路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②・12.21】:経団連新会長 時代が選んだ金融の出身者

2024-12-21 05:00:40 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説②・12.21】:経団連新会長 時代が選んだ金融の出身者

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.21】:経団連新会長 時代が選んだ金融の出身者

 経団連の存在感低下が指摘されて久しい。どのように発信力を高め、日本経済の成長につなげるのか。経済界トップに課せられる責務は重い。 

 経団連は新しい会長に、日本生命保険の筒井義信会長を充てる方針を固めた。歴代会長は製造業出身者がほとんどで、金融機関からは初となる。来年5月の定時総会で正式に就任する見通しだ。

 日本生命は国内を代表する機関投資家で、株主として多くの企業経営をチェックする立場にある。筒井氏は経営のあるべき姿について知見が深い。税財政や社会保障制度、脱炭素分野に明るいことも選ばれた理由なのだろう。

 これまでの経験で培った見識を、経団連から発するメッセージの強化に生かしてもらいたい。

 経団連が会長を選ぶ際には、製造業出身という不文律があった。様々な利害関係を調整して経済界をまとめあげていくには、取引先が多く、社会的影響力が大きい製造業での経験が不可欠と考えられてきたためだ。

 トヨタ自動車や日立製作所、新日本製鉄(現日本製鉄)などの経営者が会長に就いてきたのは、こうした理由がある。

 今回、初めて金融界から選ばれるのは、日本経済が抱える課題の変化を映し出したものだ。

 自動車に代表される製造業が、日本経済を支える中核であることに変わりはない。その上で、ITやエンターテインメントなど非製造業の重要性が高まり、経済の構造改革が課題になっている。

 人件費などの削減で割安な製品を販売する「コストカット型経済」から賃金も投資も増える「成長型経済」への移行も重要だ。貯蓄に偏る個人の資産を投資や消費に回し、株式市場や経済全体をともに発展させていく必要もある。

 筒井氏には、こうした課題の克服に向けた提言づくりの役割が求められる。春闘で賃上げの旗振り役を果たすことも大切だ。

 経団連に加盟する大企業自身の自己改革も問いたい。

 企業の内部留保は2023年度に600兆円を超え、12年連続で過去最大を更新した。積極的な投資や賃上げを怠り、日本経済の 牽引 けんいん 役を十分に果たしていない。これでは改革のメッセージを発したとしても説得力を欠こう。

 日本の名目国内総生産(GDP)が23年にドイツに抜かれて4位に転落したのは、企業の競争力が低下した要因も大きい。日本経済の国際的な存在感を高めるためにも一層の奮起が期待される。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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