路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・12.24】:与党の税制改正 国会で責任ある議論尽くせ

2024-12-24 16:00:30 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説①・12.24:与党の税制改正 国会で責任ある議論尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.24】:与党の税制改正 国会で責任ある議論尽くせ 

 政権維持のための取引と先送りが目に付き、急ごしらえの感が拭えない。

 与党が2025年度の税制改正大綱をまとめた。焦点となった所得税が生じる「年収103万円の壁」は、123万円まで非課税枠を引き上げる。

 物価高が続く中、約30年間も据え置かれてきた控除額を見直すのは理解できる。主婦パートらの働き控え解消への期待もあろう。

 3党協議で、国民民主党が最低賃金の上昇率を根拠に「178万円」を主張したのに対し、自民、公明両党は物価上昇幅をもとに、計20万円の引き上げとした。

 地方自治体の減収は178万円になった場合の4兆円からは抑制され、最大1千億円となるという。だが、減収分の穴は埋めないとしており、福祉などの給付減につながる懸念が残る。減税効果は、年収400万円で5千円程度と見込まれる。

 一方、大綱には「178万円を目指して、来年から引き上げる」との3党合意を明記した。国民民主が25年度当初予算案などへの協力を引き換えに、要求を強める不確定要素を含む。

 政局の駆け引き材料に、税制を利用する3党の姿勢は無責任と言わざるを得ない。

 大学生年代(19~22歳)の子を扶養する親の税負担軽減も、子の年収制限を103万円から150万円へと引き上げた。「さらに学生を働かせるのか」との批判もある。奨学金制度の充実など、安心して学べる環境作りこそ優先すべきではないか。

 負担増は先送りが目立つ。

 防衛力強化の財源のため、法人税とたばこ税の引き上げを2026年4月から始めるが、所得税は開始時期の決定を3年続けて見送った。「壁」の見直しによる減税との整合性から慎重論に傾いた。

 そもそも防衛費「倍増」の規模ありきを見直し、必要性を精査せねばならない。

 高校生年代(16~18歳)の子がいる世帯の扶養控除は、児童手当の拡充の代わりに昨年の大綱で縮小を明記したが、先延ばしして維持するという。

 減税効果を当て込んだ税収増頼みは、場当たりに過ぎる。負担増を巡る議論を避けていては財政の持続性はおぼつかない。

 躍進したとはいえ、衆院議席6%の国民民主の一部意見を入れ、少数与党がまとめた大綱は説得力を欠く。

 立憲民主党などからは、社会保険料の負担が生じる「130万円の壁の方が高い」と見直しを求める案が出ている。

 富裕層の所得税負担率が下がる「1億円の壁」解消に向けた金融所得課税の強化などは、財源の捻出に向けて真剣に議論すべきだろう。

 与野党がオープンな国会の場で、税と社会保障を含めた公平な負担の在り方を議論してもらいたい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【八代弁護士】:「ドン・ファンと違って明らかに事件。犯人が存在する」元長野県議の懲役19年判決で

2024-12-24 15:01:30 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【八代弁護士】:「ドン・ファンと違って明らかに事件。犯人が存在する」元長野県議の懲役19年判決で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【八代弁護士】:「ドン・ファンと違って明らかに事件。犯人が存在する」元長野県議の懲役19年判決で

 国際弁護士の八代英輝氏が24日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演。24日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演。妻を殺害した罪に問われている元長野県議の丸山大輔被告に実刑判決が出たことについて、私見を述べた。

八代英輝弁護士(2012年7月撮影)八代英輝弁護士(2012年7月撮影)

 長野地方裁判所は23日、丸山被告に「被告人が犯人であるという認定に合理的な疑いは残らない」として懲役19年の実刑判決を言い渡した。直接証拠がない中での有罪判決となり、八代弁護士は同じような例として、和歌山県の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社社長を殺害したとして、殺人などの罪に問われた28歳の元妻に無罪判決が言い渡された例と比較した。「ドン・ファンと同じく直接証拠はなく、似ているところはあると思います。ドン・ファンは事故の可能性がありますが、今回は他殺で明らかに事件。犯人が存在する」と話した。

 そのうえで、防犯カメラに映った車でアリバイが崩され、犯行現場の靴跡、偽装工作などについて注目。「仮説以上の認定が可能になります。一連の線、時間帯、可能性を考えて、相当な偶然が重ならなければ生じない事態だと断じたと思います」と解説していた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・裁判・妻を殺害した罪に問われている元長野県議の丸山大輔被告に実刑判決が出たこと】  2024年12月24日  15:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【鈴木おさむ氏】:「どんなことが起こるか期待したい」 ホンダ・日産の統合協議

2024-12-24 11:06:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【鈴木おさむ氏】:「どんなことが起こるか期待したい」 ホンダ・日産の統合協議

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鈴木おさむ氏】:「どんなことが起こるか期待したい」 ホンダ・日産の統合協議

 元放送作家で実業家の鈴木おさむ氏が23日、フジテレビ系「めざまし8」(月~金曜午前8時)に出演。ホンダと日産自動車が23日に経営統合を本格的に協議すると発表したことに対し、私見を述べた。

鈴木おさむ氏(2024年6月撮影)鈴木おさむ氏(2024年6月撮影)

 両社は生産の見直しや技術の補完などが狙いとなっている。鈴木氏は、「若い人が車に乗らないとか、カーシェア、自動運転など、どんなメリットがあるか。電気自動車は価格が高い。本当に国内ではやらせるには値段の問題がある。どんなことが起こるか期待したい」と話した。

 また、コメンテーターでジャーナリストの立岩陽一郎氏も、「ある意味、新しい会社に生まれ変わると思えば期待していい」と話した。

 両社を傘下に置く共同持ち株会社は2026年8月に発足。売り上げ30兆円、営業利益3兆円超を目指す。日産と企業連合を組む三菱自動車も来年一月末をめどに合流するかどうかを判断するという。3社の連合が実現すれば、販売台数800万台以上の世界3位の自動車会社となる。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・企業・産業・ホンダと日産自動車が23日に経営統合を本格的に協議すると発表】  2024年12月24日  11:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【菊間千乃氏】:「びっくりしました」「一緒にやった方が効率的」 ホンダ・日産の経営統合協議

2024-12-24 10:33:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【菊間千乃氏】:「びっくりしました」「一緒にやった方が効率的」 ホンダ・日産の経営統合協議

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菊間千乃氏】:「びっくりしました」「一緒にやった方が効率的」 ホンダ・日産の経営統合協議 

 弁護士の菊間千乃氏が23日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。ホンダと日産自動車が23日に経営統合の本格的な協議に入ったと発表したことについて「びっくりしました」と切り出した。

菊間千乃氏(2021年撮影)菊間千乃氏(2021年撮影)

 菊間氏は統合の意味について「それぞれのブランドはそのまま生かし続けるということなので、企業文化も違うでしょうから、そこはうまく開発、生産、販売の部分で一緒にできるところはやっていくということ」とした。

 両社はそれぞれ別の会社とも手を組んでいる。「ホンダはGMとの共同開発を2023年にやめていて、日産の方もルノーの出資比率が下がっている。これから先、どこと手を組んでいくか。自動運転とか電気自動車EVとかものすごくお金がかかる。トヨタはグループでいろんな会社と一緒に開発している。1社で戦うよりは、重なるところは一緒にやった方がより効率的に戦っていけるということなんでしょう」と分析した。

 両社は2026年8月目途に事業会社の合併ではなくて、共同持ち株会社を作って、売り上げ30兆、営業利益3兆超を目指す。統合すれば23年の世界販売台数で1123万台のトヨタグループ、923万台のフォルクスワーゲン(VW)グループ(ドイツ)に次ぐ、第3位の会社となる。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・企業・産業・ホンダと日産自動車が23日に経営統合を本格的に協議すると発表】  2024年12月24日  10:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【玉川徹氏】:「自動車会社だからという強みはない」「ゴーンが言っていることは外れてない」

2024-12-24 09:59:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【玉川徹氏】:「自動車会社だからという強みはない」「ゴーンが言っていることは外れてない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【玉川徹氏】:「自動車会社だからという強みはない」「ゴーンが言っていることは外れてない」 

 元テレビ朝日社員の玉川徹氏が23日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。ホンダと日産自動車が23日に経営統合の本格的な協議に入ったと発表したことと、カルロス・ゴーン元日産会長がこれについて「統合しても意味はない」と述べたことに触れた。

玉川徹氏(2019年撮影)玉川徹氏(2019年撮影)

 玉川氏は「日産がどうしようもなくなっている。そういう形にならざるを得ない」と統合について分析した上で「ゴーンが言っているのはあながち外れてない気がする」と語った。

 また、ホンダがかつてソニーと一緒に車を作ろうとしていたことにも言及した。「全く違う企業で強い分野、必要となる分野での合併という形で意味があるのかもしれない。自動車会社同士だと多くの部分で重なっている。規模を追求しているだけだと思うので、重なっている部分を切っていかなければいけない。関連会社や部品会社もどんどん合従連衡を進めていかなければいけない」。

 さらに「自動車に関して言うと、今まで多くの部品をなるべく効率よく生産してそれを組み立てるというビジネスモデルだった。今はそんな時代ではなくて、なるべく少ない部品をどうやって効率よく作るか。もうエンジンじゃなくなるので、自動車会社だけが持っている独自の技術は、コアの部分がいらなくなる。モーターはモーターでいろんな会社があるし、バッテリーはバッテリーでいろんな汎用(はんよう)性があるし、自動車会社だからという強みはあんまりない。大きなリストラが発生するんじゃないですか」と予測した。

 両社は2026年8月目途に共同持ち株会社を発足させ、売り上げ30兆円、営業利益3兆円超を目指す。統合すれば23年の世界販売台数で1123万台のトヨタグループ、923万台のフォルクスワーゲン(VW)グループ(ドイツ)に次ぐ、第3位の会社となる。一方、日産はすでに世界規模で生産能力を20%削減、9000人の人員削減計画も明らかにしている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・企業・産業・ホンダと日産自動車が23日に経営統合を本格的に協議すると発表】  2024年12月24日  09:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①・12.24》:与党税制大綱 政局優先の議論では困る

2024-12-24 09:31:50 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

《社説①・12.24》:与党税制大綱 政局優先の議論では困る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.24》:与党税制大綱 政局優先の議論では困る 

 自民、公明両党が2025年度の与党税制改正大綱を決めた。

 所得税が生じる「年収103万円の壁」の扱いが焦点になった。少数与党となり、議論に加わった野党の国民民主党が強くこだわったからだ。

 課税される最低水準の引き上げについて、国民民主が178万円を主張したのに対し、自公は123万円を提示。合意に至らず大綱に123万円と明記した。

 ただ、今回は大綱の内容がそのまま実現するとは限らない。少数与党のため、政府が大綱に沿った法案を出しても野党の協力がないと成立は難しいからだ。合意に向けた議論は今後も続く。

 大綱は、インナーと呼ばれる与党の一部幹部議員の話し合いで決まるのが通例だった。野党が加わったことで決定過程の可視化が進んだとの評価も聞かれる。

 税制の議論を、これまでより開かれた形に変えていく一歩となった面はあるかもしれない。だが今回、その内容は政局的な思惑ばかりが先行し、改正による効果や財源に関する議論が深まったとは言いがたいものになった。

 国民民主は「年収の壁」の引き上げによる「手取りアップ」を掲げている。つまり減税を主張しているわけだが、それで生じる税収減をどうカバーしていくのか、明確な考え方を示していない。責任ある対応とは言いがたい。

 同党の案が通れば7兆~8兆円の税収減になるとされる。有権者にアピールしようと減税を訴えるだけでなく、負担のあり方にも十分に目配りしてほしい。

 大綱では、大学生年代の子を扶養する親の税負担を軽減する「特定扶養控除」について、子の年収制限を103万円から150万円に引き上げることも決めた。年収の壁で浮上した論点の一つだ。

 長くアルバイトをしても親の納税額が増えないようにし、人手不足緩和につなげる狙いがある。家計の一助にもなる。ただ、学業が本分の大学生に労働を促すだけでよいのか。学生の支援策はもっと視野を広げて考えたい。

 今回の税制論議は、年収の壁に注目が集まる一方で先送りされた分野も少なくなかった。

 例えば、増額した防衛費の財源確保のための増税だ。法人税とたばこ税は26年4月からの増税を決めたが、所得増税の開始時期の決定はまたも見送った。

 公平性の確保や格差是正など、税制は論点が複雑に絡み合う。与野党の駆け引きを超え、腰を据えて議論する必要がある。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②・12.24》:再審制度見直し 法務省の姿勢 楽観できぬ

2024-12-24 09:31:45 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

《社説②・12.24》:再審制度見直し 法務省の姿勢 楽観できぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.24》:再審制度見直し 法務省の姿勢 楽観できぬ 

 戦前の旧法をほぼ引き継いだ再審制度の改定は、もはや先送りできない課題だ。法務当局の姿勢を厳しく見ていく必要がある。

 法務省が来春にも、法制審議会に諮問する方向で調整している。制度改定に後ろ向きだった姿勢を転じたようにも受け取れる動きだが、主導権を手中に収めることで、抜本的な改定を阻む意図さえ見え隠れする。

 再審は、有罪が確定した裁判をやり直す制度だ。戦後、刑事訴訟法が全面改定された際、再審の規定に手を入れる時間がなく、旧法の条文がほぼそのまま残った。

 袴田巌さんが再審で無罪となった事件は、制度の不備をあらわに浮かび上がらせた。罪を晴らすまでに、再審を訴えてから43年、逮捕から58年を要している。死刑囚として獄につながれる間に精神を病み、今も回復していない。

 人の一生を根こそぎに奪う冤罪(えんざい)は、国家権力による重大な人権侵害だ。無実の罪は一日も早くすすがなければならない。けれども、その唯一の手段である再審には、なお厚い壁が立ちはだかる。

 法務、検察当局は、確定した有罪判決が覆されることは司法の安定性を損なうとして、再審制度の見直しに背を向けてきた。1980年代に死刑4事件が再審で無罪となった後も、手つかずのまま、現在に至っている。

 改めるべき点は既にはっきりしている。第一に、再審の手続きについて明文の規定を置くこと。第二に、再審開始の決定に対する検察の不服申し立ての禁止。第三に、証拠の全面開示である。

 袴田さんは2014年に再審開始の決定が出ながら、検察が抗告し、再審までにさらに9年を費やした。有罪判決が揺らいだと裁判所がいったん判断したら、直ちに裁判をやり直すのが本来だ。

 また、袴田さんに限らず、元の裁判で検察が開示していなかった証拠が再審につながった事件は少なくない。捜査機関が集めた証拠は公共のものであり、検察の専有物ではない。全面開示にほど遠い現状を改める必要がある。

 法務、検察当局が正面から取り組む姿勢は見えない。検察は、袴田さんの再審を踏まえて、最高検に「再審担当サポート室」を設けている。組織を挙げて再審を阻む動きとしか受け取れない。

 法制審への諮問が、制度改定を阻む時間稼ぎに使われかねないほか、法務当局によって議論が方向づけられ、骨抜きにされる恐れがある。市民がしっかりと目を向けていくことが不可欠だ。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《斜面・12.24》:110年前の奇跡

2024-12-24 09:31:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

《斜面・12.24》:110年前の奇跡

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《斜面・12.24》:110年前の奇跡

 〈誰も見たことがない光景〉〈これ以上ないほど風変わりなクリスマスを過ごした〉―。

 第1次世界大戦の激戦地となった欧州の西部戦線。

 110年前、敵対した英国軍やドイツ軍の兵士たちが戦地から家族や友人に宛てた便りにある

 ◆敵の塹壕(ざんごう)から手を振る兵士やクリスマスツリーを見かける。銃を持たずに近づく兵士…

 ■この記事は、会員限定の記事です。(残り446文字/全文597文字)

 ■続きは、会員登録後、お読み下さい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【斜面】  2024年12月24日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①・12.23》:県宿泊税の導入 使途の議論をまず詰めて

2024-12-24 09:31:35 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

《社説①・12.23》:県宿泊税の導入 使途の議論をまず詰めて

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.23》:県宿泊税の導入 使途の議論をまず詰めて 

 納得できる使途の検討がまず必要だろう。

 県が観光振興の新たな財源として2026年度の導入を目指している「宿泊税」である。

 1泊300円とし、年間40億円余の税収を見込む制度の大枠は固まりつつある。ただし、徴税を担う観光事業者には異論もあり、理解が十分浸透しているとは言いがたい。

 40億円を何に使うのか。宿泊客に負担を求めるのに、公益性の根拠である使途をめぐる議論が後回しになっているからだ。

 県の審議会が導入を答申して8カ月。県が「想定される使途」を例示したのは今月18日、県民との意見交換会の場である。

 例示された使途の方向性は理解できる。スマホ操作一つで観光ルートを最適化し、複数の交通機関やサービスの予約、決済が行える「MaaS」(マース)の導入はその一つだ。旅行者へのアンケートで、目的地へのアクセスの満足度の低さが信州観光の弱点だとする認識に基づいている。

 それは旅行者の利便性向上にとどまらず、高齢者の足となる公共交通の再生充実や、マイカー利用を抑えて温暖化対策につなげられる可能性も含んでいる。

 温泉街などのバリアフリー化や廃屋撤去といったまちづくりへの支援も例に挙げた。それらをたたき台に、使途や地域の将来像を事業者、住民らも主体的に考えられれば、税導入の公益性への理解はより深まるだろう。

 今のところ県は、税額を書き込んだ条例案を来年2月県会に提出し、使途は条例が成立した後、市町村や事業者を交えて詰めるとのスケジュールでいる。

 「他地域の取り組みに後れを取ることは許されない」と阿部守一知事は述べてきた。県民との意見交換会でも、北海道が45億円規模の税収を得る条例を成立させたことを引き合いに「長野県も戦えるようにならなければいけない」と強調した。

 ほかの都道府県が次々導入しているからといって税収の規模ありきでことを進めるのは、徴税の重みを考えても疑問がある。

 定額300円とする方針に、県旅館ホテル組合会は、低料金の宿ほど割高感が大きくなるなどとして慎重な姿勢だ。物価高騰にさらされる観光地からは、課税される分、値上げできる余地がなくなると懸念する声も上がる。

 現場と歩調を合わせ、信州ならではの持ち味を生かした制度のあり方を、ともに練り上げるプロセスを大切すべきだ。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②・12.23》:梅毒が県内最多 予防と啓発 工夫をもっと

2024-12-24 09:31:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

《社説②・12.23》:梅毒が県内最多 予防と啓発 工夫をもっと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.23》:梅毒が県内最多 予防と啓発 工夫をもっと 

 性感染症「梅毒」の今年の長野県内の患者報告数が、11月下旬の速報値で81人となり、現在の調査方法になった1999年以降で最も多くなった。

 最多更新は3年連続となる。感染の拡大に歯止めがかかっていない。深刻な事態である。

 梅毒は早期の感染に気づきにくい上、検査をためらう人も少なくない。安心して相談や検査に踏み出せるよう、県は知識の普及と啓発に力を注いでもらいたい。

 感染者の内訳は男性60人、女性21人。年代別では男性は50代が最多で20代、40代と続く。女性が20代が最多で、次が30代だ。

 全国でも急拡大している。感染者数は2011年ごろから増加傾向となり、22、23年は年間1万人を超えた。今年も速報値で、既に1万2千人を超えた。年代別では男性は20~50代、女性は20代が際だって増えている。若い世代に広がっている点が気にかかる。

 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が引き起こす。性行為により口や性器などの粘膜、皮膚から感染し、キスでもうつることがある。つまり日常で性的接触があれば誰もがかかる可能性がある。

 感染すると3週間ほどの潜伏期間を経て陰部や口腔(こうくう)内にしこりができたり、リンパ節が腫れたりする。この段階で検査を受けるかどうかがその後の鍵を握る。

 陽性と診断されても、早期に適切な治療を受ければ完治も望める。感染拡大も防げる。

 悩ましいのは治療をせずとも自然に症状が消えることがあり、無症状の人もいることだ。病原体が消えたわけではない。3カ月以上たつと病原体は全身に回り、赤い発疹疹などの症状が出る。やがて心臓や血管、脳などの臓器に病変が生じ、死に至ることもある。

 特に気をつけたいのが、妊娠中の女性だ。感染すると胎盤を通じて胎児にうつす恐れがある。流産や死産、さらには赤ちゃんが梅毒にかかった状態で生まれる「先天梅毒」になるリスクが高まる。

 国立感染症研究所のまとめでは昨年、先天梅毒の子どもが急増し、1年間で37人に上った。妊婦健診など早めの検査と治療により、母子の健康を守りたい。

 県内の保健所では梅毒の検査を匿名、無料で受けられる。これは広く知られているだろうか。

 福岡県は昨年度、若年層向けに、人気漫画の主人公が匿名、無料検査を紹介する予防啓発動画を独自に制作しSNSに配信した。こうした取り組みも参考に、長野県も情報発信を強化してほしい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《斜面・12.23》:早めのクリスマスプレゼント

2024-12-24 09:31:25 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

《斜面・12.23》:早めのクリスマスプレゼント

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《斜面・12.23》:早めのクリスマスプレゼント

 全国高校駅伝のテレビ中継を見終えてランニングに出ると、心なしか背筋が伸びる。

 都大路を颯爽(さっそう)と駆け抜ける高校生ランナーたちに、知らず知らずのうちに感化されるからだろう。

 こちとら、くじけやすい市民ランナーではあるけれど

 ◆その都大路から信州に、早めのクリスマスプレゼントが届いた。それも特大の。きのうの高校駅伝、午前に女子の長野東が2年ぶり2度目の優勝を果たすと、午後には男子の佐久長聖が2連覇で4度目の優勝を飾った。県勢初のアベック優勝である

 ◆1区の区間賞で、

 ■この記事は、会員限定の記事です。(残り365文字/全文597文字)

 ■続きは、会員登録後、お読み下さい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【斜面】  2024年12月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・12.18】:SNS効果 国民民主の勢いは来年参院選まで持つか?

2024-12-24 07:40:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・12.18】:SNS効果 国民民主の勢いは来年参院選まで持つか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.18】:SNS効果 国民民主の勢いは来年参院選まで持つか? 

 ★産経新聞社とFNNが実施した最新の合同世論調査で国民民主党の支持率が立憲民主党を抜いた。産経新聞は「18歳、19歳あるいは20代で25・4%が、30代は15・6%が国民民主を支持し、それぞれの年代で最も支持される政党となった」という。同党代表(不倫による役職停止3カ月中)・玉木雄一郎が日夜打ち続けたSNSの成果といえようか。衆院選での「所得を上げる」が若者に響いた結果か。いずれも各党が若年層の取り込みに腐心している中、大きな成功例と言える。今年はこのSNSを選挙に使う手法を上手に取り入れた政党や候補者が躍進したといえ、国民民主党はその中心にいたといえる。

 ★だが17日、玉木の代わりに代表職務に当たる党税調会長兼代表代行・古川元久が自民、公明、国民3党の税調幹部会合が国会内で開かれたが、古川は10分で退室。「協議打ち切り」と記者団に告げ協議が終了した。先の選挙を「野党」として戦い党勢拡大。与党が過半数割れすると首相指名で野党第1党立憲民主党代表・野田佳彦に投票しないとし、中途半端な与党とも言えない「ゆ党」化した。棄権としたが結果、第2次石破政権を成立させた。国民民主党はかねて与党入りをもくろみ、ガソリンのトリガー法発動のため政府説得に2度もチャレンジしてほごにされている。今回も同じ道を歩むのだろうか。

 ★野党議員が言う。「確かにネットの使い方はうまかったかもしれないが、今回、国民民主党を勝たせた人たちが、今後ずっと支持者になってくれたり、党員になるなど党の足腰の強化につながるとは思えない。刺激の強いネットの番組にユーザーが引き込まれるのと同じで絶えずキャッチーな発言をいい続けないと飽きられてしまう。それでは継続する政治は実現できない。ネットでの支持者とリアルな支持者が重なるかどうかは、玉木のネット発信だけでは心もとないだろう」。ネット万能を期待する来年の参院選挙までこの勢いが持つかどうかもわからない。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年12月18日  07:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【中山知子の取材備忘録・12.23】:政党の街頭演説「聖地」のうつろい 自民=アキバは薄れ、国民民主の新橋に注目してみた

2024-12-24 07:35:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・12.22】:政党の街頭演説「聖地」のうつろい 自民=アキバは薄れ、国民民主の新橋に注目してみた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.22】:政党の街頭演説「聖地」のうつろい 自民=アキバは薄れ、国民民主の新橋に注目してみた

 2024年は衆院選だけでなく、東京都知事選や自民党総裁選、立憲民主党代表選など、さまざまな選挙が行われた。4月の衆院東京15区補欠選挙では、各候補者の街頭演説に対する「妨害」行為が問題になるなど、これまでの選挙ではみられなかった深刻な現象もあった。

JR新橋駅前での街頭演説後、所属議員やスタッフらとポーズを取る国民民主党の榛葉賀津也幹事長(左)と古川元久代表代行(2024年12月20日撮影)
JR新橋駅前での街頭演説後、所属議員やスタッフらとポーズを取る国民民主党の榛葉賀津也幹事長(左)と古川元久代表代行(2024年12月20日撮影)

 選挙での街頭演説は、候補者の主張を聴く貴重な機会であるだけでなく、国民が政治と身近に触れられる機会と感じている。妨害問題発生以降、街頭演説の警備が一層強化され、取材するにもなかなか厳しい環境になったことには、複雑な思いも持った。

 かつては「この政党ならこの場所」というように、街頭演説には「聖地」とされる場所があった。近年で最も知られたのは、自民党がかつて頻繁に街頭演説を開いた秋葉原。駅前ロータリーに選挙カーが止まり、ロータリー周辺の歩道や、ロータリーを見渡せる場所に多くの聴衆が詰めかけ、演説に耳を傾けた。自民党は一時期、総裁選や国政選挙最終日の街頭演説をアキバで行い、第2次安倍政権の時などは大群衆の聴衆が集まり、独特の雰囲気を生んだ。しかし、安倍晋三元首相の退任後、2021年衆院選の岸田文雄首相(当時)の最終演説は東京都大田区。今年10月の衆院選でも、石破茂首相が最後に入ったのは東京都江東区。いずれも「大激戦区」ではあったが、自民党の「聖地」=アキバという感覚は、だんだんと薄れてきているように感じる。

 一方、政党にとっての新たな「聖地」となりそうな場所を先日、取材した。10月の衆院選で躍進した国民民主党は結党以来、東京・新橋の待ち合わせの定番でもある、JR新橋駅前のSL広場で、国会召集日と最終日など定期的に街頭演説を開いている。3日間の会期延長がなければ今の臨時国会の事実上の閉会日だった12月20日も、党幹部や所属議員が集まり、約30分間、街頭演説を行った。

 年末の金曜日の午後6時半開始という微妙な時間帯だったが、それでも数百人の聴衆が足を止めて聞いていた。この場で榛葉賀津也幹事長は「3年前は(聴衆が)10人いるか、いないかだった」と振り返った。当時の景色と比べれば、当事者にとってみれば大きな変化を実感するのだろう。演説会が終わった後も、聴衆との「握手会」や「撮影会」のような景色が続いた。

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年12月22日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

2024-12-24 07:35:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.15】:石破首相、今年の漢字「謙」表明も国会答弁は「石破論法」で謙虚一辺倒ではなし?

 2024年もまもなく終わろうとする時期に入った、今年の年末。1年の世相を1文字で表す恒例の「今年の漢字」が12日に発表され、3年ぶり5度目の「金」が選ばれた。

石破茂首相(2024年10月28日撮影)
石破茂首相(2024年10月28日撮影)

 「きん」と読むか「かね」と読むか、同じ「かね」でもカタカナの「カネ」と読むかで、印象はかなり異なる。夏のパリ五輪・パラリンピックでの日本選手団の金メダルラッシュという明るいニュースの一方で、「かね」は、深刻な社会問題になっている闇バイト強盗事件も反映した側面もある。「カネ」となれば自民党裏金事件の「政治とカネ」となる。身近な漢字でもあるが、1つの漢字で今年のさまざまな側面を表現する形となった。

 「今年の漢字」が発表される時期になると、時の首相も「今年の漢字」を問われ、答える。石破茂首相は「今年の漢字」が発表された12日、自身にとっての「今年の漢字」を問われて「謙」と答えた。「1字で、というのは難しいが、謙虚の『謙』」と切り出し「謙虚に、ひたすら己をむなしくして、いろんな方の意見を素直に承る。今年の後半は、この言葉をかみしめながら過ごしている」と述べた。

 首相に就任してまもなく、裏金問題に関して与野党論戦を行わないまま衆院解散に踏み切ったが、10月27日の衆院選で大敗。自民党が少数与党に陥ってしまったことで、政権運営はかつてない苦しいものになった。野党の協力なしに、国会審議もままならない現実について、率直な感情を漢字1文字に託した形になった。石破首相と戦った自民党総裁選で敗れたものの、林芳正官房長官が今年の漢字を「動」と答えたのとは、かなり対照的だった。

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年12月15日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【中山知子の取材備忘録・12.01】:石破首相、大相撲九州場所での「失点」回復、来年1月の初場所で実現できるか?

2024-12-24 07:35:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・12.01】:石破首相、大相撲九州場所での「失点」回復、来年1月の初場所で実現できるか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・12.01】:石破首相、大相撲九州場所での「失点」回復、来年1月の初場所で実現できるか?

 政治が激動した2024年も、あっという間に12月。5度目の挑戦で自民党総裁選を勝った石破茂首相が第102代内閣総理大臣に選出されたのは、ちょうど2カ月前のことだ。当時はそれなりの期待感もあったが、その後、悪い方に悪い方に状況が変化していく様子も、ある意味、あっという間の出来事だった。

石破茂首相(2024年10月28日撮影)

       石破茂首相(2024年10月28日撮影)

 当初の主張を変えて衆院解散を前倒しし、裏金事件幕引きを狙って急いだ衆院選は、自民党が56議席減の惨敗。少数与党という、歴代の自民党の首相でもほとんどいない苦境沼に陥っている。11月28日に始まった臨時国会の衆院本会議場を記者席から見渡すと、衆院選前と比べて2列分くらい、議員の議席エリアが自民党から立憲民主党に変わっていたように感じた。「自民1強」の政治状況が明らかに変わったことを実感する機会にもなった。

 総理大臣が交代するタイミングで個人的興味から振り返ることがある。「国技」でもある大相撲に、どんな形で関わったのか、ということだ。東京開催場所の千秋楽に、時の首相が出向いて内閣総理大臣杯を手渡す姿は、コロナ禍前はよく見られたシーンだった。近年では「痛みに耐えてよーく頑張った。感動した!」と絶叫した小泉純一郎氏のほか、何度か内閣総理大臣杯を優勝力士に手渡し、トランプ夫妻とも観戦した安倍晋三氏は長期政権だったこともあり、印象に残っている。民主党政権の3人の首相も全員、国技館を訪れた。NHKの生中継もあり、時の首相が内閣総理大臣杯授与に登場するのは「人気取り」の側面もあると聞いたこともあるが、現場で取材していて、支持率が高くない首相でも、場内から厳しいヤジが乱れ飛ぶことは、おめでたい場でもあり、ほとんどなかった。

2024年11月24日、九州場所千秋楽 八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る琴桜

 コロナ禍で環境が変わり、官房長官時代には総理大臣杯を抱えた菅義偉氏は、首相としては場所を訪れることなく退任。後任の岸田文雄前首相は国技館に登場できる機会は多かったはずだが、機会はなかった。岸田政権ではむしろ、40キロ近い総理大臣杯の自力授与にこだわり、「怪力」とSNSで話題になった村井英樹・前官房副長官が、強烈な印象を残した。

 石破政権になって初めての場所となった九州場所が先週千秋楽を迎え、大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が初優勝を飾った。東京開催場所ではなく首相はもちろん登場しないが、だれが出てくるのか注目していたら、まさかの「八角理事長代理授与」で、ちょっと驚いた。

 日本相撲協会から、当日の出席の依頼は政府側に届いていた。恒例行事でもあり当選の流れだろうが、出席なし。次世代を担うことになるだろう琴桜関の晴れの場だったこともあり、個人的にはちょっと残念なシーンだった。

 地方開催場所では、ゆかりのある国会議員や閣僚、東京開催場所でも登場する内閣官房副長官が登場することが多い。今回、九州場所に石破政権の関係者がだれも出向かなかったことはSNSでも批判され、11月26日の林芳正官房長官の定例会見でも取り上げられた。林氏は「日程の都合がつかなかったため、政府関係者の出席を見送った。今後とも相撲協会からの依頼に応じて日程の都合が付く限り、政府関係者が出席をする考えです」と述べたが、当日、公務があった人もいれば、地元に戻っていた人もいたようだ。永田町では「だれも派遣しないと石破政権が国技を軽視したようにみられかねない」という苦言も聞いた。

 福岡が地元で、何度も九州場所に登場している自民党の麻生太郎最高顧問もいるが、そんな流れにもならなかったのだろうか。 

 衆院選後の石破首相には、国際会議での「座ったまま握手」や「国際会議でスマホ操作」とか、おにぎりの食べ方までネガティブなとらえ方をされるなど、本筋の部分以外での「失点」が続く。共通しているのは「だれかアドバイスしてあげる人はいないの?」という声だ。党内野党時代が長いまま権力の座に上り詰めた石破首相にとっては、慣れなかったり、思いが至らなかったりすることもあるかもしれないが、そこでだれかのひとことがあればダメージコントロールできる部分もあるように感じる。 年が明けて来年1月には、両国国技館で大相撲初場所が行われる。首相就任後、初の東京開催場所となった2013年1月の初場所で、優勝した日馬富士に内閣総理大臣杯を渡した安倍氏に、場内は大きく盛り上がった。通常国会の日程状況など流動的な要素はもちろんあるのだが、歴代総理もたびたび登場してきた東京場所。「代理」ではない首相の登場で、九州場所の「失点回復」が実現するのかどうか、個人的に見守りたい。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年12月01日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする