路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・11.17】:国民・玉木雄一郎代表の不倫報道に隠れて…「選挙に勝てない自民党」がまた落とした注目選挙

2024-12-24 07:35:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・11.17】:国民・玉木雄一郎代表の不倫報道に隠れて…「選挙に勝てない自民党」がまた落とした注目選挙

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・11.17】:国民・玉木雄一郎代表の不倫報道に隠れて…「選挙に勝てない自民党」がまた落とした注目選挙

 今の永田町は、さきの衆院選で大躍進した国民民主党が、話題の中心になっている。衆院選で議席が4倍増の28議席と大躍進したことで存在感が増している中で、その組織のトップを務めて「時の人」となっていたのに、まさかの不倫報道で窮地に追い込まれている玉木雄一郎代表の立場は、くすぶる進退論を含めてこれからどうなるのか、まだまだ見通せない状況だ。

 最近に限っていえば、女性問題を報じられた国会議員は、就いていた役職を辞任したり、議員辞職に追い込まれたりしているケースがほとんどだ。衆院選で「手取りを増やす」ためとして訴え、躍進のベースにもなった「年収103万円の壁」引き上げについて、自民党が少数与党に落ち込んだことで政府の政策に反映させられるかもしれない局面でもあることから、実現への執念もあって「今は辞めるに辞められない状況なのではないか」(野党関係者)との見方もある。

 毎週火曜日に行われている玉木氏の定例会見だが、不倫報道直後の12日は、報道に関する追及が続いた。今回の報道の展開や玉木氏の動向次第では、尾を引きそうな空気感は消えていない。

 玉木氏の問題や国民民主党の動向に関心が集まっていたこともあり、あまり大きな話題にはならなかったが、永田町の中では関心を集めていた選挙の結果が明らかになった。玉木氏の不倫報道と同じ日に結果が発表されたため一般的にはほとんど話題にならなかったが、今月3日に告示された東京都荒川区の区長選で、自民、公明の推薦候補が、無所属の新人候補に約3200票の差をつけられ敗れていた。

 自民党は、衆院選で56議席減と大敗した直後。今回の荒川区長選は5期20年務めた西川太一郎氏の退任に伴うもので、自公、共産各党の推薦候補に加え、地域政党「都民ファーストの会」元東京都議の滝口学氏による三つどもえの戦いになったが、無所属で戦った滝口氏が勝利する形となった。

 自民党は裏金問題が表面化する前の昨年9月ごろから、全国の自治体選挙、特に東京では首長選挙や衆議院の補選などで敗北が続いた。小池百合子氏が3選された7月の東京都知事選でも、党が関わった候補者擁立を見送った。区長選でいえば、今年6月の港区長選でも無所属新人の清家愛氏が、自公推薦の現職らを破っている。

 今回の荒川区長選は衆院選直後の選挙という環境ではあったが、反転攻勢に向けたチャンスでもあった。それだけに、推薦候補の敗北が伝えられ、自民党関係者からは「やっぱり負けたか…」という声も聞いた。

 自民党は、衆院選で東京に30ある小選挙区で11議席、裏金問題で非公認となった2人を含めても13議席しか獲得できなかった。立憲民主党が半数の15議席を獲得している。衆院選で示された自民党への有権者の厳しい視線はまだ回復していないのが現実のようだ。

 東京では、荒川区長選の投票が行われた8日に、東京都議の補欠選挙(武蔵野市選挙区、被選挙数1)も告示され、今日17日に投開票が予定されている。立民公認候補と自民公認候補が一騎打ちとなっており、与野党対決ということもあって、再びその結果に関心が集まっている。

 玉木氏の問題が表面化し、国民民主党の「103万円の壁」が大きな関心を集めるだけでなく、少数与党に転落した自民党への野党の攻勢が目立つ永田町。「自民1強」だった国会の景色が激変している一方で、「選挙に勝てない自民党」の景色が変わっていくタイミングは、訪れるのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年11月17日  11:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・11.10】:麻生太郎氏は「無言の圧」? かつて退陣迫った石破首相に身内から辞任要求のブーメラン

2024-12-24 07:35:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【中山知子の取材備忘録・11.10】:麻生太郎氏は「無言の圧」? かつて退陣迫った石破首相に身内から辞任要求のブーメラン

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・11.10】:麻生太郎氏は「無言の圧」? かつて退陣迫った石破首相に身内から辞任要求のブーメラン

 先月の衆院選で56議席を減らし、少数与党になってしまった自民党。「早期解散論」に押されて10月1日の首相就任から8日で衆院解散に踏み切り、1カ月もたたないうちに初陣で「敗軍の将」となってしまった石破茂首相(67)。その石破首相も出席し、惨敗した衆院選を総括する名目で、11月7日に両院議員懇談会が自民党本部で開かれた。

9月の自民党臨時総務会に出席した際の石破茂首相(左)と、麻生太郎最高顧問(2024年9月30日)
9月の自民党臨時総務会に出席した際の石破茂首相(左)と、麻生太郎最高顧問(2024年9月30日)

 党本部でいちばん広い会議室に無数に並べられたパイプいすは次々と出席議員で埋まり、壁際に立ったままの議員もいた。党本部で開かれる会合ではたまに空席もあるが、この日は本当にぎっしり。執行部がどう衆院選を総括するのか、関心がいかに高いか、開始前からにじむ雰囲気だった。

 「ガス抜き」の場だったが、青山繁晴参院議員が補正予算成立後の辞任を求めたほか、そこまでいかなくても敗因の詳細な総括を求める声も多く、「ガス抜きで終わり」という雰囲気にはならなかったようだ。

 悲願だった首相に就任してから1カ月あまりで「辞めろ」といわれるとは、石破首相も想像していなかったのではないだろうか。ただ石破首相自身、かつて重要な選挙で敗れた時の首相に正面から退陣を迫ったことがあった。長い時を経て、「ブーメラン」のように回ってきたことになる。 

 石破首相は2007年参院選で大敗した第1次政権時代の安倍晋三氏にメディア出演などで退陣を求め、両院議員総会の場でも「何を反省しどう改めるか、はっきりさせるべき」と迫った。2009年6月の東京都議選で敗れた麻生太郎氏には、農相の立場だったが、直接面会した際に退陣を求めたと報じられた。その後麻生氏は衆院解散に踏み切ったが、衆院選で当時の民主党に政権を奪われた。

 そんな禍根もあって安倍、麻生両氏はその後、石破氏との関係の悪さが伝えられてきた。今年9月の自民党総裁選でも麻生氏は石破氏と争った高市早苗氏を支援したとされる。石破新執行部発足を受け最高顧問となった麻生氏が、新執行部発足時の恒例の写真撮影で1人、その場を去ろうとし、カメラマンに「最高顧問!」と呼び止められても、そのまま立ち去ったのは記憶に新しい。

 7日の両院議員総会には、その麻生氏も出席していた。かって自身が総理総裁時に退陣を迫ってきた石破首相が、辞任要求を含めた所属議員からの厳しい意見にさらされる様子を、どのような心境で見つめていたのだろう。

 会合に出席した議員によると、3時間の間、50人近い議員が発言した後、最後に石破首相と森山幹事長がコメントして会は終了。麻生氏はこの間、言葉は発しなかったという。これを石破首相に対する「無言の圧」ととらえた人もいれば、退陣を求めるようなことをせず「さすが」ととらえた人もいたようだが、出席議員の1人は「麻生さんがあの場にいただけで、総理には『圧』になったはず」と口にした。

 その麻生氏は石破政権発足で「冷や飯組」に転じるとみられてきたが、ここにきて存在感を「再評価」する声もあると聞いた。米大統領選で共和党のトランプ氏が4年ぶりに返り咲いたが、麻生氏は岸田政権だった今年4月、ニューヨークのトランプタワーにトランプ氏を訪ねて面会した。1議員の立場だったが、トランプ氏再選に備えた対応だったとされる。大統領に返り咲くトランプ氏とのパイプは、石破政権は必ずしも太いとはいえないとみられ、麻生氏の「地ならし」(関係者)が今後、生きる余地もあるためだという。

 石破首相は大統領選勝利直後のトランプ氏と電話会談し「非常にフレンドリーな感じがした」と感想を述べたが、外務省が発表した会談時間は約5分間で、通訳時間をのぞけば実質2分半ほど。直接会談などを通じた本格的な関係構築はこれからになるが、トランプ氏がどんな対応に出てくるのかは見通せない。そんな石破首相を支える足元の自民党でも、首相への厳しい声が消えたわけではない。

 石破首相にはこれから、さまざまな「圧」が待ち受けている。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年11月10日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・11.03】:玉木雄一郎氏は「体も頭も張る人」かつてはアムロのコスプレ、陸上競技で得た「教え」生きる?

2024-12-24 07:35:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【中山知子の取材備忘録・11.03】:玉木雄一郎氏は「体も頭も張る人」かつてはアムロのコスプレ、陸上競技で得た「教え」生きる?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・11.03】:玉木雄一郎氏は「体も頭も張る人」かつてはアムロのコスプレ、陸上競技で得た「教え」生きる? 

 衆院選からあっという間に1週間。安倍晋三元首相の政権時から続いた「自民1強」を、前回2021年衆院選で就任直後の岸田文雄首相が引き継いだ、数字の上では盤石基盤だった体制がもろくも崩れ、自民党は少数与党に転落した。政治の世界では、権力は持てば強いが、失えばもろい。一気にもろくなってしまった権力を必死に守ろうともがきまくっているのが、今の自民党だと感じる。

2019年参院選で、「宇宙戦士ガンダム」のアムロのコスプレで秋葉原に登場し支持を訴えるこくみ民主党の玉木雄一郎代表(2019年7月7日撮影)
2019年参院選で、「宇宙戦士ガンダム」のアムロのコスプレで秋葉原に登場し支持を訴えるこくみ民主党の玉木雄一郎代表(2019年7月7日撮影)

 そこで鍵を握り、一気に「時の人」となっているのが、選挙前の7議席が21増の28議席に4倍増となった国民民主党の代表、玉木雄一郎氏(55)だ。前回衆院選から533万票も比例票を減らした自民党と対照的に、国民は357万票も票を増やし、自民党批判票の大きな受け皿に。2017年衆院選前に野党分断のきっかけになった希望の党の代表を経て、最初に結成された国民民主党の代表になったのが2018年5月。小所帯時代から党の「顔」として活動してきた。

 以前からSNSやYouTubeを駆使した発信を続けてきた玉木氏は、若いネット世代との親和性が強い。かつては、X(旧ツイッター)のプロフィルに「政界のユーチューバー」と記した。取り組みはなかなか野心的で、今年7月にはOpenAI社の対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を使った「AIゆういちろう」を始め、規約上の理由で一時休止となったものの、話題になった。玉木氏を知る関係者は「よく『体を張る』と言うが、玉木さんは党のためなら『頭も体も張る』タイプの人」と話す。

 思い出すのが5年前。最初の国民民主党結成後、初の国政選挙となった参院選で、玉木氏は当時自民党選挙遊説の聖地だった秋葉原に登場した。「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイのコスプレ姿だった。政党代表のコスプレは見たことがなかったが、玉木氏は「自民党も若者を取り込む活動をしているが、そこは負けない。チームワークで頑張りたい」と述べた。子どもの頃は宇宙飛行士が夢だったと明かし、「アムロ、行きまーす」のパフォーマンスまでしていた。その時の選挙は改選前の議席から2減の6議席。2020年9月に現在の党の形になった後も、党勢拡大は思うように進まなかった。

 「対決より解決」というこれまでの訴えが、裏金事件などで失われた自民党への批判票の受け皿に、一気になったのが現在地。そんな玉木氏は大学時代、十種競技の選手だった。東大陸上部時代に本格的に陸上を始め、最初は短距離の選手だったが主将に勧められて十種競技の選手になった。

 東京五輪当時、玉木氏にインタビューした時、十種競技の魅力についてこう語っていた。

 「1日目に100メートル、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400メートル、2日目に110メートルハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500メートルを競技します。日本では競技人口もそう多くないですが『キング・オブ・アスリート』と呼ばれ、ヨーロッパでは選手がとても尊敬され、私もプライドを持ってやっていました」「早く走れるようになると幅跳びの記録も良くなり、助走のスピードがつくので棒高跳びも高く跳べる。『相乗効果』が出るんです。多くのことを効率よく同時にこなす力というのは、政治家という今の仕事にも役立っています」。

 複数のことを同時にこなしながら結果を出すというフレーズは、今回の結果を受けて思い出した。まさに今、玉木氏が直面している立場ではないかと感じる。

 なんとしても権力を守りたい自民党からのすり寄り、野党第1党の立憲民主党からは野党としての連携を呼びかけられる。どう立ち回ればいちばん存在感が発揮できるのか、同時に計算しなくてはならない局面だ。「103万円の壁」などの持論を達成するためとはいえ、自民党にすり寄る姿が露呈すれば衆院選での支持は離れるだろうし、他の野党の呼びかけに応じて一部になってしまっても、存在感を示せるかは見通せない。与党でも野党もない、ネガティブなイメージで語られる「ゆ党」という立場をどこまでポジティブに演出できるか、腕の見せどころとなっている。

 衆院選前のインタビューでは「『正論パンチ』で困難を打ち破りたい」と話していた玉木氏。玉木氏の言うところの「正論」が、権力の握り方を熟知する自民党にどこまで通じるのか。体と頭を張る局面が日々続いていく。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年11月03日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【軍師に聞く】:(3)国民・榛葉賀津也幹事長が明言の「趣味は玉木雄一郎」には意外な“オチ”が…

2024-12-24 07:05:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【軍師に聞く】:(3)国民・榛葉賀津也幹事長が明言の「趣味は玉木雄一郎」には意外な“オチ”が…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【軍師に聞く】:(3)国民・榛葉賀津也幹事長が明言の「趣味は玉木雄一郎」には意外な“オチ”が… 

 自民党が少数与党に陥るきっかけとなった衆院選をへて、今の政界で大きな存在感をみせるのが国民民主党だ。「年収103万円の壁」引き上げで「手取りを増やす」と訴え、国民の支持を集めた。党を率いる玉木雄一郎代表(55)は不倫報道で役職停止中だが、党への期待値は衰えない。日刊スポーツは今年の主役を支えた「軍師」に注目。玉木氏を陰に日向に支える榛葉賀津也幹事長(57)にインタビューし、激動の1年を振り返ってもらうとともに、さまざまな思いについて聞いた。【中山知子】

年末インタビュー「政界の軍師」、両手にバーベルを掲げてカメラマンの前でポーズを決める国民民主党の榛葉賀津也幹事長

 

            ◇   ◇   ◇

 -理想とする政治家や人物はいますか

 榛葉氏 二階堂進先生です。田中角栄元首相をずっと支えた方。「趣味は玉木雄一郎」というのは、若い方は知らないかも知れませんが、実は二階堂進先生が「趣味は田中角栄」とおっしゃったのを意識してのものです。「趣味は田中角栄」と演説した、二階堂進先生が本当にカッコよかったです。以来私は、二階堂進先生のファンでした。

 二階堂先生は新日本プロレスのコミッショナーをやっていましたが、国会議員になればプロレスラーと仲良くなれるんだ、と思ったものでした。アントニオ猪木に襲いかかり、坂口征二をボコボコにするタイガー・ジェット・シンが、二階堂進先生の前ではメチャクチャ紳士なんですよ。「すげえ!二階堂進」と。二階堂先生に関する本もたくさん読みましたし、アメリカに留学された経歴も、私が後に留学するきっかけにもなりました。心底、二階堂進先生に憧れていましたね。

 ただオチがありまして、最後に二階堂進先生は田中角栄にはむかって、自分が総理になろうとしたんです…玉木がこの話をどう思っているんでしょう(笑い)

 -今のところ、はむかうつもりは?

 榛葉氏 あるわけないじゃないですか! ただ、玉木さんは「タマキング」と言われていますが、この3カ月は、「タマ一兵卒」ですから。(笑い)

 -国民民主党に足りないところはありますか

 榛葉氏 泥臭さですね。清濁併せのむという泥臭さ。自民党やいろんな組織、役所と伍(ご)していったりするには、やっぱり泥臭さと懐の深さ。こういったものを、我々は持っていかないといけない。ただ、みんな若いので、これからしっかりと経験を積んでやっていきたいと思います。50年に1度、あるかないかのダイナミックな今の政治を、みんなで乗り越えていきたいと思います。

 -新人議員の教育は進んでいますか

 榛葉氏 やっていますけれど追いつきません。フル稼働でやっています。国民民主党の衆院議員は28人にはなりましたが1期生がほとんどです。1期生の議員たちに1日も早く(本格的な)戦力になってもらうためにもしっかりと勉強してほしいと思います。でも、わが党の新人議員は他党の1期生が経験できない経験をさせてもらっているのも事実です。新人議員がいきなりテレビ入りの予算委員会で質問したり、常任委員会の理事をやらせてもらったり。通常ならあり得ませんから、チャンスを大事にしてほしい。過去にも「〇〇チルドレン」っていましたが、必ずトラブっていましたよね。今回の新人議員は他所から見れば「玉木チルドレン」ということかもしれません。だからこそ、緊張感をもってしっかりと教育をしていきたいと思います

 -2025年は参院選や東京都議選があり、「石丸新党」も動き始めるといわれます。さらに新しい政治の流れが出てきそうです

 榛葉氏 出てくるでしょうね。楽しそうですよね。新しい政治の流れがどんどん出てくるのはワクワクします。ヒリヒリもしますが。だからこそ、国民民主党をさらにブラッシュアップして、参院選や東京都議選だけでなく、全国の地方選挙でも、しっかりと党勢を拡大していきたいと思います。

 -来年に向けて国民のみなさんにメッセージをお願いします

 榛葉氏 政治に期待を持ってください。この国の政治をあきらめないでほしいです。国民のための政治ですので。みんなの1票で政治も暮らしも変わります。ぜひ、みなさんといっしょに政治を前に進めていきたいと思っています。今日は、ありがとうございました。(おわり)

 ◆榛葉賀津也(しんば・かづや)1967年(昭42)4月25日、静岡県生まれ。米オタバイン大政治学部卒。菊川町議を経て、01年参院選で初当選。民主党政権で防衛副大臣、外務副大臣を歴任。20年9月から現職。地元の自宅で飼うヤギの世話をする様子の動画が話題に。参院静岡県選挙区。当選4回。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 政治 【政局・国民民主党・衆院選挙・年収「103万円の壁」】  2024年12月23日  05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【軍師に聞く】:(2)国民・榛葉賀津也氏、玉木雄一郎氏の不倫報道に愕然も「信じる力は負けない」

2024-12-24 07:05:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【軍師に聞く】:(2)国民・榛葉賀津也氏、玉木雄一郎氏の不倫報道に愕然も「信じる力は負けない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【軍師に聞く】:(2)国民・榛葉賀津也氏、玉木雄一郎氏の不倫報道に愕然も「信じる力は負けない」 

 自民党が少数与党に陥るきっかけとなった衆院選をへて、今の政界で大きな存在感をみせるのが国民民主党だ。「年収103万円の壁」引き上げで「手取りを増やす」と訴え、国民の支持を集めた。党を率いる玉木雄一郎代表(55)は不倫報道で役職停止中だが、党への期待値は衰えない。日刊スポーツは今年の主役を支えた「軍師」に注目。玉木氏を陰に日向に支える榛葉賀津也幹事長(57)にインタビューし、激動の1年を振り返ってもらうとともに、さまざまな思いについて聞いた。【中山知子】

年末インタビュー「政界の軍師」、「103万円の壁」問題について熱く語る国民民主党の榛葉賀津也幹事長

 

              ◇   ◇   ◇

 -玉木代表の不倫報道。面食らいましたか 

 榛葉氏 それは、がくぜんとしましたよ。プライベートな話ではありますが、党に与えたダメージは大きいです。党へのおしかりはもちろんありましたが、その何倍もの「このせいで政策実現をあきらめることは絶対にしないでほしい」との声が寄せられました。不思議なことに、1ポイントや2ポイントだったうちの支持率が上がり続け、ついに立憲民主党を超えるまでになりました。それほどに国民の皆さまが「ゾンビ税制打破」への政策実現に期待をしているのだと思います。代表の問題は残念でしたが、それ以上に党への期待と責任を感じています。

 -12月6日の定例記者会見では、玉木代表が党の「一枚看板」だという報道内容にかみつきました

 榛葉氏 一枚看板ですよ(笑い)

 -逆に、いろいろな人材がいることを打ち出す機会になったのではないですか

 榛葉氏 そうなんです。「玉木看板」を今、ちょっと横にしまわないといけない。すると「古川(元久代表代行)看板」が出たり、政調会長の「浜口誠看板」が出てきたり。浅野哲(さとし)さん、舟山康江さんや伊藤孝恵さん…。(玉木氏以外の)人材がたくさんいるじゃないか、ってことが分かってもらえたと思います。玉木さんのスキャンダル報道の最中でも、支持率は下がるどころか、上がりました。玉木さんは反省して、初心にかえることです。玉木さん(の政治活動)も落選から始まっています。落選した時のくやしさや初当選した時の原点、4年前に国民民主党を立ち上げた時の原点に戻って、彼には被災地をはじめ全国行脚をしてほしいと思います。

 -今も代表とは意見交換をしているのですか

 榛葉氏 毎日です。しつこいくらい毎日、連絡を取り合っています(笑い)

 -榛葉幹事長の会見動画も大きな注目を集めています

 榛葉氏 とんでもないです。普通にやっているだけです(笑い)

 -ご自身への反響の大きさをどう受け止めていますか

 榛葉氏 駅や街とかで声を掛けられる回数は圧倒的に増えましたが、私は全然変わっていませんし、今までのままです。ただ1つ(以前と)違ったことといえば、玉木さんに出会ったことです。この男に政治生命をかけよう、と。何があっても玉木さんを支えようと。たぶん、我が国の国政政党の中で、トップを信じる力は、どの党の幹事長にも負けないつもりです。

 -「趣味は玉木雄一郎」とおっしゃっています

 榛葉氏 はい。趣味は玉木雄一郎です。

 -代表は3カ月後に復帰されます

 榛葉氏 ひな祭りのひな人形をしまった後に、「玉木人形」が出てきます。

 -ご自身が国民民主党でトップを目指そうという思いはございますか

 榛葉氏 そんなことしたら、おれ、勝っちゃうもん。冗談です(笑い)。まあ、「今はない」と言っておきます。玉木さんに安心されても困りますから(笑い)私は国民民主党の幹事長というよりも「番犬」です。大好きなこの党の仲間全員を守る「番犬」だと自負しています。

 -飼育しているヤギの動画も人気です。「ケビン」は元気ですか

 榛葉氏 元気です。ケビン、かわいいです。一昨日も世話をしてきました。昨日は帰れなかったので、近所のヤギ仲間方に世話をお願いして。いつもは朝5時半ごろから掃除とえさやりと、ブラッシングをしています。ヤギってね、永田町の人と違ってウソをつかないんですよ(笑い)。心が洗われます。ほんとうにいやされます。

 -SNSでの発信は玉木代表に比べると少ないのではないでしょうか

 榛葉氏 「切り取り職人さん」が私たちのためにやってくださっているんです。でも、玉木さんが立派なのは、「無」から始めたからね。「たまきチャンネル」って最初は、3人見た、4人見たの世界でした。(2019年の番組で)共産党の志位和夫先生とピアノを弾いた時には激怒しましたが(笑い)、玉木さんが種をまいて耕したもの。そのたまきチャンネルから「あ、榛葉さんという人がいるんだ」という流れですので。私の動画やSNSの人気は、玉木さんのおかげなんです。玉木さんは時々「幹事長の方が(動画回数が)回っているじゃないですか!」と冗談を言いますが、すべては玉木さんの努力のたまものです。

 -2人の役割分担は変わらないのですね

 榛葉氏 そうですね。よく私は「太陽と月」と言っています。太陽の玉木さんがサンサンと輝くから、ナンバー2の私がほんのり光る。月は太陽がないと光りません。夜働くのも、月。昼に働くのは玉木ですが、私は午後5時以降(笑い)です。玉木はペンを持ちますが、私はビール・ジョッキを持ちます。ただ、意外と物事が決まるのって「夜」なんですよ(笑い)。

 (「3 理想の政治家は、あの人気宰相を支えた人物」に続く)

 ◆榛葉賀津也(しんば・かづや)1967年(昭42)4月25日、静岡県生まれ。米オタバイン大政治学部卒。菊川町議を経て、01年参院選で初当選。民主党政権で防衛副大臣、外務副大臣を歴任。20年9月から現職。地元の自宅で飼うヤギの世話をする様子の動画が話題に。参院静岡県選挙区。当選4回。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 政治 【政局・国民民主党・衆院選挙・年収「103万円の壁」】  2024年12月23日  05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【軍師に聞く】:(1)国民・榛葉賀津也幹事長「政策で山が動いた」激動の年を振り返る

2024-12-24 07:05:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【軍師に聞く】:(1)国民・榛葉賀津也幹事長「政策で山が動いた」激動の年を振り返る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【軍師に聞く】:(1)国民・榛葉賀津也幹事長「政策で山が動いた」激動の年を振り返る

 自民党が少数与党に陥るきっかけとなった衆院選をへて、今の政界で大きな存在感をみせるのが国民民主党だ。「年収103万円の壁」引き上げで「手取りを増やす」と訴え、国民の支持を集めた。党を率いる玉木雄一郎代表(55)は不倫報道で3カ月の役職停止中だが、党への期待値は衰えない。日刊スポーツは、今年の主役を支えた「軍師」に注目。玉木氏を陰に日向に支える榛葉賀津也幹事長(57)にインタビューし、激動の1年を振り返ってもらった。【中山知子】

年末インタビュー「政界の軍師」、「103万円の壁」問題について熱く語る国民民主党の榛葉賀津也幹事長

 

              ◇   ◇   ◇

 -激動の1年だったと思いますが、今年1年を振り返っていかがでしたか

 榛葉氏 激動でしたね。国民民主党を立ち上げて4年、さあこれからだという時に、当時の代表代行が仲間を引き連れて離党するという、大変な出来事がありました。うちのナンバー2で代表選挙までやって、党の将来を、という話もされていた方。比例で勝った新人を連れて出ていくことには非常にじくじたる思いがあったし大変残念でした。それでも踏ん張って、なんとか国民民主党を支えようと。そういう中での衆議院選挙でした。それまで国会議員は衆院に7人しかいなかったのですが、衆院選挙後は4倍の28人になりました。実は当選者は31人だったのですけど、(比例代表の)候補者が足りなくなってしまいました。投票してくださった皆さまには本当に申し訳なく、責任を感じています。ただ、それほどの想像を超えた大躍進でした。

 そして、選挙の結果は国会における与党の過半数割れ。これからのは少数与党でどのように国会で税制や予算を成立させるかという議論になっていきます。まさに政治が動いた、そして動いている。この1年、本当に激動でした。

 -訴えてきたことは、結党から変わっていません。衆院選でここまで支持を集めたことの受け止めは

 榛葉氏 4年前から訴えてきたことは全く変わっていません。今までのような、週刊誌を片手に大臣のクビを取るとか、相手の党を誹謗(ひぼう)中傷して、足を引っ張って下げれば自分が上がる、という政治ではなく、やっぱり政策議論です。「つくろう、新しい答え」「対決より解決」で、しっかり政策を訴えていこうと。政策の立ち位置も理念もこの4年、全く変わっていませんが、国民のみなさんに国民民主党を見つけていただいたことで、山が動いたと思っています。今回の選挙は、多くの有権者のみなさんが今までの「こんな政治家許せない」という怒りの1票から、「この人たちなら国を変えてくれるかもしれない」という希望の1票に変わったと思います。自分たちの1票で本当に政治が変わると思っていただけたのが大きいと思います。

 今までは、郵便局を民営化すればバラ色の日本になるとか、自民党の金権政治がだめだから政権交代しようだとか、「悪夢の民主党政権」に戻すな、とか。結局、極端にエッジを効かせたり相手を批判したりして政局のヤマが動いたことはありました。でも、今回は「103万の壁」ですから…。それも大企業や大きな組織とか、著名人が主張した政策ではなく、1人の大学生の1本のメールが始まりでした。「助けてほしい」「奨学金という借金を背負って頑張って勉強したいけど、このままでは学べない、暮らせない」と。これはなんとかしなきゃと、みんなで真剣に訴えました。他の政党は政治とカネの話がメインでしたが、わが党は「103万円の壁」を愚直に訴えました。そうしたらパートさんやアルバイトさんだけではなく、働いてもらっている店長さんや中小企業の社長さんが「そうなんだ」「それをやってほしいんだ」と呼応してくれました。人手が足りない、でも働いてもらえない。おかしいじゃないかと。みんな手取りを増やして、消費を上向かせて景気を良くしたいと思っているのに、制度がそれを邪魔する。やっぱり、おかしいと。さらに、178万円まで上げるとみんな減税になるとの声も上がりだしました。所得が上がれば年金も上がる。こんな好循環の政策があるんだと。しかも税金を取られ過ぎてはいないかと。小さな1本のメールが、どんどんどんどん大きなうずになって、日本の政治が動いた、というのが実感ですね。

 -今までの「山」とは全然違う

 榛葉氏 全然違いますね。政策で山が動いた。それも派手なパフォーマンスではなく、学生さんやパートさんや普通のサラリーマンの所得を上げようという声で。私の住んでいる地方の居酒屋でも、「103万の壁が」とか「(最低賃金が)1・73倍」とか、おじさんたちが言っていますからね。この話題が朝のニュース、夜のニュース、昼のワイドショーでもやるというのは、今までにないすごいことだと思います。

 -与党との交渉では、国民が求めていることのギャップを感じているのではないですか

 榛葉氏 自民党の中にはまだ、自分たちが絶対過半数を持っている与党だという風に、勘違いをしている議員がいるということだと思います。もう1つは、集めた税金を使う側の論理で政治をやっているということです。我々は、集めた税金を使う側の論理ではなく、働いて税金を払っている側の論理で政治をやりませんか?と。だって、30年間、ずっとデフレで給料も上がらず、消費も増えなかった。税金を取る側には「8兆円の税収減」でも、税金を払っている側からみれば「8兆円の減税」、国民の懐に「8兆円が戻ってくる」ことですから。今は国の懐でなく国民の懐を増やさないとだめでしょ、というのが我々の主張です。

 -「減る」という側面ばかりが強調されている

 榛葉氏 そうなんですよ。しかも去年1年で7兆円の税金の使い残しがありました。一昨年は11兆円ですよ。そして税金は過去最高、4年連続で最高税収を徴収している。大手を含めて、国民はベアと合わせて5%くらい給料(平均賃上げ率)が上がりました。マクロ経済スライドなので、現役世代の給料が上がれば年金も上がりますが、その上昇額は2%ちょっと。でも国の税収は26%増えています。国がもうけてどうするんだと。税金は国民のものです。財務省は国民のために奉仕をしないといけないのに、国民が財務省のために働いているって、だれがどう見てもおかしい。当たり前のことを言っているだけです。

 -財務省には批判のメールが増えているといいます

 榛葉氏 誹謗(ひぼう)中傷はよくないと思います。ただ、財務省のみなさんも与党のみなさんも、国民の悲鳴だということを気付いてほしい。「103万円の壁」で、今、政治が動いたのです。これが民意です。自民党や立憲民主党よりもはるかに(規模が)小さな国民民主党が「給料を上げよう」と、「対決より解決」だと。「103万円の壁を上げよう」と訴えた。普通なら見向きもされないような地味な政策でしたが、多くの有権者が「これだ」と思ってくれたのです。しかも地味だけど庶民の減税になるし、消費の活性化、経済対策にもなる。それがいずれ、高齢者の年金アップにもつながるんだと。こんなことはなかったと思います。

 (「2 玉木代表への思い」に続く)

 ◆榛葉賀津也(しんば・かづや)1967年(昭42)4月25日、静岡県生まれ。米オタバイン大政治学部卒。菊川町議を経て、01年参院選で初当選。民主党政権で防衛副大臣、外務副大臣を歴任。20年9月から現職。地元の自宅で飼うヤギの世話をする様子の動画が話題に。参院静岡県選挙区。当選4回。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 政治 【政局・国民民主党・衆院選挙・年収「103万円の壁」】  2024年12月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.24】:再審制度見直し 冤罪防止へ早急に取り組め

2024-12-24 07:00:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説・12.24】:再審制度見直し 冤罪防止へ早急に取り組め

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.24】:再審制度見直し 冤罪防止へ早急に取り組め

 確定した刑事裁判をやり直す再審制度の在り方を法務省が見直す検討を始めた。来春にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する方向で調整しているという。

 死刑が確定し、その後再審で無罪となった袴田巌さんの例に象徴されるように、検察の証拠開示の在り方や審理の長期化などの問題はかねて指摘されてきた。国民感覚からも改めるのが当然だ。

 超党派の国会議員連盟が設立され、議員立法での法改正も検討されている。慎重に見えた法務・検察も世論を意識しているはずだ。冤罪(えんざい)を防ぎ被害救済のために早急な見直しを実現してもらいたい。

 再審に関する規定は1948年に刑事訴訟法が制定されて以降、一度も見直されていない。ただ、刑事司法制度の転換とはいえ、ためらう理由はなかろう。とりわけ以下の3点は見直しが必要だ。

 まずは再審手続きの迅速化である。袴田さんは、最初の申し立てから再審開始確定まで42年もの月日を要した。袴田さんを含め、死刑確定後に再審無罪となった人は戦後5人いるが、いずれも申し立てから再審開始決定までに20年以上がかかっている。

 とてつもない年月が経過するのは、裁判所が再審決定しても、検察の不服申し立てにより再審を始める前段階での審理が長期化するためだ。

 再審請求のほとんどは、有罪判決を受けた者に無罪等を言い渡し、原判決より軽い刑を認めるべき「明らかな証拠」を「新たに発見した」ことが根拠である。

 刑訴法に基づく、再審の必要性を裁判所が認めたのだから、審理は不服申し立てではなく再審で尽くせばいいはずだ。ドイツなどのように検察の不服申し立てを認めないことも検討すべきではないか。

 次に証拠開示の在り方の明文化も欠かせない。袴田さんの再審開始につながる重大証拠となったのは衣類の鮮明なカラー写真だった。検察は過去の裁判で提出せず、当初は存在も否定していた。再審を求めてから開示されるまでに30年もかかったことを見ても、被告人に有利な証拠がもみ消される懸念が拭えない。

 86年に中3女子が福井市の自宅で殺害された事件で懲役7年の判決を受けた前川彰司さんの再審決定も10月に認められた。その決め手も検察が裁判官に促されて開示した287点の新証拠だった。

 弁護側の求めに応じ、検察が保管する証拠を速やかに開示する仕組みが要る。そのための明確なルールを法務省は示してもらいたい。

 三つ目は再審請求審の手続きに規定がないことだ。拙速な審理は避けねばならないが裁判所によって進行に差が出ていることも事実だろう。審理を進める規定を明確化し、迅速化につなげてほしい。

 国家が無実の人を刑に処するのは許されない。にもかかわらず、過去の冤罪事件を見れば、強引な捜査やそれに基づく誤った判決が現実に起きている。その過ちを反省する意識があれば、冤罪を防ぎ、被害を救済する再審制度に一刻も早く改めるべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【天風録・12.24】:今年の言葉

2024-12-24 07:00:45 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【天風録・12.24】:今年の言葉

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.24】:今年の言葉

 終幕へのカウントダウンに入った2024年。本欄をにぎわせた言葉の一つが「裏金」だ。月平均2回も登場した。自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る事件が発覚した昨年12月からだと、29回出てくる

 ▲疑惑を持たれた衆参議員の弁明が、ようやく政治倫理審査会で始まった。裏金づくりがいつ始まったのか。一度はやめかけたのに、なぜ、誰の判断で続けることにしたのか。肝心なところに関しては皆が口をつぐんだ

 ▲「裏金」はもう一つあった。始まったのはいつか、こちらもはっきりしない。遅くとも6年前から架空取引で十数億円を工面していた川崎重工業である。それを原資にした金品を、潜水艦修理に絡んで海上自衛隊に与えた疑いが浮上した

 ▲国内で潜水艦を造れるのは、川重を含む2社だけ。高い専門性が求められ、ほかの会社はなかなか参入できない。いつの間にか、なれ合い関係になって一線を越えてしまったのだろうか

 ▲川重の裏金づくりには、国税局の手が入った。悪質な所得隠しが見つかり、重いペナルティーが科せられるという。派閥の裏金問題はどうだろう。闇に沈んだ事実に光を当てぬ限り、今の政治不信の解消は望めないのだが。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月24日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.23】:中国の核軍拡 「抑止力で対抗」だけでは

2024-12-24 07:00:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説・12.23】:中国の核軍拡 「抑止力で対抗」だけでは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.23】:中国の核軍拡 「抑止力で対抗」だけでは 

 日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、被爆地が喜びに沸く半面、核兵器を巡る世界の状況はやはり厳しさを増している。米国防総省が、中国が想定を超えて核戦力強化を加速しているという分析を年次報告書で明らかにした。

 ことし半ばの時点で運用可能な核弾頭数は昨年比で約100発増え、600発以上と推定した。米国とロシアの核弾頭はそれぞれ5千発強とされ、その1割を超えたことになる。2030年までに千発に達するとも予測し、その通りなら中国は米ロに迫るほどの核大国となる恐れがある。

 ウクライナ侵攻以降、ロシアが核使用のどう喝を繰り返す間にも、東アジアの隣国でここまで核軍拡が進んできたことに強い懸念を抱く。

 中国は米ロなどと同様、核拡散防止条約(NPT)で核保有が容認されている。一方で条約に基づく核軍縮の努力も求められるが、核保有に関する情報は開示していない。このため監視の目が届きにくいのが実情だろう。米国の推定では4年前の段階で200発台前半だったというから、驚くべき増え方と言える。

 しかも運搬・発射手段も含む核戦力の多様化が読み取れるようだ。大陸間弾道ミサイル(ICBM)から爆発力の小さい核弾頭を積む精密打撃ミサイルまで、核使用の選択肢を増やしているという。

 習近平指導部は何を考えているのか。台湾有事も視野に入れた当面の軍事戦略の一端であることは、容易に想像できる。ただ米国とその同盟国に対する不信の裏返しでもある点も頭に置きたい。

 核保有は自国を守るためであり、先制使用はしない。それが中国が長年、掲げてきた主張だ。高濃縮ウランやプルトニウムといった兵器用核分裂性物質の生産停止に強硬に反対する最近の姿勢も考えると、それも疑わしく思える。ただ少なくとも、米国が日韓と連携して強化を図る核抑止力への対抗として核軍拡を位置付けるのも確かだろう。

 米ロが自国の核をまともに減らさないまま核軍縮を迫られるのは筋違いだ、とする中国側の言い分にしても自分勝手なだけの理屈だろうか。中国の核戦力増強に「核には核」で対抗していく姿勢を米国と同盟国がエスカレートさせるなら負の連鎖は終わらない。

 むろん、この事態は日本の脅威となり得る。しかし対中国の安全保障という視点のみではなく「核なき世界」へのプロセスに位置付け、そこに中国をどう巻き込んでいくかの発想が必要ではないか。

 核兵器は人類と共存させてはならない―。日本被団協の受賞演説は世界中に響いた。どの国であっても核保有を悪とみなし、一緒に減らしていくための信頼醸成が厳しい状況だからこそ求められる。

 政府は今回のノーベル平和賞に当たり「米国の拡大抑止を確保しつつ、核兵器のない世界に向かって努力することは矛盾しない」とする見解を示した。やはり無理がある。まずは核兵器の非人道性を正面から唱え、中国の人たちを含む国際社会に広く伝えるのが被爆国の役割のはずだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【天風録・12.23】:オーバーツーリズム

2024-12-24 07:00:35 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【天風録・12.23】:オーバーツーリズム

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.23】:オーバーツーリズム

  無謀と思いつつ、秋の京都を訪れた。案の定、ニュースで見た通り。観光客が京都駅にあふれ、発着するバスも地下鉄もすし詰めだった。比較的空いていると思い、銀閣寺に向かったが甘かった

 ▲混雑に閉口しても何とか寺社を巡った満足の旅。だが先日、本紙セレクトの記事「オーバーツーリズム 悩む京都」に反省させられた。混み合うバスに乗れぬ地元住民の声、バス停に近い民家が被る迷惑などを知った

 ▲市民生活と観光の両立のため―。京都市は6年前に導入した宿泊税を引き上げるという。となると、今も高い宿泊代が将来、もっとかかることに。宿泊税は広島県や島根県松江市でも。集めた税金はどこへ向かうのか

 ▲広島から大竹へ車で向かうと、宮島口の手前で渋滞しており閉口した。紅葉の見頃が長く、宮島観光へ向かう車が多かったようだ。訪問税が100円かかろうと来島者の波は引きも切らず。先週、過去最多を更新した

 ▲日本を訪れた外国人も11月末で過去最多となり、通年で3500万人に。だが政府には道半ばらしい。目指すは2030年、訪日客6千万人。高い経済効果が予想されるが、受け入れる地域の暮らしはどうなるか。想像もつかない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月23日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.24】:ホンダ日産統合へ EV市場のけん引なるか

2024-12-24 06:10:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説・12.24】:ホンダ日産統合へ EV市場のけん引なるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.24】:ホンダ日産統合へ EV市場のけん引なるか 

 変革期の中で生き残りを図るには、やむを得ない選択なのだろう。日本を代表する自動車メーカーの大型連合だ。取引先への影響を最小限にとどめ、世界市場をけん引する戦略を打ち出してほしい。

 ホンダと日産自動車は23日、経営統合の本格的な協議に入ったと発表した。2026年8月の統合を目指す。持ち株会社を設立し、それぞれが傘下に入る。両社が有するブランドも存続させる。

 日産と企業連合を組む三菱自動車は、来年1月末をめどに合流するか判断する。3社連合が実現すれば、販売台数でトヨタ自動車グループ、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループに次ぐ世界3位の巨大グループになる。

 3社の社長は共同で記者会見を開き、ホンダの三部敏宏社長は、統合で「真の競争力強化が実現できる」と述べた。

 世界の自動車業界は、電気自動車(EV)や自動運転の普及などで「100年に1度」といわれる変革のさなかにあるが、日本はEVの販売で出遅れている。

 統合の背景には、EV市場をリードしている米国のテスラや中国の比亜迪(BYD)などに対抗する狙いがあるとみられる。

 23年のEVの世界販売台数はテスラが181万台弱、BYDが157万台超だったのに対し、日産は約14万台、ホンダは燃料電池車(FCV)を含め約1万9千台にとどまる。

 自動運転の競争力を左右する車載ソフトの開発にも多大な資金を投じねばならず、統合は巨額投資がしやすくなる利点がある。

 日産の業績が悪化していることも大きい。市場では、統合がホンダによる「日産救済」との指摘があるほどだ。

 日産の24年9月中間連結決算は純利益が前年同期比93・5%減だった。11月には26年度までに世界で9千人の人員削減をする方針を発表していた。

 日産を巡っては、台湾の電子機器受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業がEV事業を強化するため、日産を買収しようとしていることも明らかになった。

 鴻海による経営参画を阻止するため、日産がホンダとの統合に動いたとも考えられる。

 気がかりなのは、サプライチェーン(供給網)への影響だ。

 統合すると、コスト削減のため製造部品の共通化を進める可能性が高い。延べ約3万5千社あるという下請け企業の競争激化は必至で淘(とう)汰(た)が進む恐れがある。地域経済や雇用に悪影響を及ぼさないような対策も不可欠だ。

 両社は社風も異なる。ホンダは自由で独立志向が強いのに対し、日産は官僚的でトップダウンの組織とされる。

 各社の持つ良い点を生かしながら弱点を補い合い、持続可能な成長ビジョンを描いてほしい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日報抄・12.24】:周囲に悟られることなく潜伏するというとスパイや「草の者」を思わせるし、

2024-12-24 06:10:45 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【日報抄・12.24】:周囲に悟られることなく潜伏するというとスパイや「草の者」を思わせるし、

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日報抄・12.24】:周囲に悟られることなく潜伏するというとスパイや「草の者」を思わせるし、 

 周囲に悟られることなく潜伏するというとスパイや「草の者」を思わせるし、ある時突如として害をなすというと地雷や不発弾を連想させる。皮膚に痛みを伴う発疹ができる帯状疱疹(ほうしん)である

 ▼水痘(水ぼうそう)に感染すると、症状が治まった後もウイルスは神経の内部に潜伏する。忘れた頃に再び活動を始め、神経を傷つけて痛みを引き起こし皮膚に水ぶくれを作る

 ▼以前に本紙の取材に応じた女性は、横になると痛みが全身に走り、眠れなくなったと話した。「傷口に消毒液を押しつけられるようなピリピリとした痛み」があったといい、吐き気も続いた。症状が重くなると日常生活にも支障が出る

 ▼水痘ウイルスに感染したことがあれば、ストレスや疲労などで免疫力が低下すると誰でも発症する恐れがある。「四谷怪談」に登場するお岩さんの目の周りが腫れているのはこの病気のためという説がある。産後の肥立ちが悪く、夫の不義もあって大きなストレスを抱えたため、帯状疱疹が重症化したと考えられるそうだ

 ▼高齢になるほど帯状疱疹後神経痛という後遺症が出る恐れが高まる。厚生労働省は来年4月から、ワクチンの定期接種を65歳の人らに実施することを決めた。65歳を超えた人も節目の年で接種できるようにする

 ▼わが身を振り返れば、小学生の頃に水ぼうそうにかかった記憶がある。あの時のウイルスは今も、この体の中で眠っているのだろう。ワクチンも味方につけながら、ウイルスが目を覚まさないようにしたい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日報抄】  2024年12月24日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.23】:民間ロケット失敗 原因解明し次こそ成功を

2024-12-24 06:10:40 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【社説・12.23】:民間ロケット失敗 原因解明し次こそ成功を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.23】:民間ロケット失敗 原因解明し次こそ成功を 

 2回連続の打ち上げ失敗は残念だ。民間主導の宇宙開発への厳しい現実が突き付けられた。原因を解明し、次への挑戦の糧にしてもらいたい。

 宇宙事業会社スペースワンは、小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げたが、約3分後に飛行を中断し、ロケット自体の判断で機体を自律破壊した。

 3段式のロケットは発射後、1段目の燃焼ガスが出るノズルの動作に異常が発生し機体の姿勢が乱れた。安全飛行のために設定した範囲を外れ、自律破壊に至った。

 同社は衛星を低コストで高頻度に宇宙へ運ぶ事業に取り組み、民間単独では国内初となる衛星の軌道投入を目指している。

 3月に打ち上げられた1号機は発射直後に爆発した一方、2号機は約3分間飛行したため前進したとの見方はある。専門家は、1段目エンジンの燃焼が最後まで無事に終わっているとして「一つのハードルを越えた」としている。

 しかし衛星を運ぶという使命を果たせなかった。ノズル駆動の異常の原因などを調べ、次の機体に反映することが不可欠だ。

 近年、通信衛星の増加や安全保障の観点から、世界の衛星打ち上げビジネスは活発化している。

 世界の打ち上げ回数は2023年にロケットは212回と過去最多を更新し、人工衛星などは約2900機で10年前の14倍だ。

 23年にイーロン・マスク氏が率いる企業スペースXを抱える米国は109回、中国は67回、ロシアは19回それぞれ打ち上げたが、日本は2回と後れを取ってきた。

 民間のけん引役としてスペースワンに期待が集まっていた。失敗続きで、20年代に年間20機を打ち上げるとする同社の目標を達成できるかは見通せない。

 国産ロケットを巡るトラブルはカイロスだけではない。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は先月、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンを地上で燃焼させる試験で、爆発を起こした。昨年7月に続き、2回連続で失敗した。

 イプシロンSは部品などを別のロケットと共通化し、打ち上げまでの期間短縮や低コスト化を図り、世界市場で競争力を持てる価格帯を狙う。ただ参入への焦りが失敗を招くようなら本末転倒だ。

 技術力が日本にあることを示すためにも、関係者は失敗に臆することなく腰を据えて技術開発に取り組んでほしい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日報抄・12.23】:「少しずつ運転手も戻ってますけどね。まだ動いてない車が結構ありますよ」。

2024-12-24 06:10:35 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【日報抄・12.23】:「少しずつ運転手も戻ってますけどね。まだ動いてない車が結構ありますよ」。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日報抄・12.23】:「少しずつ運転手も戻ってますけどね。まだ動いてない車が結構ありますよ」。 

 「少しずつ運転手も戻ってますけどね。まだ動いてない車が結構ありますよ」。新潟市内で乗車したタクシーの運転手さんが、業界の話をしてくれた。新型ウイルス禍が尾を引いてドライバーは激減。稼ぎ時の年末を迎えても、稼働できずに「寝ている」車両が少なくないという

 ▼バス会社しかり。医療介護の分野しかり。人材不足がニュースにならない日はない。本紙は先日、酪農家が全国で1万戸を割り、県内でも15年間で6割減ったと報じた。飼料高騰による経営難は切実で、さらに酪農家の半数が離農を考えているというから深刻だ

 ▼教育現場からもショッキングな実態が伝わる。県内小中学校の教員欠員が、過去最多の70人に上っているという。児童生徒の減少により学校の統廃合が相次ぐが、その前に教員の確保が難問として横たわる

 ▼人口の縮小が続く2040年には、暮らしの維持に必要なサービス分野で1100万人もの労働者が不足すると、民間シンクタンクが予測を公表したのは昨年のこと。未来図と今が徐々に重なり合っていく

 ▼うろたえるばかりでは仕方ない。暮らしを維持するためにありったけの知恵を働かせたいけれど、腹をくくる算段も要る。迎える社会を思いきり前向きに夢想してみる

 ▼足りないものを補い合い、協力し合える機運が高まるなら悪くない。一方で、他人に依存しすぎず、自分で考えて対処する力が研ぎ澄まされるかもしれない。障害があっても活躍できる環境が、もっともっと整えばいい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日報抄】  2024年12月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.24】:25年度税制改正 「年収の壁」解消は道半ば

2024-12-24 06:05:50 | 【税制・納税・減税・年収「103万円の壁」・ふるさと納税・物納・脱税・競売】

【社説・12.24】:25年度税制改正 「年収の壁」解消は道半ば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.24】:25年度税制改正 「年収の壁」解消は道半ば

 税制の見直しは暮らしに直結する。より公平、公正な税制を目指し、与野党で責任ある議論を深めてほしい。

 自民、公明両党は2025年度の税制改正大綱を決定した。所得税が生じる「年収103万円の壁」を123万円に引き上げる。

 103万円は基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円の合算で、それぞれ10万円引き上げる。非課税枠の拡大は1995年以来、30年ぶりとなる。

 物価と賃金が上がれば所得税負担は重くなる。現状は実質賃金が増えず、生活は厳しくなる一方だ。この30年間に生活必需品は20%ほど値上がりした。これに見合う非課税枠の拡大は妥当だろう。

 長く据え置かれた非課税枠を拡大し、手取りを増やすのは国民民主党の公約だった。衆院の議席が過半数を割った与党が、補正予算案に賛成してもらうために国民民主の主張を一部受け入れた格好だ。

 最低賃金上昇率を基に178万円への引き上げを求める国民民主と与党の溝は深く、3党の協議は物別れに終わった。国と地方を合わせた税収が年7兆~8兆円減少することがネックとなった。

 それでも大綱には178万円を目指して来年から引き上げることや、いわゆるガソリンの暫定税率廃止に向けた3党幹事長の合意内容を盛り込み、「引き続き、真摯(しんし)に協議を行っていく」と記した。

 政府、与党が予算案や法案を成立させるには野党の賛同が欠かせない。国民民主との協議が再開され、非課税枠が拡大する可能性もある。

 党利党略を絡めたポピュリズム(大衆迎合主義)的な減税で、赤字国債を増発する事態は避けなくてはならない。歳入歳出の両面に目を配った議論を求めたい。

 国民民主の協議参加で、与党の密室で決まっていた税制改正の過程が国民に見えるようになったのは前進だ。さらに透明化を進めてほしい。

 所得税の非課税枠を拡大するだけでは、主婦らの働き控えは解消できない。社会保険料の負担が生じる「106万円の壁」や「130万円の壁」があるためだ。社会保障制度の見直しと一体で検討する必要がある。

 大学生年代の年収の壁は解消する。19~22歳の子を扶養する親の税負担について、子の年収制限を103万円から150万円に引き上げ、これを超えても負担が急増しない仕組みが導入される。

 学費や生活費を稼ぐため、アルバイトをしながら学ぶ大学生には朗報だ。人手不足の緩和にもつながる。

 防衛力強化の財源を確保するための増税は、法人税とたばこ税を対象に26年4月に開始すると決め、所得税は先送りした。

 金融所得が多い富裕層ほど所得税負担率が低くなる「1億円の壁」は手つかずだ。金融所得課税の強化など負担増の議論に踏み込むべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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