【金口木舌・12.02】:広い世界に出てみよう
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.02】:広い世界に出てみよう
星新一さんの短編小説「ものぐさ太郎」は怠け者の男が主人公。部屋から一歩も出ずに電話だけで社会を動かそうとする。電話で何でもできる時代を太郎は「面白い」と言う
▼スマートフォンがある今は、作品が発表された1970年代より何倍も便利だ。交流サイト(SNS)で多くの情報に触れられ、自ら発信もできる。部屋から出なくても世の中と交われる
▼オーストラリアで16歳未満のSNS使用を禁止する法案が可決した。子どもを有害情報から守ることなどが目的だ。アルバニージー首相は法案提出時に「携帯電話だけでなく対面でコミュニケーションを取ってもらいたい」と述べた
▼SNSは便利な半面、落とし穴も多い。情報が間違っていたり、誰かを傷つけていたり、犯罪に誘い込む内容だってある。何より、小さな画面からは相手の本心や感情を読み取れない。顔と顔を合わせた交流が子どもたちには必要だ
▼部屋の外では広い世界が待っている。地域の行事では近所の人と触れ合え、沖縄の自然や文化からは多くを学べる。SNSから離れて、まずは一歩踏み出してみよう。もちろん大人も一緒に。
元稿:琉球新報社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月02日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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