《余録・01.19》:NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場する…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.19》:NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場する…
NHK大河ドラマ「べらぼう」に登場する江戸中期の学者、平賀源内は「エレキテル」の復元や多くの発明に加え、イベント事業にも手腕を発揮した
▲師匠の本草学者、田村藍水とともに薬草の展示会を1757(宝暦7)年、江戸で開いた。62(宝暦12)年の「東都薬品会」はとりわけ規模が大きく、各地から1300種もの植物、動物などを集めた。日本初の本格的な物産博覧会とも評されている
平賀源内が物産展の出品物について解説した書物=平賀源内記念館(香川県さぬき市)蔵、同記念館撮影
2025年大阪・関西万博の会場=大阪市此花区で2025年1月11日、本社ヘリから加古信志撮影
▲開催を巡る是非論争を経ながら、幕開けまで3カ月を切った大阪・関西万博である。費用の膨張が波紋を広げてきたが、直前になっても不安材料は多い。パビリオン建設の遅れに加え、前売り入場券の販売伸び悩みが指摘されている
▲海外パビリオンは、10カ国近くで内装が間に合わないおそれがあるという。入場券の売れ行きは目標の半分程度で、大半は企業の購入とみられる。ムードが高まっているとはいえまい
▲アイデアマンで、ウナギの販売対策に「土用の丑(うし)の日」を発案したとの説まで後年流布した源内である。全国に薬品会のチラシを送って出品を募り、送料の「着払い」のような方式で物品を集めた。開催は国内産の材料で薬を作り、金銀の流出を防ぐ国策にも沿っていた
▲万博協会は開幕後にSNSの口コミ効果で評判が高まることを期待しているという。やはり展示の中身次第であろう。源内ばりの戦略は難しくとも、不測の災害などに備えた危機管理にくれぐれも万全を期してもらいたい、秒読み段階となった万博である。
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