路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【小社会・12.20】:水と油

2024-12-20 05:05:40 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【小社会・12.20】:水と油

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小社会】:水と油

 「たっすいがは、いかん」ラガーが、たっすくなったりして? などと軽口をたたいたものだ。2009年にキリンとサントリーの統合協議が判明した時のこと。世界最大級の酒類メーカー誕生と騒がれた。

 だが翌年、この縁談はビールの泡のごとく消える。株の保有割合で折り合わなかったことが表向きの理由だが、社風の違いも大きかったとされる。「やってみなはれ」で進取精神の強いサントリーに対し、良くも悪くも官僚的で有名だったのがキリン。「水と油」と評された。

 ホンダと日産が統合協議を始めたとの報道に、この話を思い出した。共通するのは世界経済を動かすスケール感。そしてもう一つは社風が「水と油」であることだ。

 ホンダは創業者本田宗一郎の精神を受け継ぎ、自由で自立志向が強い。一方、日産は官僚的で、カルロス・ゴーン元会長という強烈な存在がいたためトップダウンも根付く。

 とはいえ、激しい国際競争にシビックだのスカイラインだのと言っていられないのが実情か。キリン・サントリーが「攻め」の統合だったのと違い、今回は経営不振の日産救済策の色も濃い「受け」の統合。ホンダの従業員の不満が早くも聞こえるが、外堀はもう埋まっているのかもしれない。

 本来相いれない水と油も、せっけんを足せば混ざり合うという。せっけんになるのは何だろう。コスト論? 開発速度? 顧客や販売店の存在も忘れないように。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【小社会】  2024年12月20日  05:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。


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