県民は怒りと失望をあらわにした。これまでも現職警察官による性犯罪が相次いでおり「またか」との声も。「性犯罪に対し、より厳しい目を向けるべきだ」との意見が聞かれた。

職員による不祥事が相次ぐ鹿児島県警=22日、鹿児島市鴨池新町

職員による不祥事が相次ぐ鹿児島県警=22日、鹿児島市鴨池新町

 霧島市の60代県警OBは「職務に誇りを持つ警察官なら考えられない行為で残念。県警の指導内容が根本的に間違っているのでは」といぶかしんだ。

 「鹿児島県警の性暴力軽視・隠ぺい体質を問う会」発起人の松永三重子さん(72)は「性犯罪は、被害者が幼なければ幼いほど、一生影を落とす」と指摘。県警は不祥事の再発防止のため、「教養(研修)に取り組む」としているが、「教養は効果があるのか疑わしい。新たに特化した対策が必要だ」と語った。

 〈関連〉これだけの警官が犯罪を…2020年以降の鹿児島県警察官の逮捕事案を時系列で確認する

 失望の声もあふれた。薩摩川内市大王町の農業村野育美さん(50)は「またかという印象。県民を守る立場の警察官による事案で許せない。同じ女性として苦しい」。不祥事は氷山の一角ではとの見方も示し「県警への信頼は著しく落ちている。組織の体質を根本から変えるべきだ」と語気を強めた。

 鹿屋市横山町の神職堀内浩二さん(63)は「娘、孫を持つ身として、決して許せない」と憤る。組織の責任もあるとみて、「信頼で成り立つ警察業務だが、一番責任をとるべき前本部長は一連の騒動のさなか異動した。あきれる」と語った。

 5歳の娘を持つ鹿児島市の主婦(40)は、「被害者側の意向があったとはいえ、刑事処分が一切ないのはなぜ」と疑問を呈する。「もし娘が被害に遭ったらと思うとぞっとする。性犯罪は加害者が100%悪いという認識を、社会全体でもっと共有すべきだ」と訴えた。

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 社会 【事件・事故、鹿児島県警の不祥事】  2024年11月23日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.23】:選挙運動/公正さを保つ対策を急げ

2024-11-23 06:00:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説・11.23】:選挙運動/公正さを保つ対策を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.23】:選挙運動/公正さを保つ対策を急げ 

 17日に投開票された兵庫県知事選では、選挙運動を巡って想定外の事態が相次ぎ、県選管に苦情が殺到するなど混乱した。詳細を検証して対策に生かし、民主主義の土台となる選挙への信頼を守らねばならない。

 特徴的だったのは、政治団体「NHKから国民を守る党」党首が、自らの当選ではなく失職した前知事の支援を目的に立候補したことだ。

 公職選挙法では候補者間の機会均等などを確保するため、ポスターや選挙カー、はがきなどの数や規格が厳格に規制されている。しかし、一人の候補者を当選させるために複数の候補者が協力し合えば、こうした前提が崩れかねない。

 党首はポスターに自身のプロフィルや政策ではなく、告発文書問題に絡む個人のプライバシー情報などを掲示した。こうした行為の是非も検証されねばならない。また、7月の東京都知事選と同様に、大量の候補者の擁立を示唆したことから、県選管が急きょポスター掲示板の増設を各市町選管に指示し、後に撤回する事態も生じた。相当の公費負担が生じたことは看過できない。

 さらに党首は告発文書問題を検証する県議会の調査特別委員会(百条委員会)委員長の自宅兼事務所前で演説し、委員長は「脅迫目的だった」として被害届を出した。候補者の活動は尊重されるべきだが、選挙の自由を重視するあまり、必要な取り締まりをためらってはならない。

 知事選では、交流サイト(SNS)の動画などに注目が集まり、投票率上昇に寄与した半面、真偽不明の情報や誹謗(ひぼう)中傷などがあふれ、投票行動に影響したとの指摘がある。

 ネットを使った選挙運動が解禁され10年余りがたつ。虚偽表示は禁止され、侮辱罪など刑法も適用されるが、大量の情報が流れる中、違反行為の取り締まりは容易ではない。

 選挙期間中、新人候補陣営のX(旧ツイッター)のアカウントが凍結し、陣営は根拠不明の違反報告による妨害が相次いだとして県警に告訴状を提出した。活発な論争を損なうことのないよう、副作用にも目配りした多角的な議論が求められる。

 ネットの特性に関する啓発も不可欠だ。自分と似た意見を持つユーザーをフォローすると、同様の意見が次々と表示される「エコーチェンバー」現象が起きる。有権者は、SNSに真偽が不明確な情報が含まれていることを理解してほしい。不用意に拡散すると、他者の人権や名誉を傷つける恐れがある。

 選挙運動に疑義が生じれば、結果の正当性が揺らいでしまう。言論や表現の自由を最大限に尊重しつつ、選挙の公正さを守る規制の在り方などの議論を急がなければならない。

 元稿:神戸新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.18】:斎藤氏が再選/県政への信頼を取り戻せるか

2024-11-23 06:00:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説・11.18】:斎藤氏が再選/県政への信頼を取り戻せるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.18】:斎藤氏が再選/県政への信頼を取り戻せるか

 自らの失職に伴う兵庫県知事選で、出直し選に臨んだ前知事・斎藤元彦氏が、過去最多の7人による混戦を制し、再選を決めた。

 斎藤県政の継続の是非が問われたが、若者支援策や行財政改革などの実績を訴え、支持を広げた。ただ、苦境からの勝利にも安堵(あんど)する余裕はない。自身の疑惑を巡る告発文書問題で混乱が続く県政の正常化、全会一致で不信任を決議した県議会、市町との関係修復は待ったなしだ。何よりも県民の信頼を取り戻す責務がある。多岐にわたる課題に対処できる体制を築き直す必要がある。

 引き続き県政の舵(かじ)取りを担うに当たり、手厳しい意見にも謙虚に耳を傾け、真摯(しんし)に説明を尽くす姿勢を忘れないと肝に銘じてもらいたい。

                 ◇

 今回の選挙は、斎藤氏のパワハラ疑惑などを告発した文書への対応の適否や、知事に求められる資質とは何なのかが主要な争点となった。

 文書問題は3月、元西播磨県民局長が告発して表面化した。斎藤氏は真実相当性がない誹謗(ひぼう)中傷だとして元局長を作成者と特定し解任した。元局長は改めて県の窓口に公益通報したが、県はその調査を待たず、5月に内部調査に基づき懲戒処分とした。元局長は7月に死亡した。 

 県側の対応を巡り、専門家らは「公益通報に当たり告発者の保護が必要」と指摘するが、斎藤氏側は「誹謗中傷であり、公益通報には該当しない」と一貫して否定してきた。

 文書が記した内容の真偽や対応の問題点は、県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)や、弁護士でつくる第三者委員会による究明が続いており、結論は出ていない。

 それでも斎藤氏への批判の高まりを受け、県議会は不信任決議を急いだ。結果を待たずに選挙戦に突入し、有権者の判断を難しくした側面は否定できない。

 斎藤氏は文書問題について「一つ一つの局面や状況で、取り得る最善の対応をしてきた」と主張しつつ、「反省すべきは反省し改める」と訴えた。今後は公益通報制度の運用改善に加え、職員との意思疎通や、壊れた信頼関係の再構築が必須となる。選挙で勝利したからといって疑惑が解消したわけではない。説明責任を引き続き果たさねばならない。

 県議会の責任も重い。今後の百条委では党利党略や感情論に走らず、丁寧な審議で全容解明に取り組むことを求める。

 ■政策論争は深まらず

 選挙に関心が高まった一方、政策論争が深まらなかったのは残念だ。

 文書問題以外にも、県政の課題は山積している。県財政は改善基調にあるものの、阪神・淡路大震災関連の県債(借金)の償還はなお続く。斎藤氏が県政の柱に据えて取り組んできた行財政改革や、地域経済の活性化の道筋をどう描くのか。若年層らの人口流出や過疎化にどう歯止めをかけるのか。県庁舎再整備への対応、南海トラフ地震などの防災・減災対策も急がれる。

 必要な施策を打ち出すには財源を確保しなければならない。県民の理解を得ながら事業の見直しにも大胆に切り込む手腕が問われる。 

 県議会との関係にも注文しておきたい。前回選で斎藤氏を推薦した自民党は独自候補を擁立できず、斎藤氏や前尼崎市長・稲村和美氏らの支援で分裂した。同じく斎藤氏を推薦した日本維新の会は離党した清水貴之前参院議員を支援した。全会一致で退任を迫った斎藤氏に県議会がどう向き合うか注目されるが、知事は議会との緊張感を保ちつつ対話を重ね、県政の正常化に努めるべきだ。

 選挙戦では、各陣営が交流サイト(SNS)を駆使し演説などの動画や写真を拡散した。無党派や若年層への浸透効果は大きく、斎藤氏を再選に押し上げた要因とされる。

 ■選挙運動巡る議論を

 一方で、真偽不明の情報や他陣営への攻撃などが飛び交う異様な展開となった。根拠のない主張や誤情報で対立をあおり、地域の分断を深めるような状況は看過できない。

 インターネット選挙運動の解禁から約10年が過ぎ、社会のデジタル環境も変化した。SNSを活用した「ネット世論」が投票行動に与える影響も無視できなくなっている。新聞など既存メディアの選挙報道にも厳しい目が向けられた。

 7月の東京都知事選でも問われたポスター掲示板や政見放送の在り方を含め、民主主義の根幹である選挙への信頼をどう保っていくべきか。言論や表現の自由などに配慮しつつ、ネットと選挙のあるべき姿を真剣に考えなくてはならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.16】:あす投票/県政再生へ冷静な判断を

2024-11-23 06:00:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説・11.16】:あす投票/県政再生へ冷静な判断を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:あす投票/県政再生へ冷静な判断を 

 前知事の失職に伴う兵庫県知事選は、あす投開票を迎える。選挙戦はSNS(交流サイト)での舌戦が過熱し、真偽不明の情報や誹謗(ひぼう)中傷が飛び交う異様な展開になっている。

 「何が本当なのか分からなくなった」と戸惑う有権者の声も聞こえてくる。根拠のない発言や偽・誤情報に、投票行動が左右されることがあってはならない。いま一度、今選挙の出発点を整理しておきたい。

 今年3月、当時の西播磨県民局長が斎藤元彦前知事らのパワハラ疑惑などを告発した文書を報道機関などに配布したことに端を発する。前知事は、真実相当性がない誹謗中傷だとして県民局長を告発者と特定し、解任した。元県民局長は改めて県庁内の窓口に公益通報したが、県はその調査を待たず、5月に内部調査に基づき停職3カ月の懲戒処分とした。元県民局長は7月に自死した。

 一方、県議会は6月、調査特別委員会(百条委)を設置し、問題の調査を始めた。9月には半年におよぶ県政混乱の責任と「知事の資質」を問い、全会一致で斎藤氏への不信任を決議した。斎藤氏は失職を選び、自らも出直し選に打って出た。これが異例の知事選に至る経緯である。

 文書を巡る県の対応は適切だったのか。百条委で公益通報者保護法に詳しい複数の専門家は「文書配布は外部公益通報に当たる」「告発者の探索や不利益な取り扱いは禁じられている」と違法性を指摘し、斎藤氏は「法的に問題はない」と反論した。選挙戦では、斎藤氏以外の複数の候補者が県の対応を批判し、制度運用の改善を訴えている。

 斎藤氏によるパワハラの有無は、百条委や、弁護士でつくる第三者委員会が調査中で結論は出ていない。百条委の県職員アンケートでは140人が「目撃、経験などで実際に知っている」と答えた。斎藤氏は当初「パワハラかどうかは百条委や第三者委が判断すること」としていたが、選挙戦では「パワハラはなかった」と主張する場面も見られる。

 判明した事実と、調査中の問題、説明されていない疑惑を見極めなければならない。県議会は選挙後も全容解明に努める責任がある。

 各陣営の活発なSNS活用の裏で他陣営への攻撃や誤情報の拡散は加速するばかりだ。14日に稲村和美・前尼崎市長への支持を表明した県内29市中22市の市長は会見で、「正しい情報が伝わっていない懸念がある」と言及した。

 混乱と対立を収拾し、県職員や市町、なにより県民との信頼関係を立て直す重責を誰に託すか。異例ずくめの知事選を県政の再生につなげるため、冷静に判断し、悔いのない選択をしたい。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

2024-11-23 05:00:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

 国際法を破ってウクライナを侵略し、反撃されたら核兵器を使用すると 恫喝 どうかつ する。ロシアの無法ぶりは目に余る。 

 ロシアがウクライナ東部ドニプロに対し、大規模なミサイル攻撃を行った。

 プーチン大統領は、使用したのは新たな極超音速の中距離弾道ミサイルだと明らかにし、「実験は成功」と述べた。ウクライナ軍が、米英から供与された長射程兵器で露領内を攻撃したことへの対抗措置だとも主張した。

 これに先立ち、プーチン氏は、核使用の要件を緩和する大統領令に署名した。

 核を持たない国が核保有国の支援を得てロシアに攻撃を仕掛けた場合、共同攻撃とみなすと明記した。米英仏の支援を受けるウクライナが核攻撃の標的になり得ると解釈できる。

 従来は「国家が存亡の危機にある場合」としていた核使用の要件についても、「主権や領土保全に重大な脅威をもたらす場合」に改め、使用のハードルを下げた。

 米欧に対し、ウクライナへの高性能兵器の追加供与をしないよう警告する意図は明らかだ。

 現行の核拡散防止条約(NPT)体制は、ロシア、米中英仏の5か国だけに核兵器の保有を認めている。その特権的な地位を、戦争抑止ではなく侵略や威嚇の手段として悪用するのは言語道断だ。

 核使用は人類全体に対する重大な脅威である。中国などロシアとの関係を重視する国も、核の脅しには非難の声を上げるべきだ。

 米国のバイデン政権はウクライナ軍に対し、米国が供与した長射程兵器をロシア領への攻撃に使わないよう求めていたが、最近になって方針を転換し、承認した。

 ロシア軍を支援するため兵力を派遣した北朝鮮をけん制する狙いがある。さらに、来年1月までの自身の任期中に、ウクライナに必要とする兵器を与え、できるだけ有利な状況を作り出そうとしているのだろう。

 バイデン氏の後任となるトランプ氏は、ウクライナを侵略したプーチン氏を非難せず、ウクライナ支援にも消極的だ。就任後は、ロシアの意に沿う形で停戦を急ぐのではないかとみられている。

 そうなれば、ウクライナはロシアに占領された領土を事実上、失うことになる。そのような無法がまかり通れば、世界の秩序は崩壊してしまう。

 将来の停戦協議をにらみつつ、ウクライナへの支援を続けることが重要になろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説②・11.23】:経済対策決定 惰性でバラマキを続けるのか

2024-11-23 05:00:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【社説②・11.23】:経済対策決定 惰性でバラマキを続けるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.23】:経済対策決定 惰性でバラマキを続けるのか

 政策効果を吟味せず、規模ありきで歳出を膨らませたと言わざるを得ない。日本の成長力を高める施策にこそ、資金を重点的に投じるべきだ。 

 政府は、物価高への対処などを掲げた経済対策を閣議決定した。これを受けた2024年度補正予算案は、一般会計からの支出が13・9兆円程度で、前年度補正予算の13・1兆円を上回る。

 民間支出を含めた事業規模は39兆円程度に上るという。

 日本経済は、賃金と投資がともに増える「成長型経済」へと転換を図るべき局面にあり、資金は戦略的に使っていく必要がある。

 コロナ禍の影響も薄れ、景気が緩やかな回復を続ける中、政府自らが昨年6月、経済成長と財政健全化を両立させるために、「歳出構造を平時に戻していく」との方針を決めていたはずだ。

 それにもかかわらず、予算規模が膨らんだのは、石破首相が、先の衆院選の期間中に内容の吟味がないまま、前年度を上回る規模にすると言及したことが大きい。

 その結果、必要な施策を精査して積み上げたものではなく、はじめから規模ありきで、バラマキ型の補正予算案となった。

 巨額な支出に見合う効果が乏しく、惰性で続けている施策の典型が、住民税の非課税世帯への3万円の給付金だろう。コロナ禍以降、この種の給付金は何度も繰り返され、昨年秋の対策でも7万円の給付金が盛り込まれた。

 住民税の非課税世帯は、65歳以上の世帯が大半を占め、金融資産が多い高齢者にも恩恵が及ぶ。むしろ現役世代への支援を手厚くすべきだとの声も根強い。

 電気・ガス代への補助金制度を、来年1月から3月まで再開し、年内を期限としていたガソリン補助金を延長することも問題だ。

 こうした補助制度には既に、総額11兆円を超える予算が充てられた。財政を圧迫するだけではなく脱炭素の流れにも逆行しよう。

 物価高を克服して、日本経済を強化していくためには、脱炭素やデジタル化、人手不足を解消する省力化といった重要分野に、資金を活用していくことが大切だ。

 AI(人工知能)・半導体分野へは、30年度までに10兆円以上の支援を行うという。リスクを精査しながら着実に進めてほしい。

 対策には、年収103万円を超えると所得税がかかる「103万円の壁」の見直しも明記した。人手不足の緩和などの利点と財源確保策のバランスを考慮し、適切なあり方を検討してもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする